
「涙の先に救いがある」椎名零監督最新作『いってらっしゃいの花』池袋シネマ・ロサで満員御礼の初日舞台挨拶レポート
2026年7月25日、東京・池袋シネマ・ロサにて、映画『いってらっしゃいの花』公開初日舞台挨拶が行われ、監督、キャストらが登壇した。(動画&フォト)
本作は、突然命を落とした主人公が幽霊となって現世に戻るというファンタジックな設定を通じ、「身近な人の死を受け入れること」を丁寧に描き出した長編自主映画である。上映終了後の興奮冷めやらぬ会場には、椎名零監督をはじめ、撮影の河内彰、そして総勢9名の豪華キャスト陣が登壇した。満席の客席からは温かい拍手が送られ、作品が持つ「祈り」のような余韻に包まれた中でのスタートとなった。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
■フォトレポート
椎名零監督
本作の監督・脚本・編集を務めました。本日はたくさんのお客様にこの映画の門出を見ていただくことができ、大変嬉しく思います。
河内彰(撮影)
短い時間ですが、キャストの皆様や監督から色々なお話を伺えると思います。お楽しみください。
森本あお(あやか 役)
映画の長い旅の始まりに、皆様とご一緒できたことをとても嬉しく思います。
山田ジャンゴ(そうた 役)
本日は初日、ご来場いただきありがとうございます。
須永祐介(案内役の男 役)
本日はどうもありがとうございました。
藤田健彦(あやかの父 役)
僕も一番後ろで拝見していたのですが、最後に拍手をいただいて凄く嬉しかったです。
小夏いっこ(しのぶ 役)
本当にたくさんのお客様に来ていただいて、とっても嬉しいです。
辻󠄀創太郎(ケンさん 役)
遅い時間まで皆様ありがとうございます。
辻莉仔(みゆ 役)
またこうやってロサに帰ってこれたこと、とても嬉しく思います。
瀧マキ(あやかの祖母 役)
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございます。
役作りと現場のリアリティ
キャスト陣がそれぞれの役どころについて振り返った。
幽霊という難しい役を演じた主演の森本あおは、監督と対話を重ね、主人公が生まれてから亡くなるまでの軌跡を辿ることで役を固めていったという。特にメインキャストとは脚本段階から何度も話し合い、内容を練り上げていくのが椎名組の特徴である。
あやかの婚約者・そうたを演じた山田ジャンゴは、「あやかとの関係性のリアリティを一番の軸に置いた」と語る。
しかし、当初は撮影の河内から「二人がカップルに見えない」と手厳しい指摘を受けたというエピソードも披露された。
それを受け、二人はリハーサルや稽古を何度も重ね、最終的には自然な空気感を持つカップルへと成長していった。
父親役の藤田健彦は、自身の役どころについて「リアルでは妻も子供もいない」と笑いを誘いつつ、過去に別現場でスタッフとして参加していた森本が自分のスーツにアイロンをかけてくれた思い出を、父娘のバックボーンとして投影したと明かした。
撮影初日がいきなり「ビデオを見ながら泣くシーン」という難所であったが、劇中の「待合室」に置かれた小道具の写真などから娘の面影を想像し、感情を作り上げたという。
「待合室」のユニークな面々
物語の重要な舞台となる「待合室」のメンバーも個性を発揮した。
案内役の男を演じた須永祐介は、実に9年以上ぶりの映画出演となった。監督からの熱烈なオファーに対し、当初は「芝居を何年もやっていないから(私へのオファーを)やめた方がいい」と固辞したものの、監督の「私が何とかします」という強い言葉に押されて参加を決意した背景を語り、現場の楽しさを振り返った。
しのぶ役の小夏いっこは、監督から「(女優の)YOUさんのようにサバサバと、重いセリフも飄々と演じてほしい」とのオーダーを受けたという。
その結果、男性キャスト陣から「怖かった」と評されるほどのミステリアスなキャラクターが完成した。
また、ケンさん役の辻󠄀創太郎による「ビールの勢いある一気飲み」は本人のアイデアであり、現場で試行錯誤しながら「飲み物が勝手に出てくる」というファンタジックな演出を作り上げたことが明かされた。
椎名監督の前作に続き出演した辻莉仔は、プライベートで辛いことがあった時期の撮影だったが、現場でキャスト陣に励まされたことで役に挑めたと感謝を述べた。
