『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

『サイボーグ009 ネメシス』先行上映会レポート:梶裕貴、中村悠一、早見沙織が語る「不変のテーマ」と「新たな正義」

2026年7月18日、新宿バルト9にて新作アニメーション『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会が開催され、梶裕貴、中村悠一、早見沙織、そして主題歌の杏子が登壇。スキマスイッチからはビデオメッセージが届けられた。(動画&フォト)

石ノ森章太郎のライフワークである『サイボーグ009』の誕生60周年を記念した本作は、ゼロゼロナンバーサイボーグと、新たなる9人のサイボーグ集団「ネメシス」との激闘を描く物語である。本イベントには、島村ジョー役の梶裕貴、グラビトン役の中村悠一、フランソワーズ・アルヌール役の早見沙織、そしてオープニング主題歌を担当する杏子が登壇し、作品への深い思いを語った。

舞台挨拶レポート

■動画レポート

舞台挨拶の内容をテーマごとに4本に分けて紹介。

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■フォトレポート

世代を超えて愛される「009」との出会い

舞台挨拶の冒頭、キャスト陣はそれぞれが作品と最初に出会った時期について振り返った。
梶は、物心ついた時には既にキャラクターのビジュアルや「加速装置」というフレーズが自分の中にあったと述べつつ、今回出演するにあたって改めて原作やアニメに触れ、そのテーマ性に驚かされたという。
「石ノ森先生が1960年代に作られた作品のそのテーマっていうのが今のこの現代日本とリンクしてる部分がすごく多いなと感じられました」と語り、サイボーグというテクノロジーが身近になった現代社会において、人種や国籍を超えた絆で戦う物語がいかに今日的な意味を持つかを強調した。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

梶裕貴

中村も「いつの間にか知っていた」という点では共通しており、自身の世代ではテレビアニメが放送されていなかった時期もあったが、主題歌やキャラクターデザインは知識として定着していたと語った。今回の参加を経て、「根底にあるもうこの答えの出ないテーマっていうのに挑んでいたんだなっていうことが改めて知れました」と、長年愛され続ける作品の深淵なテーマに敬意を表した。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

中村悠一

早見は、以前『サイボーグ009 VS デビルマン』に別役で出演した経験があるものの、改めて「令和」のこの時代に『ネメシス』として関わることで、作品のイメージが変化したと明かした。
単なる勧善懲悪のヒーロー像ではなく、「それぞれがそれぞれの正しいと思う価値観を持って、それがぶつかり合うから、すごく見ている側はとても考える物語なんだなっていうのも改めて感じました」と、キャラクターたちが抱える悲しみや苦しみが生み出す葛藤について触れた。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織

キャラクターに込めた「葛藤」と「正義」

本作で描かれるのは、かつての英雄である009たちと、彼らを否定し「世代交代」を掲げるネメシスとの対立である。
梶は、自身の演じる島村ジョーについて、国籍への悩みや、意図せず改造された背景にあるアイデンティティへの疑問を重視したという。単なる熱血主人公としてではなく、「彼の中にあるその弱さみたいなものがあるからこそ彼の正義は成り立っているので、そこの真の強さっていうのはすごく意識しながらやらせていただきました」と、ジョーの繊細な内面が正義の根源であることを明かした。

サイボーグ009 ネメシス

梶裕貴(009/島村ジョー 役)

一方、ネメシスを率いる新キャラクター・グラビトンを演じる中村は、確立されたベースがない新キャラクターだからこそ、台詞の端々から思想を読み取っていったと語った。
グラビトンの掲げる極端な正義に対し、「その先にこう平和があるのかと言うと、また新たな憎しみを生む、悲しみを生むっていうことも起こりうるので、なかなかに難しい道を歩んでいるメンバーだなという風には感じました」と述べ、多面的な視点から「正義」を捉え直す本作の難しさを語った。

サイボーグ009 ネメシス

中村悠一(009/グラビトン 役)

早見が演じるフランソワーズは、激しい対立構造の中でも相手への理解と優しさを失わない存在として描かれている。「フランスワーズってやっぱりこの相手に対してすごく優しさがある。一方的に何かをしていくんじゃなくって、そこにある本当の心の美しさだったりとか優しさっていうのは今作からもひしひしと感じました」と、戦いの中でも対話を重んじる彼女の心の気高さを称賛した。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織

1つだけ特殊能力を持てるとしたら何がいい?:夢の特殊能力と「声」へのこだわり

トークの中盤では、作品にちなんで「1つだけ特殊能力を持てるとしたら何がいいか」という質問が投げかけられた。
梶は007(グレート・ブリテン)の変身能力を挙げ、「中村悠一さんになって、その声を出してみたい」と声優ならではの願望を明かし、会場を沸かせた。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織/梶裕貴/中村悠一

