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米倉涼子「強い女の構想がぶっ壊された」Netflixシリーズ『新聞記者』

2021年11月10日、都内にて「Netflix Festival Japan 2021ライブアクションDay」が行われ、新作情報一挙解禁と共に、作品ごとの豪華エストが一同に集結した。本記事は『新聞記者』から、米倉涼子、綾野剛、藤井道人監督登壇レポート。

舞台挨拶レポート

本作は、日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた映画『新聞記者』を、全6話の一般市民の目線で描かれた新たな物語として始動するNetflixシリーズ。

-本作出演のオファーを受けた時の気持ちは?

米倉涼子(新聞記者・松田杏奈 役)
ストーリーも役柄もチャレンジングなものなのですが、個人的にNetflixの大ファンということもあり前向きにお受けしました。

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米倉涼子

綾野剛(内閣官僚・村上真一 役)
とても信頼している藤井監督からのオファーでしたので断る理由がありませんでした。また、主演が米倉さんと聞いていたので、是非ご一緒したいという思いも持ちました。また、米倉さんの瞳は前々からとても研ぎ澄まされていて、最後にその瞳の中に映る景色がどうなっているのか、この作品を通して一番見たいところでもあり、即決でお受けしました。

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綾野剛

-役作りはいかがでしたか?

米倉涼子
今回は藤井監督と一緒に東京新聞で働く記者さんのところにお伺いして、1日だけだったんですが、いろんなフロアを紹介いただき、実際に記者さんにもお話を伺ったり、どんな立ち位置で、どんな気持ちでお仕事をされているのか取材させていただきました。

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-米倉さんと言えば、失敗しない外科医役や、正義を貫く元弁護士役など、戦うヒロインという印象が強いですが、今回の役柄の魅力についてお聞かせください。

米倉涼子
松田杏奈という新聞記者は一般の人々に寄り添うということが大事で、声なき声を届けるのが記者の仕事だという信念を持っています。特別な力は無いんですが、努力と諦めない気持ちを大切にして、真実を伝えていきたいという強い気持ちも持っています。一見、弱々しく、静かな女性なんですが、想いを伝える信念だけはとても強いキャラクターです。
私は最初、もっと強いキャラクターを作っていこうと思っていましたが、官房長官を攻め立てるシーンを撮った時に、藤井監督が「ちょっと違う」という態度だったんです。
他の取材シーンでも、失敗しない女じゃないですけど、強く強く、そして負けないという態度を表に出して圧力でいこうとしたら、「米倉さん、違うんです。もっと声も小さく静かでいいので」と。なので、その時点で私の構想はすべてぶち壊されました(笑)
でも、新しい役の姿をいただけたなと思って感謝しています。

-先ほど、1日新聞者を取材されたとありましたが、演技にはどのように活かされましたか?

米倉涼子
彼ら(新聞記者)の取材は、とにかくコツコツやられるということと、現場での取材でも二歩、三歩と下がって圧力をかけないように始められる。やっぱりメディアという意味で勘違いされたり、嫌がられてしまう立場でもあることを念頭に置きながらされています。

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-そんな松田記者に追われる官僚の村上という人物について教えてください。

綾野剛
(会場にいる)記者の皆さんの前で記者の話をするのは、とても楽しいですね(笑)
僕の演じた村上は、信じているものが明確過ぎた人。それは真面目が故に、国に対して愛情を持って接するということだけで走っていたような人に思います。
それが、また違う角度の考え方が自分の中に生まれて、見方が変わって、世界が変わっていくのを彼は受け止められるのかということだと思います。

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綾野剛

-その村上をどのように意識して演じられましたか?

