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【坂巻有紗インタビュー】「それはドームなので行き過ぎ!Zeppだと思って声を出して!」

6月30日公開映画『GONZA』。5人の心と身体が入れ替わる本作は、ラブコメディの一面もありつつ、ジェンダー、障害、宗教などの多様性の課題に対する疑問も投げかけている。本作で、ヒロイン役を演じる坂巻有紗に撮影エピソードのこと、そして力を入れている音楽活動について話を聞いた。

坂巻有紗 インタビュー&撮り下ろしフォト

■普段の役作りの倍以上かかった

-撮影時期はいつですか?また実際に奈良でロケされたのでしょうか?

坂巻有紗(北嶋ナディア 役)
昨年の夏です。奈良でのロケだったんですけれど、撮影のほとんどは屋内で。でも、最終日だけ東大寺に行けました!

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坂巻有紗

-5人の心・身体が入れ替わるという物語で、坂巻さんは元々の役・北嶋ナディアと、入れ替わり後の鹿島拓海(演:上村侑)と2つの性格を演じていますが、これについてどう取り組まれましたか?

坂巻有紗
自分の役についてはもちろんですが、上村(侑)さんが演じる鹿島拓海の一挙手一投足を観察することもやりましたし、上村さんとの対話もたくさんして、普段の役作りの倍以上かかりました。
そうして、上村さんと2人で役を固めていきました。

-上村さんとはどういうお話を?

坂巻有紗
他愛もない会話から、それぞれの恋愛観なども話ました。

-千村利光監督からはどういう演出がありましたか?

坂巻有紗
事前のお話はなかったんですけれど、撮影が始まると、シーンごとのナディアの気持ちや感情の揺れなどを詳しく演出してくださって、私の中に役が入っていきやすい環境を作ってくれました。
そういう中、「坂巻は真面目すぎる」ともご指摘くださって、あまり役の中に閉じ込みすぎないようにというのも心がけました。

-なるほど。そういう千村監督の印象は?

坂巻有紗
とても熱い方です。目指すベクトルが高い方を向いていて、私も主演としてこの作品に臨むぞ!という意気込みで頑張りました。

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■最初は混乱した撮影

-一度に5人の心と身体が入れ替わるという事態は、演じる側も誰が誰だか混乱するのでは?と推察したんですが、実際、いかがでしたか?

坂巻有紗
演じていても、誰が誰だっけ?ということが結構ありました(笑)なので、現場での本読みで確認しながら進めました。
でも、撮影が進んでいくと、皆さんのお芝居がすごくて、もうそのキャラクターにしか見えなくなって、それからは迷わなくなりました。
とても楽しい撮影でした。

-そういう中、難しかったシーンは?

坂巻有紗
ナディアが拓海と入れ替わったあと、ナディアが「自分の身体を洗いたい」と言って、身体を洗ってもらうシーンです。拓海(心はナディア)が、ナディア(心は拓海)の身体を洗うんですけど、声の出し方が難しくて、何度もテイクを重ねました。

-共演シーンが多かった上村侑さんの印象は?

坂巻有紗
本読みで初めてお会いしたときは、眼力(めぢから)がすごくて、取って食われるんじゃないかと思いました(笑)
で、その話を本人にしたら、「入れ替わる相手だから、(ナディアの)動作をひとつも見逃したくなかった。」とその理由を明かしてくれました。
最初は怖かったのもあって、心を開ききれていなかったんですけれど、そういう私に寄り添って話しかけてくれて、とても優しい方でした。

-完成した作品をご覧になっていかがですか?

坂巻有紗
上村さんと私が入れ替わるということを中心に描かれている作品ということと、実質2役を演じたということで、そして主演としての意気込みもあり、私としてはとても濃い作品になりましたので、完成した映像を観たときは感動しました。多くの方に観てほしいです。

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■マイノリティの課題も提示する本作

-本作は、登場人物の5人がそれぞれ、LGBTQ、障害者など、いわゆるマイノリティの側面も持っていますが、坂巻さんはこの点についてどうお感じになられていますか?

坂巻有紗
すべての人の居場所がある社会だといいよねという、今はその途上にあると思いますので、その点を投げかけている作品だなと思います。

-なるほど。坂巻さんが演じられたナディアも、信仰的な点と、ナディア自身が「私は心が欠けている」と吐露しているように、いわゆる発達障害の側面も持っていて、多くのことを考えさせられる作品だなと思いました。

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■チーターに憧れる!

-本作にちなんで、もし、他の人や動物と一時的に入れ替わらなきゃいけないとしたら、何と入れ替わってみたいですか?

坂巻有紗
チーター!
草原をさっそうとかっこよく走り抜けるチーターにすっごく憧れているんです。全速力で草原を走ってみたいです!

