「脚本を書いてから原作を探した」江戸川乱歩短編三部作最終章『聖なる蝶』初日舞台挨拶
4月16日、映画『聖なる蝶 赤い部屋』の初日舞台挨拶が行われ、W主演の栗林藍希、波岡一喜、共演の柾木玲弥、窪田将治監督が登壇した。
本作は、江戸川乱歩の短編を三部作で映画化した『赤い部屋』シリーズ第3弾。江戸川乱歩の傑作短編「悪魔人形」を映画化。全てを失った元高校教師のもとに一人の少女が現れ、愛欲に溺れる二人の悲しくも美しい運命を描くエロティック・サスペンス。
ルミ役で主演を務めるのは、若手女優の登竜門「美少女図鑑」で注目を集め、映画、ドラマ、CM、音楽番組などで活躍する期待の新人女優・栗林藍希。全てを失った元高校教師・杉浦役には、配信ドラマ「火花」の鮮烈な演技など数多くの映画、ドラマで活躍する波岡一喜。一途な思いを抱く少女と、少女を愛しすぎるあまり歪んだ感情に苦しめられる男を、W主演の二人が巧みに演じる。
『聖なる蝶 赤い部屋』はシネマート新宿にて、4月29日まで上映中。名古屋シネマスコーレ、大阪シアターセブンでも上映決定、順次公開予定。
舞台挨拶レポート
■脚本を書いてから原作を探した。
-江戸川乱歩3部作シリーズの企画について、そして最終第3弾としての本作で苦労した点はありますか?
窪田将治監督
原作の舞台が大正・昭和なのですが、今は宅地開発が進んでいて、当時そのままのロケ地探しが難しいため、現代に置き換えた物語としました。
でも、乱歩の物語って、8:2で非現実要素の方が大きい。それを現代に置き換えるとなると、どんどん“現実味”の割合が大きくなってきて、ファンタジー要素が減る。そうなると、乱歩じゃなくていいじゃんってなってしまう。なので、そこのバランスが難しかったです。
そしてこの3作目は、このラストシーンがやりたくて先に脚本を書いて、その後、それに合う原作を探しました。真逆のやり方ですね。
-そのラストシーンを演じられた浪岡さんは感慨深いものはありましたでしょうか?
波岡一喜(高校教師・杉浦 役)
脚本を読ませていただいて、最後のシーンのためにやっているという感じがしました。だから、撮るときは100倍くらい気合が入ってました!
-そしてヒロインの栗林さんはオーディションで?
窪田将治監督
さっき言ったように、3本目のラストシーンの脚本ができて、原作を探している段階の時にオーディションをして、そこに藍希が来たんです。で、「彼女ならこういうことできるんじゃないか?」とスタートした感じでした。
なので、3本目はいろんなことが逆算の形ですね。
-そうして選ばれた栗林さん、いかがですか?
栗林藍希(ルミ 役)
知らなかったので、すごく嬉しいです!
-波岡さんとの共演はいかがでしたか?
栗林藍希
優しかったです。見た目が結構、怖いので(笑)
最初はビクビクしてたところあったけど、誰よりも優しかったです。
波岡一喜
(劇中、肌が触れ合う官能的なシーンも多く)裸の関係が長かった分、我々にしか見えない友情や思いやりがありました。「守ってあげよう」という気持ちです。
-役的には、栗林さん演じるルミの方が守ってあげるという感じですが。
栗林藍希
撮影の時は逆でしたね。守っていただいてました。
■ホントに殴ってます!
-柾木さんは、波岡さん、栗林さんとの“乱闘シーン”など随所で存在感を放っています。
柾木玲弥(宅配ドライバー 役)
個人的な思いとしては、窪田監督との戦いのような気持ちでした。(窪田監督作品は)2回目ですが前回は(自身のキャリアの中で)一番怒られたので、「俺、成長しました」というのを見せたい気持ちがありました。
窪田将治監督
よかったです。(柾木さんの成長が)嬉しかったし、泣きそうになりました。クランクアップ後に波岡と飲みに行った時も「今回は玲弥がよかった」って話してたんです。
-この3人による乱闘シーンはすごかったですね。
栗林藍希
監督から「本当に叩いていい」と言われたので、ホントに殴ってます!
