異例の絶賛を集める注目映画『彼女はひとり』初日満席スタート
2021年10月23日、新宿K‘s cinemaにて、映画『彼女はひとり』初日舞台挨拶が行われ、満席となった観客の前に、福永朱梨、中村優里、美知枝、山中アラタ、中川奈月監督が登壇した。
中川奈月監督の立教大学大学院の修了制作として撮影された学生映画であるにも関わらず、脚本の完成度の高さから、撮影には黒沢清監督、深田晃司監督、沖田修一監督の作品などを多く手掛ける芦澤明子キャメラウーマンが参加するなど、異例の体勢で制作された本作。
自殺を図った後、生還した女子高生・澄子が誰にも愛されない苦しみから、他人を傷つけ、暴走していく姿を描かれる。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて、SKIPシティアワードを受賞したほか、TAMA NEW WAVE・ちば映画祭・ドイツで開催されるニッポンコネクションで上映され、また黒沢清監督・諏訪敦彦監督が激賞するなど公開前から話題を集めてきた。
舞台挨拶レポート
拍手のなか舞台上に登場した5人。福永は「満席で初日を迎えられて嬉しい」と喜びをにじませた。
「感情をぶつけるような暴力的な女の子を主人公にしたお話を描きたかった」と制作のきっかけを語る中川奈月監督。オーディションで選ばれた福永について、「部屋に入ってきたときから禍々しい雰囲気を作ってもらってました。しゃべらない立ち姿だけでも彼女の過去が見える気がしたんです」と起用の理由を明かした。
福永は周囲に復讐してゆく澄子という強烈な役柄について、「あまり他人事には思えませんでした。どんな人にも心の中では怒っている部分があるはず。それを澄子は周囲に発散させているだけだと思って演じました。」と語る。「澄子の日記を書いていた」と役作りについても振り返った。
澄子の父親役を演じた山中は現場での福永について、「すでに話し合いの必要がないほどに役が完成されていて。邪魔しちゃいけない感じがしました」と語った。
舞台挨拶にはほかに美知枝・中村優里も登壇した。
中村優里は、セリフの一切ない幻影・聡子という役柄。「最初はどう演じようと戸惑ったんですけど、聡子が出てくるシーンは逆に見えないものが見えているパワーのあるシーンだと思って演じました。」と振り返る。
生徒と交際している教師を演じた美知枝は「生徒への愛情と理性の間で葛藤している様子を表現できるように演じました。」と役作りについて述べた。
『彼女はひとり』は新宿K’s cinemaにて連日12時〜上映中。白石晃士監督や黒沢清監督をゲストに迎えたトークイベントも予定されている。
詳細はK’s cinema公式サイト(LINK)にて。その後全国順次公開予定。
映画『彼女はひとり』
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭SKIPシティアワード
第13回田辺弁慶映画祭 俳優賞(福永朱梨)受賞
INTRODUCTION
本作品は立教大学大学院の修了制作として撮影された学生映画であるにも関わらず、脚本の完成度の高さから、撮影には黒沢清監督、深田晃司監督、沖田修一監督の作品などを多く手掛ける芦澤明子キャメラウーマンが参加。
主演には、カンヌ国際映画祭へ出品、絶賛された深田晃司監督『本気のしるし』出演の福永朱梨。誰にも愛されない孤独と悲しみから、他人を傷つけ、暴走していく澄子を繊細、かつ圧倒的な力で演じ、田辺・弁慶映画祭2019では俳優賞を受賞。
澄子に執拗に責められ、疲弊していく秀明を、『きらきら眼鏡』主演、大河ドラマ『麒麟がくる』に浅井長政役に選ばれた金井浩人が演じている。
STORY
高校生の澄子(福永朱梨)はある日橋から身を投げた。しかし、死ねずに生還してしまった。数ヶ月ぶりに学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明(金井浩人)を執拗に脅迫し始める。
身を投げる原因を作ったのは秀明であり、秀明が教師である波多野(美知枝)と密かに交際していると言う秘密を握っていたのだった。
その行為は日々エスカレートしていくが、そこには秀明との過去、そして澄子の家族に関わる、ある少女の幻影があった…。
出演:福永朱梨
金井浩人 美知枝 中村優里 三坂知絵子 櫻井保幸 榮林桃伽 堀春菜 田中一平 山中アラタ
脚本・編集・監督:中川奈月
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
共同配給:ミカタ・エンタテインメント
2018/カラー/ビスタ/60分
©2018「彼女はひとり」
公式サイト:https://mikata-ent.com/movie/884/
Twitter:https://twitter.com/kanojo_hitori
10月23日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
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