魔女の香水

【インタビュー】桜井日奈子「頼れる人を近くに見つけることはとても大切」

香水の香りをテーマに女性の成長を描く映画『魔女の香水』(6/16公開)で、夢に挫折し将来への希望を見失った若い女性を演じる桜井日奈子。23歳から30歳までの7年の振り幅を演じきった彼女に、本作の魅力や、俳優としての今も想いを聞いた(直筆サイン入りチェキプレゼントあり)。

桜井日奈子演じる“若林恵麻”は、派遣社員をクビになり自暴自棄となりながらも、魔女と呼ばれる“白石弥生”(演:黒木瞳)との出会いによって、華やかな未来へと導かれ、華麗なる転身を果たす。香りと言葉で背中を押され、自分の力で未来を切り開いていく爽快なシンデレラストーリーは、運命を切り開く勇気を与えてくれる。

桜井日奈子 インタビュー&撮り下ろしフォト

■23歳から30歳までの7年間の振り幅をどう見せるのか

-本作のオファーがあったときのお気持ちをお聞かせください。

桜井日奈子(若林恵麻 役)
これまでは学生の役が多かったのもあり、こういう大人な女性の役のオファーが来るようになったんだなということが嬉しかったです。

魔女の香水

桜井日奈子

-脚本を最初に読まれたときの印象は?

桜井日奈子
「大人だ!」です(笑)
弥生さんによる、香水に込められたいろんなメッセージで、恵麻(えま)は自分の人生を切り拓いていきますが、それに共感を持ちました。
芸能界で仕事をしている中、一番近くにいるマネージャーさんの言葉に導かれながら突き進んでいくというのは似ている環境だなと感じたからです。

魔女の香水

場面写真(桜井日奈子)

-“若林恵麻”という役を演じる上で心がけたことをお聞かせください。

桜井日奈子
恵麻の冒頭のセリフの「自分の足で立っていける人になりたい」は、最初の不安な状態だけどこれを目標に突き進んで行くんだという気持ちが込められた大切なセリフだと思いましたので、この気持ちをずっと持ち続けて恵麻を演じていこうと思いました。
そして、23歳から30歳の7年の振り幅をどう見せるのかも大事になる作品だなと思っていましたが、実年齢より上の役は今まであまり経験が無いので、それは不安要素のひとつではありました。
でも、今回ご一緒させていただいた黒木瞳さんのパワーがほんとうにすごくて、私の中の恵麻を引き出していただきました。

-各年齢の恵麻をどう演じ分けられましたか?

桜井日奈子
弥生(通称:魔女さん/演:黒木瞳)さんのセリフに「姿勢は常に正しなさい」とあるように、姿勢を大事にしました。若い頃の恵麻は頼りなさそうに見えるように。そして後半に向けてだんだん自信を持っていくにつれて、恵麻はより姿勢を正していくということを意識して演じました。

魔女の香水

場面写真(黒木瞳)

-演じられた恵麻と桜井さんの共通点や、ここは違うなという点は?

桜井日奈子
私も割りとまっすぐな方だと思うんです(笑)
恵麻が前職のシーンで上司のセクハラを目撃し、「セクハラじゃないですか?」と立ち向かいますが、これだけハッキリと言える子ってなかなかいなくないですか?私は恵麻のそういうところが大好きだなと思いました。でも私なら上司にそこまで言えないかな、とも思いました。

魔女の香水

-恵麻が新しい香水を考えるためのアイディアノートが登場しますが、あれは桜井さんご自身が書かれたものですか?

桜井日奈子
そうです!私も香水を勉強したいからということで、実際に勉強に使ったノートを劇中でも使わせていただきました。汚い字に見えたらごめんなさい(笑)

-ぜんぜん!綺麗な字でしたよ。実際、本作を通じて香水については勉強になりましたか?

