
第48回 日本アカデミー賞・最優秀作品賞は、インディーズ映画『侍タイムスリッパー』!
2025年3月14日、グランドプリンスホテル新高輪にて、第48回日本アカデミー賞授賞式が行われた。本記事は、最優秀作品賞に輝いた『侍タイムスリッパー』の受賞コメント特集。(3/14放送でカットされたコメント含む全文掲載)
『侍タイムスリッパー』は、2024年8月に、たった1館(池袋シネマ・ロサ)の封切りからスタートしたインディーズ映画。
武士が落雷によって現代の“時代劇撮影所”にタイムスリップし「斬られ役」として生きていく姿を描いたこのコメディ作品は、安田監督が監督のみならず、脚本、原作、撮影、照明、編集/VFX、整音、タイトルデザイン/タイトルCG製作、現代衣装、車両、制作…と1人11役以上を務め、わずか10名足らずのスタッフと共に生み出された超・自主制作映画。
しかしながら、「自主制作で時代劇を撮る」という無謀な試みに「脚本が面白い!」と、時代劇の本場、東映京都撮影所が特別協力をするなど、監督・キャスト・スタッフたちの熱い想いと作品の圧倒的な個性から、「侍タイ」の輪がどんどん広まり、大手配給会社・GAGAとの契約にも繋がり、一気に全国公開。2025年3月現在でも、映画館での上映が続いている。映画愛に溢れ、老若男女問わずに愛される作品が、日本各地に拡がっているである。
なお、本作は、第48回日本アカデミー賞では、7部門で受賞している。
『侍タイムスリッパー』受賞一覧
優秀作品賞 ★最優秀作品賞受賞
優秀監督賞(安田淳一)
優秀脚本賞(安田淳一)
優秀主演男優賞(山口馬木也)
優秀撮影賞(安田淳一)
優秀照明賞(土居欣也/はのひろし/安田淳一)
優秀編集賞(安田淳一)★最優秀編集賞受賞
最優秀作品賞 受賞!
発表は、日本アカデミー賞協会・島谷能成会長によって行われた。
安田淳一監督
本当に驚いております。色々な方に喋ってもらいたいので、僕は少しだけ。
最後まで物事を諦めずにやることを教えてくれた。一昨年死んだ父と、そして「頑張っていれば誰かがどこかで見ていてくれている」といつもおっしゃっていた、福本清三さん(2021年没。日本一の斬られ役・殺され役として知られた。『侍タイムスリッパー』の企画のきっかけのひとつにも)に見せてあげたいです。本当にどうもありがとうございました(涙)
沙倉ゆうの(山本優子 役)
『侍タイムスリッパー』を最優秀作品賞に選んでいただきまして、本当にどうもありがとうございます。本作の助監督で、助監督山本役も演じましたさくらゆうのです。本当に『侍タイムスリッパー』はみんなの作品です。たくさんの方に助けてもらって、たくさんの皆さんの想いが詰まったこの作品を皆さんと一緒に作り上げることができたのが、本当に私はすごく嬉しくて幸せです(涙)
みんなと一緒にできたのが本当に最高に幸せでした!ありがとうございます!
山口馬木也(主人公・高坂新左衛門 役)
心臓が飛び出るかと思いました。
この映画、インディーズ映画でたった1館(池袋シネマ・ロサ)から上映されました。本当に最初は小さな小さな光でした。それを多くの方が評価してだり、そしてお客様のおかげでこんなにキラキラした場所に立てております。
この映画を観に、何度も(劇場に)足を運んでくださったお客様がいます。その方に聞いたら、「映画館にキャラクターたちに会いに行きたくなる。会いに行くような気分で何回も来るんです。」とおっしゃってくださいました。こんなに嬉しいことはありません。この映画が与えてくれた全てのことが、折に触れ今後自分の帰る場所になると思います。
そのきっかけを与えてくれた安田監督、本当にありがとうございます。そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!
■最優秀編集賞 受賞!
安田淳一監督
いや、まさかいただけると思わなかったので驚いております。本当に俳優さんたちが一生懸命お芝居をしていただきましたので、なるべくたくさんいいように編集できるように頑張ったつもりです。本当にありがとうございました!
優秀主演男優賞での山口馬木也 コメント
羽鳥慎一(MC)
本物の侍がタイムスリップして現代の時代劇の現場に来るという映画です。いかがでしたか?
