連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

うまくいっても100万円の赤字!?侍タイムスリッパー外伝・連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

2026年7月14日、池袋シネマロサにて、連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見が行われ、田村ツトム、沙倉ゆうの、井之上チャル、安田淳一監督、横山剣(クレイジーケンバンド)が登壇。(動画&フォト)

本ドラマは、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇が、スピンオフとして現実の連続時代劇として実現したもの。
主演は田村ツトム。江戸を舞台に、飄々とした剣客・心配無用ノ介がおゆう(沙倉ゆうの)ら仲間と共に悪党を成敗する痛快勧善懲悪物語だ。
安田淳一が監督を務め、第2話には白石和彌監督も参戦。 山口馬木也や冨家ノリマサら「侍タイ」の仲間や豪華ゲストも出演。
東映太秦映画村での一般公開収録やSNS投稿許可など、ファンの熱量と共に作り上げる異例の試みが話題の、BS-TBS全6話の意欲作だ。

会見レポート

2026年7月14日、時代劇の聖地・京都から遠く離れた東京・池袋。映画ファンの聖地として知られる池袋シネマ・ロサにて、ある「奇跡」の続きが幕を開けた。第48回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞し、日本中に旋回を巻き起こした自主製作映画『侍タイムスリッパー』。その劇中劇として観客の心を掴んだ『心配無用ノ介』が、スピンオフ連続時代劇『心配無用ノ介 天下御免』として現実のものとなり、その記者発表会が開催されたのである。

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■フォトレポート

江戸の熱気が池袋にタイムスリップ

会見が始まると、司会を務めるアナウンサー・井上憧の呼びかけに応じ、キャスト陣と安田淳一監督が劇中の衣装に身を包んで登場した。
主演の田村ツトムは、代名詞ともいえる心配無用ノ介の姿で現れ、会場を一気に江戸の情緒へと引き込んだ。 田村は「映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇から、勢い余って飛び出したドラマです」と挨拶し、多くのファンの声が力となってこのドラマ化が実現したことへの深い感謝を述べた。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

田村ツトム

続いて、お庭番として無用ノ介を支えるおゆう役の沙倉ゆうのが挨拶に立った。沙倉は、本作が子供からお年寄りまで家族全員で楽しめる「くすっと笑える時代劇」であることを強調した。
また、京都・太秦に時代劇が来て100年という節目に、リニューアルされた東映太秦映画村で撮影できた喜びを語り、自身の見どころとして、相口(短刀)を用いた本格的な立ち回りを挙げた。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

沙倉ゆうの

さらに、同じくお庭番の善治を演じる井之上チャルが登壇すると、会場は一気に和やかな空気に包まれた。
井之上は「名前の『チャル』は、インスタントラーメンのチャルメラから『メラ』を取ったものだ」という独特の自己紹介を披露し、これからチャルメラを食べるたびに自分を思い出してほしいと記者たちの笑いを誘った。彼は、全6話30分の枠に安田監督のこだわりが凝縮された大傑作であると、作品への自信を覗かせた。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

井之上チャル

最後に、本作の5話を監督し、自らカメラマンも務めた安田淳一監督がマイクを握った。安田監督は「『侍タイムスリッパー』を応援してくれたお客さんに恩返しがしたかった。舞台挨拶で口にした約束が実現できて幸運だ」と感慨深げに語った。

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安田淳一監督

異例の「公開撮影」と白石和彌監督の参戦

会見では、本作の大きな特徴である「一般公開収録」についても触れられた。全6話の撮影は東映太秦映画村で行われ、ファンの眼差しがある中で進められたという。
安田監督は、この公開撮影が演出に与えた影響は計り知れないと明かした。 例えば第1話のラスト、悪徳大官を追い詰めるシーンでは、当初は「かっこよく」演じてもらう予定だったが、朝から夕方まで何百人というファンが撮影を見守る姿を見て、安田監督の心境が変化した。

「昔の時代劇の主人公のように、声なき庶民の代弁者でなければならない」と強く感じた監督は、撮影を一時中断して主演の田村のもとへ歩み寄り、「庶民の悲しみを考え、怒りで涙がこぼれるほどの感情を込めてほしい」と演出を変更したのである。田村はこの要求に見事に応え、無用ノ介というキャラクターに深い魂が吹き込まれた。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