これに対し中村も、変身能力の利便性を認めつつ、「自分じゃないものになった時に、要はその人のことってわからないからさ、それを体感できるっていうのは仕事にも活きそう」と、役作りにも通じる視点からこの能力の魅力を語った。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

また、話題はジョーの「加速装置」の起動スイッチにも及び、奥歯を噛む説や舌で押す説など、キャスト同士でマニアックな議論が繰り広げられた。

サイボーグ009 ネメシス

早見は003のような研ぎ澄まされた感覚に憧れを示しつつ、「100m先とかよく見たかったり、永敏な感覚で相手の繊細な何かを感じ取れたりしたいですね」と語り、スタジオでの芝居においても相手の細やかな変化を感じ取ることへの関心を覗かせた。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織/梶裕貴/中村悠一

杏子の「誰がために」と作品を彩る音楽

後半には、1979年版のテレビアニメ主題歌「誰がために」をカバーした杏子が登壇した。
杏子は「モノクロの第1作から兄と一緒に見ていた」という熱いファンであることを明かし、成田賢による原曲の魂を受け継ぎつつ歌い上げることに多大な緊張を感じたという。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

杏子

梶はこの楽曲を「ハスキーボイスが活かされた今のサウンド」と称賛し、早見も「歌声がかっこよすぎて何度も聴き返した」と興奮気味に語った。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織/梶裕貴/中村悠一/杏子

さらに、会場には来られなかったエンディング主題歌担当のスキマスイッチからのコメントも紹介された。杏子が事務所の後輩であるスキマスイッチを訪ねた際のエピソードを披露し、彼らが「激しい戦闘の後に気持ちが穏やかになるように」という思いを込めて楽曲「クライマル」を制作したことが明かされた。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

スキマスイッチ

未来へと繋がるメッセージ

最後に、梶から来場者に向けて、制作期間が2年以上にも及ぶプロジェクトであったことが明かされた。今作で描かれる「9対9」というかつてない規模のバトルシーンや、シリーズの魅力を継承しつつ新たな入り口となる本作の完成度に自信を見せた。
梶は、「シリーズの良さはもちろんキープしつつ、過去作を仮にまだ触れたことないという方にも楽しんでいただけるような入り口になってると思います」と締めくくり、作品がさらに多くの人に愛され、未来の物語へと繋がっていくことへの期待を込めて、舞台挨拶は幕を閉じた。

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

『サイボーグ009 ネメシス』舞台挨拶付き先行上映会

早見沙織/梶裕貴/中村悠一/杏子

『サイボーグ009 ネメシス』は、2026年7月19日より各プラットフォームにて全3話が配信される。60年の時を経て、再び「正義」とは何かを問いかけるサイボーグ戦士たちの戦いは、今まさに新たな幕を上げた。

■フォトギャラリー

[動画・写真・記事:三平准太郎]

『サイボーグ009 ネメシス』

2026年7月19日(日)0時 配信スタート
各話約30分 全3話
配信プラットフォーム:ABEMAプレミアム、dアニメストア、U-NEXT、アニメ放題、Prime Video、DMM TV、FOD、Hulu、バンダイチャンネル、J:COM STREAM、TELASA、milplus見放題プライム、ふらっと動画

<キャスト>
009/島村ジョー:梶裕貴
001/イワン・ウイスキー:皆川純子
002/ジェット・リンク:宮野真守
003/フランソワーズ・アルヌール:早見沙織
004/アルベルト・ハインリヒ:杉田智和
005/ジェロニモ・ジュニア:安元洋貴
006/張々湖:かぬか光明
007/グレート・ブリテン:利根健太朗
008/ピュンマ:林勇
ギルモア博士:山路和弘

N009/グラビトン:中村悠一
N001/ミュウ:日高里菜
N002/ブリザード:細谷佳正
N003/クラック:神谷浩史
N004/オプロ:井上喜久子
N005/アスピダ:稲田徹
N006/ブリッツ:若山詩音
N007/モーフィン:内田真礼
N008/デプス:佐倉綾音
ゴルバート博士:奈良徹
イスパノ:下野紘

<スタッフ>
原作:石ノ森章太郎
企画:山辺浩一
監督:安保英樹
脚本:冨岡淳広 キャラテックス
キャラクター設定:金子しん一 上水博貴
キャラクターデザイン:sanorin
色彩設計:いわみみか。
美術設定:久保久
撮影監督:石井健悟
編集:小野口洋
音楽:Kenji Katoh
音楽プロデューサー:菊地智敦
音楽制作:RightTracks
音響監督:八巻大樹
音響制作:dugout
オープニング主題歌:「誰がために」杏子(オフィスオーガスタ)
エンディング主題歌:「クライマル」スキマスイッチ(オフィスオーガスタ)
アニメーション制作:アレクト
製作:石森プロ
公式HP: https://cyborg009.jp/
公式X:@009nemesis
コピーライト:©石森プロ

サイボーグ009 ネメシス

ポスタービジュアル

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