綾野剛
僕にとって、ベスト3に入るくらい精神的にキツイ役でした。藤井監督のせいで(笑)ウソです(笑)
役を演じていても、これは自分の気持なのか役の気持ちなのか、自分自身がどうなんだ?って村上から問いかけられている気がしてました。
でも、きっとみんなそうなんだろうなとも思います。

-たしかに観ている側も正直辛くなるところがあるほどでしたので、演じられている側は精神的にくるだろうなとも思いました。

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綾野剛/米倉涼子/藤井道人監督

■「横浜流星くんに託した」

-藤井監督がNetflix版で描きたかったのは、映画版では描かれなかった一般市民の目線であって、それは新聞配達のアルバイトをしながら就活をしている大学生・木下亮(演:横浜流星)となりますが、このキャラクターのポイントは?

藤井道人監督
自分の中では映画版で、『新聞記者』という作品との対峙は一度終わっていました。でも自分を育ててくれたNetflixとスターサンズと改めて一緒に面白いことができないかと考えた時に、映画版を作って感じたことをもっと具体的にキャラクターとして表現したいと思いました。
それはメディアと官邸や、国を守る立場人たちだけの話じゃなくて、それらを遠くの世界に感じている人間たち。その一人として、自分の人生の中に政治というものが無い、新聞配達員の大学生の話を描きたいと思ったんです。そしてその役を横浜流星くんに託しました。

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藤井道人監督

-大学生・木下はこの物語のキーパーソンになりますが、横浜流星さんの演技はいかがでしたか?

藤井道人監督
彼には「木下という役は流星が演じるんだけども、大学時代の自分のことでもあるんだ。なので一緒に役を作っていきたい」と話をしました。結果、彼のベストアクトと言っても過言じゃないくらい素晴らしい演技をしてくれました。
今回はキャストの皆さんが素晴らしい演技をしてくれて、自分の中にはもう悔いはありません。

新聞記者

-確かに素晴らしかったです。

藤井道人監督
プレッシャーがすごすぎて、撮影中、白髪が増えました(笑)

■撮影中エピソード

-米倉さんと綾野さんは初共演と伺ってますが、お互いの印象は?

米倉涼子
カッコいいのはもちろんですが、変わり者だというウワサは聞いていました。確かに変わり者なんでしょうけど、とにかくストイックだなと思いました。今回は身体づくりも頑張って、どんどん病んでいく姿を見て、「頑張ってるなぁ、エライなぁ。私は頑張りが足らないのかなぁ」って思ったりもしました(笑)

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綾野剛
ただただ素敵な人です。その一言に尽きます。米倉さんってほんとに温かいんです。

-撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?物語の内容だけにピリっとしてましたか?

綾野剛
そんなことないですよね。どの現場でもそうだと思いますが、確かに役柄はキツイですが、“綾野剛”は元気なので、撮影もできるし、楽しかったです。

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米倉涼子
私がこれまで知っている撮影現場は「はい、いくよー!!」みたいな声が飛び交っているのが多いんですど、この作品の現場は、淡々と時間通りに進んでいってました。
ただ、面白いくらいに何回もやるんです。それに私、ビックリしちゃって、「何がイケないの?」って聞いても、「ちょっとここが・・・」みたいに、よくわかんないけどもう1回やるみたいな。
私は藤井組は初めてだったので、全員知らない人だったんです。なので毎日ドキドキしながら現場に伺ってました。

新聞記者

-藤井組は変わってると米倉さんがおっしゃっているのを他でも伺いましたが、監督、いかがですか?

藤井道人監督
自分たちはそれが普通だと思ってやってきてたので、ここまで変わってると言われるということは、変わっているんだと思いながらも。でもとても仲良くできた気がしますけどね。米さん。

米倉涼子
そうね。コミュニケーションはたくさん取らせていただきました。

綾野剛
現場はほんとに静かなんですよ。だから米さんを見つけるのが簡単なんですよ。

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米倉涼子
なんで?

綾野剛
米さんの声だけ明るいから、「米さん、あそこにいるな」ってすぐにわかるっていう(笑)

米倉涼子
みんなの声が小さいんです!

