生きづらさを抱えている人へ。映画『シスターフッド』初日舞台挨拶
撮影当時の自分に狂気を感じる
多様性を肯定する、ドキュメンタリーと劇映画が混在したモノクロ映画
生きづらさを抱える女性をドキュメンタリー&劇映画の融合で表現した映画『シスターフッド』。その公開初日舞台挨拶が、2月28日、アップリンク渋谷で行われた。
監督の西原孝至氏は、ヌードモデル・兎丸愛美、シンガーソングライター・BOMIを中心に4年間、ドキュメンタリーを撮りため、また、監督自身のことを劇映画部分として加え、本作を完成。
4年前の撮影当時のことを尋ねられた兎丸は「当時の自分に狂気を感じる」と振り返った。(舞台挨拶動画&フォトギャラリー)
本作は、“女性の生きづらさ”をテーマにしているが、本作品は、性別に限ったものではない。西原監督自身、多感な年頃でもある中学生の頃、生きることにとても苦労した体験があるとのことで、それがベースにもなっており、すべてのひとたちの生き方・幸せというものは、その人自身が決めるものだと認める、“多様性”を肯定する映画となっている。
西原監督は、この映画を通して、行き詰まっている自分の別の生き方に気づくきっかけになってほしいと、本作に込めたメッセージを語った。
なお、公開中のアップリンク渋谷では、写真家・豊嶋希沙による、兎丸愛美のフォトギャラリーも展示されている。3月4日まで。
舞台挨拶レポ
4年前の自分と今の自分。
当時の自分に狂気を感じる。
– 西原監督は生きづらさを抱える女性のドキュメンタリーを撮ろうと考えて、4年前から兎丸愛美、BOMIを追いかけたそうですが、その理由はなんだと思われますか?
兎丸愛美
撮影が全部終わった後に、フェミニストの方々のトークイベントに参加する機会があって、そこで皆さんが女性としての生き辛さをお話されていて、当時の私は「あ、私と同じだ」と思ったんです。
それは私も無意識にそうだったということで、それを監督が感じ取ってくれて出演につながったのかなと思います。
– スクリーン上の4年前のご自身と今と何か変わったところはありますか?
兎丸愛美
すごく変わったと思います。当時の自分を久しぶりに観たら狂気を感じました。
当時の自分は、怒りとか悲しみとか、負の力を表現のエネルギーに変えようとしていました。
でも今はそんなことはなくて、大人になったというか、穏やかになったなと思います。
BOMI
4年前の自分は毎日生きるのが大変そうです。
これをしなくちゃ死んじゃう!みたいな感じがあります。ライブだったり、音楽を作ることだったり、何かをやってないと怖いというような。
自分が気持ち良いことに敏感に。
– 今の若い世代の生きる道を見失ってる人々にアドバイスを送るとしたら?
BOMI
自分が心地良いことは、たぶん自分で知ってるはずなんです。(わからないと思うのは)自分を隠してしまう要素がたくさんあるだけで。
真ん中にある“自分の芯”みたいなところ、風があたったら気持ち良いと同じで、そういうところに敏感になったら気付いてくるのではないでしょうか。
RECボタンを押す前の関係性を大切に。
– テレビでドキュメンタリーの製作もされている西原監督ですが、被写体の自然な部分を引き出すために工夫していることは?
西原孝至監督
カメラを回す前の時間を大切にしています。
娘を撮るお父さんはプロじゃなくても、とてもいい表情を撮れるのと同じことです。
これからこの映画をご覧になる方に。
西原孝至監督
今はすっかり大人になったんですけど、中学生の時に生きるのがすごく大変な時期がありまして、その時映画を観ていると、“今生きている世界とは違う世界がある”と思えて、このことが当時の自分にとって救いでした。
この映画を観て、一人でもそういう救いを感じてくださる方がいらっしゃれば、嬉しく思います。
「私の幸せは私が決めるし、あなたの幸せはあなたのもの。」です。今日はありがとうございました。
舞台挨拶動画
キャスティング秘話など、動画でもどうぞ!
フォトギャラリー
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映画『シスターフッド』
わたしの幸せは わたしが決める
生きづらさを抱えた女性たちが探し求めた、自分らしさ。ドキュメンタリーと劇映画の境界を超えてみつめた、未来への思い。
多様性を肯定する、ドキュメンタリーと劇映画が混在したモノクロ映画。
あらすじ
東京で暮らす私たち。
ドキュメンタリー映画監督の池田(岩瀬亮)は、フェミニズムに関するドキュメンタリーの公開に向け、取材を受ける日々を送っている。池田はある日、パートナーのユカ(秋月三佳)に、体調の悪い母親の介護をするため、彼女が暮らすカナダに移住すると告げられる。
ヌードモデルの兎丸(兎丸愛美)は、淳太(戸塚純貴)との関係について悩んでいる友人の大学生・美帆(遠藤新菜)に誘われて、池田の資料映像用のインタビュー取材に応じ、自らの家庭環境やヌードモデルになった経緯を率直に答えていく。
独立レーベルで活動を続けている歌手のBOMI(BOMI)がインタビューで語る、“幸せとは”に触発される池田。
それぞれの人間関係が交錯しながら、人生の大切な決断を下していく。
予告編
【出演】
兎丸愛美 BOMI
遠藤新菜 秋月三佳 戸塚純貴 栗林藍希 SUMIRE 岩瀬亮
【スタッフ】
監督・脚本・編集:西原孝至 撮影:飯岡幸子、山本大輔 音響:黄永昌 助監督:鈴木藍
スチール:nao takeda 音楽:Rowken
製作・配給:sky-key factory
(c)2019 sky-key factory 2019 / 日本 / モノクロ / 87分 / 16:9 / 5.1ch
公式サイト:https://sisterhood.tokyo
Twitter:@sisterhood_film
facebook: @sisterhood.film.2019
instagram:@sisterhood.film
3月1日(金)アップリンク渋谷にて公開ほか全国順次公開
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