■「それはドームなので行き過ぎ!Zeppだと思って声を出して!」

-大黒摩季さんが歌う主題歌「リアル」に上村侑さんと共に坂巻さんもコーラスで参加することになったきっかけは?

坂巻有紗
私が歌が大好きで得意というのは、千村監督には伝わっていたので、なにか歌を絡んだことができたらいいねというお話はしていたんですが、そういう中、この素敵なお話が決まりました。
なので、これまでSNSとかで自分の歌を発信し続けてきてよかったなって思いました。

-レコーディング時は大黒摩季さんもいらっしゃったんですか?

坂巻有紗
いらっしゃいました!さらに歌い方のご指導も受けましたし、褒めてもいただいたんです!もう勉強になることばかりで、私のこれからの糧になりました。

-どのへんを褒めていただけましたか?

坂巻有紗
日本版ジャスティン・ビーバーとして売り出したらいいんじゃない?とか、練習中は導入部分も歌ってみたんですが、大黒さんが「私よりアリちゃんが歌った方がキュンキュンくるんじゃない?」とか、とても幸せなお言葉をかけてくださったんです!

-アドバイスはどんなことを?

坂巻有紗
私の声がこごもってたことがあったとき、大黒さんが「アリちゃん、もっと声を出せる。ここがZeppだと思って声を出して!」って。
それで頑張って声を出したら、「違う違う、それはドームなので行き過ぎ!Zeppだと思って声を出して!」。
ドームもZeppも経験したことがないのでわからないんですけど(笑)、頑張りすぎちゃったのかなって。
そういう大黒さん的なユーモア溢れるご指導に、緊張せず楽しく歌えました。

-そもそものお話、坂巻さんが音楽活動をやりたいと思われたきっかけは?

坂巻有紗
SNSで出していた私のカラオケ動画を多くの方が皆さんが見てくれるようになったのがきっかけです。
なので、今後はライブ会場での歌唱、さらに将来、ワンマンライブもできるようになったらと思っています。夢はバースデーライブをすることです。誕生日は9月23日です!

-5月28日(※)は野外ライブで30分間歌うそうですが、その意気込みをお聞かせください。
(※インタビュー時は5月26日)

坂巻有紗
屋外ライブは初めてなので、届けるところまで届けちゃうぞ!という感じで海岸の奥まで届くように頑張ります!

-そのときはZeppモードじゃダメなんですよね?(笑)

坂巻有紗
バッチリドームモードでいきます!!

-さっそく大黒さんのアドバイスが活かされますね!

坂巻有紗
はい!肝に銘じて歌います!

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■ドラマのレギュラー出演も目標!

-映画出演、舞台出演と活躍の場が広がってきていますが、俳優としての抱負は?

坂巻有紗
いただけるお話があれば全部やりたいです!ドラマにも挑戦してみたくて、レギュラー出演できることが目標です!

-最後に本作の見どころ含めたPRメッセージをお願いします。

坂巻有紗
個性あふれる5人が、いろんな事件が起きる中、力を合わせつつ自分自身も見つめ直して乗り越えていこうとします。
見ていて楽しいのはもちろん、この5人の行動を通して、見る人の今後の生き方に役立つような影響がきっとある作品になっています。

-加えて、今日もそうですが、普段元気っ子の坂巻さんとはある意味真逆のちょっとシリアスな雰囲気の坂巻さんを見れるのは、ファンにとって貴重な作品ではと思いました。

坂巻有紗
嬉しいです!!

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坂巻有紗(アリッサ)プロフィール
2000年9月23日生まれ、埼玉県出身。
『TGC teen』『関西コレクション』などモデル活動のほか、女優として短編映画『魔女』『CAT』(20/大塚祐吉監督)でW主演を務め、『夜を走る』(22/佐向大監督)で長編映画デビュー。国連UNHCR『リスト:彼らが手にしていたもの』(22/関根光才監督)ほか、広告では『GMOとくとくBB光』WEBイメージキャラクターとして出演。現在『スパイスより愛を込めて。』(瀬木直貴監督)が公開中。『GONZA』(千村利光監督)は6月30日より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開。趣味は漫画とホラー映画。特技は歌と英語と砲丸投げとソフトボール。
Twitter:@alisa2525_10923
Instagram:@sakamaki.alisa
Instagram(音楽アカウント):@alisa.sakamakialisa_music
TikTok:@alisa.sakamaki

■撮り下ろしフォトギャラリー

[インタビュー・写真:三平准太郎]