さらに、瀧マキは現場で須永を見た瞬間「この人が(監督の夢に出てきた)犬だ」と直感したという不思議な符号を明かし、会場を驚かせた。
最後の一言:観客へのメッセージ
舞台挨拶の締めくくりとして、再び登壇者からメッセージが送られた。
河内彰
パンフレットには書き切れなかったバックグラウンドがたくさん載っています。ぜひ手に取ってみてください。
森本あお
今日来られなかった親友・ちあき役の福田麗さんに会いたくなりました。この映画を観て、誰かに連絡したくなるような、そんな素敵な繋がりが生まれたら嬉しいです。
山田ジャンゴ
誰かのことをふっと思い出すような作品だと思います。その気持ちを大切に、相手に連絡してみてほしいです。
須永祐介
リピーター割引もあるので、ぜひまた観てください。僕も明日また劇場に来ます。
藤田健彦
僕も明日参ります。ハッシュタグ『#いってらっしゃいの花』で感想を呟いていただけると嬉しいです。
小夏いっこ
大事な人と観てほしい映画です。お盆も近いので、亡くなった方を思い出すきっかけになれば。
辻󠄀創太郎
実は後ろで観ていて号泣してしまいました。今日は(自身のファッションについて)ブリーチの浦原喜助をイメージしています。
辻莉仔
また劇場で待ち合わせしましょう。本日はありがとうございました。
瀧マキ
パンフレットで、私の誕生日が2歳上にサバを読んで記載されていますが、ぜひ確認してください(笑)
椎名零監督
この映画は、案内役の正体が分かった状態でもう一度観ると、全く違う景色が見えるように作りました。ぜひ2回観ていただきたいです。
Tシャツの発送トラブルなどもありましたが、50ページを超えるボリュームのパンフレットなど、自主制作ならではの熱量を詰め込みました。また会いましょう!
映画『いってらっしゃいの花』は、池袋シネマ・ロサを皮切りに、大阪・シアターセブン、名古屋・シネマスコーレなど全国で順次公開される。インディーズ映画ならではの自由な発想と、作り手の切実な想いが込められた本作は、観る者の心に静かな祈りを届けてくれるだろう。
【ネタバレ】制作のきっかけ:愛犬との別れと不思議な夢
トークセッション冒頭、椎名監督から本作誕生の秘話が明かされた。自主映画制作を始めて10年になる監督にとって、本作は劇場公開3作目にあたる。これまで「ネタバレになるため言えなかった」という制作の動機は、自身の愛犬を亡くした体験にあった。
「犬が死んで凄く悲しかったある日、夢に知らない女の子が出てきたんです。でも、私にはそれが自分の飼っていた犬だと直感で分かった。そのインスピレーションがあまりに強く、目覚めて号泣しながらそのまま脚本を書き始めました」と、物語の根底にある強い個人的な感情を語った。
■フォトギャラリー
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[動画・写真・記事:三平准太郎]
映画『いってらっしゃいの花』
出演 : 森本あお 福田麗 山田ジャンゴ 須永祐介 藤田健彦
湯本智恵美 小夏いっこ 辻󠄀創太郎 清水博仁 渡邊麻梨奈 辻莉仔 瀧マキ
監督・脚本・編集 : 椎名零
撮影 : 河内彰 撮影助手 : 山﨑大地
録音 : 橋本颯太 松月倫太郎
照明 : 逵真平 松下由利ノ介
制作 : 熊坂綜真
衣裳 : 和賀井玲奈
音楽 : Xia Lang
カラリスト : 阿部洋太郎
スチール : HARUKO
宣伝アシスタント : 山本藍衣
予告編制作 : 安井彬
宣伝美術 : 増田悠理(FULLFLASH)
2025 年/日本/102 分/4:3/DCP
🄫椎名組 2025
公式サイト : https://itterasshai.wixsite.com/2025
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予告編
【上映情報】
2026年7月25日(土)~8月14日(金) 池袋シネマ・ロサ(東京)
2026年9月5日(土)~9 月11日(金) シアターセブン(大阪)
2026年10月以降 シネマスコーレ(名古屋)
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