【完全レポート】映画『ミッドナイトスワン』世界初‼世界最長925秒予告編お披露目イベント
9月10日、都内にて、草彅剛主演映画『ミッドナイトスワン』(9/25公開)の「世界初‼世界最長925秒予告編お披露目イベント」が行われ、主演・草彅剛、服部樹咲(はっとりみさき)、真飛聖(まとぶせい)、内田英治監督が登壇した(フォトギャラリーあり)。
内田英治監督のオリジナル作品である本作。主演・草彅剛は、トランスジェンダーの凪沙を熱演。母親が育児放棄となり、広島から凪沙が住む新宿のアパートで暮らすことになった、中学生の一果を新人の服部樹咲(はっとりみさき)が演じる。
真飛聖は、新宿でバレエ教室を営む片平先生役で、一果のバレエの才能を早くから見抜く。
そして本イベントに合わせて、世界最長となる925秒予告編もお披露目となった。この925秒は、公開日の「9月25日」の語呂合わせからきている。
925秒予告編
イベント完全レポート
この日のトークイベントをノーカットで掲載します。
■最初のあいさつ
草彅剛(凪沙 役)
本日、一足お先にお見せする上映会が全国各地であります。今日はそのこともありまして、9月25日公開の『ミッドナイトスワン』という映画の素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただきたくてこのような催し物やっています。
今日はまだ公開日じゃないんですけど、皆さんに見てもらえるということで公開日と同じくらいドキドキワクワクしています。
どうも緊張してます(笑)
服部樹咲(桜田一果 役)
はじめまして。桜田一果役を演じました、服部樹咲です。
この映画を見てくださる皆さんが自分らしく生きようとすることに自信が持てるようになったり、自分が大切に思っている人をもっと大切にしたいっていう温かい気持ちになっていただけたら嬉しいです。
私も緊張していますが、本日はよろしくお願いします。
真飛聖(片平実花 役)
片平実花(かたひらみか)役を演じさせていただきました真飛聖(まとぶせい)です。
本当に心を揺るがされる素晴らしい映画なので、一人でも多くの方に届けたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。
内田英治(監督・脚本)
製作途中にコロナ禍っていうとんでもない壁にぶち当たったんですが、なんとかこうやって皆さんの前に立つことができて本当に嬉しいです。
今日はよろしくお願いします。
■世界初!925秒予告編を観ての感想
-16分近くもあります、925秒の予告編となりました。公開日の9月25日にちなんでということですけども、この予告編を見てそれぞれどう思われたか、草彅さんからよろしいでしょうか?
草彅剛
まだ観てないんですよね(笑)
すみません、でも自分が演じてるんで。わかってます(笑)この作品を愛してるので。
でもこんなに長い予告編って無いじゃないですか。そんなに見せちゃっていいのかなと思うんですけど時代ですね。
これによってたくさんの方の目に留まって、本当に一人でも多くの方がこの映画に関心を持ってもらいたいです。
たぶん世界で一番長い予告編ですよね?大挑戦ですよね。中にはこれを観てお腹いっぱいになったっていう人もいるかもしれませんしね。
-それは困りますね。
草彅剛
それは困りますね。でもならないと思います。予告は見てないけど(笑)、これは素晴らしい挑戦だなと思って。思いきりましたね。
もう思い切って行かないとダメでしょ。今の時代。羽ばたいていかないと。ミッドナイトスワンのように。世界に羽ばたいてきますから私たちは。
大丈夫?俺?(笑)
真飛聖
大丈夫(笑)
-上手くまとめていただいて素敵です。服部さんはいかがですか?観ましたか?
服部樹咲
観ました。
草彅剛
観たの?ほんと、えらいね。
服部樹咲
(笑)
すでに公開されているセリフ無しの100秒バージョンの予告編も今までにない発想だなって思っていたので、今回も世界初ということで、スタッフさん達や出演者の熱い思いが伝わったらいいなって思います。
草彅剛
100秒のやつは俺も観た。925秒のはこれから観れるんですよね(9/10 14時解禁)?その時俺も観ます。皆さんと同じ状態で。
-真飛さんはいかがですか?
真飛聖
私も観ました。ほんとうに私の大好きなシーンがいっぱい入ってたので、ちょっとドキドキもしちゃいました。でも、かと言って草彅さんがおっしゃったようなお腹いっぱいというよりは、より興味が湧くと言うか、大きなスクリーンで見たらどんな感じで物語が繋がっていくんだろうって感じると思います。
-監督はどういう思いでこの925秒版を作られましたか?
