【今泉佑唯インタビュー】初めての映画撮影。“私の居場所はどこだろう?”
映画、舞台へと活躍の場を広げている今泉佑唯。欅坂46卒業後、長編映画デビューとなった『酔うと化け物になる父がつらい』への、役者としての取り組みや、姉妹を演じた松本穂香とのエピソード、また自身の今後の抱負などを語ってもらった。
映画『酔うと化け物になる父がつらい』の原作は、アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイで、3月6日(金)より公開となる。
本作で、父の酒癖に悩む主人公・田所サキを演じるのは、松本穂香。そして父・田所トシフミを渋川清彦が演じる。
重たいテーマの物語の中、今泉佑唯が演じる“田所フミ”は、姉・松本穂香が父に翻弄されて苦しむ中、唯一明るいキャラクターとして、作品に涼風を注ぎ込む重要な役割だ。
今泉佑唯インタビュー:長編映画デビューで思うこと。
■当時の自分が恥ずかしい
– アイドルグループ卒業後、今作が長編映画デビューということですが、映画出演のお話を最初に聞いた時、どういうお気持ちでしたか?
今泉佑唯
私にできる気がしなかったですね。私じゃない誰かがやった方がもっとよくなるんじゃないかなって不安になりました。
何年も、何十年もやられている方々に、お芝居初めて一ヶ月とかの自分が入っちゃうことが申し訳ないなって思ったんですけど、でも逆にいろんなことを吸収させていただければいいなとも思いました。
– 片桐監督に今泉さんのキャスティングの理由は聞かれましたか?
今泉佑唯
なんかもう、聞く勇気すらもなかったので、だからその時言われたことしかできなかったですね。
ほんとに自分のことでいっぱいいっぱいすぎて、今思うと(当時の自分が)恥ずかしいなって思います。
– でも、恥ずかしく思えるってことは成長している証でもあるかもしれませんね。
今泉佑唯
ありがとうございます。
■初めての映画撮影。“私の居場所はどこだろう?”
– 撮影が始まる時、どういう取り組みをされましたか?大変だったことなどあれば教えて下さい。
今泉佑唯
撮影現場がどういう雰囲気なのかすらわからない状態だったので、「私の居場所はどこだろう?」って思っていました。
そこにいらっしゃるキャストの皆さんがずっとずっとテレビで観てきた方々なので、ここに自分がいていいのかなって不安な状態での2週間近くの撮影でした。
でも、松本(穂香)さんが「そんなに背負わなくていいんだよ」って言ってくださったこと、そしてずっと控室でお話してくださってたので、そのおかげでリラックスしようって思えました。
■松本穂香とは初対面でプライベート相談
– 1年前の撮影中は、松本さんとはどういうことを話されましたか?
今泉佑唯
撮影初日、お会いして5分くらいで、私が急に松本さんに相談し始めて、「私はこうなんですけど、そういう経験ありますか?」とか、めちゃめちゃプライベートな相談をしちゃって(笑)
– それほど話しやすい方だったということですか?
今泉佑唯
話しやすいですね。勝手にベラベラ話してました。そしたら、「会って5分でこんなに相談されたのは初めてです。」って松本さんに言われたので、私って変だったのかなぁって(笑)
でもちゃんと答えていただいて、私のことなんて誰なのか知らないのに、真剣に答えてくださって嬉しかったです。
■私も「お父さんやめて!」って言いたくなる
– 重たいテーマでもある本作の中で、今泉さんは明るい妹のキャラクターを演じられていますが、意識されたことは?
今泉佑唯
衣裳合わせの段階で、片桐監督に「佑唯ちゃんは明るいから、周りの空気感に引っ張られず、とにかく明るくいてほしい」と言われたので、流されないように!っていうのはけっこう意識しました。
– 松本さん演じるサキはまさにお父さんに翻弄されるキャラクターですからね。
今泉佑唯
はい。私は「まぁまぁ落ち着いて」っていうのを意識しました。
– ご自身も元々明るい方ですか?