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綾野剛/米倉涼子

-何度も撮り直されたという話がありましたが、どういったところにこだわりましたか?

藤井道人監督
キャラクターについては何度も予習はしてきているはずで、それを初めて米さんや剛さんに演じてもらう。ただ、その中で、ひとつでも自分が欲しかったものとちょっと違うと思う時があると、もちろん、日常では「まぁいいや」ってことはよくあるんですけど、撮影現場だと、なにか違うままここで死んだらどうしよう?とか悔いが残ってしまうことや嫌で、米さんにも剛さんにも「もう1回お願いしたいんです」って言って、たくさんご苦労をおかけしたと思いますが、それが結果としてちゃんと絵に残っていると信じています。

-その他に印象に残っている撮影中のエピソードは?

米倉涼子
神楽坂で撮影している時に、私が「村上さんですか?」って聞くところを「松田さんですか?」って、自分の役名を言ってしまって「私じゃん!」みたいなことがありましたね(笑)

綾野剛
そういうのでも面白くなっちゃう現場でしたね(笑)

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■最後にメッセージ

-2022年1月13日から190の国と地域で配信される本作。世界中のファンに向けてメッセージをお願いします。

藤井道人監督
Netflixシリーズ「新聞記者」は、映画版にとらわれることなく、ゼロから素晴らしいキャスト・スタッフによって完成しました。この作品が全世界でどのように観てもらえるのか、とても楽しみにしています。

綾野剛
本作は、映画版のリメイクではなく、リブートという形で生まれ変わった作品です。是非受け止めていただければ幸いです。

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米倉涼子
この作品が、世界の方々に観ていただけると思うと緊張と嬉しさでいっぱいです。私たちが想いを込めて作ったこの作品を是非観ていただきたいと思います。

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■動画レポート(2021/12/9まで)

3時間29分21秒~(頭出しリンク)

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■フォトギャラリー

■全体フォトセッション

11月10日に行われた「Netflixフェスティバル 2021」《DAY2》ライブアクションDAY 全キャスト勢揃いの全体フォトセッション。

[写真:金田一元/記事:桜小路順]

Netflixシリーズ『新聞記者』

INTRODUCTION
日本アカデミー賞作品賞受賞の大ヒット映画が新たな物語として始動!
主演・米倉涼子が挑む、衝撃の問題作
近年の政治事件やスキャンダルに正面から切り込み、タブーに挑戦したといわれる衝撃的な内容とスリリングな展開、スタイリッシュな映像で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得し、大ヒットした映画『新聞記者』。
映画版とは違ったアプローチで、さらに深く、刺激的に現代社会の問題を浮き彫りにしていくNetflixシリーズ「新聞記者」。
本作の主人公、“新聞業界の異端児”と呼ばれる記者・松田杏奈を演じるのは、これまで様々な「闘う女性」を演じてきた米倉涼子。
さらに、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一役を綾野剛、新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮役を横浜流星が演じ、3つの視点から物語が描かれる。
監督を務めるのは映画版に引き続き、藤井道人。
真実を追求し続ける新聞記者が政府が起こした自殺者をも出してしまった公文書改竄事件の真相を追う。
報道側、政権側、市井の人々。それぞれの正義が鬩ぎ合う中、葬られた事件の真相に迫っていくー。

出演:米倉涼子 横浜流星/吉岡秀隆 寺島しのぶ/吹越満 田口トモロヲ 大倉孝二 田中哲司 萩原聖人/柄本時生 土村芳 小野花梨 橋本じゅん でんでん/ユースケ・サンタマリア 佐野史郎/綾野剛
監督:藤井道人
脚本:山田能龍、小寺和久、藤井道人
エグゼクティブプロデューサー:坂本和隆、高橋信一
企画・プロデュース:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子、山本礼二
製作:Netflix
制作プロダクション:スターサンズ

予告編

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2022年1月13日(木) 全世界独占配信

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ティザービジュアル

 

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