山口馬木也(主人公・高坂新左衛門 役)
そうですね。とまあ、インディーズ映画なので、僕の役は会津のお侍さんの役で。
方言指導という方が現場にいらっしゃらなかったので、さてどうしたもんかというところから入りまして。
ただタイムスリップするというだけでもまあ周りの人から見るとかなり異質なものになった。その上にゴリゴリの会津弁を使うと、ちょっと周りの人がどう受け止めていいのかわからなくなるのかなと思って、僕なりにイメージした、会津というか東北のそういう温かみのある言葉をノリでしゃべっていたんですけど、撮影が進むにつれ、その土地に暮らす人々に申し訳ないなと思いながらしゃべってました。
安藤サクラ(MC)
そうなんですね。その、インディーズ映画、自主映画というくくりでよろしいんですか?
予算があまりない中での撮影だったということなんですけど、撮影は現場ではどのように進めて行かれたんですか?
山口馬木也(主人公・高坂新左衛門 役)
そうですね。でも何か予算が少ないとかはあったんでしょうけど、現場ではあまりそんなことは感じなくて。逆にそれで一致団結したというところの方がありましたかね。
ただまあ、ご存知の通りというか、うちの安田淳一監督は、監督、照明、カメラなど、一人何役もこなされていたので、今ご自分が監督としてそこにいるのか、カメラマンとしてそこにいるのかというのがこんがらがるんです。
そうするとスタートがかからないんです。そしてカットもかからなかったりするので、その辺はちょっと大変だったなとは思いますけど。
羽鳥慎一(MC)
安田監督、何役もやられているという山口さんのお話でしたが、撮影の現場はいかがでしたか?
安田淳一監督
とても大変でした。 時代劇をアマチュアとプロが混じって10人ちょっとで撮ってましたので、しょっちゅう東映京都の皆さんに厳しい目のご指導をいただきながら、愛情いっぱい受けて、その時いつも山口さんは、「僕、もしかしたら京都撮影所の出禁になるかもしれない」って心配しながらも、すごく色々やっていただいて、とても素晴らしい演技というか、一緒にやっている間は本当にタイムスリップしてきたキャラクターご本人と映画を撮っているような、そんな気持ちで撮影を進めていました。
羽鳥慎一(MC)
という監督のお話でしたけども、いかがですか。
山口馬木也(主人公・高坂新左衛門 役)
ありがとうございました。本当に。自分でも現場がすごく楽しくて、いつも現場に行く時にはみんなとイチャイチャしに行くみたいな、そんな感覚で現場に行ってましたね。
安藤サクラ(MC)
本当にスクリーンからものすごくダイナミックなものを感じたので、まさかそんな10人で撮ってるっていうのは全く感じなかったです。
※最優秀主演男優賞は、横浜流星(『正体』)
優秀監督賞での安田監督コメント
安田淳一監督
京都からやってきました。お米も作りながら映画も作っております、安田淳一と言います!
この映画は、キャストの皆さん、そしてスタッフの皆さん、東映京都撮影所の皆さん、そしてこの映画を上映しようと言ってくださった単館の劇場の皆さん、そして、大手のシネコンの皆さん、皆さんの映画人としての心意気や矜持によって、ここまでやってきました。
お客様も、ものすごく応援してくださいまして、昨年の8月17日に1館から始まった上映が、一時、300館を超え、今もなお、7ヶ月を経て、約150館でまだ上映してくれているという、この幸運に本当に感謝したいと思いますし、この後の結果がどうであれ、一生懸命応援してくださった皆さん、この場に連れてきていただいたことを、心の底から、スタッフ、キャスト一同、感謝しております!ありがとうございます!
※最優秀監督賞は、藤井道人監督(『正体』)
■全受賞者フォトセッション
■(参考情報)安田監督は1人10役以上を!
エンドロール(イメージ)
原作/脚本
安田淳一
撮 影
安田淳一
照 明
土肥欣也
はのひろし
安田淳一
編集/VFX
安田淳一 整 音
萩原一輔 森下怜二郎 安田淳一 タイトルデザイン/タイトルCG製作
安田淳一 現代衣装
安田淳一
冨本康成
車 両
清水正子
安田淳一
制 作
清水正子
沙倉ゆうの
安田淳一
ポスター・チラシデザイン
安田淳一
特報・予告編集
安田淳一
監 督
安田淳一
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©日本アカデミー賞協会
[記事:三平准太郎]
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