賊軍が現代にタイムスリップしたら!?白石和彌監督(『十一人の賊軍』)×安田淳一監督(『侍タイムスリッパー』)SPトークショー
同じ“時代劇“作品という繋がりから配給会社の垣根を越え、『十一人の賊軍』(東映 配給作品)と『侍タイムスリッパー』(ギャガ、未来映画社 配給作品)との”賊×侍”両監督(白石和彌監督と安田淳一監督)による公開記念スペシャルトークショーが11月22日(金)に、T・ジョイPRINCE品川にて開催された。
映画『十一人の賊軍』は、明治維新の中で起きた“戊辰戦争”の最中、新発田(しばた)藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件・奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた凶悪な罪人たちが「決死隊」として砦を守る任に就く物語。
そして映画『侍タイムスリッパー』は、幕末から現代の時代劇撮影所へタイムスリップをした会津藩⼠・⾼坂新左衛⾨が⼀度は死を覚悟したものの、やがて「我が⾝を⽴てられるのはこれのみ」と磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の⾨を叩き、「斬られ役」として⽣きていくという物語。
映画の公開を記念するとともに、時代劇ブームの到来を象徴する2作品によるスペシャルコラボということで、今回のトークショーが実現。『十一人の賊軍』の白石和彌監督、『侍タイムスリッパー』の安田淳一監督が登壇し、ファン必見のここでしか語られない熱いトークを繰り広げた。
白石和彌監督×安田淳一監督 スペシャルトークショー【完全レポート】
白石監督「橋が爆発した瞬間にタイムスリップを!」
安田監督「時代劇を撮る時、真剣は使わない(笑)」
白石和彌監督(『十一人の賊軍』)
『十一人の賊軍』の監督の白石です。今日は安田監督とのトークを楽しみに来ました。
安田淳一監督(『侍タイムスリッパー』)
京都でお米を作っている人です。今日は、白石和彌監督という、ずっとテレビで拝見していた尊敬する監督とお話できるということで、浮足立っています。
■同志のような気持ちでいます!
‐では、お互いの作品をご覧になった感想ををお願いします。
安田淳一監督
やっぱり迫力がすごいですし、仲野太賀さんや山田孝之さんのお芝居もとても良かったですし、刀の構えとか、山口馬木也さんがやったらどんな感じになるのかなとか思いながらも観ていました。
そして、砦での攻防戦というマカロニウエスタンみたいな雰囲気もあって、その攻防では、白石監督の特徴である目玉が飛び出るとか、すごい描写もあったりして、かなりドキドキしながら、あっという間の155分でした。
白石和彌監督
嬉しいですね。かなり大変な撮影だったので。ぜひ橋が爆発した瞬間、現代にあの二人が戻ってきたら、安田監督にもう一つの世界線を描いていただこうかな。
安田淳一監督
いえいえ(笑)
でも、同じ時代背景を映画を撮ったということで、ご縁も感じますし、僕らインディーズの目から見ると、あの爆発シーンはいくらかかるのかなとか(笑)
あとで、CGやと聞いたんですけど、渓谷もよくこんなすごい場所を探したなとか思って見てたので、いやもうひれ伏します。
‐白石監督は『侍タイムスリッパー』をご覧になっていかがでしたか?
白石和彌監督
すごく面白かったですし、何より僕らにはできない贅沢な撮影をしているのを強く感じました。
そして、この映画を観た皆さんが思うんですけど、時代劇への愛がしっかり映画の中にあるのを感じました。
僕もこの10年ぐらいずっと時代劇をやりたいと思っていた中、今年やっと『碁盤斬り』と『十一人の賊軍』を公開できという中で、安さんがいろんな想いを抱えながら時代劇を撮ったというのが、勝手に親近感いうか、ちょっと同志のような気持ちでいます。
『碁盤斬り』で始めて京都で撮ったとき、京都の俳優たちが、すごいなと思って。(『侍タイムスリッパー』でも)大好きな人がいっぱい出たいたので、僕は見ながらいろんなことを思い出して楽しかったです。
安田淳一監督
嬉しいです。同志と言ってくれはったんで。
‐安田監督は初めての時代劇で、白石監督は二度目ですが、時代劇に挑戦しようと思われたのは?
