さかなクン、キャラ崩壊の発言で和む一幕も。のん×井川遥×磯村勇斗×岡山天音 映画『さかなのこ』公開記念舞台挨拶
2022年9月3日、TOHOシネマズ六本木にて、映画『さかなのこ』公開記念舞台挨拶が行われ、主演・のん、井川遥、磯村勇斗、岡山天音、さかなクン、沖田修一監督が登壇。改めて自身が演じたキャラクターについて想いを語ると共に、さかなクンからキャストへのサプライズプレゼントが贈呈される一幕があった。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
動画概要欄には見どころ一発ジャンプのチャプタータイムを記載しています。
■フォトレポート
▼最初のあいさつ
のん(ミー坊 役)
皆さん、今日はお越しくださってありがとうございます。今日はちょっとお魚を意識した衣裳を着てきました。
井川遥(ミチコ 役)
のんちゃんのミー坊が素晴らしくてキラキラしていて、監督のお人柄が本当に優しくてきれいな心がそのまま映画に詰まった作品だと思います。
磯村勇斗(総長 役)
無事公開を迎えまして、そして今日はこうやって舞台挨拶にたくさんの方に集まっていただきまして、本当にありがとうございます。
今日は海の苔をイメージしてきました。よろしくお願いします。
岡山天音(籾山 役)
僕自身、この作品を試写で見させていただいて、自分も参加している作品なんですけど、お客さんのような気持ちになり、とても大好きな作品に参加できて本当に嬉しく思います。僕も今日はお魚を意識した衣装を着てきたんですけど、劇中で(魚を)踏んづけてしまってすみませんでした。
さかなクン(ギョギョおじさん 役)
こんにちは!『さかなのこ』がいよいよ上映されて嬉しい!もうめちゃくちゃ感激しております。そもそも映画『さかなのこ』のお話を沖田監督様から頂戴いたしましたのが、ギョ(5)年前。もう本当にギョ年の歳月がこんなに早いんだっていう、とても嬉しく思っております。
沖田修一監督
今日はこのみんなで皆さんの前に立って挨拶出来るのをとても嬉しく思っています。
-監督の胸元のカラフルなコサージュは『さかなのこ』カラーですね。
沖田修一監督
はい。ハコフグカラーになってますが、館山の上映時にさかなクンのお母様が作ってくださいました。
▼笑わずにはいられない不良たちのシーン
-岡山さんが演じられている「カミソリ籾」というかなりクセが強めなヤンキーキャラクターが人気です。この独特のキャラクターはどうやって作っていったんですか。
岡山天音
衣裳合わせに行ったらアレが用意されていたので(笑)時代背景もあってああいう衣裳なんだと思いますが、なかなか着る機会のないもので、ビジュアルからインパクトあります。多分そのままやっても面白いと思うんですけど、いざ着てみるとそのままやるわけにはいかないような気持ちになって、何かちょっとクセのある感じになっちゃいました。
「寒くない?」という意見が届いているようですが、撮影時は時期的に暑かったんで、カメラ回ってない時は学ラン脱いで網の状態でいるのがちょうど良かったんです。
-カミソリ籾として意識されたことは?
岡山天音
カミソリの出し方をすごい練習しました。胸元を見ないでカミソリを早く出すというのが難しくて。衣裳さんに相談しながら、カミソリの仕込み位置を調整したりして取り組みました。
-磯村さん演じる“総長”も人気キャラクターです。先日の完成報告イベントの際に磯村さんが「愛すべきおバカさんたち」とおっしゃっていましたけれども、その愛すべきキャラクターがたくさんいるこの沖田組どんな特徴がありましたか?
磯村勇斗
岡山さんもそうですけど、不良たち全員がとても楽しんで演じていて、あの空間がすごく楽しかったです。沖田監督もいつもニコニコして演出もしてくださいましたし、僕たちみんなも沖田さんを笑顔にさせたいという気持ちにもなって。
沖田修一監督
不良たちのシーンは笑わずにはいられないですよね(笑)
磯村勇斗
(沖田監督の人柄があって)現場はとても和やかでしたし、監督の映画愛も現場全体に伝わっていました。役者として参加させていただいてとても楽しかったです。
-そして、井川さんが演じられたミー坊のお母さんのミチコさん。誰が何と言おうと我が子を応援して肯定し続けるという姿に、映画を見た方々から「こういう母親でありたい」という意見が多く届いています。井川さんはどういったことを感じられてミチコさん演じられてましたか。
井川遥
私もこういう母になりたいと思いながら演じていました。というのもやっぱり子育てって、子どもの将来を案ずるがあまり先回りして、これはやったら危ないとか、そっちの方がいいんじゃないのって、自分の経験値で、どうしても予防線を張ってしまいがちだと思うんですよね。なので、肯定してあげつつ見守るというのは、育児しているとなかなかできないところです。それができるミチコさんは本当に温かいし、だからこそさかなクンが好きを追求してこういう風になられたんだと思いますし、ミチコさんは素晴らしいと思います。
-こうしてお話を聞くと、さかなクンさんの本当のお母様は素敵な方ですよね。
沖田修一監督
そうですね。お母様を見ているととても明るい方で、さかなクンがここにいる理由がわかります。
▼のんにとってのミー坊とは?
-のんさんしか演じられないというミー坊が、ついに全国で皆さんにご覧いただいております。改めてになりますが、のんさんにとってこのミー坊とはどんな存在ですか?
のん
私、このお話しいただいた時にさかなクンって老若男女のヒーローだし、ミー坊もめちゃくちゃヒーローでかっこいいなと思ったんです。
好きを追い求めて、好きだからという理由で動く。その原動力にとてもシンパシーを感じました。私も好き!やりたい!っていう力を元に頑張っているので、私は一方的に同志みたいなそんな気持ちです。
-劇中で金魚の絵が出てきます。のんさんは絵を描かれますが、あの金魚の絵ものんさんが描かれたんですよね?
のん
金魚の絵を描いている手は私です。金魚ってあんまり描いたことなかったから、練習のために画像検索したものでデッサンしてたら、同じ種類でも個体によって全然顔が違うことに気づきました。面白かったです。
-今回、潜水にもチャレンジされてます。
のん
はい。全部自力で飛び込んでます。飛び込む練習を潜水用のプールでしたんですが、その時カメラマンの佐々木さんも沖田監督も水着を着てらっしゃって、「あれ一緒に入るんですか?」って言ったら、本当に一緒に潜水プールの中に入ってくれたんです。それが心強くて嬉しかったです。
-監督、そこはやっぱり同じ状況にならなきゃってことですね。
沖田修一監督
そうなんですけどね。全然潜れなかったです。
のん
私はウェイトをつけてたんですけど、監督と佐々木さんは身一つでやってくれたから、ちょっとプカって浮いてて、それが何かキュンとしました。
-丸腰で潜水は難しいってことですかね。のんさんは潜水はお得意だったんですね。
のん
私、潜る方は得意だったんです。水面を泳ぐのはちょっとヘタクソなんですけど、潜るのは得意です。
▼さかなクン、自らキャラ崩壊!?
-さかなクンさん、ご自身の人生がこうして映画になって、事前の試写会でご家族やご友人もご覧になったんですよね?
さかなクン
はい。(幼なじみの)ヒヨ(劇中では柳楽優弥が演じる)も呼ばせていただきまして、とても喜んでいました。
-(劇中ではドランクドラゴン・鈴木拓が演じる)鈴木先生も来られたんですよね?
さかなクン
はい、映画にも出てくる、ヒヨ、鈴木先生、母、みんなとても感動してました。
-どんなことをおっしゃってましたか?
さかなクン
映画になってすギョいことだねって。友だちは今でも(僕のことを)ミー坊って呼んでくれるので、「ミー坊すげえじゃん!」って。
僕もいまだにこれは現実なのかって、何か夢のような感じでフワフワしてます。
-なるほど。劇中で、ギョギョおじさんはハコフグ帽を取られるじゃないですか。それについて、ご家族ご友人、どんな感想でした?
さかなクン
「普段どおりになったね」って。あっ、普段って・・・あ、ギョめんなさい(笑)
あのシーンは監督もすギョく気を使っていただいて。
沖田修一監督
見ちゃいけないような気もして(笑)
さかなクン
(素の頭を)見ても石になるわけでもなんでもないんですけど(笑)
-ほんとに貴重な瞬間が収められた作品となっていますね。
▼悪人がひとりも出ない映画
-悪い人がひとりも出て来ない本作。『南極料理人』や『横道世之介』にも共通するところかなと思われますが、あらためて『さかなのこ』を撮られた想いはどこにありますか?
沖田修一監督
悪い人を出さないって思って作ってはいないんですけど、でもさかなクンさんの人生をモデルに映画を作るということは、もしかしたらそういうものは必要なかったのかもしれません。身の回りにいる、僕らもよく知る人たちの映画を作りたいなと思って作ったので、あまりわかりやすい悪人というのは出てこないのかもしれないです。
-磯村さんもおっしゃってましたが、ヤンキーたちもヤンキーかぶれみたいなね。
磯村勇斗
そうです。怖くなり過ぎない、凶悪じゃないよっていうのは監督とも話したりしました。
沖田修一監督
ヤンキーたちのケンカも一歩引いてみたら平和で幸せにしか見えなくて。
-不良たちを演じられた皆さんもそういう心がけでやられていたんですか?
岡山天音
最初の本読みの時は、某不良映画みたいなイメージがありましたよね?
沖田修一監督
ありました(笑)
岡山天音
あと、そのシーンに使おうと思っている音楽に近いイメージの音楽を鳴らしてくれてましたよね。「やっていることはケンカだけど、この曲のイメージです」って。とても可愛らしい曲でした。
沖田修一監督
この映画の音楽を担当してくれたパスカルズのまた別の曲でした。
岡山天音
そうだったんですね。でもそのおかげで、このシーンを撮るのが楽しみになってワクワクする気持ちに一気になりました。
▼それぞれの推しキャラは?
岡山天音
スクリーンの画像の中にはいないんですけど、(不良グループのひとり)青鬼です。セリフはひとことも無いんですけど、演じられている三河悠冴くんが本読みに来ていたので、監督が「あれ?今日なんで来てんの?」っておっしゃってて(笑)
でも彼の役はナイフさばきがかっこよくて、本人はすごく練習したそうなんです。この映画に登場するキャラクターはセリフがなくても、みんなそれぞれ魅力的で愛着が湧きますし、そこはやっぱり沖田監督の作品だなって思います。
沖田修一監督
青鬼の三河くんは最後のシーンの本番で急に長セリフを語りだしたんですよ。
磯村勇斗
あぁ、あった!あった!アドリブでありましたね。ずっとセリフが無かったんで、こんな声だったんだ?って戸惑ったり(笑)
-アドリブだったんですね?
沖田修一監督
はい。本編には入ってませんでど(笑)
-磯村さんの推しキャラは?
磯村勇斗
僕はミー坊のお父さんのジロウさんが大好きです。演じられた三宅弘城さんが大好きというのがあるんですけど、お父さんがタコを地面にバシバシ叩きつけるシーンは本当に大笑いしましたね。あれで締めるというか、あれを三宅さんがやってるっていうのが僕はとても大好きです。
-監督は三宅さんにはどうお伝えになったんですか?
沖田修一監督
この映画の唯一の暴力シーンだって(笑)
美味しく食べるためではありますけども。
-井川さんはいかがですか?
井川遥
あの三宅さんとのシーンは、本当に中の味噌がグロテスクだったんですよね。他のことはとても柔らかいのに、あそこだけは美術部のすごい真剣な本気を感じました(笑)
キャラクターとしては、私は総長が好きです。あんなにやたら声がおっきいのに、なんかハートはそんなに大きくないみたいな感じがこの映画らしい温かい不良だなと思って。一人で初号を見ながらセリフを言われる度にくすくす笑ってました。
-のんさんはいかがですか?
のん
考えてみたんですけど、本当に難しくてちょっとズルしちゃうんですけど、“箱推し”(キャラクター全員を推すこと)したいです!
キャストの方が決まった時も「めっちゃ幸せじゃん!」って思いまいたし、撮影の時も皆さんと演技する毎日がとても楽しかったです。完成した映画を見終わった後も、全シーンが幸せだったなって感じたので、私は箱推しします!
-皆さんの推しキャラ聞いて、さかなクンさんはどうですか?
さかなクン
私もハコフグ推し・・・、いや、箱推しですね。全ての皆様がスギョいキャラクターで、本当にお魚の多様性と同じですね。
▼さかなクンからのんへ、ハコフグ帽のプレゼント!
さかなクン
私のハコフグ帽は、学帽バージョンで角ばっているんですが、のん様ミー坊バージョンは角が丸くなっています。
のん
嬉しい!ありがとうございます!
さかなクン
ミー坊だ!ミー坊が帰ってきた!
のん
これ、いつでも被っていいんですか?
さかなクンが知らないところでも被ってもいいんですか?
さかなクン
いつでも!バンバンお願いします!
のん
ありがとうございます!
▼サプライズで登壇者全員にさかなクンから特大イラストプレゼント!
ここで、この日朝からさかなクンが登壇者全員をイメージして描いたおさかなイラストが、サプライズプレゼントされた。
のん=一等鯛
のん
さかなクンが私をおさかなに例えたら“一等鯛”って言ってくださってたんです。撮影の時も一等鯛ちゃんが登場してました。
さかなクン
のん様ミー坊ちゃんが剥製に囲まれているシーンで、頭の左上あたりにいるのが一等鯛ちゃんです。あと、一人暮らしを始めた時に最初に出てくるのも一等鯛ちゃんです。
一等鯛ちゃんは、リス魚とも呼ばれ、リスみたいな可愛らしい顔をしています。
井川遥=マンボウ
井川遥
マンボウは水族館の中で一番好きかもしれないです。
さかなクン
ミー坊をこれだけ暖かく見守ってくださるっていうのは、おおらかなマンボウちゃんだなと思いました。
マンボウは海の中で、さまざまな魚の病気を治してくれると言われています。身体の表面から抗生物質みたいなものを出して、それを知っている小魚ちゃんたちは、身体を治してってこすりつけるんだそうです。それで身体がきれいに治っちゃうという。マンボウはドクターフィッシュとも言われます。
井川遥
すごい!ありがとうございます。
磯村勇斗=クエ
磯村勇斗
クエは磯の王者だとか?
さかなクン
はい。クエちゃんは勇ましくてかっこいいですよね。日本の磯に暮らす魚の中では、一番大きくなります。1メートル20cm、ギョ(5)十キロ。
磯村勇斗
クエにふさわしい男になりたいと思います。磯村なんでがんばります。
岡山天音=ブリモドキ
さかなクン
カミソリ魚っていう魚もいるんですが、とても小さいんですね。なので、総長を誘導する役目ということでブリモドキちゃんにしました。ジンベエザメとかでっかい魚に、こっちだよって誘導する魚です。通称、パイロットフィッシュって言われます。
磯村勇斗
(岡山さんに)付いていきます!
岡山天音
ありがとうございます!嬉しいです!
沖田修一監督=ショウキハゼ
さかなクン
監督はとても優しくて可愛いお顔されているので、ショウキハゼちゃんです。ショウキハゼちゃんはおヒゲをはやしているんですが、監督も撮影中、だんだんとヒゲが伸びてらして、ショウキハゼちゃんとそっくりだなって思いました。
▼最後にメッセージ
のん
この映画は、観た人全員が多幸感を感じる幸せな映画だと思います。みんなが“好き”を持ってると思うので、ミー坊を見て自分の好きを大事にしてください。あなたの映画になりますように!ギョギョギョ!ありがとうございます!
■おまけ動画
ミー坊とミチコ母のシーン再現?井川遥、のん のヘアメイク気遣い編(50秒)
■フォトギャラリー
[記事・動画:三平准太郎/写真:金田一元]
映画『さかなのこ』
ふつうってなに?
どんなときも大好きなお魚だけを追い続けた子は、いつしか“さかなクン”になっていました。
まっすぐな主人公の、出会いとお魚に満ちた人生をユーモアいっぱいに描く、のん主演、沖田修一監督最新作。
INTRODUCTION
日本中の誰もが知るあの“さかなクン”の半生を、主演・のん×監督・沖田修一がユーモアたっぷりに描く、沖田作品の集大成とも言える映画『さかなのこ』が、この夏ギョギョッと誕生!
原作はさかなクン初の自叙伝「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)。子供の頃からお魚が大好きだったさかなクンが、たくさんの出会いの中でやがて“さかなクン”になるまでを描いた原作を、劇作家や映画監督でもある前田司郎が、フィクションも織り交ぜながら沖田監督と共にシナリオとして大胆にアレンジ。前田司郎と沖田監督は『横道世之介』以来のタッグとなる。主演をつとめるのは、のん。子供のように天真爛漫で好きなことに一直線、周囲の人間をいつのまにか幸せにする不思議な魅力にあふれた主人公“ミー坊”を、性別の垣根を越え生命力いっぱいに演じている。本作は2022年夏に公開となる。
STORY
ミー坊は、好きなことを、思う存分、本気でやりなさい。
お魚が大好きな小学生“ミー坊”は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。お魚を、毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、母親はそんなミー坊を温かく見守り、心配するよりもむしろその背中を押し続けるのだった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、町の不良ともなぜか仲良し、まるで何かの主人公のようにいつの間にか中心にいる。やがて1人暮らしを始めたミー坊は、思いがけない出会いや再会の中で、たくさんの人に愛されながら、ミー坊だけが進むことのできるただ一つの道にまっすぐに飛び込んで行くーー。
主演:のん
出演:柳楽優弥 夏帆 磯村勇斗 岡山天音 三宅弘城 井川 遥
原作:さかなクン「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)
監督・脚本:沖田修一
脚本:前田司郎
製作:『さかなのこ』製作委員会
制作・配給:東京テアトル
宣伝:ヨアケ
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
公式サイト:sakananoko.jp
公式Twitter:@sakananoko_jp
本予告
9月1日(木)よりTOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー
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