
【インタビュー】『侍タイ』が生んだ第2の主役・田村ツトム。50代初主演で挑んだ座長の覚悟。ドラマ『心配無用ノ介 天下御免』
映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇が、『心配無用ノ介 天下御免』として奇跡のドラマ化!50代にして初主演を掴んだ「第2のシンデレラボーイ」田村ツトムに単独インタビュー。自らの名が冠された作品に込めた魂と、撮影現場での熱い秘話をたっぷりと語ってもらった。(読者プレゼントあり)
第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇が、スピンオフとして現実の連続時代劇ドラマ『心配無用ノ介 天下御免』に!
主演は田村ツトム。江戸を舞台に、飄々とした剣客・心配無用ノ介がおゆう(沙倉ゆうの)ら仲間と共に悪党を成敗する痛快勧善懲悪物語だ。
安田淳一が監督を務め、第2話には白石和彌監督も参戦。山口馬木也や冨家ノリマサら「侍タイ」の仲間や豪華ゲストも出演。東映太秦映画村での一般公開収録やSNS投稿許可など、ファンの熱量と共に作り上げる異例の試みが話題の、BS-TBS全6話の意欲作だ。
田村ツトム インタビュー&撮り下ろしフォト
‐ まずは念願のドラマ化、おめでとうございます。映画『侍タイムスリッパー』から1年越しでの実現となりましたが、正式に決定し、しかもご自身が主人公だと聞いた時の率直な感想からお聞かせください。
田村ツトム(心配無用ノ介(錦京太郎)役)
はい。心から出た一言は、「わお!」でした(笑)
ドラマ化の話の最初を伺ったのは、『侍タイムスリッパー』の日本アカデミー賞の授賞式会場でした。それから、スタッフの皆さんが実現に向けて会議を進めてくださっている状況は常に聞いていたんです。でも、話が出てから約1年くらいかかりましたからね。
その1年間は「今か今か」と待っていました。安田監督から毎月のように「今月の会議ではこうなりました」「やっぱりまだです」という報告を受けていて……。8ヶ月目くらいには「田村さん、これドラマ化ならないかもしれません」というところまで一度行ったんです。その時は「あぁ、まいったな。ファンの方たちにいい報告ができないな」と、崩れ落ちるような思いでした。
そこから数ヶ月経って、「BS-TBSで正式に放送が決まりました。撮影は東映京都撮影所、殺陣は東映剣会の皆さん、スタッフも東映の方々です」と報告を受けた時は、やっと応援してくれているファンの皆さんに恩返しができる、と。舞台挨拶で報告した際、皆さんが泣いて喜んでくれたり、立ち上がって拍手してくれたりしたのを見て、「夢が現実になったんだ」と強く実感しました。
‐ 『侍タイムスリッパー』の時は、田村さんだけ製本された台本がもらえず、ご自身でデータをプリントアウトしていたという逸話がありますが、今回、自分の名前が一番上に書かれた台本を手にした時の感慨はいかがでしたか?
田村ツトム
そうなんです。映画の時は、僕のシーンにもセリフはあるんですけど、製本された台本はいただけなくて(笑)。自分でプリントした紙を見ながら撮影に挑んでいました。
今回、出来上がった台本をキャストの中で一番最初に渡していただいたんです。ページをめくって、キャストの欄の一番最初に「心配無用ノ介(錦京太郎)役 田村ツトム」と書いてあるのを見て、「これは夢じゃないんだ。主演として先頭に立ってこのドラマが展開されるんだ」と。ワクワクしながら、一字一句漏らさないように、思い出をなぞるようにゆっくりと時間をかけて読みました。
‐ 50代で掴んだ初主演ということで、山口馬木也さんに続く「第2のシンデレラボーイ」とも称されています。どのような覚悟で現場に臨まれましたか?
