• HOME
  • News
  • 映画
  • 深田晃司監督「ロケーションの面白さが特徴的」中川奈月監督『彼女はひとり』トークイベント
中川奈月監督特集上映 4DAYS

深田晃司監督「ロケーションの面白さが特徴的」中川奈月監督『彼女はひとり』トークイベント

11/29(日)、テアトル新宿にて行われている企画「中川奈月監督特集上映 4DAYS」の初日に、『彼女はひとり』の上映前後の2回に分けてトークイベントが行われ、中川監督、主演・福永朱梨らキャスト、そして、トークゲストとして深田晃司監督が登壇した。
深田晃司監督は、『本気のしるし』(主演・森崎ウィン)がカンヌ国際映画祭選出を果たしており、福永朱梨は同作にも出演している。

中川奈月監督特集上映 4DAYS

トークイベントレポート

■上映前キャストトーク

上映前キャストトークには、福永朱梨、美知枝、山中アラタの3人のキャストと、中川奈月監督が登壇。MCは松崎まこと氏が務めた。

中川奈月監督特集上映 4DAYS

MC:松崎まこと、中川奈月監督、福永朱梨、美知枝、山中アラタ

MCの松崎まこと氏から、『彼女はひとり』の撮影の年について質問された中川監督は、『撮影した年は2016年の4月です。』と答えた。約4年半前に撮影された作品が、映画館でようやく上映されることから、自主製作映画が劇場公開されるまでに多くの年月が費やされることがわかる。大学院の卒業制作として撮影されたこの作品が4年半経って劇場公開にたどり着いたことについて、中川監督は「感慨深いというか、ようやく大きな場で、都内の足を運びやすい場所・中心部で公開していただけることがとても嬉しいです。」と感想を述べた。

中川奈月監督特集上映 4DAYS

中川奈月監督:「福永さんのオーディションに臨む気迫が怖かった。」

4年半前を振り返っての状況を質問された福永さんは、「22歳の時に撮影したのですが、現在26歳になって、当時の自分の顔が写っているポスターをみると幼く見えてびっくりします。」と自身の印象を語った。

中川奈月監督特集上映 4DAYS

福永朱梨:「これは自分がやる役だと思って、オーディションに挑んだ。」

中川奈月監督特集上映 4DAYS

美知枝:「言葉だけでは表せない感情があふれていて、主演を演じる方は大変だと思った。」

中川奈月監督特集上映 4DAYS

山中アラタ:「初めて父親役を演じた作品だったので、挑戦する気持ちで撮影に臨みました。」

■上映後トークイベント

上映後には、深田晃司監督『本気のしるし』、福永朱梨、中川奈月監督が登壇。MCは松崎まこと氏が務めた。

作品を観た感想を深田監督は次のように述べた。「この作品(『彼女はひとり』)を観たのは、実は2年前のSKIPシティ映画祭の審査員を行った時で、改めて観て、特徴的だなと思ったのがロケーションの面白さでした。」、「キーとなる橋から飛び降りる落下だったり、登校の坂道を登るところだったり、階段の上り下りだったり、特に交差する(形状の)階段は撮影に使いたくなるし、よく見つけたなと思いました。」、「そういった一連のシーンから、より一層、“飛び降り”というものが常に意識される構造となっているデビュー作で、あのロケーションがいいなと思いました。」

中川監督は、「あの特徴的な階段を撮影しようと声をあげたのは、キャメラマンの芦澤明子氏(*)だった。」と説明し、「今、振り返ってみると、ここを使うしかないと思うのですが、当時は、ここ(この階段を)使っていいんだ….」としか思っていなかったという。ロケハン時に中川監督がミスをして殺伐としていたところに、この階段を見つけた瞬間、芦澤キャメラマンたちのテンションが上がり、「どこの高校も無機質なのに、こんなところ(特徴的な階段)がある高校をみたことがない!」と声が上がったエピソードを明かした。
*芦澤キャメラマンは、黒沢清監督の『散歩する侵略者』や、深田晃司監督の『海を駆ける』を務めている。

撮影当時、初めてのことだらけで、撮影部や照明部にふわっとした指示しかできなかったが、結果としてすごいものができあがるところに中川監督は常に驚いていたという。ふわっとした指示がすごい画になって返ってくることを耳にした深田監督は「監督からのこうしてほしいという指示なしに、すごい画をつくってしまう芦澤さんって恐ろしい。ほぼ撮影部の暴走だね。面白いんですけど(笑)」と劇場内の笑いをさそった。

中川奈月監督特集上映 4DAYS

深田晃司監督

また、『彼女はひとり』主演の福永さんを、深田監督自身の『本気のしるし』のキャストとしてオーディションで選ぶ際に、応募のあった2000人の選考時には気づかず、オーディションの際に初めて気づいたそうだ。

福永さんは、『彼女はひとり』では、強い意気込みをもってオーディションに挑んだが、『本気のしるし』のオーディションでは、役柄のキャラクターもあり、自分の素の状態でオーディションに臨み、その役をつかみ取ったという。

中川監督は、「『彼女はひとり』で、芦澤キャメラマンと組んだ結果、撮る画が必ずかっこいいということを経験してしまったので、その後、学生になって同期が撮る画に満足できなくなってしまいました。私の演出とキャメラマンとの相乗効果で、より面白い画を撮っていくという関係性づくりがその後難しかった。」と語った。


「中川奈月監督特集上映 4DAYS」
「中川奈月監督特集上映 4DAYS」では、第13回田辺・弁慶映画祭(2019)にて俳優賞(福永朱梨)、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018にてSKIPシティアワードを受賞した『彼女はひとり』をはじめ、東京藝術大学大学院での実習作品である、青木柚主演の短編『昼の迷子』、そしてニューヨークJAPAN CUTS 2020に招待された田中佐季主演の新作長編『夜のそと』を含め3作品が上映された。

期間:2020年11月29日(日)~12月2日(水)※連日20:50開映
劇場:テアトル新宿
情報掲載ページ(テアトル新宿サイト内):https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/movie/0669800.html

「中川奈月監督特集上映 4DAYS」トークイベントスケジュール(既に終了)
●11/29(日)上映作『彼女はひとり』
深田晃司監督×主演・福永朱梨×松崎まこと(映画活動家)司会×中川奈月監督

●11/30(月)上映作『昼の迷子』、『彼女はひとり』
椎名うみ(漫画家)×中川奈月監督

●12/1(火)上映作『夜のそと』(※『彼女はひとり』の上映なし)
松崎健夫(映画評論家)×中川奈月監督

●12/2(水)上映作『彼女はひとり』
黒沢清監督×篠崎誠監督×中川奈月監督

追加上映情報
・神戸映画資料館
12/11(金)~12/15(火)
 
・シネ・リーブル梅田
12/23(水)レイトショー上映

『彼女はひとり』(60分)

あらすじ
高校生の澄子(福永朱梨)はある日橋から身を投げた。しかし、死ねずに生還してしまった。
学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明(金井浩人)が教師である波多野(美知枝)と密かに交際していることを知り、秀明を執拗に脅迫し始める。その行為は日々エスカレートしていくが、そこには澄子が身を投げた理由、秀明との過去に関わる、ある少女の幻影があった…。

出演:福永朱梨、金井浩人、美知枝、山中アラタ、中村優里
監督・脚本:中川奈月
公式Twitter:@kanojo_hitori
★俳優賞(福永朱梨) 受賞

予告編

彼女はひとり

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA