横浜流星「フォロワー数がガクっと減ったけど役者冥利に尽きる」『流浪の月』ティーチイン
2022年7月4日、池袋HUMAXシネマズにて、映画『流浪の月』ティーチインが行われ、横浜流星、李相日監督が登壇。李監督がMCとなり、本作撮影時のことを深く掘り下げたほか、ティーチインということで観客からの質問に答えた。
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誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(広瀬)の現在の恋人・亮を演じた横浜。横浜にとっても新しい挑戦となった『流浪の月』を経て変化したことを聞かれると「この作品では、準備期間をたくさんいただいて幸せな環境も与えていただきました。また現場での監督の姿を見て、魂と命をかけて作品や役に向き合わなければいけないとも感じました」と俳優としての発見があったよう。
また亮は更紗を愛するが故に、その愛が暴力へと形を変えていく人物、という所謂“汚れ役”ゆえに李は「ファンの方は大丈夫?」とクランクイン前から心配していたことが明かされると、当の横浜は「恐怖心はありませんでした。(芸能界は)移り変わりが激しいというのは肌で感じていたし、ずっと人気があるなんて保証はない。自分の代わりはいくらでもいるからこそ、本物にならなければいけないと思いました」と覚悟をもって臨んだことをきっぱりと断言。ちなみに本作出演を機に横浜のInstagramのフォロワーは「277万くらのフォロワーがいたけれど274万に減っているんです!」と笑いながら明かすも「でもそれは役者冥利に尽きる。これからも色々な役に挑戦すると思うけれど、それでも応援してくれる人たちを大事にしようと思いました」と噛みしめるように語ると、会場は拍手喝采。横浜は「皆さん温かいんです」と嬉しそうだった。
また観客から「監督や広瀬すずから引き出された点」を聞かれると「つまらない答えでスミマセン。…全てです!」と言いながらも「相手がすずちゃんでなければ、李監督でなければこうはならなかったはず。自分自身もわからない感情になっていたけれど、それをコントロールして導いてくれたのはお二方。周囲からも今まで一番『作品見たよ』という言葉をいただいて。それは自分の力というよりも、お二人の力のお陰です」と感謝を表明。
以前のイベントで亮を演じた横浜には亮と似たような昭和の男的雰囲気を感じたと明かしていた李がは、その真意を尋ねられると「昭和の男とは追い込まれても逃げることをせずに引き受けてしまうイメージがあって。亮が更紗を殴った後に『俺じゃダメなのか…』とつぶやくように言ったときに『ここまで届いたか』と思った。亮の目の光の弱々しさに複雑なものが込められていたので『いいところまで来たぞ!』と感じた」と横浜が辿り着いた新境地を見たと手応えを明かしていた。
また観客から劇中の亮と更紗が対峙するシーンを広瀬との“歌舞伎のようなにらみ合い”と絶賛されるが、当の横浜は「李監督から『感情がグワッと来たら爆発させてもいいよ』と言われたことぐらいしか覚えていません」と苦笑い。李は「ずすには『亮への軽蔑がなければダメだ』と伝えました。一度も亮が見たことのない目を見せなければいけないし、流星君にはそれをスイッチにしなければいけないと伝えました」と当該場面の撮影を回想していた。その広瀬の目の演技について横浜が「波動が来ましたね。更紗の目が悲しくなりました。酷いのは自分(亮)ですが…」と劇中の亮の態度に後悔を漏らすと、李は「つらかったね!」と労い、横浜も「辛かったです…」と撮影時の本音を漏らしていた。
人見知りだという横浜は結婚を目の前にしたカップルの関係を演じた本作を通して、対人関係にも気づきがあった様子。「李監督と焼き肉を食べに行ったときに『相手の心を開かせるためには自分が開かないとダメだ』と言われて、ホントその通りだなと監督の言葉が胸にズシンときて。撮影中は自分なりに頑張ったつもりです」としみじみ。これに李は「最初の頃は演出をしているというよりも、流星君をカウンセリングしているような気分だった」とイジって会場を笑わせた。
思いのたけを語り切った形の横浜は最後に「本当に反響の多い作品で、自分の中での挑戦でもあり、この作品が公開されたことによって自分にとっての一つの転換期になったとも思っています」と思い入れたっぷり。李も「とても誠実な人であり、これからまだまだ駆け上っていく俳優でもあるので、温かくも厳しい目で見守ってあげてください」と観客に向かって横浜へのエールを放っていた。
[写真・動画:三平准太郎]
映画『流浪の月』
INTRODUCTION
実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1 位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。
10歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。
また、事件から15年後に文と再会してしまう更紗の現在の恋人・亮を横浜流星が、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じることも発表されている。
恋愛、友情、家族愛……そんな既存の言葉では括れない、限りなく稀有な2人の関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた『悪人』『怒り』などの李相日(リ・サンイル)監督。
また、『パラサイト 半地下の家族』『バーニング』『哭声/コクソン』『母なる証明』など、韓国映画史に残る作品を次々手がけてきた撮影監督・ホン・ギョンピョ、『キル・ビル Vol.1』『ヘイトフル・エイト』『フラガール』『悪人』『三度目の殺人』など、世界を股にかけて活躍する美術監督・種田陽平ら、国境を越えた才能が集結した。
いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負ったまま、誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えて生きてきた2人。15年後に再会した2人が選んだ道とはーー?
第一線を走る俳優陣とスタッフが集結して作り上げる2022年必見の1本。
STORY
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。
それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて…
原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子 / 趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜 内田也哉子 / 柄本明
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
(C)2022「流浪の月」製作委員会
公式サイト:gaga.ne.jp/rurounotsuki/
公式Twitter:@rurounotsuki
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