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映画『GONZA』

《INTRODUCTION》
全てが平均点で、絵に描いたような“普通”が代名詞の主人公・鹿島拓海を演じる上村侑は、映画『許された子供たち』(2020年/内藤瑛亮監督)で主演に抜擢されると、高い演技力が認められ、「第75回毎日映画コンクール」スポニチグランプリ新人賞を受賞。昨年は日本テレビ系ドラマ「ファーストペンギン」出演や、映画『近江商人、走る!』(2022年/三野龍一監督)にて主演を務めるなど、目覚ましい活躍をしている。

才色兼備なヒロイン北嶋ナディアを演じるのは、高校生で出演した人気リアリティ番組で話題となり、TGC teenやファッションリーダーズ、関西コレクションに出演などモデルとして参加。短編映画『魔女』『CAT』( 2020年/大塚祐吉監督)の2作品で立て続けに主演となり、映画『夜を走る』(2022年/佐向大監督)で長編映画デビューを果たし、モデルの枠を飛び越えて女優としての活躍の場も広げている坂巻有紗。

また、研修センターで拓海やナディアと共に人間が入れ替わってしまう伊藤英美里役、王優役、花村イバン役に、それぞれ久住小春、鈴原ゆりあ、篠田諒が出演し、車椅子ユーザー、LGBTQなどマイノリティ性を孕んだ難しい役所を見事に演じている。

そして、数多くの作品に出演しその世界観を補強するバイプレーヤーの小西貴大や、今年注目されている若手俳優の望月歩(友情出演)が集結。
主題歌は、デビュー30周年を迎えた大黒摩季が主題歌を書き下ろした作品。
コミック「サトラレ」の作者・佐藤マコトがSDG’sを取り上げながら原案を担当し、監督は 「週刊赤川次郎」で監督デビュー後、「HiGH&LOW SEASON1」「PRINCE OF LEGEND」「京阪沿線物語・古民家民泊きずな屋へようこそ」など作品を手がけ、多くの話題作・人気作品を作りあげている千村利光。本作で、オリジナル脚本も手がけている。

《STORY》
大のゲーム好き以外は取り柄がない鹿島拓海は、奈良で実施する新人研修に初日から遅刻してしまう。
あわてて走り込んだ研修センターの廊下で、すれ違いざまに才色兼備な新人女性社員・北嶋ナディアとぶつかり一目惚れ!
5人が一組となり、研修最終日にプレゼン発表のミッションがくだる。
拓海はナディアや英美里、王、イバンと同じチームになり、資料作りをしていると、予期せぬ出来事が!
神様のお供物・権座(GONZA)を口にした後、 「人間が食べると罰が当たる」とされる鹿せんべいをつまみ食いした拓海のせいで、チーム5人の身体が入れ替わっちゃった!?
「僕の私の身体はどこ?」「秘密がバレてしまう!」「思うように動けない⁉」「そもそもなんで!!!」
LGBTQ、 車イスユーザーなどごちゃまぜな状態に。
うろたえる5人に、研修担当社員・松永は、奈良観光気分を味わえるように開発されたゲーム「ファイ奈良ファンタジー」のヒントを出した。
入れ替わったことで、私ではない誰かの悩みやコンプレックスが浮き彫りになり、ハプニングと想いが交錯する中で徐々に見えてくる現実(リアル)。
プレゼン最終日までに、果たして5人は元に戻ることが出来るのか?

上村侑 坂巻有紗
久住小春 篠田諒 鈴原ゆりあ 小西貴大 / 望月歩(友情出演)
川井亘 須賀由美子 真弓 大阪フィルム・カウンシル

原案:佐藤マコト
脚本・監督:千村利光
主題歌:「リアル」大黒摩季  コーラス:上村侑・坂巻有紗
劇中使用曲:INNOSENT in FORMAL「EVERYBODY」
鉄風東京 「know pain」「Orion」

ごんざ監修:おかずや こよい
ゲーム監修:あをにまる
音楽制作:ロードアンドスカイ・オーガニゼイション
撮影協力:春日大社 東大寺   大和ハウスグループ みらい価値共創センター「コトクリエ」
奈良県奈良公園室 奈良クラブ
ゲームソフト協力:株式会社Gotcha Gotcha Games
協賛:大和ハウス工業株式会社 エームサービス株式会社 株式会社応援団
AIコンサルタント株式会社 一般社団法人U6ランバイクチャンピオンシップ機構
後援:奈良県 (公社)奈良市観光協会 奈良商工会議所
制作協力:クープ 宣伝:とこしえ 劇場営業:FLICKK
配給:ベストブレーン
「GONZA」製作委員会:株式会社ハピト 株式会社G・カンパニー 株式会社MVサービス
©2023「GONZA」製作委員会
公式サイト:https://gonza-movie.com

予告編

YouTube player

6月23日(金)よりシネマサンシャイン大和郡山にて先行公開
6月30日(金)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

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