私の恋人 beyond

【インタビュー】テーマパークで覚醒した「のん」の社交性!?舞台「私の恋人beyond」

2022年6月30日より、本多劇場(東京)にて、渡辺えり、のん、小日向文世らが出演する舞台「私の恋人beyond」が開幕する。本舞台は、2019年上演の「私の恋人」をバージョンアップして再演するもので、歌、踊りを交え、3人30役を演じる。そんな舞台の魅力について、のんに話を聞いた。

のん インタビュー:ビデオメッセージ&撮り下ろしフォト

私の恋人 beyond

のん

■「えりちゃん、これは再演した方がいいよ」

-「私の恋人 beyond」として再演することになったのは?

のん
えりさんからのお声がけなんですが、前回公演の時から小日向さんが「えりちゃん、これは再演した方がいいよ」っておっしゃってて、それが実現する形となりました。

-どのあたりが“beyond”なのでしょうか?

のん
3人30役という点は前回と同じですが、オープニングの演出が変わったり、曲が増えたりしています。
また、本読みの時に、ひとつひとつのセリフの深い意味について、小日向さんがえりさんに再確認されていて、それを通してより深く作品のことが理解できるようになりましたし、同じ役・同じセリフでもアプローチが変わっているシーンもあって、観ているお客さんにもよりわかりやすく伝わればと思います。

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■音楽ライブと演劇の違い

-前回の「私の恋人」はのんさんにとって舞台初主演でしたが、あれからいくつかの舞台作品をご経験されて、なにか変わった点はありますか?

のん
集中力がとても良くなりました。舞台での演技の集中の仕方を学べたからだと思います。舞台は映像作品とは違う身体的な瞬発能力が必要で、それはやっぱりいちばん後ろのお客さんにも届けないといけないからです。

-同じ舞台でも、音楽ライブと演劇とはどう違いますか?

のん
まるっきり違います。音楽ライブはがそこに立って“自分自身”の気持ちをお客さんに向けてショーアップし、ハコの空気感を作ります。“のん”という人が歌を歌っていて、それにノッてくれる人たちと一緒に想いを共有している感じで、「今、みんなと同じ気持ちになれた!」という瞬間が音楽ライブで感じられる気持ち良さです。
一方、舞台だと、それが音楽劇であっても、曲自体の展開がぜんぜん違うし、役の気持ちやストーリーの流れが歌詞になって音楽に乗せているので、使っている感情がまた違うんです。舞台の方はストーリーとそのテーマに沿って「こんなのはどうでしょうか?」と訴えかけている感じです。
それによってのお客さんの反応は、その日の自分の体調や、お客さんの層などによって、公演ごとに違いますし、毎公演、「今日はどうだろう?」という楽しみと不安の両方の気持ちがあります。

私の恋人 beyond

-体調管理で気をつけていることはありますか?

のん
インスタントラーメンとか食べると体調を崩しちゃうから、お野菜をちゃんといただくとか基本的なことです。ちゃんとご飯を食べてから稽古に臨むようにしています。
あとは、身体を冷やさないことと、ストレッチもちゃんとルーティンを組んでやるようにしています。これは舞台をやるようになってから始めたことで、そうすることで毎公演のコンディションをちゃんと維持できるんだなと実感しました。アスリートの方もルーティンを作られますが、「こういうことか」というのがわかった感じです。
もうひとつは、本番直前に6分の仮眠を取ることです。

-6分という時間は?

のん
それ以上だと寝入っちゃうからです(笑)でも5分だと短いので、まぁ、7分までならOKかな。
7分までで仮眠すると、思考がスッキリして集中できるんです。

私の恋人 beyond

■自分勝手な自分を許容できるようになった

-映画『Ribbon』を監督されたことによって、今回の舞台もそうですが、役者として変わったことはありますか?

のん
役者の経験しかなかった時は、監督や演出家が何を表現したいのかということに意識が集中するところがあって、その感覚には怖いところもありました。「監督、満足してないのかな?」「私の演技ダメだったのかな?」と、すごいネガティブな方でハラハラしていたんです。で、意味もなく落ち込んじゃったりして。
そういう変に思い悩むことは、(監督を経験してからは)なくなった気がします。
たとえば、前回公演の時は、「えりさんが納得いってるかな?」ってすごい過敏になっていて、勝手に自分で縮こまっていた気がします。
でも、今、3年ごしに、えりさんが当時の公演映像を見ながら「ここは綺麗なシーンだよ」って褒めてくれるわけです。それを聞いて、「いいって思ってくれてたんだ!?」って目からウロコでした(笑)
もちろん、ここはもう少しこうしてほしいという要求もあったんですけど、私のことをすごく良い役者だと思ってくれてるんだなっていうことにちゃんと気づけた気がします。それは、自分が作り手を経験したからだと思います。
また、監督として自分の作品の中で、その役を実現してくれる人のありがたみを実感することができましたから、そういう褒め言葉も素直に受け取れるようになりました。監督を経験したことで自分のマインドが変わって素直になりました(笑)
それまではちょっと穿った見方をしていたんです。監督って一筋縄ではいかない人が多いから「闘ってやる!負けないぞ!」みたいな感じだったんです(笑)まぁ、いわゆる尖っていたってことですね(笑)その時から比べたらほんとに素直になりました。

-同じ作り手同士ですしね。

のん
そうですね。感謝の気持ちもありますし、社交的にもなった気がします。

私の恋人 beyond

-社交的にも?