柾木玲弥
卒業アルバムでバンっとやられたのは覚えてます(苦笑)
今だから言えますけど、痛かった…
■ガーゼ1枚だけを。
-栗林さんから見て、波岡さんはどうでしたか?肌と肌の触れ合いがありましたが。
栗林藍希
波岡さんにはすごく助けてもらいました。もし自分と同い年くらいの相手だったらダメでした。たぶん。
たくさん大変なことはありましたけど、波岡さんがサポートしてくれたので、全部無事に終われたかなとすごく思っています。
波岡一喜
この部分だけ記事にしていただければ(笑)
慈悲の気持ちを持ってやってました。
ただ、官能シーンだけは、舞台挨拶の前に見返したんですけど、僕のビビリが少し見えました。
窪田将治監督
俺はね、波岡に前貼りしようって言ったの。でもしたくないって。
波岡一喜
前貼りは、はがすのが痛いので(笑)
スタッフに見られたって恥ずかしくともなんともないし。
窪田将治監督
でも、ガーゼ1枚だけ置いていいですか?って言い出したんだよね(笑)
波岡一喜
今回のラブホテルのシーンだけは、1日中ずっと撮影を行なった上での夜の撮影だったこともあり、僕の下半身のところに顔がくるところはさすがに匂い的に失礼があってマズイかなと。なので、「ガーゼ1枚だけ置いていいですか?」ってお願いしました(笑)
■最後にメッセージ
栗林藍希
(完成したものを)観るまでは正直、ドキドキしたんですが、すごく面白いなと思いました。今日から公開ですので、また観たいなと思われたら是非来てください。
波岡一喜
僕の中では純愛、本当の愛の物語だと思います。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/記事:桜小路順]
映画『聖なる蝶 赤い部屋』
ストーリー
「蝶々のようになりたい・・・」
全てを失った男の前に現れた少女
少女の思いが悲しく美しい結末を呼ぶ
好きな女子生徒への盗撮が発覚し、全てを失った元高校教師・杉浦。生きる希望を失った杉浦の前に女子高生・ルミが現れる。ルミに導かれるように結ばれる二人。そして杉浦のマンションに住みこむルミ。次第に杉浦はルミに執着し、彼女を束縛するようになる。ルミを10代の姿のまま永遠に美しい姿で残したい杉浦の暗い欲望と、ルミの杉浦への思いが交差する時、二人は美しくも悲しい結末へと向かっていく。
出演:
栗林藍希 / 波岡一喜 / 柾木玲弥 / 柳憂怜 木下ほうか 草野康太
原案:江戸川乱歩「悪魔人形」 監督・脚本・編集:窪田将治
エグゼクティブプロデューサー:村上潔 プロデューサー:山口幸彦 宮下昇 撮影:春木康輔 照明:大久保礼司
録音:高島良太 音楽:與語一平 美術:加藤ちか へアメイク:藤川美紗 日野原遥 スタイリスト:森内陽子
助監督:高原一 制作担当:大川伸介
製作:キングレコード フェイスエンタテインメント
企画・製作プロダクション:フェイスエンタテインメント
配給:キングレコード
宣伝協力:ブラウニー
2021年/日本/カラー/75分
(C)2021「聖なる蝶 赤い部屋」製作委員会
公式サイト:http://seinaru-chou-movie.com/
公式ツイッター:@EroticaQueen21
4月16日(金)よりシネマート新宿にて2週間限定レイトショー
名古屋シネマスコーレにて4月下旬公開
大阪シアターセブンにて上映決定!
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