田村ツトム
馬木也さんと比べていただけるなんて恐れ多いです。馬木也さんは役者としても人間としても完璧に出来上がった方で、僕はずっとその背中を追いたいと思ってやってきました。30年間、腐らずに役者をやめてこなかったことがようやく実を結んだんだなと感じました。
現場に入る覚悟としては、やはり「座長の責任感」ですね。東映のスタッフさんは何十年もご一緒している顔見知りばかりですが、今回は「一役者の田村ツトム」ではなく「主演の田村ツトム」として接してくれました。「あなたはこのドラマの真ん中に立つんですよ」という空気で僕をステージに持ち上げてくれた。それに応えるためにも、僕がこけたら皆さんの生活もかかっているんだという重みを、撮影初日に一気に感じました。
‐ 今回、東映太秦映画村で「一般公開収録」という異例の形式で撮影が行われましたが、ファンの眼差しがある中での演技はいかがでしたか?
田村ツトム
僕は子供の頃、遠足で映画村に来て、当時の役者さんに気さくに話しかけてもらったのがすごく印象に残っているんです。今度は自分が役者側としてどう接すべきか、まずそれを考えました。
緊張については、僕は舞台も経験させていただいているので、どちらかというと舞台に近い感覚でしたね。一歩ステージに上がればお客さんに見守られている。だから緊張よりも、ファンの皆さんが毎日通って背中を押してくれることが力になりました。
中には、東京の方で、ウィークリーマンションを契約して毎日撮影現場に通ってくださる方もいらっしゃって、とてもありがたかったです。
そういったファンの皆さんに見守られながらのドラマ撮影は、正直、役者の「スケベ根性」と言いますか(笑)、「もっとやってやろう!」というスイッチが入るんですよ。本番中は静かに見守ってくれて、カットがかかった瞬間に「わあ!」と歓声が上がる。そのライブ感のおかげで、すごく気持ちよく演技ができました。
‐ 心配無用ノ介というキャラクターは、二枚目と三枚目のちょうど中間のような絶妙なバランスが魅力です。演じる上でのこだわりは?
田村ツトム
台本自体は監督が面白く書いているので、それをあえて「コメディ」としてやってしまうと薄っぺらくなると思うんです。あくまで「真面目に演じること」を大切にしました。真剣にやるからこそ生まれるおかしみや、ふとした表情、間を大事にしています。
僕がやりすぎると安田監督から「それはただのコメディです。真剣にやるからこそ笑えるんです」とストップがかかることもありました。監督と何度もやり取りをする中で、無用ノ介の真っ直ぐさや可愛げ、ツッコミどころのある人間像を掘り下げていきました。ちなみに「甘いものに目がない」という設定も監督との相談で決まったポイントです。
‐ かつては時代劇に苦手意識があったと伺いました。今作を通じてその意識に変化はありましたか?
田村ツトム
若い頃、右も左も分からない状態で京都の撮影所に放り込まれた経験があって、当時は着こなしも作法も厳しく、本当に苦手だったんです。でも、ある舞台で基礎を叩き込まれた時に「基礎があればアドリブもできるし、幅が広がる」と気づき、少しずつ意識が変わっていきました。
今回の『心配無用ノ介』では、東映剣会の皆さんが全力でバックアップしてくれて、分からないことは何でも教えてくれました。撮影が終わる頃には「僕、時代劇得意かもしれへん」と思えるくらいまで成長させていただきました(笑)。神様が「ここでもう一度勉強しろ」と避けて通れない道を用意してくれたんだな、と感じています。
‐ 安田淳一監督との信頼関係について伺います。主演として監督から最も求められたことは何だと感じていますか?
田村ツトム
映画の時は「こういう絵を撮りたいから、こう動いて」というワンポイントの演出が多かったのですが、今回はドラマとして一本通った物語なので、「心配無用ノ介という人間、そしてそれを演じる錦京太郎という人間をもう少し掘り下げて作っていきましょう」と言われました。
第1話のラスト、悪党に詰め寄るシーンの撮影で、僕が持っていたプランと監督の解釈が違ったことがあったんです。監督から「ここは格好をつけるのではなく、庶民の悲しみを代弁して、怒りでセリフが出ないくらいでいい」と言われた瞬間、ストンと役の芯が通りました。そこから無用ノ介という人物が自分の中で大きく膨らんでいきましたね。
‐ 安田監督は映画では「1人11役」こなしていましたが、今回の現場での様子に変化はありましたか?
