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水橋研二

【俳優・水橋研二インタビュー】瀧内公美さんは、自分の“迷い”を役と一体化させていた。映画『カゾクデッサン』

今井文寛監督オリジナル映画『カゾクデッサン』。“家族の在り方”を観る者に問いかける本作の主演を演じた、俳優・水橋研二に、撮影エピソードや共演の先日主演女優賞を受賞した瀧内公美のこと、そして水橋が思う“カゾク”について話を伺った。

主演の水橋研二が演じるのは、元ヤクザで、目の前のことに逃げるために酒に溺れる“水元剛太”。その“剛太”を傍で迷いながらも支える“坂口美里”を、瀧内公美。そんな“水元剛太”の目の前に、ある日突然現れる元妻の息子“池山光貴”を大友一生が演じる。

メガホンを取った今井文寛監督は、照明部としてさまざまな映画作品に携わりつつ、自ら脚本監督した短編映画『ナポリタン、海 』がショートショートフィルムフェスティバル&アジア2011のジャパン部門で入選という経歴を持つ。
本作『カゾクデッサン』は、今井監督のオリジナル作品でもあり、長編映画デビュー作でもある。3月21日(土)より公開。

水橋研二インタビュー

水橋研二

水橋研二

■今井監督のデビュー作を皆で作り上げようという空気感があった。

– 本作オファーの経緯について教えてください。

水橋研二
オーディションです。そして決まったとなってから、今井監督と飲みに行く機会があったんですが、監督はとても気さくな方で、今まで関わってこられた映画作品のこととか、よくおしゃべりされてました。でも、本作についてのお話はまだしませんでした。
ちなみに、監督はお酒を飲まれません。
おしゃべりなのは、撮影現場でも同じでしたね。なんでハゲちゃったのかとか(笑)

水橋研二

– “水元剛太”という役を演じるにあたって、今井監督と話されたことや演出指示などを教えて下さい。

水橋研二
監督からはそんなになかったですね。僕がこう思うんですって監督に言ったら、「そんな感じで。でも、ここはもうちょっとこうして」とか、そういうやりとりをいくつかして、撮影の早い段階にはもう“水元剛太”が出来上がっていきました。

カゾクデッサン

水元剛太(水橋研二)

– 作品資料を拝見すると、水橋さん、瀧内さん共、「話し合いをしながら作っていった」とコメントされています。共演者同士、どういったコミュニケーションをされましたか?

水橋研二
自主映画だからこその独特なことなのかもしれないですが、今井監督のデビュー作を、キャスト・スタッフみんなで良いものにしようっていう共通の思いがありました。
そしてそこに、僕や瀧内さんが乗っかって、それぞれの役を作り上げていくという感じでした。
例えばあるシーンで今井監督と話していると、撮影の中澤(正行)さんや、スタッフ皆さんも一緒にディスカッションして、いろんなアイディアを出し合い、シーンの方向性を決めていくことがありました。
“水元剛太”は酒に溺れ、現実逃避していた人物。そこに、物語として、大友一生くんや中村映里子さんが関わってくる時にどう反応するのか?それについては、撮影現場で、如何に普段の空気感を作るのかが重要だと思っていたので、スタッフ含めて皆でその空気管を作っていけたのはとても良かったと思っています。

カゾクデッサン

中村映里子

– 大友一生さんとは何か話されましたか?

水橋研二
大友くんとは敢えて距離感を取っていました。年齢も若いですし、そこで仲良くなって慣れた関係になってしまったりすると、お芝居の上で、ちょっとしたことに反応しなくなってしまうことがあると嫌だなと思ったからです。

カゾクデッサン

大友一生/水橋研二

カゾクデッサン

大友一生

– 瀧内公実さんとはいかがでしょう?

水橋研二
逆に瀧内さんはしゃべらなくても、理解してくれるところがあります。
また、彼女が悩んでいたり、僕が悩んでいたりすると、同じようなことに悩んでいたりもして。それを監督と3人で話して解決するっていうこともあって、とても良い話し合いだったなって思います。

– 先ほど、撮影現場の空気感のお話をされましたが、もう少し詳しく教えてください。

水橋研二
Barのシーンから撮影が始まったんですが、控室がそこから遠かったので、自分以外のシーンの時も、戻らずにずっとBarにいたんですよ(笑)
しかもBarのカウンターの中にいて、そして瀧内さんもずっと隣にいらっしゃって(笑)
でもそれは、僕は意識していたことでもあったんです。
なるべく現場にいて、その空気感、“水元剛太”が生きているであろう場所になるべくいようと。
そうすると、いざ本番になって、“今やりました”、って感じにもならないですし、彼が5分前に考えていることとか、そういうものも見えてきたりするんです。まぁ、もともとそういうやり方が僕は好きなんですけどね。
それを、瀧内さんやスタッフの皆さんも同じように感じてくれてて、同じように空気感を作ってくれてて、登場人物が、ここで生きているように、なるべく普段の動きも意識してやっていました。それを映像として切り取ってくれたという感じがします。

カゾクデッサン

水橋研二/瀧内公美

カゾクデッサン

■瀧内公美さんは、自分の“迷い”を役と一体化させていた

– 撮影を終えられて、改めて瀧内公美さんにはどういう印象を持たれましたか?