安田淳一監督
僕はインディーズ映画の中で頑張ってるんですけども、持論があって、簡単に作った映画はお客さんが喜んでくれないというところを経験的に思っていて、ものすごくもう大変な思いして、なかなか越えられへんていうような壁を越えて作られた映画の方が、お客さん喜んでくれる。
白石さんもそうだったと思うんですけど、監督として時代劇はいつかは挑戦したいカテゴリなので、それをこのタイミングでやってみよと思ったからです。
白石和彌監督
日本映画のある種の発展は時代と共にあった時期が長かったし、日本の本来持っている美しさとか、生き方のヒントだったりとか、いろんなものを描けたり。もしくは、そういう本当は守らなきゃいけないものを逆に裏切って描くこととか、いろんなことを時代劇の中で集約して描けるので。
しかもやっぱり日本オリジナルな世界っていうのが、逆に言うと、今は『SHOGUN 将軍』という作品が世界で注目されているのは、頷けることだと思いますし、またチャンスがあったらやりたいなって思っています。
‐ところで、『十一人の賊軍』に本山力さんが出演されていますが、『侍タイムスリッパー』にも出演されているそうで、どのシーンでしょうか?
安田淳一監督
僕も実際のところわからないんです(笑)
白石和彌監督
わからない?(笑)
安田淳一監督
真夏のある日の撮影で、立ち回りを何回もしてもらったら、一人怒って帰った人がいるそうなんですが、それは本山さんではないと思うので、どこかのシーンで頑張ってくれていると思います。
‐では『侍タイムスリッパー』を何回か観れば、本山さんがどこで出ているかもしかしたらわかるかもしれないということですね。
安田淳一監督
どこかのシーンで頑張ってくれていると思います。
‐本山さんは、殺陣の指導もされたのでしょうか?
白石和彌監督
いえ、本山さんは完全なプレイヤーで、『侍タイムスリッパー』の殺陣は、剣会の殺陣師の清家さんという方が指導されたそうです。清家さんは親子でやられているんですよね?
安田淳一監督
はい、そうです。
白石和彌監督
僕も4階にある道場を撮影で使っていて、剣会の練習も見学したことがあるんですが、あの2人はとにかく“手”を作るのが早いんですよね。
安田淳一監督
そう。そして撮影時に、構図上、微調整が必要になったとしても、すぐに対応してくれて素晴らしいんです。
■両作の共通点:剣会
‐『侍タイムスリッパー』では、剣会の役員・会長を歴任された峰蘭太郎さんもしっかり出演されていますとおり、東映京都撮影所の剣会の方が両作に携わっているという共通点があるのも熱いところですね。
白石和彌監督
峰さんのキャスティングは最初から決めていたんですか?
安田淳一監督
脚本段階では、福本清三さんだったんですけど、お亡くなりになってどうしようかなと思って地元のテレビを見てたら、峰さんが朗読しているニュース映像を見かけて、峰さんさんがいた!と思ってお願いしたら、「福本さんの代役やったら喜んでさせてもらう」と引き受けてくださりました。
白石和彌監督
峰さんは『碁盤斬り』にも出ていただいていて、剣会の人たちって、ずっと映画の世界にいるから、いろんなことの話が早いし、やっぱりすごい雰囲気を持っているんです。
『十一人の賊軍』でも本山さんが剣会の方なんですけど、「もうこんな役、誰にやってもらう?老人の役なんだけど、ずっと戦ってなきゃいけないし、ダメだろう」と思っていた中、『碁盤斬り』で京都行ってる時に、まさか斬られ役で本山さんが来てて、「おいくつですか?」と聞いたら「50いくつです」って。「これは(イケる)!」と思いました。
安田淳一監督
あの人、歯が無いですからね(笑)
白石和彌監督
そう、歯が無いのが特徴で、元々はパンクロッカーだったんですけど。
歯が無いのをもうちょっとフューチャーしたかったんですけど、本山さん、気合が入っちゃって、もうずっと口を閉ざしたままで格好良くしたいってなって、全然口を開けてくれないなって思って(笑)
安田淳一監督
実は、沙倉ゆうのさんっていう助監督役の子が、本山さんと知り合いで、同じ東映京都の俳優部で。本山さんは普段はものすごく真面目なんですって。ほんで、あの人は怖い感じもできるし、ちゃんと整えたら男前にもなるっていう話をしてましたね。
■映画を作る上で大事にしているもの
‐お二人が映画を作る上で一番大事にされているものは?