田村ツトム
最初はすごくソワソワされていましたよ(笑)
今回はプロの照明さんやメイクさんが揃っていますから、監督の仕事が分担されているわけです。例えば、映画の時は監督がメイクの直しも全部指示していましたが、今回は本番前にメイクさんが自然に入ってくる。監督としては「今この勢いで撮りたいのに、あ、メイクが入るんだ」みたいな(笑)。自分のペースと違うことに戸惑っているのが見えて、すごくおかしかったです。
‐ 第2話では白石和彌監督がメガホンを取られましたが、演出を受けてみていかがでしたか?
田村ツトム
白石監督の作品はバイオレンスなイメージが強かったので、お会いする前は「眉間にシワを寄せた気難しい人かな」と勝手に想像していたんです。でも実際にお会いしたら、本当に腰が低くてニコニコされた素敵な方で驚きました。
演出も非常に丁寧で、カメラの動きやカット割りを最初にすべて説明してくださるんです。そうすると役者としても「ここで一回溜めておこう」といったプランが立てやすい。撮影が本当にスムーズに進みました。
実は、僕が山口馬木也さんを峰打ちで殴るシーンで、白石監督から「口から血がブワーッと出て、歯が散らばるシーンに行きましょうか」という提案があったんです。でも安田監督が「いやいや、今回の無用ノ介にそこまでの残酷さはいらないです」と止めていました(笑)
‐ その第2話、ふすまの開閉がズレるなどコメディ要素も満載でした。
田村ツトム
あそこは白石監督が一番笑ってくれましたね!
実は、白石監督発案のシーンで、ふすまがズレて閉まるのをテストでやった時、白石監督が「面白いじゃないか」ということで実現したんです。白石監督は、一人のお客さんのように楽しんでくれていたのが印象的です。
‐ ゲストとして山口馬木也さん、冨家ノリマサさんが参加されました。「侍タイ三兄弟」の絆を感じるエピソードはありますか?
田村ツトム
お二人とも「やっと田村君が主演だ、おめでとう!」と心から祝ってくださいました。
冨家さんは「思う存分、田村ツトムの無用ノ介を披露してください。僕たちがバックアップします」と言ってくださって、本当に心強かったです。
馬木也さんとは現場でハグをしたのですが、「田村さん、こっからですよ。思いっきりやってください」と激励していただきました。馬木也さんに「最後は僕が(高っ鼻を)へし折りますから」なんて言われて、「ありがとうございます!」と返しました(笑)
‐ ここからは田村さんご自身のルーツについて伺います。大阪の泉大津市ご出身とのことですが、実は私も実家が泉大津市なんですが(笑)、どのような少年時代を過ごされましたか?
田村ツトム
え、そうなんですか! 僕は松之浜のほうです。だんじり祭りのある町なので、荒っぽい中で育ちました(笑)
小学校から高校3年まで、とにかくプロ野球選手になることだけを考えて野球一筋でした。ポジションはセンターです。でも、上のレベルに行くと自分よりすごい奴がいっぱいいて……。高校野球を通じて、人生で最初の挫折を味わいましたね。
‐ そこから俳優を目指したきっかけは何だったのでしょうか?
田村ツトム
野球を諦めた後も「有名になりたい」という思いだけは残っていたんです。それを知っていた地元の友達が、萩本欽一さんの『欽ちゃんのシネマジャック』の出演者募集があるよと教えてくれて。
梅田の映画館に欽ちゃんが来られるというので、会いに行って履歴書を渡したんです。その場で欽ちゃんが封筒に「合格」と書いてくれて、この世界に入ることになりました。
‐ 長いキャリアの中で、転換点となった出会いはありますか?
