24歳の新鋭・阿部はりか監督作品『暁闇(ぎょうあん)』初日舞台挨拶
7月20日、24歳の新鋭・阿部はりか監督の初監督作『暁闇(ぎょうあん)』の初日舞台挨拶がユーロスペース(東京・渋谷)で行われ、青木柚、中尾有伽、越後はる香、若杉凩、芦原健介、石本径代、水橋研二、阿部はりか監督が登壇した。
本作は、MOOSIC LAB 2018長編部門 準グランプリと男優賞(青木柚)をダブル受賞し、初監督作品ながら第20回全州国際映画祭ワールドスケープ部門に招待され、観客から大絶賛を浴びている。(ビデオ&フォトギャラリー)
本作は、これまで4作の演劇作品で脚本と演出を手がけ本作が初の映像作品となる24歳の女性監督・阿部はりかが、インターネットで活動する音楽ユニット「LOWPOPLTD.」にインスパイアされて作られた初監督作品。
大人への失望。親への憎悪。誰ともつながれない寂しさと疎外感。それぞれに闇を抱えながら、音楽を通じてつながりあう3人の中学生が出会い、足りない何かを埋めるように、都会の片隅にある廃ビルの屋上に集う。友情でも恋愛でもなく、ただ互いの孤独を共有しあう少年少女たちの透明な関係性を瑞々しく描き出す青春映画。
10代の繊細な心情を見事に演じきったのは、青木柚(『アイスと雨音』)、越後はる香(『明日にかける橋』)、中尾有伽(『クレイジーアイランド』)。また、『アイスと雨音』の若杉凩、『十年 Ten Years Japan』の芦原 健介、『カランコエの花』の石本径代,『はらはらなのか』水橋研二など、実力派たちが揃った。
撮影は、『少女邂逅』を手がけた平見優子。闇を照らすひとすじの光のように、陰鬱さのなかに幻想的な風景をつくりだしている。
舞台挨拶レポート
初監督について
– 映画としては初監督となりますが、いかがですか?
阿部はりか監督
私自身はあまりしゃべらないタイプで、それでも伝わるものは伝わると考えていましたが、それじゃダメだと思い、自分がほんとに思っていたこと、感じていたことを形にしようと思った作品です。
– 演じられて、そして出来上がった作品をご覧になっていかがですか?
青木 柚(コウ 役)
阿部はりか監督は、舞台監督含めて、ご自身の作品で男の子が登場するのは初めてだということで、監督自身戸惑ったこともあったと思うんですけど、父親役の水橋さんを殴るシーンが一番印象的でした。『暁闇』という作品通して、唯一行き詰まったシーンです。
そしたら、監督が、コウの心情についてその経緯含めて説明してくれたんですが、途中、監督ご自身が感極まっちゃって涙を流されました。
僕としては、涙を流されながら演出されるというのは今までなかったんですが、それがあってスーッを入ってくるものがありました。
その後の他の作品でも、役に感情移入することができるようになったきっかけでもありました。感謝しています。
中尾有伽(ユウカ 役)
私は、阿部はりか監督の舞台作品には出演していて、演劇での阿部監督の演出に慣れてしまっている部分があったのですが、映像になると演出が全然違うところがあって、そこが大変でした。でもそこは私と監督とのコミュニケーションで乗り越えました。
むしろ、私が脚本に口を出しまくってしまったことがほんとうに申し訳なかったなって思ってるんですけど(笑)、でも監督と一緒に作れて良かったなと思うし、キャストの皆さんとも一緒にできたことが私にとってすごくプラスになりました。
越後はる香(サキ 役)
最初脚本を読んだ時、サキという役の中に私との共通点がぜんぜん見えなかったので、演じる上で不安でした。でも監督やキャストの皆さんと関わっていくうちに、もっとやってみたいという気持ちが湧いてきて、探り探りではありますけど、サキという役になっていけたかなと思います。
若杉 凩(コウの彼女トモコ 役)
現場の雰囲気はいい意味でフワっとした感じだったんですけど、でも用意スタートってなった瞬間から空気が変わる感じがすごくあって。
出来上がった作品を観てみると、カラコレ(カラー・コレクション:映像の色彩補正)での青っぽい映像が、その空気感をすごい表しているなと感じて、私はすごく好きです。
これから映画をご覧になる方に。
阿部はりか監督
できるだけ多くの方に観ていただいて、いろいろな言葉を私は聞きたいなと願っています。
もしよろしければ、周りの方だったりとか、ネット上だったりとか、広めていただいて、作品を観た方が感じ、思ったことを言葉にしていただけると、いろんな言葉が生まれていいなと思っています。
私はそれらを見て、感じとって嬉しくなると思いますので、よろしくお願いします。
舞台挨拶の続きは動画で!
フォトギャラリー
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映画『暁闇』
【物語】
何に対しても無気力な少年・コウ(青木柚)、学校が終わると見知らぬ男たちとつかのまの関係を持っているユウカ(中尾有伽)、不器用にすれ違う両親の狭間で行き場のない悲しさを抱えるサキ(越後はる香)。誰とも繋がれない寂しさと疎外感を抱えながら、ふとしたきっかけで音楽を通じて出会いを果たした3人。中学生最後の夏休み、都会の片隅にある廃ビルの屋上に集まっては、足りない何かを埋めるように、届かない何かを求めるように、静かに魂を重ね合わせてゆく――。
中尾有伽/青木柚/越後はる香/若杉凩/加藤才紀子/小泉紗希/新井秀幸/折笠慎也
卯ノ原圭吾/石本径代/芦原健介 / 水橋研二
監督・脚本・編集:阿部はりか/音楽:LOWPOPLTD. 企画:直井卓俊/配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS/宣伝協力:MAP
2018/日本/カラー/16:9/5.1ch/57min> ©2018 Harika Abe/MOOSIC LAB
2019年7月20日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開!!
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