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私の恋人beyond

【ゲネプロダイジェスト動画】3年ぶりバージョンアップして開幕。小日向文世×のん×渡辺えり 舞台「私の恋人beyond」

2022年6月30日より、本多劇場(東京)にて、小日向文世、のん、渡辺えりが出演する舞台「私の恋人beyond」が上演されている。本記事では前日の29日に行われたゲネプロより、ダイジェスト映像をお届けする。

本公演は、2019年8月~9月に同じく小日向文世、のん、渡辺えりの3人で初演された「私の恋人」のバージョンアップ版。
劇作家・演出家・女優の渡辺えりが主宰する「オフィス3○○(さんじゅうまる)」の音楽劇で、上田岳弘の「私の恋人」(新潮社)を原作に、渡辺えりが脚本・演出を担当。なお、原作から大幅に変わった内容について、原作者・上田は快諾している。
変更となった物語設定では、登場人物が多く、渡辺えり自身の念願だった“たくさんの役柄を少人数で演じきる”という手法に挑み、時を超え、性を超え、物理も超えて30の役をたった3人で演じる。
そして、この作品のテーマは「反戦と平和への熱望」。クロマニヨン人が生きていた時代から現代まで、数万年の時をまたいで生まれ変わり、「私の恋人」を探し続ける主人公を軸に、社会風刺や人類愛を通して、どうにもならない社会の矛盾に抵抗しようとする人の心の根っこを描く。

3年ぶり再演となる「私の恋人beyond」は、コロナ禍を踏まえたオープニング演出の変更に加えて、曲の追加や振り付けの変更。そして「お芝居で歌うことの意味がわからない」と言い続けてきた小日向文世が今回はがっつり歌っている。
また、一見難解な物語の進行やセリフのひとつひとつについて、再演にあたって演者自身がより深く再考することで、観る者により伝わるようにしたという。
6月29日に行われた関係者向けのゲネプロでは、初演以上に3人の息の合った、そしてダイナミックになったものを強く感じた。
東京公演は、7月10日(日)まで。なお、7月4日19時回は「のん×渡辺えり アフタートークショー」が行われる(観劇チケット必要)。
以降は、愛知、青森、岩手、北海道と7月31日までかけて地方公演も予定されている。

「私の恋人beyond」ゲネプロダイジェスト映像(5分Ver.)

YouTube player

動画概要欄にシーンチャプターを記載しています。

[写真:横田敦史/動画:三平准太郎]

著名人コメント

●戸田恵子(俳優)
初演を拝見したのはもう3年前でしょうか?えりさんもコヒさんも、まるで新人俳優のように、そりゃもう元気に舞台を駆け回っていて驚きました!逆にのんちゃんの方に落ち着きを感じた記憶です。(笑)
あのハードな舞台を再演されるなんて益々の体力勝負!頭が下がるばかりです。敬服!

●宇梶剛士(俳優)
「私の恋人」を観ていたら軀の中の細胞たちが喋りだし、自分も宇宙の、この星の循環の一部なのだと実感が湧いてくる。生きているのだという思いを抱きながら眠り、目覚める。

●尾美としのり(俳優)
平成30年6月 原作:上田岳弘さん『塔と重力』脚本・演出:渡辺えりさん舞台『肉の海』に参加した。複雑な作品で稽古中から、どんどん精神と身体が追い詰められ体重が8kgも落ち、千秋楽後も燃え尽き症候群なのか何もやる気が起きない日々が続いた…。ある日、令和元年8月に上田さんの小説をベースに、えりさんの戯曲『私の恋人』を演るというではないか!しかも「30人の役柄を3人で演じる音楽劇」!?出演しないのに稽古場を想像すると、動悸がする唇が渇き手汗が酷くなった。恐る恐る観劇に行くと、大好きな3人の俳優が楽しそうに舞台を走り回っている…。なんだか楽しくなって身体から緊張が取れていく、凄く元気を貰った!演るのは大変だけど、観劇って良いな~。

●宮藤官九郎(脚本家・監督・俳優)
のんちゃんと俺の共通点。

ちょっと猫背なところ、腰が引けてるところ、挙動不審なところ。

でも、のんちゃんは自分をしっかり持っていて、そこは俺とぜんぜん違う。 自分のお芝居や歌やギターの音に、いつも責任を持っている。 のんちゃんの猫背は、自分の世界を守るためのファイティングポーズなのかも知れない。 とても素敵だから大切にしてください。 がんばって。えりさんや小日向さんに生気を吸いとられそうになったら、猫背でかわして!

●松尾諭(俳優)
目まぐるしいまでの音と時間と物語を、汗を流しながら駆け回る大先輩お二人に血が沸き、初舞台とは思えない軽やかさで歌い舞うのんさんは、神々しいまでに眩しくて、、、

もっともっと観ていたいと思う最高の時間でした。次も必ず観に行きます。必ずです!

●上田岳弘(原作者)
10万年前、原始時代を生きた「私」が、現代までの転生を繰り返しながらいつか巡り合うはずの理想の恋人を求め続ける、ちょっと変わった恋物語。言葉は便利なもので、そんな無茶な話でも100字たらずで言い表すことができる。

けれどお芝居にするとなったら話はべつだ。しかも主要キャストは3人で1人10役、計30人以上を演じるという。果たしてそんなことは可能なんだろうか? というかそもそもこの話に30人も登場人物いたっけ? と思いながら、本多劇場に初演をみにいった。

そこで繰り広げられるお芝居は、えりさんのオリジナル要素がふんだんに盛り込まれたもので、これは拙著「私の恋人」をもとにしたものなんだろうかと戸惑いつつ(なにせオリジナルキャラの方が多い、キャストが歌い踊る、内容とは関係ないけど劇場で販売されるグッズには「私の恋人饅頭」!まであった)、しかしやっぱり「私の恋人」なのだった。今はまだない、けれどいつか巡り合うかもしれない、「私の恋人」。それはお芝居とか小説で表そうとする、夢、そのものみたいなもので、その日劇場には表現の差異をこえたそれが受肉され、たしかに現れていた。

初演された2019年から、わずか3年とはいえ、いろんなことが起こった。今回の版に付された「ビヨンド」という言葉。そこにはきっと、それらをのりこえていくという意味も含まれてるんだろうと思う。初演と同じ劇場で観劇するのを今から楽しみにしています。

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オフィス3〇〇『私の恋人beyond』

出演:渡辺えり のん 小日向文世
松井夢 坂梨磨弥 関根麻帆 山田美波

会場:本多劇場(東京都世田谷区北沢2丁目10-15)
公演スケジュール:2022年6月30日(木)~2022年7月10日(日)
※地方公演あり(愛知、青森、岩手、北海道)
演奏:三枝伸太郎
原作:上田岳弘『私の恋人』(新潮社)芥川賞受賞作家
美術:長田佳代子
音楽:三枝伸太郎
照明:宮野和夫
音響:藤森直樹(SoundBusters)
ヘアメイク:馮啓孝
歌唱指導:深沢敦
振付:松井夢
衣装:優花
製作/原田夏おる/河合美奈子
オブジェ製作:原田夏おる
演出助手:坂本聖子
舞台監督:榎太郎
スタンドイン:里仲景
宣伝美術:norimori
編集:今井浩一
舞台写真/宣伝映像編集:市川唯人
ツアーマネージャー:村尾則章(トップシーン)
制作:三國谷花
票券:吉乃ルナ
当日運営:宮野風紗音
制作協力:常盤美妃/渋井千佳子/及川晴日
「私の恋人beyond」特設サイト:http://office300.co.jp/watashinokoibitobeyond.html

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