今泉佑唯
そうですね。人と話すことが好きだったりもするので。
でも、どちらかと言うと私はサキちゃんに近い感じです。なので、この映画に共感できる部分がありました。私の父もお酒が好きなので、「お父さん、ほんと、やめてよ」って言いたくなります。なので、そこにつられないように意識して演じました。
– なるほど、実はつられそうになってたんですね(笑)
今泉佑唯
はい(笑)ついつい、「お父さん、もうやめて!」って言いたくなるところを抑えて(笑)
■お酒はたしなむ程度に。
– ご自身は普段、飲まれますか?
今泉佑唯
あまり飲まないようにしています。私は父親と体質が似ているのか、たぶんお酒に強いんですよ。だからこそ自分は気をつけようっていう気持ちがすごく強いんです。記憶なくなるまで絶対に飲まないとか、周りに迷惑かけるほど飲まないっていうのは決めています。
– お友だちと飲みに行かれてもそうされてるんですね。
今泉佑唯
そうですね。そろそろ危ないなって思ったらそこで止めてますね。リミッターが外れないように。
– 自分で控えたくても周囲の友だちがすごい飲んでたりすることがありますよね。
今泉佑唯
ですよね。周りに合わせちゃうとそうなっちゃうので、皆さんも周りに流されず、お酒はたしなむ程度に飲んでください。
■ぶっ飛んだ役をやりたい
– 初めての映画撮影を終えてみて、いかがでしたか?
今泉佑唯
大変だなって思うことがたくさんあったからこそ、やりがいとかはすごくありました。
– 本作以降も、他の映画作品や舞台もされている今泉さんですが、今後の抱負などあったら教えて下さい。
今泉佑唯
自分のイメージからかけ離れている役というか、ちょっと怖い役、殺人鬼みたいな(笑)とか、悪女とかやってみたいですね。
これっていうイメージがある方が振り切れると言うか、自分の殻を破れると思うので、そこまでぶっ飛んだ役をやりたいです。
■最後にメッセージ
– 最後に本作をご覧になる方にメッセージをお願いします。
今泉佑唯
どこの家庭でも絶対にあるとは言い切れないですけど、きっと私のお父さんはこういう感じだなぁとか、共感できる部分っていうのはあると思うし、逆に「自分のことだ」って思うお父さんもいるかもしれないし、そしたら「気をつけよう」って気づくきっかけになるかもしれないなと思います。
若い世代の子たちは、自分がこうならないように気をつけようって思ってほしいですね(笑)
是非たくさんの方に観ていただけたら嬉しいなって思います。
[写真:桜小路順、金田一元/インタビュー:安田寧子]
映画『酔うと化け物になる父がつらい』
【ストーリー】
うちの“常識”は、いつだってよその“非常識”。
日曜日、夏休み、クリスマス。思い出の父はいつも酔っていた。
普段は無口で小心者なのに、酔うと“化け物”になる父と、新興宗教にハマる母。一風変わった家庭で育った主人公のサキは、“化け物“のおかしな行動に悩まされ、徐々に自分の気持ちに蓋をして過ごすようになる。自分とは正反対で明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられ、家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華しながらなんとか日々を生きるサキ。そんなある日、アルコールに溺れる父に病気が見つかってしまう-。知っているようで、何も知らなかった父のこと。サキが伝えたかった、本当の気持ちとは?
松本穂香 渋川清彦
今泉佑唯 恒松祐里 濱 正悟
安藤玉恵 宇野祥平 森下能幸 星田英利 オダギリジョー
浜野謙太 ともさかりえ
原作:菊池真理子『酔うと化け物になる父がつらい』(秋田書店刊)
監督:片桐健滋 脚本:久馬 歩 片桐健滋 音楽:Soma Genda 主題歌:GOOD ON THE REEL「背中合わせ」(lawl records)
制作:MBS よしもとクリエイティブ・エージェンシー 制作プロダクション:CREDEUS 配給:ファントム・フィルム
製作:吉本興業 MBS ユニバーサル ミュージック 秋田書店 VAP ファントム・フィルム
©菊池真理子/秋田書店 ©2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会
公式サイト:https://youbake.official-movie.com/
新宿武蔵野館ほか全国公開中
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