桜井日奈子
勉強になりました。香水は時間が経つにつれて香りが「トップノート・ミドルノート・ラストノート」という三段階で変わっていくということなど、香水選びに際して知っておいた方がいい情報がいろいろあって深いし、面白いなって思いました。

魔女の香水

■「褒められて伸びるタイプです!」

-黒木瞳さんとの共演で学びになることがあればお聞かせ下さい。

桜井日奈子
黒木さんはそれぞれのシーンをとても細やかに作り上げていかれます。このセリフのときはこの位置にいて、顔はこういう向きというように。監督ともどうしたらいいか常に話し合っていらっしゃいます。また、監督だけじゃなく、カメラマンさんや照明さんとかにも配慮されていたり、これが女優の振る舞いなんだなっていうのを学ばせていただきました。
そもそも黒木さんはエネルギーがすごいので、ドライ(=ドライ・リハーサル:カメラ無しのリハーサル)の段階から私は圧倒されました(笑)黒木さんになんとか食らいつくというか、受けたものをちゃんと返したいという思いでずっと集中していました。
私がデビューして一番最初の連続ドラマ作品「そして誰もいなくなった」にも黒木さんがいらっしゃってたのですが、今回のようにしっかりと一緒にお芝居させていただくのは初めてなので、感慨深さも感じました。

魔女の香水

場面写真

-宮武監督はカットがかかるごとに『素晴らしかった!』と褒めてくれたそうですが、監督からの演出はどういうものがありましたか?また、桜井さんから監督に相談されたことは?

桜井日奈子
監督には褒めていただけることが多かったです。平岡祐太(横山蓮 役)さんも黒木さんも宮武監督はこれまでにご一緒されているのですが、その平岡さんが「宮武監督はほんとに“良い!”って思わないと褒めてくれないんだよ。」とおっしゃってくれて、それがさらに自分の自信に繋がりました。
そういう中で、平岡さんとのシーンは大人の恋愛なので、脚本を読んでいても想像しづらいところがあったので、「このときの恵麻はどう思っているんですか?」と、監督に相談しました。

魔女の香水

場面写真(平岡祐太)

-そういう宮武監督の印象は?

桜井日奈子
監督はとても朗らかで、周りの意見を聞き入れてくれる方です。ご自分が思われていることがあるんだけれども、それはさておき、まずはこの人の意見を聞きましょうという柔軟な対応ができる監督という印象です。
同時に、だからこそ、監督が望むものを形にしたいって思える人たちが集まったチームなんだなとも思いました。

-桜井さんは褒められて伸びるタイプですか?

桜井日奈子
伸びます!!

-なるほど。監督から褒められて、そして黒木さんという大先輩からも影響を受けて、俳優として成長を感じられましたか?

桜井日奈子
成長したと思います。間違いなく新境地に達したという実感があります。こうして自信を持って言えるのは、監督からたくさん褒めていただけたからだと思います(笑)なかなか褒められることがないので(笑)

魔女の香水

■「俳優業を天職にしたい」

-本作に登場する香水「Parfum de prières(パッファンドプリエール)」は様々なメッセージが込められていることが描かれていて、そのひとつに「無限の力」というのがあります。俳優というお仕事も作品を通して観る人に喜びなどの感情やきっかけを与えることもあると思いますが、今の桜井さんにとって俳優というお仕事のモチベーションはなんでしょう?

桜井日奈子
劇中、弥生さんのセリフで「どんな人にも無限の力があり、天から授かった天職がある。あなたの天職を見つけなさい。人のためになることをしなさい。」というのがあります。
私は、天職を見つけることも大事だけど、天職にしたいって思えることも大事だと思っています。なので、私は俳優業を天職にしたいという想いでやっています。

-俳優を天職にしたいと思える原動力は?

桜井日奈子
ファンの方です。先日、私の誕生日会のファンクラブイベントがあって、そういう時にファンの方と触れ合ったとき「俳優をやってくれていてほんとに良かった」「出会えてよかった」という想いをいただくので、俳優をやっていて良かったなって思います。
ファンの方からお手紙をいただくと返信を書くこともあって、ファンの方と繋がってることが、私がこのお仕事と繋がれているなという感覚もあります。

魔女の香水

-4月2日、26歳のお誕生日おめでとうございます。ファンクラブイベントもあったそうですが、どんなふうにお祝いしていただけましたか?