白石和彌監督
やりたいことをスタッフ、キャスト、みんなにちゃんと伝えることです。僕が言ったことで、現場が大変だったりとか、無茶をさせてしまうことも多いので、あとはもう基本ニコニコしているっていうか、僕が一番楽しそうにしてないとみんながイヤになっちゃうかなって思って。
‐一人十一役以上(*)やられている安田監督はいかがですか?
*監督、原作、脚本、撮影、照明、編集、整音 etc
白石和彌監督
(エンドロールの)全部署にお名前がありましたね(笑)
安田淳一監督
業界きっての器用貧乏とか言われています(笑)
僕は、自分が頑張ることはもちろんなんですけども、自分が心に思ってないことは映画にしないということと、あとはもう丁寧に真心込めて作ることです。
■『男はつらいよ』をリブート!?
‐両作品とも、困難な状況に追い込まれた名もなき人たちが、自分の人生を再び取り戻すために立ち上がるというストーリーになっていますが、作品に込めた想いを改めてお聞かせください。
白石和彌監督
戊辰戦争で、弱者が亡くなっていくっていう、名もなき者たちの生き様とか死に様を描くことで、何か見えてくるものがあるんじゃないかなと思って、『十一人の賊軍』はチャレンジしました。でも、登場人物がほぼほぼ死んでしまうんで、やっぱりそこはちょっとエンターテインメントに振り切って、死に方をちょっと楽しくしたいなとか、そういうことばっかり考えてやってました。でも今に通じる何かが見えてくればいいなあなんて思ってやってましたね。
安田淳一監督
僕の過去の作品にも共通しているんですけども、困難な状況に置かれても、前を向いて努力すれば新しい人生は開けるということを映画では描きたいなと思っております。
‐今回時代劇を撮られたお二人ですが、今後撮りたい作品の構想やアイデアがもしあって、お話しできるのであれば教えていただけますか?
安田淳一監督
友達と小さい映画をまたやりたいなと思っています。磯部鉄平という、夜、うろちょろ歩いて朝を迎えたら、いい感じに仲間がさよならって帰っていくみたいな映画を何回も撮っている監督がいて、予算がかからないので、こういう作品で僕がカメラマンとして、磯部さんにはキャストとしても出てもらいたいなって思っています。そして、自分自身がチャレンジしてみたいのは、『男はつらいよ』が好きだったので、ああいったものをリブートとかしてみたいなと思います。
白石和彌監督
『男はつらいよ』をリブート!?なかなかな企画ですね(笑)
渥美清さん役は誰ですか? 超すごい野望ですね。
‐白石さんは?
白石和彌監督
やりたい時代劇のオリジナル企画が2つ3つぐらいあるので、それらを一つ一つ形にしていきたいですね。誰が乗ってくれるかっていうのを思いながら。
もちろん現代劇も。しばらく現代劇をまともに撮ってないんで、現代劇もやっておかないといろいろ忘れそうで(笑)しばらく、横開きの扉しか撮影していないので(笑)、押す・引くの扉の撮影もしないといけないなとか、車の中の撮り方とかも忘れちゃったんで。
‐白石さんは逆に過去に行ってしまってるんですね。
白石和彌監督
そうです、ずっと過去の時代の作品ばかり撮っているので。
■SNSからの質問に回答!
真剣は使わない
‐それではここで、SNSで一般のお客様から募集した質問です。「お二人が時代劇を撮影する上で、ここだけでは譲れないというこだわりや意識していることを教えてください」
白石和彌監督
例えば俳優が「真剣で斬り合いたい」みたいなことを言った時に、僕は果たしてどう立ち回れるんだろうっていうのは、時々考えてることがあって、昔から。
で、(『侍タイムスリッパー』)を観るとまさにそういう話で(笑)、(高坂と風見の)2人が血判状を持ってきたら、井上肇(撮影所所長・井上 役)さんが「それなら大丈夫だね」って、酷いプロデューサーもいたもんだなっていうのをまざまざと観て(笑)、ほんと、面白かったです。
でもやっぱり危険も伴うし、日本映画ってそういう意味では不幸な事故も長い歴史の中であるので、やっぱりそれは時代劇に限らないですけど、事故がないようにっていうのは心がけてるつもりです。ただ、やっぱり本番に入ると俳優に任せるしかないし、どうしても怪我がつきものなんですけど、そういう何か安全弁っていうのは精一杯やれる限りのことはやります。もちろんそれは僕だけじゃなく、あらゆるスタッフもそれを考えてやっている。
‐安田監督の「ここだけは譲れないこだわり」は?