井之上チャル/沙倉ゆうの/田村ツトム/安田淳一監督

また、本作の第2話で、映画『孤狼の血』などで知られる世界的な映画監督・白石和彌がメガホンを取ったことも大きな話題となった。
安田監督は、白石監督が演出する横で自らカメラマンを務めたという。白石監督は当初、無用ノ介が相手を殴るシーンで「口から血がブワーッと出て歯が散らばる」という、自身の作風らしいバイオレンスな提案をしたという裏話が披露された。
しかし安田監督が「今回の無用ノ介に残酷さはいらない」と制止し、結果として時代劇の王道を守る形となった。一方で、ふすまの開閉が微妙にズレるというコメディ的な演出には白石監督が一番笑い、現場を楽しんでいたという微笑ましいエピソードも紹介された。

ドラマ化への険しい道のりと「恩返し」の想い

ドラマ化の決定に至るまでは、決して平坦な道ではなかった。
安田監督によれば、製作委員会が組織されてからオンライン会議が8回から10回も行われ、なかなか決定が下りなかったという。安田監督は「3回くらいで決まると思ったら全然決まらず、いつになったら決まるのかと思っていた」と当時の心境を冗談混じりに吐露した。

その間、主演の田村も気が気ではなかった。監督から「今月もなりそうだ」「やっぱりダメだ」という報告を毎月受けていた田村は、「本当に実現するのだろうか」という不安と戦っていた。
一度は「ドラマ化は流れるかもしれない」という瀬戸際まで追い込まれたが、最終的にBS-TBSでの放送が正式に決定した。
田村は「応援してくれたファンの皆さんの顔が真っ先に浮かんだ。やっと恩返しができると思った」と、1年越しの悲願達成に瞳を輝かせた。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

スペシャルゲスト・横山剣が語る「心配無用節」

会見の中盤、会場に大きな拍手が沸き起こった。本作のエンディングテーマ「心配無用節」を書き下ろしたクレイジーケンバンドの横山剣が、スペシャルゲストとしてサプライズ登壇したのである。

横山はドラマ化の話を受けた際、即座に「やった!」と興奮したという。今回の楽曲は、自身の過去のストックの中から「絶対これにはまる」と確信した曲を蔵出しし、ドラマの世界観に合わせてカスタマイズした新曲である。 横山は「このドラマの常識とは少し違う、ユニークな文体に共感した。間違いなくはまると思って書かせていただいた」と語った。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

横山剣(クレイジーケンバンド)

この曲を聴いた安田監督は、「昭和の演歌的なロックという注文にぴったりの曲。編集しながらずっと聴いているが、非常に聞きやすく、多くの人に広まってほしい」と大絶賛した。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

主演の田村も「横山さんの拳(こぶし)が効いていて、テンポも良くノリノリになれる。木曜の夜に見終わった後、良いドラマだったなと思ってぐっすり眠れる曲だ」と喜びを伝えた。

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田村ツトム/安田淳一監督/横山剣(クレイジーケンバンド)

井之上チャルからは「エンディングロールが早すぎて曲がすぐ終わってしまうのがもったいない。もっと聴きたい」という贅沢な悩みも飛び出し、横山が「パッケージ化した際にはフルサイズで作ります」と約束する一幕もあった。

記者との質疑応答:時代劇への執念とキャラクターの魅力

会見後半の質疑応答では、記者からも質問が投げかけられた。
現代劇との演じ分けについて問われた田村は、実はかつて時代劇に苦手意識があったことを告白した。着物の着こなしや殺陣の基礎、撮影所の厳しい作法など、若い頃に苦労した経験があったからだ。しかし今回の撮影では、東映剣会のメンバーをはじめとするスタッフが基礎から丁寧に教えてくれたことが大きな宝になったと語った。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

沙倉ゆうのは、自身の役柄が「お庭番」として大人の女性を意識し、普段より低い声を出したり、着物での細やかな所作に気を配ったりした苦労を明かした。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

また、井之上チャルは「汗をかくと床山さんや衣装さんに迷惑がかかる」という昔ながらの撮影所の教えを守りつつ、熱中症対策との狭間で格闘した撮影裏話を披露し、会場の笑いを誘った。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

キャラクターの魅力について問われると、横山剣は「かっこいい中にチャーミングさがある」と評した。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

