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いのちの停車場

広瀬すず「壁にぶち当たったら一旦寝ます!」映画『いのちの停車場』お客様御礼記念舞台挨拶

2021年6月30日、新宿バルト9にて、映画『いのちの停車場』お客様御礼記念舞台挨拶が行われ、主演・吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、南杏子(原作者)、成島出監督が登壇した。

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の延長に伴う休業要請により東京都、大阪府で規模を縮小してスタートした本作の公開から1か月。今なお多くの人々が劇場に足を運んでいる。
この日の舞台挨拶は、このロングランヒットを受け、感謝を込めた「サンクスデーイベント」として行われた。
冒頭、村治佳織が作曲した映画のエンディングテーマに小椋佳が詞を付けた本作の応援歌を西田敏行が生歌唱したほか、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行が、事前にSNSで募集した質問に回答。また、来場者へのプレゼント抽選会も実施された。

舞台挨拶 完全レポート

■西田敏行ライブ歌唱!

西田敏行が一人座り、本作応援歌「いのちの停車場」を熱唱した。

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西田敏行

いのちの停車場

-皆様の前で歌われていかがでしたか?

西田敏行(仙川徹 役)
お客様の前で歌わせていただくのは今日が初めてですし、歌うこと自体がレコーディングの時以来ですね。
ですから、なんか緊張しちゃって呼吸が困難になっちゃって、ちょっとドキドキしましたけど(笑)、皆さんの輝く目が見えたので嬉しく思いました。皆さん、命を輝かせて、今日来てくださってありがとうございます。

吉永小百合(白石咲和子 役)
どうしてもこの歌を皆様の前で石田さんに歌っていただきたいという思いで、今日の会が開催されたんです。ありがとうございます。

いのちの停車場

吉永小百合/西田敏行

■満員の客席に感無量

吉永小百合
今日はご来場くださいました本当にありがとうございます。
緊急事態宣言で映画館が閉ざされてしまって、一体いつ皆様に観ていただけるかという不安の日々を過ごしました。
この6月1日から、東京でも観ていただけるようになりましたし、また、皆さん、映画館に行くのが不安だという方もいらしたと思います。
でも、つい最近、私はお手紙をいただきました。「ワクチン注射を2回して、そして2週間置いて映画館に行きました。」ととう内容でした。とてもとても嬉しかったです。
今日はもしかしたら初めての方と、また、もうご覧になっている方もいらっしゃると思いますけれども、ゆっくりと映画を楽しんでいただきたいと思います。

いのちの停車場

松坂桃李(野呂聖二 役)
今までは席を一つずつ空けたりとか、人数制限がある中で、今日は座席の間隔が空いていない状態の中で、こうして皆様とお会いできることを本当に嬉しく思っております。
そして何よりこの作品をたくさんの方に観ていただけたからこそ、改めてこうして皆様とお会いできることを本当に嬉しく思っております。

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松坂桃李

広瀬すず(星野麻世 役)
今、松坂さんがおっしゃった通り、こうしてぎゅうぎゅうなたくさんのお客さんを見ることは本当に久しぶりなので、すごく幸せな景色です。
そして、今まで公開してから今日までの期間の中で観てくださったお客様にも本当に感謝しておりますし、ここからまた緊急事態宣言が明けて、どんどんこの映画が1人でも多くの方に、さらに届いたら嬉しいなと思っております。

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広瀬すず

西田敏行
コロナ禍で、東京はまたポチポチと感染者が増え続けてる中で、なかなか底が見えないというか、先が見えない状態ではありますけれども、それでもめげずに、1人1人がワクチン接種をしっかり行っていただいたり、いろんな意味で、皆さんが前向きに一歩一歩歩いてらっしゃる中で、この『いのちの停車場』という作品を、この時期にまた関われることができることの意味をとても深く感じてます。
そしてまた、吉永小百合さんが映画文化にかける情熱、それから、映画俳優としての矜持、それをもって堂々との皆さんの前でこの作品を公開できることの喜びを感じます。
日本の映画を支えてこられた吉永さんに、改めてこの場を借りて敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございました。

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南杏子(原作者)
(この作品に描かれていることは)誰もが向かう道です。
きっと、これから生きていくことを支えてくれるようなシーンが見つかると思います。ご自身のため、あるいは大切な方々のために、そんなシーンをぜひ一つでも多く見つけて帰ってください。

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南杏子(原作)

成島出監督
満席の客席を見て、本当に感無量で胸がジーンとしております。
初日はマスコミの方だけで客席がゼロという状態で公開を迎えた映画ですけど、実はこの映画の公開を秋以降とか来年とかに延ばすという考え方もあったんです。でも、やはりこの中身、そしてその今おっしゃった吉永さんを座長する我々の映画作りの企画から始まった中で、やはりこの5月21日公開を迷わずまずそこに向けて、逃げずに。もちろん劇場のことを考えると、興行だけで考えると、延ばした方が良かったんですけど、でもそれを我々の思いとして、今観てもらおうということで、吉永さん座長以下、皆様、そういう思いで今この時期に皆様に届けることにしました。

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成島出監督

■お客様の質問に回答

-さてこの舞台挨拶前に、事前にSNSにて質問を募集させていただきました。本日はサンクスデーイベントですので、その御質問にお答えいただきたいと思っております。

質問1:吉永小百合さんの自撮りのシーンや、颯爽と自転車に乗るシーン。そして松坂さんと広瀬さんのラーメン屋のシーンに胸がキュッとしました。皆さんの胸に残っている印象的なシーンやエピソードを教えていただけますか?

広瀬すず
今、質問にもありましたラーメン屋さんのシーンは、かなり印象に残っていて、リハーサルから現場に入ってから、監督にいろんなご指示をいただきながら、リハーサルとは全然違うお芝居にたどり着いて、すごい難しかったなという思い出があります。

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松坂桃李
そのシーンは、カメラが正面にあって、今回の現場ではなかなかない撮り方だったのもあって難しく、リハーサルを重ねながら作り上げていきました。

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吉永小百合
ラーメン屋のシーンは本当に素晴らしかったです。観ていて、胸がきゅんとしましたし、私も若い頃、浜田光夫さんとこういうシーンっていうのをやったことがあるなとも思ったりもしました。

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成島出監督
ここにいるまほろば診療所の4人の関係として、吉永さん、西田さんの先輩に対して、若い2人がこれからの未来を背負っていくという象徴的なシーンだったので、観ていただいた方からは絶賛の嵐で、監督としてはとても嬉しく思います。

-西田さんは印象に残っているシーンは?

西田敏行
まほろば診療所に、吉永さんが初めて訪ねて来られた時のすずちゃんの対応ですね。堂々としてて、僕が若い時にスクリーンで吉永さんを観て感じた感動と同じような感動をすずちゃんに感じましたね。
堂々とした演技で、「あ、こいつ、吉永小百合を食いにかかってるな!すごい女優だな!」って思いました。

いのちの停車場

(場内笑)

吉永小百合
本当に堂々としていて、シャキっとしていて、素敵でした。それから自転車のシーンでは、私、10代の頃は自転車にちゃんと乗れてたのに、10年ほど前にちょっとコマーシャルで転倒して、それからトラウマになってしまって苦手なんですよね。
で、すずちゃんに「自転車どう?」って聞いたら、「得意です!」っておっしゃったので、ずっとすずちゃんについていったんです。感謝しています。

いのちの停車場

質問2:悩みながらも決断し、未来に向かってそれぞれ歩き出していくまほろば診療所の皆さんの姿にとても励まされました。皆さんが悩んだ時、壁にぶつかった時、どのように乗り越えていらっしゃいますか?

松坂桃李
僕の場合は、とにかくひたすら悩みに悩んで、大きな壁があったとしたら、これはどうやってん乗り越えようかと、ずっと思いながらどんどん落ち込んで、下がって、とことん、多分地に着くぐらいまで1回下がるんです。それ以外の方法があればいいんですけど、とにかくたくさん下がって落ちて落ちて落ちて、ある種、ちょっとした開き直りみたいな気持ちのところまで到達したら、何かこう見えてくるものが自分の中にあって、それをとっかかりとして、その壁を頑張ってよじ登っていくのか、またはその壁をグルっと迂回して超えるのかっていう選択肢を取ると思います。

いのちの停車場

広瀬すず
私は、いったん寝ます(笑)
私が考えても考えてもやってみなきゃなとか、行動してみて、改めて次はどうしようかなとか、ちゃんとずっと対面してないとあんまり頭が働かなくて、一旦寝かせて、もちろん考えたりとか想像したりとか自分なりに努力はしようと思うんですけど、あとはもう、きっと時間が解決してくれるとか。
すごい単純な思考で(笑)、そう思いながら。

いのちの停車場

西田敏行
今のすずちゃんの答えは素晴らしいと思いますね。
僕もどっちかっていうと、割と楽観主義者なんで、あんまり壁っていうものに対して、あったのが無いのかもわからないままずっと通り過ぎてきたような気がしています。
若い時に、時代劇の舞台の旅公演で、静岡の三島公会堂というところでやってた時に、舞台袖のすぐそばにトイレがあるんですね。それで、出番前にトイレに入って、で、三島公会堂のトイレの青いスリッパを履いたまま舞台に出てしまって、ちょうど舞台のセットが八百屋になってまして、斜めになってるんで、客席から足元が非常に見やすいんですね。しっかりと“三島公会堂”という足元を見た時にですね、すべてセリフが飛んでしまって、ただ呆然とスリッパを履いた侍として佇んでいたのを今でも思い出します。
それが壁といっちゃ壁ですね。これまで体験したのは。

吉永&広瀬&松坂
(爆笑)

-吉永さんはいかがですか?

吉永小百合
私もとてもネアカなので、明日にはきっと良いことがあるだろうと思って、とにかく一歩でも前に出てみようって、そういうふうに考えるんですね。

いのちの停車場

質問3:私は今、医療系の大学に通っています。私も将来、医療従事者の一員になるのだという目線で映画を観ましたが、医療とは何なのかをとても考えさせられ、改めて患者さんのためになる医療人になりたいと思いました。医療従事者にとって大切なことは何だと思いますか?

吉永小百合
今回、在宅医の役をやらせていただいて、心を患者さんに寄り添わせることがとても大事だっていうことわかりましたし、どうしてもコンピュータが全盛の時代ですけれども、患者さんの目を見て話してくださる先生ってのはとても嬉しいんですよね。
だから、そういう先生と出会いたいし、また演じていてもそういう先生でありたいと思ってやりました。

-実際に医師でもいらっしゃいます南先生はいかがでしょう?

南杏子(原作者)
患者さんへの尊敬の気持ちが一番大事だと思います。いろいろな人生を経てきた方の、例えば最後のところをお支えするっていうのは、たとえ治せなくても、苦しくないように、痛くないように、少しでも心地良いように、尊厳を持った姿で最後まで生ききっていただくように、そういったことを尊敬の気持ちを持ってお支えするような、そんな存在だと思っています。

■サンクスデーイベント 抽選会

商品:映画Tシャツ、サウンドトラック、原作本、オリジナルアルコールジェル

-全員の方に商品が当たるということになっております。

(拍手)

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いのちの停車場

■最後にメッセージ

吉永小百合
チームまほろばの4人が会うのは、たぶん今日が最後じゃないかなと思うので、ちょっぴりセンチメンタルになっていますけれども、本当に楽しい仕事をさせていただきました。ありがとうございます。
そして、映画はこれからもずっと上映すると、東映の偉い方がおっしゃっています(笑)
ですからワクチンの接種がまだの方もいらっしゃると思いますし、まだまだたくさんの方にご覧いただきたいと願っております。どうぞよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。

いのちの停車場

成島出監督
今日はほんとうにありがとうございました。先ほども言いましたけど、この満席の劇場がようやく戻ってきたなと感無量です。コロナ禍での撮影、そして、このハンディキャップを背負った公開。でもまほろばチームのみんなで力を合わせて作ったこの映画が、皆さんの心に届いてくれたら、これから広めていただければと思います。僕としては、まだこれでようやくスタートに立てたかなと思っていますので、皆さんの応援がこれから本当に必要になります。どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。

いのちの停車場

■フォトギャラリー

[写真:金田一元/記事:桜小路順]

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映画『いのちの停車場』

「そこは、自分らしく輝ける場所。」
誰もが予想だにしなかった未知のウイルスに、世界が翻弄されている昨今。「生と死」について考える機会が増えたそんな今だからこそ立ち返るべき、 “いのちを生きる”ことの喜びを、映画『いのちの停車場』が、全世界に問いかける。

INTRODUCTION
都内の高齢者医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「サイレント・ブレス」(2016年刊行)や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)を世に送り出した南杏子による「いのちの停車場」(幻冬舎)。今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点やタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれたその感涙の物語を、『八日目の蟬』(2012)や『ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判』(2015)など多数の名作を生みだした映画界を代表する監督のひとり成島出がメガホンを取り、映画化。
在宅医療を行う主人公の医師を演じるのは、日本を代表する女優である吉永小百合。吉永を支える共演陣として、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行をはじめ石田ゆり子、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、泉谷しげるら豪華キャストが集結!この春、世代を超えたオールスターキャスト&スタッフが紡ぐ感動のヒューマン医療大作が誕生する。

STORY
東京の救命救急センターで働いていた咲和子(吉永小百合)は、ある事件をきっかけに、故郷の金沢で「まほろば診療所」の在宅医師として再出発をする。様々な事情から在宅医療を選んだ患者と出会い、戸惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの一瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の父が倒れてしまい…。

出演:吉永小百合
松坂桃李 広瀬すず
南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる
石田ゆり子 田中泯 西田敏行
監督:成島出  脚本:平松恵美子  原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎)
推薦:日本在宅医療連合学会 全国在宅支援医協会  後援:日本在宅ケアアライアンス
(C)2021「いのちの停車場」製作委員会
公式サイト:teisya-ba.jp
公式Twitter:@Teishaba_movie
公式インスタグラム:@Teishaba_movie
#いのちの停車場

映画『いのちの停車場』予告映像

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映画『いのちの停車場』特別バージョン予告

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全国公開中 ※一部地域を除く

 

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