「それが答えだ!」のアンサーソング。サプライズ登壇したトータス松本が成田凌らと主題歌誕生の裏話語る
5月15日、テアトル新宿にて、映画『くれなずめ』の公開記念舞台挨拶が行われ、成田凌、高良健吾、若葉竜也、藤原季節、目次立樹、松居大悟監督が登壇。また、サプライズで本作の主題歌「ゾウはネズミ色」を書き下ろしたトータス松本(ウルフルズ)がサプライズ登壇した。
成田凌とトータス松本は、NHK連続テレビ小説「おちょやん」で共演しており、そこでの会話から、本作の主題歌を作ることになった経緯を明かした。なお、本作の主人公・吉尾(成田凌)が劇中傾倒するバンドがウルフルズで、劇中「それが答えだ!」で赤フンダンスを披露するシーンがある。
そして主題歌「ゾウはねずみ色」は、「それが答えだ!」から25年を経てのアンサーソングにもなっている。
本作は、かつて松居監督自身の実体験をモチーフに書かれた完全オリジナルの舞台劇を、錚々たるメンバーと共に映画化。気鋭の演技派、個性的かつ実力派の豪華俳優が勢揃いしている。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
■延期を経ての公開
-本来であれば4月29日に公開される予定だった『くれなずめ』。今週12日からいよいよ公開になり、今日は観た後のお客様の前ということで、成田さん、監督、改めていかがですか?
成田凌(吉尾 役)
ありがとうございます。観てくれたっていうことが本当に嬉しいです。
松居大悟監督
4月29日から5月12日まで、どう過ごしていいか分からなくて、まさに僕らもくれなずんでいたんですけど、こうして公開を決断してくれたということは、当たり前じゃないんだなってすごく思いました。今は撮影自体も当たり前じゃなくなってますし。
そういう中で上映してくれるのは、とてもありがたいことだなっていうのは実感しています。
成田凌
昨日も知人から「映画いつ公開するの?」って聞かれて、一度延期になると、再開時期がいつになるのかっていうのは本当に届きづらいなと思いました。
-成田さんはインスタライブされて告知されてましたね。
松居大悟監督
僕もSNSでなんとか届けなきゃと思って。
-高良さんは延期後の公開日が決まった時のお気持ちは?
高良健吾(欽一 役)
延期は仕方ないなってのはありますが、でもまた会えるなという嬉しさもあるんですよね。
で、今回ほどSNSをやろうかなぁと思ったことないですね。ただ、多分僕は向いてないから絶対にやらない方が良いんですが、それくらい再開をみんなに知ってほしかったですね。
-SNSはやらないんですか?
高良健吾
やらない方がいいですね。
成田凌
「やらない」じゃなくて「やらない方がいい」なんだね(笑)
若葉竜也(明石 役)
延期が決まった時に、延期した方がいいだろうなっていう気持ちはあったんです。強行突破するよりは、少しでも心に余裕を持って観れる状態の方がいいなと思ったので。だから、僕はすごく最善の決断だったと思って粛々と過ごしてました。
藤原季節(大成 役)
嬉しかったんですけども、まだ公開や上演できてない映画や演劇作品もいっぱいありますし、手放しに「公開できる!やった!」とはならかったです。ただ、少しずつ実感はしてきています。
目次立樹(ネジ 役)
地元の島根県の家族から「観たよ」って連絡が来て、その帰り撮ったという綺麗な夕陽の写真を送ってきてくれました。そういう身近な人から連絡がきたのはすごく嬉しかったです。
■本作で印象に残ったシーン
成田凌
最後のエンドロール込みの5、6分です。ここはさまざまな見方があると思いますし、愛に溢れた時間だなと思います。
松居大悟監督
観た方が、「こういう友だちいたな」とか、「あの人に会いたくなったな」と、映画を観た方のものにしていただけると嬉しいですね。
■海外映画祭へ!
-本作は海外の映画祭への出品が続々と決定しました。8月にはカナダのファンタジア国際映画祭メインコンペティション。名称はシュヴァルノワール部門。それからその前の6月は、上海国際映画祭インターナショナルパノラマ部門日本エクスプレスでの上映が決定しました。おめでとうございます!
藤原季節
上海に行きたいですね。
成田凌&高良健吾
行きたいね!
高良健吾
でもなんで上海?
藤原季節
カナダってあんまりわかんないっす(笑)
-海外のお客さんの反応が楽しみですね。
成田凌
楽しみですね。どういうふうに観られるかまったく想像ができないので。日本の高校生活や結婚式の様子とかって、なかなか見る機会がないと思うし。この5、6人の男のワチャワチャ感をどう見るのか?って。
■スペシャルゲストサプライズ登場
-ここで公開を応援しようとスペシャルゲストが来ています。どなたかなのは、お客さんも登壇者の皆さんにもお伝えしておりません。
-皆さんにひとことお願いします。
トータス松本
公開おめでとうございます!
-成田さんと若葉さんの間にお越しいただきましたけれども、ちょうど昨日まで放送されていた、NHK朝ドラ(おちょやん)で3人は共演されていました。
成田凌
なかなかいいんじゃないですか。日本で今一番嫌われてる男二人が横並びになって(笑)
若葉竜也
最低だよ!
トータス松本
嫌われてたなぁ(笑)
成田凌
お互い様ですね(笑)
若葉竜也
僕は嫌われてないですけどね。美味しいところだけもらって、小暮ロスを生んで帰ってきました。
-その朝ドラの現場で、成田さん、若葉さんがトータス松本さんに主題歌をプッシュしていただいたとか?
成田凌
でも、トータスさんから「どんな曲が良いと思う?」って聞いてくださって。
それで、「やってくれるんだ!」って思って、「嬉しいです!」っていうテンションでお願いしました。それがプレッシャーになっているとは(笑)
トータス松本
(仮編集版の)映像だけ観させてもらったものの、ぜんぜんアイディアが無かったから。
このご時世やし、公開まで時間がかかりそうってことで、このまま(主題歌の話が)フェイドアウトしたらいいなとも思いつつ(笑)
ビビってたんですが、そうこうしているうちに成田くんと仕事で会うことになって、ここはもうスルーできひんと思ったから、「映画見たよ。どんな曲が良いと思う?」って言って。
不安な気持ちのまま聞いたんですが、「やってくれるんですか!?」っていうテンションで反応されたから、「もうこれは断られへん」と思って(笑)
-若葉さんは?
若葉竜也
僕はしつこいぐらいやってくれたらいいなって横でずっと喋ってました。
トータス松本
ある日、現場で若葉くんに「曲ができたよ」って言ったら、「僕がMVを撮りたい!」って。
若葉くんが、yonigeのMV(「往生際」)を撮ったのを知ってたから「観た観た、良かった~。そんなんやってるんやったら(今回の主題歌も)撮ってくれや」って言ったら、「僕はぜんぜんいいですけど、松居監督がヤキモチ焼きますよ」って。
松居大悟監督
確かに・・・
若葉竜也
(松居監督と僕は)いつの間にかライバル関係になってるんです(笑)
■主題歌「ゾウはねずみ色」は「それが答えだ!」のアンサーソング
-トータス松本さんに主題歌を書き下ろしてもらった経緯は?
松居大悟監督
『くれなずめ』の元となった僕の友だちがウルフルズのことが大好きで、その影響で僕もウルフルズが大好きっていうのと、劇中で「それが答えだ!」で踊ったりするのがあるのがきっかけです。
で、撮影に入る前に成田くんやプロデューサーと話する中で、この映画の物語は、過去を振り返ったりし続ける話だから、ウルフルズの最新曲が最後に流れたらすごく未来につながるよねっていう意見が出てたんです。
それで、(トータス松本さんに楽曲依頼の)手紙を書かせていただきました。でも、やらないともやるとも言っていただけない期間がしばらくありました。
成田凌
そうみたいですね。「あの手紙はオファーなのかなぁ?」ってトータスさん言ってました(笑)
高良健吾
『くれなずめ』の最初の試写の時はウルフルズの違う曲だったんですよ。どちらかと言えばしっとりした曲。で「ゾウはねずみ色」は変にシリアスにならないで、最後アゲてくれるところが(「それが答えだ!」の)アンサーソングになっているのがすごい良かったと思います。
-最後に“それが答えだ”も入ってきますもんね。
高良健吾
そこはグッときますよね。
藤原季節
今、その話を僕、しようと思ったんです。
-あ、すみません!トータス松本さんはどんなお気持ちでこの曲を作られましたか?
トータス松本
アンサーソングになってるかどうかわからへんけど、それも含めて答えがないっていうこともあると思うんですよね。
だから、「それが答えだ!」という曲のアンサーソングを書こうというテーマがあるにしても、答えは出なくてもいいんやな、アンサーになってなくてもいいんやなと思って。
「それが答えだ!」から25年ぐらい経ちましたけど、じゃあ人生みたいなもんに答えがあるのかないのかって言われたら、やっぱそれは分かんないんで、今の気持ちで“それが答えだ”を歌うとしたら、「ゾウはねずみ色」というもっと曖昧でぼやけていく。どこまで行ってもぼやける一方。
そういう曲にしたかったんです。白と黒とはっきりするんじゃなくて、グレーなものがあったっていいじゃないっていうのに、本当にこの楽曲がぴったりですよね。
松居大悟監督
この映画が90分かけて伝えてることを「ゾウはねずみ色」が短く表現してくれていることは素晴らしいなと思いました。
-若葉さんはいかがですか?
若葉竜也
変に熱いだけじゃない、大人な色気も漂っててて僕も本当に大好きな楽曲です。で、聴いてすぐにトータス松本さんに連絡しました。
トータス松本
「聴きましたよ、最高です!“ゾウはねずみ”!」ってな(笑)
若葉竜也
そうです。タイトル間違えました(笑)
トータス松本
“ゾウはねずみ”ってなんやねん(笑)
若葉竜也
“それが答え”です!
トータス松本
(笑)
■最後にメッセージ
トータス松本
モヤモヤっとした、なんとも素敵な映画です。
そこに、僕らが昔書いた曲が関わっているというのもなんか恥ずかしいような、嬉しいような妙な気持ちになったし、新しい曲で参加できたのももう最高の自分の思い出となりました。
『くれなずめ』に関われてほんとうに良かったです。一人でも多くの人に観てもらいたい映画です。
-赤フンダンスシーンをご覧になっていかがでしたか?
トータス松本
僕らはバンドでダンスは苦手なので、当時、歌番組の楽屋で必死に振り付けを確認してたことを思い出して、変なものがこみ上げてきましたね。
僕らの方が上手いですけどね(笑)
成田凌
僕にとっても青春の思い出のひとつような作品になりました。見ていて自分でもちょっと恥ずかしいなって思う部分があったり、なんだかモヤモヤする、はっきりしない部分があって、それもまぁいっかって思ったし。
スッキリさせなくていいよ、それが答えだっていうか、でも何が答えだとも言わないというものなんですけど。
映画を観た方それぞれがいろんな感想を言ってくれて、観た人自身の映画になってくれればいいなと思います。
松居大悟監督
(涙ぐみながら)友だちみたいな映画を作ろうと思って作った作品です。
友だちって、楽しかったり、切なかったり、なんかよくわからなかったり、あいつ何だったんだよって思うのが友だちだと思うから、(この作品の)モデルになった友だちもそうだし、この『くれなずめ』という作品を友だちにしてくれたらすごく嬉しいなと思います。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『くれなずめ』
INTRODUCTION
かつて松居監督自身の実体験をモチーフに書かれた完全オリジナルの舞台劇を、錚々たるメンバーと共に映画化。現在大好評放映中のNHK連続テレビ小説「おちょやん」でもメインキャストとして出演する気鋭の演技派俳優らを含め、個性的かつ実力派の豪華俳優が勢揃いした。
物語
高校時代、帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、5年ぶりに友人の結婚披露宴で「赤フンダンス」の余興をやるべく集まった!
めちゃくちゃ恥ずかしいダンスをやりきった披露宴と、二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代を思い出す・・・「しかし吉尾、お前ほんとに変わんねぇよな。なんでそんなに変わんねぇの? まあいいか、そんなのどうでも」6人は今までも友達で、これからもずっとずっと友達でい続けるのだろうと思う。
そう、たったひとりを除いては・・・。この微妙な“狭間”の時間に起こること、それは見るものの予想を超えていく。
監督・脚本:松居大悟
出演:成田 凌 若葉竜也 浜野謙太 藤原季節 目次立樹/飯豊まりえ 内田理央 小林喜日 都築拓紀(四千頭身)/城田優 前田敦子/滝藤賢一 近藤芳正 岩松 了/高良健吾
製作幹事:UNITED PRODUCTIONS
幹事協力:ハピネット
配給・宣伝:東京テアトル
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS (C)2020「くれなずめ」製作委員会
公式サイト:kurenazume.com
公式Twitter:@kurenazume
公式インスタグラム:@kurenazume
予告編
全国公開中
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。