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朝が来る

蒔田彩珠・河瀨直美W受賞『朝が来る』第75回毎日映画コンクール表彰式

2月17日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)にて、第75回毎日映画コンクールが開催された。その中から『朝が来る』より女優助演賞・蒔田彩珠まきたあじゅ、監督賞・河瀨直美の受賞スピーチをご紹介。(動画&フォト)

『朝が来る』は、直木賞・本屋大賞受賞作家の辻村深月原作。実の子を授かることが叶わず、特別養子縁組により、男の子を家族に迎えた夫婦(永作博美、井浦新)。中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母(蒔田彩珠)。両者が再び交差したとき、物語は大きなうねりを見せる――。日本ではタブー視されがちなセンセーショナルなテーマを題材にした感動ミステリー。

また、本作はカンヌ国際映画祭【CANNES2020】公式選出の後、米アカデミー賞を占う前哨戦として名高いトロント国際映画祭をはじめ、サン・セバスティアン国際映画祭、釜山国際映画祭で上映。世界での公開地域も増え、北米・アメリカでの配給も決まり、フランス、スペイン、北欧、ブラジル、中国、韓国など、すでに26の国と地域で配給される予定だ。

受賞スピーチ

■受賞スピーチ動画

■女優助演賞・蒔田彩珠『朝が来る』

蒔田彩珠
この度は女優助演賞という素敵な賞をありがとうございます。河瀨監督も賞を受賞されて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
公開が延期された時は、この『朝が来る』という作品が皆さんに届くのか不安に思うこともあったんですけど、こうしてトロフィー賞という形で形に残るもので評価していただけたことが本当に嬉しいです。これからも頑張りたいと思います。ありがとうございました。

蒔田彩珠

蒔田彩珠

-河瀨監督独特の演出はいかがでしたか?一定期間一緒に暮らすということ(役積み)があったそうですが。

蒔田彩珠
やる前は大変だよって聞いていたので、不安に思うこともあったんですけど、実際に撮影が始まってみるとその期間があるのとなかったのでは絶対違ったなと思います。

-あの作品の中は、ドーンと役柄が変化していきますけれど、演じるにあたってご自身の中ではいかがでしたか?

蒔田彩珠
私が頑張る、努力するということはあまりなくて、監督やスタッフさん、キャストの皆さんが私がやりやすいように導いてくれるっていう感じでした。

蒔田彩珠

-目ざす女優としては?

蒔田彩珠
海外の映画を見るのがとても好きなので、海外の女優さんって最後までこの作品のこの人だったんだってわからないことが多くて、それってすごい役者さんとして格好良いことだなと思うので、私もそうなれたら嬉しいなと思います。

-特に好きな女優さんはどなたですか?

蒔田彩珠
アン・ハサウェイさんです。

蒔田彩珠

■監督賞・河瀨直美『朝が来る』

河瀨直美監督
『朝が来る』、昨年やっと公開できた時、この世界的パンデミックの中で行き場を失っている人々がたくさんいるその時代に、この映画を皆さんと共有できたことがとても嬉しかったです。そして今回このような栄えある賞をいただけたこと、本当に光栄です、
私自身の映画作りの経歴で言うと、カンヌを始め外国での賞が多かったんですけれども、国内の賞は初めてとなります。
「毎日映画コンクール」の第1回は1946年。先の第二次世界大戦敗戦国の日本がどんな気持ちでこの国でこれからを生きていけばいいのかなって思っていた人たちの元に、映画を通して明るい光を届けたいって思われた、そういう人たちの結晶なのかなって想像します。自分がまだ生まれる前からそのような志で映画を真ん中において、世界を光で灯そうとした人たちがいるっていう、そういう勇気をいただいた気持ちです。
昨年から全世界的に映画が映画館で上映されることが出来なくなって、今もなおこの『朝が来る』は、日本で公開されているのみで、いつも見てくれているフランスのみんなにもまだ見てもらっていいません。
世界中で上映ができていてもオンライン上映という形を思う時に、やっぱり見ず知らずの、少し大きなことを言いますが、この地球上に暮らす人類として同じ映画を(劇場内の)暗闇の中で見るっていう、こんなに幸せな時間が奪われてしまっています。できるだけ早くまたあの空間を共有し合える、そういう場所を目指して、これからも百年、千年先の人たちにこの映画が届いて、自分の作る映画が届いて、その時本当に大変な状況であったとしても、『朝が来る』の最後に小さな魂が届けてくれた言葉のように、その時代を生きる人たちのもとに、また光を灯すことができたらなっていう、そういう真摯な思いで作り続けていきたいなと思っています。
本当に素晴らしい賞をありがとうございました。

河瀨直美監督

河瀨直美監督

第75回毎日映画コンクール表彰式

佳山明(新人賞)/河瀨直美監督

第75回毎日映画コンクール表彰式

蒔田彩珠/森山未來(男優主演賞)

■フォトギャラリー

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『朝が来る』

STORY
一度は子供を持つことを諦めた栗原夫婦は、特別養子縁組という制度を知り、男の子を迎えいれる。
それから6年、息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。
ところが突然、産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子供を返してほしいんです。それがダメならお金をください」という電話がかかってくる。
当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子供への手紙を託す、心優しい少女だった。
渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。いったい彼女は何者なのか、何が目的なのか。

監督・脚本・撮影:河瀨直美
原作:辻村深月 『朝が来る』(文春文庫)
共同脚本:髙橋泉
出演:永作博美  井浦新  蒔田彩珠  浅田美代子
  佐藤令旺 田中偉登/中島ひろ子 平原テツ 駒井蓮
  山下リオ 森田想/堀内正美 山本浩司 三浦誠己 池津祥子 若葉竜也 青木崇高/利重剛
製作:キノフィルムズ・組画
配給:キノフィルムズ/木下グループ
(C)2020『朝が来る』Film Partners
公式サイト:asagakuru-movie.jp

予告篇

YouTube player

朝が来る

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