赤ペン瀧川解説付き!古田新太、寺島しのぶら登壇、映画『空白』プレミアトークイベント
2021年9月8日、都内にて、映画『空白』プレミアトークイベントが行われ、主演の古田新太、寺島しのぶ、𠮷田恵輔監督が登壇。9月8日、9日を「9・89(くうはく)の日」にちなみ、「白」演出で行われたトークイベントでは、赤ペン瀧川ならぬ白ペン瀧川が作品の解説を行ったあと、キャストらが撮影当時のことを振り返った。
本作は、第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した『新聞記者』(19)、現実の祖父母殺人事件にインスパイアされた『MOTHER マザー』(20)、その他、『ヤクザと家族』(21)など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、『ヒメアノ〜ル』(16)、『愛しのアイリーン』(18)、『BLUE/ブルー』(21)など衝撃とともにその才能を見せつけた𠮷田恵輔とタッグを組み、現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を映し出すオリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。
本作が初共演となる古田新太と松坂桃李の息もつかせない圧巻の競演が襲いかかってくる。
トークイベントレポート
■トークノーカット動画
■全身真っ白な衣装で登場
真っ白に装飾された会場に、主演・古田新太、そしてスーパーの店員、草加部麻子役の寺島しのぶ、𠮷田恵輔監督が、それぞれ真っ白な衣装に身を包み登場した。
まず、本作の魅力を伝えるために、進行役の赤ペン滝川より、映画『空白』のストーリー、それぞれのキャストの魅力などをスクリーンの場面写真を写しながらのプレゼンが実施された。
映画本編を見て「大号泣した」という熱のこもったプレゼンが一気に終了し、一息ついたところで感想を求められた𠮷田監督は「宣伝スタッフが作っているものよりも出来がいいね!笑」と大絶賛。
寺島も「…観たくなりますね!」と気に入った様子だったが、古田だけは「観終わった気分。」とつぶやき会場の笑いを誘った。
■出演のきっかけは「たまたまスケジュールが空いてたから」
そんな古田に、本作の脚本を読んだ感想と出演を決めた経緯を聞くと、「脚本を読んだ時、なんで俺〜?と思った。ひとつも作品(の中で)でふざけてないから。」と冗談ともつかず語ると赤ペン滝川に、「なんで出演を決めたんですか?」とつっこまれ「たまたまスケジュール空いてたからね。」とニコニコ。
反して寺島は「すごいキャラクターだからあんまりやりたくない役だったけど(笑)監督のお話を聞いて、やはり本がとても良かったのでそれでやる気にさせられました。」と当時を振り返った。
■日本のソン・ガンホ
そんな古田と寺島を起用した監督は、「この脚本を書いているとき、韓国ノワールっぽさを感じたんですよね。ソン・ガンホが頭に浮かんで、日本の俳優でいうと…あ!古田さんだ、とハマったので、イメージしながら書きました。あとは、古田さんのスケジュールが空いていたからです(笑)」と、古田をイメージして当て書きをしていたことを明かす。
そんな監督は前作『愛しのアイリーン』で組んだスターサンズ・河村プロデューサーとの再タッグについて聞かれると「チームがすごい良かったので、アイリーンの撮影中に(新作の)プレゼンをしようと思ったんです。どういうふうに折り合いをつけるか、をまず脚本に落としたら、河村さんは話4割くらいで「最高じゃん!!」と言ってくれて(笑)。」と、“アイリーンチーム”に全幅の信頼を寄せつつも、早めに脚本を書き上げて再タッグを狙ったという、『空白』が生まれた瞬間のエピソードを披露した。
■スーパーの店長、青柳を演じた松坂桃李に古田と寺島がぼやく
本日は、登壇が叶わなかったスーパーの店長、青柳を演じた松坂桃李について話題が及ぶと、古田は「『パディントン』でご一緒して、その時から交流がありました。素直なお芝居をする人だなあと、イメージ通りで安心していました。ただ、撮影中にみんなでお酒を飲みに行ったりするんですけど、桃李だけは誘っても来てくれなかったなあ。多分役に入り込んでたからかな。と思ったけど、結局オールアップしてからも来てくれなかった…。」とぼやくと、寺島も監督も大笑い。
寺島は、青柳のスーパーでパートをしている店員の役どころだが、松坂との共演について聞かれると「正直、もう少し違う役で出会いたかったかなあ。彼を守るために頑張っている人で、そこに嘘はなかったけど、熱量が過剰すぎて、ちょっとアプローチかけても(松坂が)ひゅうっと引いていく感があったので…。」と切ない気持ちでお芝居していたことを明かした。
そんな古田と寺島のシーンはスクリーンではスリリングに描かれているが、監督は「桃李君は、古田さんと寺島さんを相手に、ゴジラとコングに挟まれてる気持ちでしたよね。」とその状況を映画に例えて表現すると、古田が「監督、怯えている桃李くんを見ているのがすごく楽しそうだったよね。(現場の雰囲気は)和やかだったけど、怯えているのは桃李だけ。」と、改めて松坂を楽しそうにいじった。
■「こんな誤解されたことがあります」エピソード
「全員被害者。全員加害者。」というコピーにちなみ、「こんな誤解されたことがあります。」というエピソードを聞かれると、古田は「パンツにスカートを挟み込んだ女性を駅で見つけて、(教えてあげようと)声をかけたら「ひゃぁぁぁ」と驚かれて逃げてしまった。」と誤解されたエピソードを披露。
寺島は「私はシャイなので、ぶっきらぼうに冷たい言葉を発してしまうことがある。初対面の人には誤解されてしまうこともあるので、無闇にキツい言葉を言ってはいけないなと思う。」と自戒を込めて語った。
■『空白』の登場人物をみて、自分に思うこと
𠮷田恵輔監督
自分が一番正しいと思っている人が映画にはたくさん出てくるんですが、自分も無意識に映画の話をしているとマウントとっていることがあって、帰りの電車で後悔する。
」と明かす。
古田新太
わざと「お前のためにやっているんだぞ」って態度をとることがありますね。
寺島しのぶ
(自身が演じた)草加部のように、絶対こうだよ、と子どもにも植え込もうとする瞬間があって、いかんいかんと感じます
■『空白』登場人物の中で一番怖い人
最後に、『空白』の登場人物の中で一番怖い人を聞かれると、古田は「麻子(寺島)一択!ああいう親切の押し売りする人、普通にいるじゃないですか。でも麻子さんはそれに気づかないまま生きていくんだろうなあとも思った。」と言い切る。
監督も「妙なリアリティを寺島さんから感じて余計に怖かった。」と草加部麻子のキャクターと寺島の演技力について「一番怖い」認定をすると、寺島は「チャーミングに演じたんだけどなあ。」といいながら「私が一番怖いと思ったのは古田さん。だって撮影前にタバコを吸っている姿と、撮影始まった古田さん、全く変わらないんだもの!」と言うと「何も足さない、何も引かない、美味しいタバコのようなもの。」と懐かしいフレーズに会場の笑いを誘った。
■9月23日の映画公開に向けてのメッセージ
古田新太
面白い作品になりました。あまりこういうことを言わないんですけど、沢山の人に見ていただきたい。答えが一つじゃないので、本来なら居酒屋で見終わった後に語ってほしいところです。色んな人に見て頂いて、色んな意見を聞きたい、老若男女みなさまに見ていただきたい作品です。
寺島しのぶ
和気あいあいとした現場でしたが、出来上がりはとても緊張感のある作品になりました。評判も上々で演者として嬉しい限りです。スカッとする映画ではないが、少しでもみなさまの心に火がつけばいいなあと思います。宜しくお願いします。
𠮷田恵輔監督
上手い人たちだけを呼びたいと思って作品を作りました。芝居ってこういうことなんだ、という経験したことのない“奇跡“をこのお芝居で感じました。それは映画の中に宿っているので、是非みなさまに感じて欲しいです。
■フォトギャラリー
[写真・動画・記事:桜小路順]
映画『空白』
次から次へと想像もつかない行動を繰り出す神出鬼没の父親・充。やがて彼は店長だけでなく、事件に関わったすべての人々をのみこんでいく──。
INTRODUCTION
本作は、第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した『新聞記者』(19)、現実の祖父母殺人事件にインスパイアされた『MOTHER マザー』(20)、その他、『ヤクザと家族』(21)など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、『ヒメアノ〜ル』(16)、『愛しのアイリーン』(18)、『BLUE/ブルー』(21)など衝撃とともにその才能を見せつけた𠮷田恵輔とタッグを組み、現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を映し出すオリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンスである。
物語は、中学生の万引き未遂から始まる。中学生の少女がスーパーで万引きしようとしたところを店長に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれて死亡してしまった。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく。そして、日本映画史に残るであろう感動のラストシーンは、𠮷田監督史上最高傑作との呼び声が高い。
観る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充に、劇団☆新感線の看板役者で、世界にただ一つの存在感を打ち立てた古田新太、7年ぶりの主演作に挑む。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳直人に、『新聞記者』でアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた松坂桃李。本作が初共演となる古田新太と松坂桃李の息もつかせない圧巻の競演が襲いかかってくる。
古田新太 松坂桃李
田畑智子 藤原季節 趣里 伊東蒼 片岡礼子 / 寺島しのぶ
監督・脚本:𠮷田恵輔
音楽:世武裕子
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子 アソシエイトプロデューサー:山本礼二 ラインプロデューサー:道上巧矢
撮影:志田貴之 照明:疋田淳 録音:田中博信 キャスティング:田端利江 装飾:吉村昌悟 衣装:篠塚奈美
ヘアメイク:有路涼子 助監督:松倉大夏 制作担当:保中良介 題字:赤松陽構造 編集:下田悠
制作プロダクション:スターサンズ
撮影協力:蒲郡市
配給:スターサンズ/KADOKAWA
製作:2021『空白』製作委員会
(C)2021『空白』製作委員会
公式サイト:kuhaku-movie.com
公式Twitter:@kuhaku0923
本予告映像(60秒)
9月23日(木・祝)全国公開
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