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隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―

大林監督が奇跡の映画と評した『隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―』がリバイバル上映。初公開ドキュメンタリーも併映

故・大林宣彦監督が奇跡の映画と評した『隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―』(2017/柴口勲監督)が、2021年8月14日(土)より池袋シネマ・ロサにて1週間限定で復活する。それに合わせて、劇場初公開となる当時のワークショップ風景を収めた貴重なドキュメンタリー『隣人のゆくえ―ワークショップ日記―』(42分)の併映が決定した。

『隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―』は、2017年初公開後、何度もリバイバル上映されており、シネマ・ロサでは、2018年、2019年に続き、今回で3度目の上映となる。
本作は、柴口勲監督(本業はサラリーマン)が先の大戦の市街地の空襲で焼け落ちて再生した梅光学院(山口県下関市)の写真記録「カンナ炎える夏―下関空襲の記録」(撮影・上河内茂夫)を取り入れるということ以外は白紙状態で、梅光学院の協力を得て、同校から参加を希望した中高生40名とワークショップを1ヶ月間重ね、作品を仕上げていったという経緯を持つ。
年齢的にも思春期真っ盛り、そして中には反抗期真っ盛りの生徒もいて、なかなか監督の思い通りに映画製作が進まない中、出演、作曲、演奏、振付、撮影、録音、照明、他を中高生40名が手がけた77分のミュージカル映画がついに完成する。
それについて柴口勲監督は、「個々(の生徒)が少しずつ優しさを持ち寄り、それが重なり合って完成したのです。」と振り返っている。
今回併映される『隣人のゆくえ―ワークショップ日記―』は、開学140年を刻む校舎の中で、一人のサラリーマンと40名の中高生がどのようにひと夏の青い体験を重ねたのかが記録されている。

なお、本作に出演している吉田玲(撮影当時中2)は、故・大林宣彦監督が惚れ込み、自身の遺作となった『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』(2020年)の主演に抜擢している。
また、大林監督は『隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―』について次のコメントを遺している。

●大林宣彦監督 コメント(当時)
奇跡の映画(『隣人のゆくえ』)と出逢った! 少女らの実年齢に驚きました。一所懸命に、唄を学び、舞踊を練修し、伝えることに励んだ。生きるとは、一所懸命なり! 彼女らの創意と、努力と、一瞬をもおろそかにせぬ一所懸命に、拍手を!彼女らの表現力を以って、この映画は映画たり得た。しかも、奇跡の映画に。

隣人のゆくえ - ワークショップ日記-

『隣人のゆくえ― あの夏の歌声 ―』は「独りのサラリーマンと40名の中高生が創作したミュージカル映画」とあるが本当だろうか?ワークショップから生まれた物語?本当?…本当に中高生が撮影を、録音を、照明を、そして作曲、演奏、振付けをした映画なの?…であれば、いかがわしいサラリーマンといたいけな少女たちはどのようにひと夏の青い体験を重ねたのか?開学140年を刻む校舎の中で。
このワークショップ日記を中高生に記録させたのは、保護者へのお礼になればとの想いからでした。撮影の練習にもなるし、なにより周囲でカメラが回ることに慣れてもらう意味合いがありました。
 
2017年に『隣人のゆくえ』がまさかの劇場公開をされて以降、池袋シネマ・ロサでは毎夏の上映(2020年はコロナ禍で消滅)が続いていて。そんな無謀?を支えている一端が、忘れないでいてくれるファンとの再会だと思っています。なにかお返しができないかなと考えたとき、ワークショップ日記があの夏に誘う切符となりうるのではないかとよぎったのです。
正直、このドキュメンタリーのスッピンの有り様を見せるのは恥ずかしいし、映画館のスクリーンに投影をされるレベルではないのです。ですが、あるがままの42分を届けます。それが皆様にとって、あのいたいけな少女たちとのひと夏の青い体験へ誘う切符になるのだと信じて。そしてまだ見ぬあなたへ届くことを信じて。

監督・柴口勲

映画『隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―』

【作品概要】
下関市の梅光学院の40名の中高生をキャスト・スタッフとした自主映画。オリジナル・ミュージカル 。

【ストーリー】
両親の別れた日、カンナは忘れ物を取りに学校へ戻る。校内の歌声に誘われて着いたのはミュージカル部だった。「夏休みの間私たちのたった一人の観客になって」と頼まれた彼女は迷いつつも部室へと通い、忘れ去られた 下関の歴史に触れてゆくのだった

【出演】(※学年は撮影当時)
正司怜美(高1)、福田麗(高2)、吉田玲(中2)、岡本ゆうか(中2)、江藤心愛(高1)、平島咲良(高1)、他40名の中高生

【スタッフ】
竹内義晶(高1)、上垣内愛佳(高1)、辻佑佳子(高2)、貞金あすか(高2)、西尾彩優里(高2)、古田栞歩(中1)、他40名の中高生

【公式サイト】https://rinjinyukue.wixsite.com/rinjinnoyukue

2021年8月14日(土)〜8月20日(金)(レイトショー ※上映時間未定)@池袋シネマ・ロサ
連日、本編上映後に『隣人のゆくえ―ワークショップ日記―』(42分)を上映

ワークショップ写真

隣人のゆくえ ―あの夏の歌声―

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