若葉竜也「32歳はひっそりと生きます」公開2ヶ月も人気が衰えない映画『街の上で』大ヒット御礼舞台挨拶
2021年6月6日、渋谷シネクイント(渋谷PARCO内)にて、映画『街の上で』の大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、主演の若葉竜也、そして、穂志もえか、今泉力哉監督が登壇。上映開始から2ヶ月経っても衰えない人気についての気持ちを語ったほか、6月10日で32歳の誕生日を迎える若葉竜也へのサプライズもあった。
今泉力哉監督が共同脚本に大橋裕之を迎え、オール下北沢ロケで挑んだオリジナル作品『街の上で』。下北沢の古着屋で働く荒川青のもとに訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常的な出来事、いざ出演することにするまでの流れと出てみたもののそれで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。
舞台挨拶レポート
■上映開始から2ヶ月経ってもじわじわと人気が広がっている
-2019年の夏に撮影されてもうすぐで2年。そして、4月の上映開始からはもう2ヶ月経ってるんですが、こうしてじわじわ広がって上映館数も増えていることについて、若葉さんどんな風に受け止めてますか?
若葉竜也(荒川青 役)
こんなにたくさんのお客さんが来てくれる映画だと思ってなかったので(笑)
今泉力哉監督
おいおい、ちょっと待て!
若葉竜也
(笑)
いやほんと、人知れず終わっていくのかなと思ってたんですけど(笑)
でも正直なところ、予想以上でした。
こんなにも皆さんに受け入れてもらえて、すごく嬉しいです。
-周りの反響の声は聞こえてきてますか?
若葉竜也
あんまり映画を観ない僕の妹も観てくれたりとか、普段映画に接することが少ない人たちの間でも広がってくれていて、それはすごく価値のあることだなと感じました。
穂志もえか(川瀬雪 役)
バイオレンス好きな俳優仲間も本作を観て、「一番面白い映画になった」って言ってくれる方もいて、趣味趣向を変えさせるほどのパワーがあるみたいです。
今泉力哉監督
(上映開始から)2ヶ月経っても、今日もこうやってお客さんが満席になってくれたり、すごく嬉しいですね。
公開してすぐの頃に、東京や関西の映画館で営業休止などもありましたけど、それでもこうやって待ってくれてる人がいたり。
ちなみに今日、2回目以上という方は?
(客席の大半が挙手)
若葉竜也
この上映会も2分で売り切れたらしいですよ。
今泉力哉監督
皆さん、その2分間のうちにチケットを取っていただいたってことですね。すごいありがたいです。
■「今泉さんは監督に向いていない監督」
-若葉さん、『愛がなんだ』『あの頃。』と本作。今泉監督との撮影を振り返って、今泉さんってどんな監督なんですか?
若葉竜也
監督に向いてない監督ですかね(笑)
-どういうところが?
若葉竜也
もう全体的に。ほんと、ダメな人なんで。ここじゃ言えないことがたくさんあるんですけど。
僕も個人的には、自分は人の前に立つことにあんまり向いてないって思ってるタイプで、なので、俳優に向いてない人と、監督に向いてない人がタッグを組んだら意外とお客さんが入ったっていう(笑)
今泉力哉監督
俳優さんと2作品以上にわたって一緒にできることは嬉しいですね。お互いの信頼関係ができたんだなって。
穂志もえか
2作品以上呼んでもらえるという話で言えば、私は『愛がなんだ』も『街の上で』も、正直ぜんぜんうまくできていないと思っていて、なんで呼んでくれるんだろう?とは思っています。
今泉力哉監督
穂志さんと若葉さんのアドリブに任せた結果も狙ってました。
穂志もえか
ラストシーンは、台本にもちゃんと書いてないこと含めて、よくアドリブでできたなって自分でも思います。
■漫画家・大橋裕之との共同脚本
-脚本は、監督と大橋裕之さんとで書かれていますが、笑いといたたまれなさとそのバランスが絶妙だと感じました。大橋さんにはどんなことを相談されたのですか?
今泉力哉監督
大橋さんは漫画家で、10年以上前からの知り合いです。
脚本は、共同で書くのは難しいので、基本的には自分がベースを書いて、それを大橋さんに読んでもらって意見を出してもらうようにしました。
例えば自分だったらコントっぽく感じてやりすぎかなと思うようなシーンでも、大橋さんは「このシーンはぜったい残したほうがいいよ」って言ってくれたり。
また、映画を撮る側の心理としてはどうしても物理的なことを考えて面倒だからやめようと思うことも、漫画家・大橋さんとしてアイディアを提案してくれることもありました
全体的に笑いのシーンが多めになったのは、大橋さんと共同で脚本を書いたっていうのが大きかったと思います。
■「成田凌さんはコミュ力高い」
-穂志さんは、お芝居的に楽しいなって印象に残っているシーンは?