田村ツトム
松竹芸能に入ってすぐ、朝ドラ(『走らんか!』)に大抜擢されたんです。でも、当時の僕は右も左も分からず、台本の読み方すら知らない。何度も現場を止めてしまい、毎日ディレクターさんに怒鳴られていました。
これじゃダメだと養成所で一から勉強し直した時に出会ったのが、今回『侍タイムスリッパー』でも共演している紅萬子(くれない まんこ)さんです。紅さんは僕の師匠であり、先生です。あの出会いがなければ、僕の役者人生は変わっていなかったと思います。
‐ 最後に、このドラマの見どころと今後の展望についてお聞かせください。シーズン2への期待も高まっています。
田村ツトム
シーズン2、ぜひやりたいですね! それはもう、ご覧いただいた皆さんの反応次第ですので、ぜひ応援をお願いします。
今回の見どころは、安田監督も仰っているように「新感覚の時代劇」であることです。古き良き勧善懲悪の真ん中を突き進みつつ、バックステージもののような面白さや、今の時代だからこそ笑える部分が散りばめられています。
時代劇に馴染みがない方でも楽しめる作品になっていますので、1話から6話まで、ぜひ新しい感覚で楽しんでいただけたらと思います!
田村ツトム(たむら つとむ)プロフィール
大阪府出身 20歳から役者の道を歩み、50歳を過ぎてからドラマ初主演の座を掴む。
NHK朝の連続テレビ小説「走らんか!」を皮切りに、関西を中心に舞台やドラマに多数出演。
幼い頃から野球で鍛えた体で、体当たり演技の実力派俳優。第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞映画『侍タイムスリッパー』では心配無用ノ介(錦京太郎)役で注目を集める。
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【インタビュー&撮り下ろしフォト】
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締切&詳細は記事https://t.co/DLl3Lbdt8T— NB Press Online (@NB_Press_Online) July 16, 2026

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[インタビュー・写真:三平准太郎]
関連動画:「心配無用ノ介 天下御免」記者会見
連続時代劇「心配無用ノ介天下御免」
《INTRODUCTION》
第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇が、スピンオフとして現実の連続時代劇に!
主演は田村ツトム。江戸を舞台に、飄々とした剣客・心配無用ノ介がおゆう(沙倉ゆうの)ら仲間と共に悪党を成敗する痛快勧善懲悪物語です。
安田淳一が監督を務め、第2話には白石和彌監督も参戦。 山口馬木也や冨家ノリマサら「侍タイ」の仲間や豪華ゲストも出演。
東映太秦映画村での一般公開収録やSNS投稿許可など、ファンの熱量と共に作り上げる異例の試みが話題の、BS-TBS全6話の意欲作です。
場面写真
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メイキング写真
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- 白石和彌監督(メイキング写真)
- 安田淳一監督(メイキング写真)
出演:田村ツトム 沙倉ゆうの 井之上チャル
Rene 田井克幸 冨家ノリマサ 本田博太郎 山口馬木也
竹中直人
企画・監督・脚本・撮影:安田淳一
監督:白石和彌(第二話)
エグゼクティブプロデューサー:安部眞太郎(BS-TBS)、水野貴夫(ギャガ)、高橋剣(太秦映画村)
プロデューサー:黒木彩香(BS-TBS)、堤智愛(BS-TBS)、南田圭一郎(太秦映画村)、井汲泰之(太秦映画村)、西尾勇哉(ユニバーサルミュージック)
制作プロダクション:未来映画社、東映
エンディングテーマ曲:「心配無用節」CRAZY KEN BAND(Doublejoy International)
製作委員会:BS-TBS、ギャガ、太秦映画村、未来映画社、ユニバーサルミュージック
製作著作:「心配無用ノ介天下御免」製作委員会
©「心配無用ノ介 天下御免」製作委員会
公式サイト:https://bs.tbs.co.jp/shinpaimuyounosuke/
公式X:https://x.com/shinpaimuyoubs6
放送日時:2026年7月16日(木)よる11時スタート 全6話(30分枠)
※再放送毎週土曜日夕方5:00~5:30
※BS-TBS、BS-TBS 4Kで同時放送
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