安田監督は「弱いものや庶民の悲しみ、怒りを代弁する、昔ながらの愛されるヒーローであってほしいとこだわった」と語った。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

田村自身は「二枚目と三枚目のちょうど間」という絶妙なポジションを理想とし、全6話を通してそのバランスを大切に演じきったと胸を張った。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

「赤字覚悟」の挑戦とシーズン2への展望

会見の締めくくりに、今後の展開と「侍ワールド」の広がりについて質問が及ぶと、安田監督から驚きの内情が明かされた。
安田監督によれば、当初の予算シミュレーションでは「1番うまくいっても100万円の損が出る」という赤字前提のプロジェクトだったという。
しかし、BS-TBS、未来映画社、東映太秦映画村のすべてが「ファンへの恩返し」と「時代劇の復活」という意義に共感し、実現に漕ぎ着けたのである。

安田監督は「TBSさんは本気でこの作品を毎年恒例のシリーズにしたいと考えておられる」と明かし、早くもシーズン2への野望を語った。
「シーズン2があるならば、映画の最後にタイムスリップしてきた侍・村田が現代でどう歩んだかを描く現代劇の回も作ってみたい」という監督の爆弾発言に、キャスト陣からも「やりましょう!」と力強い声が上がった。

連続時代劇「心配無用ノ介 天下御免」記者会見

横山剣(クレイジーケンバンド)/井之上チャル/沙倉ゆうの/田村ツトム/安田淳一監督

2026年7月16日夜11時、BS-TBSにて放送が開始される『心配無用ノ介 天下御免』。映画から飛び出したこの物語は、単なるスピンオフの枠を超え、新たな時代劇の形を世に問うことになるだろう。会見の最後、田村ツトムの力強い眼差しは、50代で掴んだ初主演という重責を、心地よい「期待」へと変えているように見えた。江戸の町から池袋へ、そして全国の茶の間へとタイムスリップする「心配無用」な快進撃がいよいよ始まる。

■関連記事:田村ツトム インタビュー

■フォトギャラリー

[動画・写真・記事:三平准太郎]

連続時代劇「心配無用ノ介天下御免」

《INTRODUCTION》
第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『侍タイムスリッパー』の劇中劇が、スピンオフとして現実の連続時代劇に!
主演は田村ツトム。江戸を舞台に、飄々とした剣客・心配無用ノ介がおゆう(沙倉ゆうの)ら仲間と共に悪党を成敗する痛快勧善懲悪物語です。
安田淳一が監督を務め、第2話には白石和彌監督も参戦。 山口馬木也や冨家ノリマサら「侍タイ」の仲間や豪華ゲストも出演。
東映太秦映画村での一般公開収録やSNS投稿許可など、ファンの熱量と共に作り上げる異例の試みが話題の、BS-TBS全6話の意欲作です。

場面写真

メイキング写真

出演:田村ツトム 沙倉ゆうの 井之上チャル
Rene 田井克幸 冨家ノリマサ 本田博太郎 山口馬木也
竹中直人
企画・監督・脚本・撮影:安田淳一
監督:白石和彌(第二話)
エグゼクティブプロデューサー:安部眞太郎(BS-TBS)、水野貴夫(ギャガ)、高橋剣(太秦映画村)
プロデューサー:黒木彩香(BS-TBS)、堤智愛(BS-TBS)、南田圭一郎(太秦映画村)、井汲泰之(太秦映画村)、西尾勇哉(ユニバーサルミュージック)
制作プロダクション:未来映画社、東映
エンディングテーマ曲:「心配無用節」CRAZY KEN BAND(Doublejoy International)
製作委員会:BS-TBS、ギャガ、太秦映画村、未来映画社、ユニバーサルミュージック
製作著作:「心配無用ノ介天下御免」製作委員会
©「心配無用ノ介 天下御免」製作委員会
公式サイト:https://bs.tbs.co.jp/shinpaimuyounosuke/
公式X:https://x.com/shinpaimuyoubs6

放送日時:2026年7月16日(木)よる11時スタート 全6話(30分枠)
※再放送毎週土曜日夕方5:00~5:30
※BS-TBS、BS-TBS 4Kで同時放送

BS-TBSドラマ『心配無用ノ介 天下御免』

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