穂志もえか
この作品の撮影は、自分をどんどん追い込んでたんですけど、その中で、成田凌さんがとても自信が溢れる感じで、そしてすごくフレンドリーで、私がどんな状態でも何か話しかけてきてくれるんです。
だから、成田さんと撮ったシーンは緊張もしてたけど、それ以外のおしゃべりもたくさんできたので、それは楽しかったです。成田さんはやっぱりコミュ力高い方です。
今泉力哉監督
若葉竜也を横にして(笑)
若葉竜也
成田凌はやっぱりすごいんですね。
穂志もえか
(笑)
最初は成田さんのことが怖かったんです。売れてる若い俳優さんで、やっぱりそういう人って・・・
若葉竜也
(記事の)見出しを狙ってるだろ?(笑)
穂志もえか
狙ってません(笑)
と、思ってたからこそ、そのギャップの親しみやすさにすごく救われました。
■最後にメッセージ
今泉力哉監督
今は、映画館含めて大変な状況ですが、こうして皆さんが映画館に足を運んでくれることをすごく嬉しく思ってます。
劇場の暗闇で、知らない人同士で一緒に映画を観て、同時に笑い声を共有したりということは、映画館の醍醐味だと思っています。
『街の上で』はまだ続きますけど、他の映画作品も映画館で観てくれたらなと思います。
告知になりますが、10月15日公開予定の『かそけきサンカヨウ』もよろしくおねがいします。
穂志もえか
今、映画はいろいろな配信サービスを通して観られるようになっている中、こうして映画館に来てくださっていることは当に嬉しいことだし、素敵なことだなっていう事を皆さんも感じてらっしゃると思うんです。
映画館で映画を観る時にしか体験できない気持ちもあると思うので、これからも映画館をよろしくお願いします。
『街の上で』も、引き続き口コミなどで広げていってくださったら嬉しいです。
今泉力哉監督
そして、今日はサプライズがあります。若葉さんの誕生日が6月10日ということで、ここでプレゼントをあげたいと思います。
若葉竜也
マジっすか?全然知らなかった!ありがとうございます!
今泉力哉監督
おめでとうございます。おいくつに?
若葉竜也
32歳になります。もうおっさんですね。
-32歳の抱負をお願いします。
若葉竜也
粛々と、週刊誌とかに撮られないように、ひっそりと生きます(笑)
-改めて若葉さん、最後のひとことをお願いします。
若葉竜也
この映画は、劇的なことも何も起きないし、人が死んだり、号泣したりとかっていうシーンもないし、主人公が成長することもありません。
たとえば劇中に、誕生日の誕生日のケーキが出てきますけど、そのケーキを買うために選んでるシーンが絵になってますが、そのケーキを買って、そのケーキが崩れないように持ち帰ってる人、その瞬間が一番その人がピュアな瞬間だったりして、そういう時間の切り取り方を今泉さんがしてくれたし、そういう映画にしたいなと思いました。人がその瞬間瞬間で無意識に人と接して、一生懸命繋がろうとしてるっていう、その積み重ねでできたような映画です。
僕は、32歳になるんですけど、これからも頑張るんでみなさんよろしくお願いします。
■トークノーカット動画
作品についてもっと踏み込んで語られた舞台挨拶のトークノーカット版動画です。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/記事・動画:桜小路順]
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映画『街の上で』
あらすじ
下北沢の古着屋で働いている荒川青(あお)。青は基本的にひとりで行動している。たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり。口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それでなにか変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉 大橋裕之
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚、村上由規乃、遠藤雄斗、上のしおり、カレン、柴崎佳佑、マヒトゥ・ザ・ピーポー (GEZAN)、左近洋一郎(ルノアール兄弟)、小竹原晋、廣瀬祐樹、芹澤興人、春原愛良、未羽、前原瑞樹、タカハシシンノスケ、倉悠貴、岡田和也、 中尾有伽、五頭岳夫、渡辺紘文/成田凌(友情出演)
音楽:入江陽
主題歌:ラッキーオールドサン「街の人」(NEW FOLK / Mastard Records)
製作:遠藤日登思 K.K.リバース 坂本麻衣
プロデューサー:髭野純 諸田創
ラインプロデューサー:鈴木徳至
制作プロダクション:コギトワークス
特別協力:下北沢映画祭実行委員会/下北沢商店連合会
製作幹事:アミューズ
製作・配給:「街の上で」フィルムパートナーズ
(C)「街の上で」フィルムパートナーズ
公式サイト:https://machinouede.com/
予告編
全国公開中
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