白石監督「香取さんとまたやりたいと強く思う」。『凪待ち』2冠 第74回毎日映画コンクール
2月13日、ミューザ川崎シンフォニーホールにて行われた「第74回毎日映画コンクール」より、TSUTAYAプレミアム映画ファン賞 白石和彌監督、男優助演賞(『凪待ち』)、吉澤健(『凪待ち』)の受賞の言葉を写真と共に紹介。また、表彰式後の囲みインタビューのもようも掲載。
オープニングセレモニー
TSUTAYAプレミアム映画ファン賞 日本映画部門 『凪待ち』
白石和彌監督
ファンの皆さんに応援していただいて、ここに立てていることを嬉しく思います。
『凪待ち』は香取慎吾さんと一緒に石巻市や女川町に行って撮影した映画で、人生につまづいた男の再生を描く映画だったんですけど、香取さんの存在無しではできない映画だったと思います。
本作は、キノフィルムズさんがとにかくオリジナルで映画を作ってほしいというオファーがあってのスタートだったので、なかなか現代の日本の映画界でオリジナルで映画を作るのがすごく難しい中、背中を押していただいたことが、この映画がいろんな方に応援していただく力になったと思います。
また今年も映画を作って、たくさんの方に観ていただけるように頑張りたいと思います。今日はありがとうございました。
男優助演賞『凪待ち』
吉澤健
このような賞をジジイになっていただけるとは夢にも思いませんでした。どうもありがとうございました。
表彰式
TSUTAYAプレミアム映画ファン賞 日本映画部門 『凪待ち』白石和彌監督
白石和彌監督
ファンの皆さんの応援でいただけた賞ということでほんとうに嬉しいです。
『凪待ち』は香取慎吾さんと一緒に石巻市で、震災を背景にした人間ドラマなんですけど、香取さんがいなければこの映画はできなかったと思います。
香取さんも主演男優賞でノミネートされていましたが、残念ながらこの場にはいない結果になったんですけど、またいつか香取さんと一緒に映画を作ってこの場に来ることを次の目標に頑張っていきたいと思います。
オリジナル作品でというオファーをくれたキノフィルムズさん、スタッフ、キャストの皆さん、すべての人に感謝いたします。
そしてこの映画をたくさん応援していただいた皆さんに心から感謝いたします。また、ここに戻ってこれるように僕自身も精進しますので、引き続き応援をよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました!
男優助演賞 吉澤健『凪待ち』
吉澤健
多くのスタッフ、キャストの皆さまのおかげをもちまして、助演男優賞を受賞いたしました。まことに光栄に存じます。
被災地で漁業に従事されている皆さん、そして私と同じ世代の皆さんの背中を少しでも押すことになればと思っております。どうもありがとうございました。
生島ヒロシ
73歳。役者人生を振り返られていかがですか?
吉澤健
やっててよかったです。こういう歳での受賞は感慨深いものがあります。
生島ヒロシ
白石監督、今回吉澤さんを起用された理由は?
白石和彌監督
僕の師匠でもある若松孝二監督の60~70年代の作品に、吉澤さんはスター俳優として多く出演されていて、僕が若松監督の助監督に入った時も吉澤さんがいてくれて、僕にとってもスター俳優なんです。それで今回の作品で、是非にとお願いしました。
本作でも、吉澤さんはごく自然に石巻の漁師としてそこにいてくれて、とても心強かったです。
生島ヒロシ
作品では、吉澤さんは、石巻の漁師さんそのままの雰囲気に感じました。
吉澤健
そう言っていただくのが一番嬉しいです。どんな役でも、観た方がそのものだと思ってくれることをいつも頭に置いて演じてますから。
囲みインタビュー
香取さんとはまたやりたいと強く思う
– 香取慎吾さんには、今回の賞についてなにかお話をされましたか?
白石和彌監督
すごい喜んでくださっていて、僕が言ったように、ファンの皆さんの力のおかげであることを噛み締めてくださっていると思います。
– 香取慎吾さんとの共演はいかがでしたか?
吉澤健
私は子どもはいるんですけど、みんな娘なんです。なので、香取さんは息子のようで。それも自然な感じで息子のように思っていました。だから彼とはうまく絡めたと思っていますよ。
– そのお二人をそばで見ていた監督はいかがでしたか?
白石和彌監督
香取さんのお芝居があって、それを受けて吉澤さんがお芝居をして、また吉澤さんが進む方向を香取さんが見てっていう、そのお芝居のアンサンブルな感じが見ていてすごく気持ちよかったです。
もちろん同じ話ではできないですけど、またこのメンバーで映画を撮りたいなって、『凪待ち』の撮影中の時からずっと思っています。
– 香取慎吾さんとのコンビもまたあるかもしれないってことですか?
白石和彌監督
あれほどの方なので、なにかいいネタがあれば一緒にやりたいっていう思いは強いです。
若松監督にちょっとだけ恩返しできた
– 若松監督のお弟子さんである白石監督とお仕事をされるというのはいかがですか?
吉澤健
“縁”というのは不思議ですね。よく言いますよね。人生って“縁”によることが大きいって。
白石和彌監督
吉澤さんがこのトロフィーを持っているお姿を見ていると、どこかで若松監督が喜んでくれてるんじゃないかなって思います。
吉澤健
うん、そうですね。それは言えますね!
白石和彌監督
僕にとってもちょっとだけ恩返しになったかなと思います。
吉澤健
若松さんがあっちに行く前にこういう賞を見せられたらなって思いますね。
– 改めて吉澤さんにとって『凪待ち』はどういった作品になりましたか?
吉澤健
集大成ですね。役者としてもそうなんですけど、自分の人生の集大成のような感じもしていますね。
これから役をやらせていただく場合も、やっぱりドラマの王道、ヒューマンドラマにジイさんの役で出たいですね。
2020年はひと暴れしたい
– 白石監督、次の作品はどういったものになりそうですか?
白石和彌監督
昨年は、『凪待ち』、『ひとよ』と、いつもよりは人間ドラマに寄せていたので、2020年はひと暴れしようかなと思っております。まずは『孤狼の血』の続編で、秋に撮影予定です。この作品も含めて今年は違う感じでいこうかなと思っています。
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