桜井日奈子
おひとりおひとりのメッセージが入った色紙やビデオメッセージをいただいたり、私からは歌を歌って一緒にゲームしたりして楽しみました。

-劇中、「Parfum de prières(パッファンドプリエール)」No.8に込められたメッセージは「逆境を利用して大きく飛躍する」と紹介されていましたが、桜井さんご自身でこれまで逆境が自分の成長に繋がったなというご経験はありましたか?

桜井日奈子
今のお仕事は楽しい半面、逆境まみれでもあるんですよね(笑)
エゴサして批判的なコメント見つけては落ち込みますよね。でも、何を言われようとも、私は楽しんだんだからそれでいいんだって最近は思えるようにしています。ちょっとずつ強くなっている自分がいますし、楽しい音がする方に積極的に進んで行きたいなって思っています。

魔女の香水

■「素敵な香りの思い出ができるといいな」

-桜井さんが日常生活で取り入れている好きな香りはありますか?

桜井日奈子
この作品には、金木犀の香りが出てきますが、私は以前から金木犀のルームフレグランスを使っていたのでちょっと運命を感じました。
そしてこの作品に出会ったことで、香水を勉強しましたし、その日その日でなりたい自分に合わせて香水をつけるようになりました。

-やっぱり気分が変わりますか?

桜井日奈子
変わります。楽しいです!
メイクや服を選ぶのと同じように、その日の自分の気持ちをメイクするという感覚で香水選びをするというのはひとつの楽しみになりました。

-12月の公開決定記者会見で、「忘れられない香りのエピソード」は?という質問に、桜井さんは、「私は履き潰したバッシュの匂いを思い出します。しかも兄弟のお下がりだったので匂いも人一倍凄かったというか…。鮮明に思い出します。臭くはないけれど、熱のこもったジメッとした感じです」とおっしゃってましたが、この回答は撤回しなくてもだいじょうぶですか?(笑)

桜井日奈子
大丈夫です(笑)もっとロマンティックなことを言えれば良かったんですけれど、私の青春のすべてがバスケだったから(笑)

-魔女の香水』を通して、あらためて「香り」というものについて意識が変わったことはありますか?

桜井日奈子
「香り」はマナーのひとつでもあるし、こういう自分で在りたいからという目的で(香水を)付けているかもしれないです。

-なるほど。では、いつか桜井さんにとって、バッシュの匂いを上書きするような「香りの思い出」ができるといいですね。

桜井日奈子
素敵な(香りの)思い出ができるといいなぁ。

■「頼れる人を近くに見つけることはとても大切」

-作品の中で、恵麻はまさに「出る杭は打たれる」という体験をします。才能があっても周囲から理不尽に抑えられるのは、今の日本社会の課題にも通じるところがありますが、桜井さんから若い子たちへのエールがありましたらお聞かせ下さい。

桜井日奈子
この作品で言えば弥生さんや霧子さん(演:小西真奈美)のように、ちゃんと自分を導いてくれる人や応援してくれる人、それが上司なのか、友だちなの、家族なのか、それは誰でもいいけれど、頼れる人を近くに見つけるというのはとても大切なことだなと思っています。

-最後に本作の見どころ含めたPRメッセージをお願いします。

桜井日奈子
働く女性にフォーカスした作品ではありますが、男女問わず観てほしいです。働いている中で壁にぶつかる経験がある人は、まさにフッと心が軽くなるような人生の教訓となる深いメッセージがたくさん詰め込まれた作品です。是非劇場で観ていただきたいです!