のん
ずっと前の話になりますが、まだ10代の時、上京したての頃びっくりしたのは、「可愛い」っていうのを人に対してもみんなすごい気軽に言うこと。地元では友だちにあんまり「可愛い」って言わなかったし、逆にディスりあって、それがおもろい!みたいなノリで仲良くなるところがあったので。
でも東京では「可愛い」って言い合ってて、それがウソかマコトかはわからないけど、めっちゃいいなって思ったんです。思ってなくても「可愛い」って言うのが素晴らしいなって思って。私も「可愛い」って言われたいから。

-のんさんでもそう思われるんですね。

のん
可愛いって言われたいですね。かっこいいの方が嬉しいけど。

-今なら地元に帰ったらいかがですか?たとえば妹さんとかには?

のん
地元では恥ずかしくて言えないな。妹にも言わない(笑)
でも、東京に来て、いい文化だなと思いました。

-それに気づかれるまではけっこうなエネルギーで生きていらっしゃったってことですか。

のん
そう(笑) だから、ひとつひとつの発言の度に、正しい答えはなんだ?って考え込んで導き出すことをしていたので、すごい間があったりしてました(笑)
そんなに優等生の答えを出せるわけじゃないから、別にいいんだなって思えるようになりました。監督をやると特に。
監督って自分勝手だから、自分勝手な自分を許容できるようになりました。そう考えると、“人間”としては役者には活かされています。現場が楽になりました。

私の恋人 beyond

■テーマパークで覚醒した「のん」の社交性

-それは大きいですね。

のん
大きいです!
自分が社交的になってきたなというのは、先月行った(超メジャーな)テーマパークでも感じました。
そこにはお仕事では行ったことがありましたけど、生まれて初めてプライベートで、しかも泊りがけで2日間行ったら、ほんとうに楽しくて、知らない人とも記念写真を撮ったんですよ!
ゴンドラのアトラクションでは、すれ違った船には「チャオ!」って言うことになっているので、その度に「チャオ~!!」ってすごいテンションが上って言ってたんです。
でも、「チャオ」って言うには少し遠いかなというゴンドラに対して躊躇していたら、同じゴンドラに乘っていたおばさまたちが先陣を切って「チャオ!」って言ってくれたので、「ありがとうございます!私たちも言いたかったんですよ」って、“チャオの絆”ができたり(笑)
また、最初、私たちのハイテンションぶりにちょっと引いていた二人組の女の子ともだんだん仲良くなれて、「私たち“チャオサー(クル)”ですね」って言ってくれるようになったり。
そうしたら、陽が落ちてからまた、その二人組の女の子と再会したんです。ちょうど私たちが記念写真を撮っていた時だったので、「入って入って!」って声をかけて。私はもともと人見知りで社交性ゼロでそんなことを言うキャラじゃないのに(笑)
で、一緒に撮った写真をAirDropで送ってあげました。
そのテーマパークで私は社交性に目覚めました(笑)

-(笑)

のん
だから、そのテーマパークに行ってから、今回の「私の恋人」の再演に臨めたのは私にとってとても大きいです。もうほんとに行って良かった!!こんなに社交性を持って舞台に臨めたことはなかったので。なので今はとっても楽です!

私の恋人 beyond

■最後にメッセージ

-では最後に舞台「私の恋人beyond」を楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。

のん
「私の恋人beyond」ということで、初演から変わったところもあります。オープニングのシーンはまるっきり違うやりとりになっていますし、曲がひとつ増えています。
さらに、前回は歌っていなかった小日向さんの歌があって、ガッツリ歌っております。
そして、私の演じる猫のタマの曲があるんですけど、その時の振りも一新されてますので、また違った舞台になっているかと思います。
観たことのある方も初めて観る方にもいろんなものを受け取ってもらえる舞台になっていると思いますので、ぜひぜひお楽しみに!
皆さん、ぜひ劇場に観に来てください!

私の恋人 beyond

■のん ビデオメッセージ

ビデオメッセージでは、「私の恋人beyond」地方公演についての想いも語っていただいてます!
また、オープニングカットは、のんさんをフォトシューティングした場合の雰囲気を再現してみました。

YouTube player

■撮り下ろしフォトギャラリー

[インタビュー:安田寧子/動画・写真・記事:三平准太郎/動画:金田一元]


撮影データ:Nikon Z9(スチール、動画)、Nikon Z6II(動画)、ZHIYUN WEEBILL S(ジンバル)、Amaran 200x、RODE Wireless GO II、Phottix Raja Quick-Folding Softbox 105cm ほか

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オフィス3〇〇『私の恋人beyond』

出演:渡辺えり のん 小日向文世
松井夢 坂梨磨弥 関根麻帆 山田美波

会場:本多劇場(東京都世田谷区北沢2丁目10-15)
公演スケジュール:2022年6月30日(木)~2022年7月10日(日)
※地方公演あり(愛知、青森、岩手、北海道)

演奏:三枝伸太郎
原作:上田岳弘『私の恋人』(新潮社)芥川賞受賞作家
美術:長田佳代子
音楽:三枝伸太郎
照明:宮野和夫
音響:藤森直樹(SoundBusters)
ヘアメイク:馮啓孝
歌唱指導:深沢敦
振付:松井夢
衣装:優花製作/原田夏おる/河合美奈子
オブジェ製作:原田夏おる
演出助手:坂本聖子
舞台監督:榎太郎
スタンドイン:里仲景
宣伝美術:norimori
編集:今井浩一
舞台写真/宣伝映像編集:市川唯人
ツアーマネージャー:村尾則章(トップシーン)
制作:三國谷花
票券:吉乃ルナ
当日運営:宮野風紗音
制作協力:常盤美妃/渋井千佳子/及川晴日
「私の恋人beyond」特設サイト:http://office300.co.jp/watashinokoibitobeyond.html

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