安田淳一監督
「真剣は使わない」ということですこれは強調しておきます(笑)
白石和彌監督
(笑)
でも、ラストの油日神社という、時代劇でもよく使われる神社での真剣の戦いは本当にスリル満点で、刀の音もすごい良かったですね。
安田淳一監督
うわぁ、嬉しいわ・・・やばいわこれ、ちょっとウルウルくる・・・
白石和彌監督
剣会の殺陣って、基本、竹光でやっているので、刃と刃を合わせないのが基本ですよね。
でも『侍タイムスリッパー』では当ててるとこもありますよね?
安田淳一監督
あります。あと場合によっては、フリだけでやってるとこもありましたけども。
白石和彌監督
なのでその分、最後の真剣の戦いが本当にリアルに見えました。
安田淳一監督
山口馬木也さんがいつも刃筋を立てることを意識して刀を振っていらっしゃるんです。こんな感じで。それをいつも心がけてやられていたのが、撮影している中で一番印象的でした。
白石和彌監督
(映画が更にヒットして)もし予算が付けば、刃と刃が当たると、火花が散ったり、刃が欠けたりもするところをCGで足したらどうですか?(笑)
安田淳一監督
撮り直しという意味では、文字含めて、劇中には間違いがいっぱいあるんです(笑)
たとえば、高坂と風見の血判状。あろうことか、“風見恭一郎”が“風見恭史郎”になっていて(笑)
それは分かってるんやけど、お客さんにもバレていて(笑)ただ、そこまで含めて観てくれているから、僕の想いで勝手に変えられないんです(笑)
白石和彌監督
なるほど、作品がもう独り立ちしていて、直すとファンに怒られそうだと。
安田淳一監督
そう、ジョージルーカスみたい(*)になるんじゃって(笑)
*「スターウォーズ」のエピソード4、5、6が公開から十数年後に再撮影やCG追加が行われた。
白石和彌監督
なんて愛された映画。愛されている映画をちゃんと把握できてるって素晴らしい。
安田淳一監督
把握せざるを得ません(笑)
‐そしてSNSでひたすらイイネを付けれてますよね
安田淳一監督
それしかやることがないんで(笑)
安田家の家訓
‐SNSを通してもうひとつ質問が来ています。『十一人の賊軍』は「覚悟を見せろ」、『侍タイムスリッパー』は「覚悟を見せた」だと思いますが、お二人はこの映画を撮影する時にどんなことを覚悟しましたか?
白石和彌監督
やっぱり、多分東映さんでしかできない映画なので。笠原和夫さんのアイディアもいただいて撮影しているので、もうこの映画を作ること自体が覚悟みたいな感じでやってたので、これでダメだったら、もうほんとにぼちぼちかなみたいな。そういう感覚をいつも持って作品を作らないと、何か色々グダグダになっちゃうので、そういう覚悟をいつも心に決めてやってます。
安田淳一監督
預金通帳が0になるまで頑張ろうと思いました。実際、ほぼそれに近くなりましたけどね。それは覚悟してやりました。
‐白石さんは、そういうのをどう思われますか?
白石和彌監督
大丈夫です。僕の師匠の若松孝二監督は、借金してマイナスになってましたから。
安田淳一監督
(安田家の)家訓で、借金をしたらアカンことになっているんです。
白石和彌監督
家訓で(笑)
安田淳一監督
保証人もアカンと言われてます。
白石和彌監督
あとは、人のお金で作るしかないですね(笑)
■最後にメッセージ
‐では、最後にそれぞれメッセージをお願いします。
安田淳一監督
『侍タイムスリッパー』ももちろんですが、『十一人の賊軍』は大変面白い映画ですので、今後ともお引き立ての程よろしくお願いいたします!