水橋研二
今回、撮影が進んでいくにしたがって、瀧内さんの包容力をどんどんと感じるようになりました。でもたまに出るチャーミングさがすごく素敵で。
実は、瀧内さんは“坂口美里”っていう役について、けっこう悩んでいらしたんですよ。“美里”の気持ちや行動が、わからないっていう部分や難しいっていう部分があって。
でも、瀧内さんのそのいろんな悩みが良い方に転化して、“美里”の迷いそのものと一体化していました。その姿を、横で見ていて、僕は「うわーっ、すごい!」ってなりましたね。そして、美里役を瀧内さんにお願いした今井監督もすごいなと思いました。
そして、主演女優賞(*)の方と共演させていただいてありがとうございます!という気持ちもあります(笑)
*編集部註:瀧内公美は『火口のふたり』で主演女優賞受賞(第93回キネマ旬報ベスト・テン)

カゾクデッサン

瀧内公実

■今井監督には何本も映画を作ってほしい

– 本作の撮影を終えてみて、改めて今井監督にはどういう印象をお持ちでしょうか?

水橋研二
すごいことですよ。この作品を自分で撮るって決めて、お金を集めて、脚本も書いて、監督もして。
そういう、この作品に対しての思い入れがすごく素敵だなって思います。映画っていうか、ものづくりとして素晴らしいと思います。
今井監督には何本でも作ってもらいたいです。

水橋研二

水橋研二

■水橋研二が考える“カゾク”とは?

– 水橋さんが考える“カゾク”とはどういったものでしょうか?

水橋研二
最後、死んじゃう時に、この人と一緒にいて良かったなって思えるのが僕の“カゾク”のイメージです。最後の最後に。
そこはもしかしたら、血が繋がっているとかは関係ないのかもしれません。

水橋研二

■最後にメッセージ

– 最後に、本作をこれからご覧になる方々へメッセージをお願いします。

水橋研二
『カゾクデッサン』は、今井監督の長編デビュー作で、その今井監督のために集まったスタッフの方々がいて、そういう思いが映像の中にいっぱい出ています。僕も、出演者というよりも、その中でお芝居をさせてもらえたことがすごく幸せだなって思っています。
物語の面白さとともに、そういう映画全体の空気感を感じていただけたら嬉しいなって思います。

水橋研二

水橋研二

[写真・インタビュー:Jun Sakurakoji]

映画『カゾクデッサン』

家族って、どこまでが家族ですか?
意識をなくした女の 真っ当な夫と、真っ当じゃない元夫、
そしてその息子……ワケあってガチでぶつかり合い

[STORY]
元ヤクザの剛太。今は恋人のバーで働いている。そんなある日、剛太のところに元妻の息子、光貴が現れる。「母が交通事故にあって意識が戻らないんです。よかったら声をかけてみてもらえませんか」
10数年ぶりの再会。剛太は声をかけてみるが意識は戻らない。過去への思いにとらわれる剛太。まだ心の傷は癒やされていなかった。剛太のことをこころよく思っていない光貴の父は、二度と会うなと息子に言い聞かせる。しかし光貴は剛太に魅力を感じ始めていた。
翌日、光貴と父は些細なことから親子ゲンカ、そのことが引き金となり光貴は自分の出生の秘密を知ってしまう。動揺する光貴はふとしたきっかけから友人を殴り、暴力の魅力に取り憑かれてしまう――。

出演:水橋研二 瀧内公美 大友一生 中村映里子 大西信満
SHIN 萩原護 岩﨑 愛 ナガセケイ 山田 諭 髙野春樹 河屋秀俊 坪内 守 逢坂由委子
監督・脚本・プロデューサー:今井文寛
プロデューサー:嶋田郁良 比嘉世津子 今井文寛|協力プロデューサー:狩野善則|撮影・編集:中澤正行|照明:福長弘章
録音・整音:臼井 勝|美術:佐々木記貴|音楽:蓑田峻平|助監督:小林尚希|キャスティング:富澤沙知|制作担当:鈴木和晶
スタイリスト:高橋さやか|メイク:村中サチエ 細川昌子 竹川紗矢香|技斗:江澤大樹|企画協力:ブレス|製作:株式会社マーキュリー
配給:今井文寛 2019年/日本/98分/カラー/シネマスコープサイズ/DCP ©「カゾクデッサン」製作委員会
公式サイト:http://kazokudessin.com/

予告編

2020年3月21日(土)より新宿 K’s cinema ほか全国順次公開

カゾクデッサン

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