魔女の香水

桜井日奈子(さくらいひなこ)プロフィール
1997年4月2日、岡山県生まれ。2014年「おかやま美少女美人コンテスト」グランプリを受賞し、2015年web ムービーで”岡山の奇跡” として一躍注目を集める。2016年舞台「それいゆ」で女優デビューを果たし、以降数々の作品に出演。代表主演作は、映画『殺さない彼と死なない彼女』『ママレード・ボーイ』『ういらぶ。』

■桜井日奈子さん直筆サイン入りチェキ読者プレゼント

桜井日奈子さんの直筆サイン入り撮り下ろしチェキを抽選で2名様にプレゼントします。下記、①~③の手順でご応募ください。当選者には、TwitterのDMにてお知らせいたします。(参考:個人情報の取扱いについて
応募締め切り:2023年7月2日(日)23時59分

魔女の香水

※チェキプリンタでその場で出力したものそれぞれに、サインを書いていただきましたので、書き方、インクにじみなどの違いがあります。ご当選した場合でも、チェキをお選びいただくことはできませんので予めご了承ください。

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■撮り下ろしフォトギャラリー

[ヘアメイク:サカノマリエ/スタイリスト:阿井真理/インタビュー・写真:三平准太郎]

<衣装(靴)>
CHARLES & KEITH / CHARLES & KEITH JAPAN
お問い合わせ:http://charleskeith.jp


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映画『魔女の香水』

【INTRODUCTION】
香水の香りをテーマに女性の成長を描く映画『魔女の香水』。“魔女さん”と呼ばれる一人の女性が創る香水の香りが、夢に挫折し将来への希望を見失った若い女性を華やかな未来へと導く。香りと言葉で背中を押され、自分の力で未来を切り開いていく爽快なシンデレラストーリーは、運命を切り開く勇気を与えてくれる。
“魔女さん”白石弥生を演じるのは宝塚歌劇団月組のトップ娘役を経て俳優へと転身し、近年では映画監督や脚本家デビューなど枠を超えた挑戦を続ける黒木瞳。
派遣社員をクビになり自暴自棄となりながらも、魔女との出会いによって華麗なる転身を果たす・若林恵麻を等身大で演じるのはバラエティから映画・ドラマなど幅広く活躍中の桜井日奈子。恵麻の憧れの男性となる実業家の横山蓮を演じるのは、実力派俳優の平岡祐太。また、シンガーソングライターとして活躍する川崎鷹也が本作の主題歌を担当し、演技を初披露しています。
メガホンをとりオリジナル脚本も手掛けたのは宮武由衣。TV業界でドラマの演出やプロデューサー業を務め、劇場映画で監督を務めるのは本作が3作目となります。

【STORY】
白髪の美しく高貴な上品さを漂わせる女性・白石弥生(黒木瞳)が香水店で2つの香水を見せながら常連客を相手に語っている「世の中には似て非なるものがたくさんある」。
一方、華やかなセレブ達が集まっているバンケットホールで派遣社員として奮闘する若林恵麻(桜井日奈子)。高卒の恵麻は、いつか正社員になって、一流の仕事を与えられることを目標に頑張っていたが、後輩の見習い女性への上司のセクハラ行為を抗議したことで職を失ってしまう。自暴自棄になった恵麻は、夜の街のスカウトマンに連れられ「魔女さん」と呼ばれる弥生の店を訪れ、その店を手伝うことになった。
ある日、金木犀の香り漂う男性・横山蓮(平岡祐太)と巡りあう。弥生に授けられた言葉と香りによって自分の人生を切り開くのは自分自身だと気づかされ、天職を探し求めるように香料会社で働き始める。
すっかり香りの世界に魅了されていく恵麻は、営業先で蓮と再会することに―。魔女の香水『Parfum de prières(パッファンドプリエール)』の力に後押しされるように懸命に未来を切り開いていく恵麻の運命は、果たしてどんな風に変わっていくのだろうか?!

出演:黒木瞳 桜井日奈子/平岡祐太
水沢エレナ 小出恵介 落合モトキ 川崎鷹也 梅宮万紗子/宮尾俊太郎 小西真奈美
製作統括:菅原智美
企画協力:エメラルド倶楽部
TBSスパークル
制作:クロスメディア
配給:アークエンタテインメント
©2023映画『魔女の香水』製作委員会
公式サイト:https://majo-kousui.jp/

2023年6月16日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他全国ロードショー

魔女の香水

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