白石和彌監督
今日は、先ほど爆破もすごかったと言ってくれたんですけど、爆破をしたスタッフの宇田川幸夫さんという、僕の作品でもいつもお世話になってるし、日本のいろんな特撮で爆破されている方が、今日この会場に来られています。
安田淳一監督
びっくりしました。いつか僕が出世したらお仕事をお願いしたいです。
白石和彌監督
宇田川さん、もし安田監督からご要望があったらお願いします!
■フォトギャラリー
[記事・写真:三平准太郎]
関連記事&動画
映画『十一人の賊軍』
《INTRODUCTION》
「日本侠客伝」シリーズ(64年~)、「仁義なき戦い」シリーズ(73年~)などを手掛け、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆した幻のプロットが、60年の時を経て映画化される!
明治維新の中で起きた“戊辰戦争”の最中、新発田(しばた)藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件・奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人たちが「決死隊」として砦を守る任に就く物語——この巨匠が手掛けたプロットを、企画・プロデュースの紀伊宗之と白石和彌監督、脚本の池上純哉たち平成ヤクザ映画の金字塔『孤狼の血』チームが受け継ぎ、令和に新たな集団抗争時代劇として誕生させる。
その一大プロジェクトの主演には現代の日本映画界で双璧をなす超実力派俳優山田孝之と仲野太賀の2名が抜擢され、死と隣り合わせの戦場を我武者羅に駆け抜ける!
一瞬たりとも気が抜けない裏切りと葛藤の物語が2024年11月1日(金)に開幕!運命と対峙する激闘が日本人の奥底に燻る反骨精神に火をつける!!
舞台は 1868年、「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りに、15代将軍・徳川慶喜を擁する「旧幕府軍」と、薩摩藩・長州藩を中心とする「新政府軍=官軍」で争われた“戊辰戦争”。
明治維新の中で起きた内戦であり、江戸幕府から明治政府へと政権が移り変わる激動の時代である。その戦いの最中、新発田(しばた)藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件・奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、原案・笠原和夫は11 人の罪人たちが「決死隊」として新発田藩の砦を守る任に就くストーリーを創作した。
笠原は「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉の通り、勝った方が全て正しく、勝敗によって善悪が決まるのが当たり前の時代に“果たして勝つことだけが正義なのか?”と一石を投じるべく、憎き藩のために命をかけて砦を守らなければならない罪人たちの葛藤を構想した。しかし当時の東映京都撮影所所長・岡田茂は物語の結末が気に入らずボツに。怒りに狂った笠原は350 枚ものシナリオを破り捨ててしまい、日の目を見ることのないままとなってしまったが、笠原和夫が描こうとしたドラマは今まさに日本が抱えている社会問題とシンクロすると確信した現代の東映が企画・映画化。
出演:山田孝之 仲野太賀
尾上右近 鞘師里保 佐久本宝 千原せいじ 岡山天音 松浦祐也 一ノ瀬颯 小柳亮太 本山力
野村周平 田中俊介 松尾諭 音尾琢真 / 柴崎楓雅 佐藤五郎 吉沢悠 / 駿河太郎 松角洋平
浅香航大 佐野和真 安藤ヒロキオ 佐野岳 ナダル / 木竜麻生 長井恵里 西田尚美
玉木宏 / 阿部サダヲ
監督:白石和彌
原案:笠原和夫
脚本:池上純哉
音楽:松隈ケンタ
配給:東映
©2024「十一人の賊軍」製作委員会
撮影期間:2023年8月~11月
公式サイト:https://11zokugun.com/
公式X:@11zokugun_movie
公式Instagram:@11zokugun_movie
本予告
絶賛上映中!
映画『侍タイムスリッパー』
《STORY》
時は幕末、京の夜。会津藩士・高坂新左衛門は、密命のターゲットである長州藩士と刃を交えた刹那、落雷により気を失う。眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。
行く先々で騒ぎを起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだと知り愕然となる新左衛門。一度は死を覚悟したものの、やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と、磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩く。「斬られ役」として生きていくために…。
出演:山口馬木也 冨家ノリマサ 沙倉ゆうの
監督・脚本・撮影・編集:安田淳一
殺陣:清家一斗
撮影協力:東映京都撮影所
配給:ギャガ 未来映画社
宣伝協力:プレイタイム 南野こずえ
©2024未来映画社
2024年/日本/131分/カラー/1.85:1/ステレオ/DCP
公式サイト:https://www.samutai.net/
予告編
絶賛上映中
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。