内田英治監督
この話を聞いた時は、世界最長ってことで本気?って思いました(笑)
でも、最近のようにインターネット配信も増えてきた状況を考えると、今の時代だったらありなんじゃないかもって思うようになりました。
草彅さんや、樹咲さんの表情がとてもいいので、それを長めに見せて、皆さんを劇場にいざなうことができるんじゃないかなって。
■それぞれの役どころについて
-草彅さんは今回、トランスジェンダーとして気持ちが母になっていくという非常に難しい役どころだと思うんですけれども、大変じゃありませんでしたか?
草彅剛
いやもうなんか皆さんに助けられて。特に樹咲ちゃんに。今回演技初めてだったんですけど、樹咲ちゃんがカメラ前に立つと、もう一果にしか見えなかったので。
僕もいろいろと考えてきたこともあったんですけど、なんて言うのかな。あまりいろいろ考えて演じるんじゃなくて、樹咲ちゃんの目を見て演技しようと思いました。
-服部さんは、今作が女優デビュー作品ですよね。初めてだらけで大変なこともたくさんありましたよね。
服部樹咲
ありましたけど、監督には自然な感じで、あまり演技しすぎてるような感じじゃないようにしてってアドバイスをいただいてたので、ありのままの姿を出せればなって思って頑張りました。
-女優として演じるのと、バレエを踊るのと、どっちも見せる役どころであるけれども違いはありましたか?
服部樹咲
バレーは言葉がないから、身体とか上半身で伝えなきゃいけないんですけど、やっぱり、女優として演技となると、カメラも近くになって表情とかも映るからとても難しかったです。
-すぐ隣に草彅さんがいてくれて。
草彅剛
いやいや、本当に僕が引っ張られました。僕は今までいろんな作品に携わってきましたけど、演技とは、そういうある意味経験とかそういうものじゃなくて、そのままそこにこう佇んでる姿とか、そういうものが一番大事であって。
樹咲ちゃんが僕をゼロに引き戻してくれました。今までで一番無意識の状態で演技ができました。
樹咲ちゃんのおかげで、「エピソードゼロ・草彅剛」です。ここから飛び立って羽ばたいて行こう、ミッドナイトスワン。
そして、真飛さんはこの映画の中で唯一、温かく僕ら2人を見守ってくれてる存在でしたね。
真飛聖
そうですね。バレエの先生ですけど、難しかったですね。
私も監督から、樹咲ちゃんへのアドバイスとは違った意味の、「フラットに、フラットに」「自然に、自然に」って言われながら、演技してたんです。
けど、やはり見た目がまずバレーの先生に見えなきゃいけないけども、ただの鬼教官みたいにならないように、ちゃんと人間味溢れるように。
レッスンの時は厳しく。でも普段のたわいもない話の時には普通の人。
そして、ある日一果に出会って、自分も心が動いていって、凪沙さんに出会ってさらに心が動いていって。それが、お二人と絡むことで、私も自然と考えすぎないでその場にいれた気はしています。
-真飛さんのバレエの講師役としての佇まいがほんとうに素敵で、また、凪沙と一果の2人に対しての愛も感じました。
内田英治監督
こういう映画で難しいのは、よくあるパターンとして、手と足だけ違う人を使うっていう吹替だけは絶対に嫌だったので、先生役の真飛さんは宝塚出身でバレエ経験者ということで、やっぱりぜんぜん違いますよね。
やっぱりバレエっていうのは、経験してる人間としてない人間の差がすごいので。真飛さんにお願いしてほんとに良かったなって思います。
■草彅剛出演のきっかけ
-そして、監督はどんな思い出草彅さんを抜擢されましたか?
内田英治監督
オリジナル作品の映画って大体(興行的には)ダメなんですよ。映画にするのすごい難しいですね。やっぱり今はベストセラーを原作にしないとダメだとか。
そんな中で、草彅さんにやっていただくことに決まった時は、「ほんとに?」って思いました。しかもご本人が脚本を読んでいただいた上で、凪沙役ををやっていただけるということで、本当にびっくりしました。
草彅剛
原作がある作品もとても素晴らしくて僕も大好きなんですけど、この映画は、オリジナルの作品の良さがとても出てる作品だと思います。監督が全てを引っ張ってくれましたね。それはやっぱり監督自身が本を書いてるっていう強みというか、「あ、映画っていいな」って思わせてくれる作品でもあると思います。どこにも無いんですもん。このストーリーは。
-撮影しながら、それまで考えていたものとは変わっていくことはありましたか?
内田英治監督
思ってたものと違うっていうのは、初日から思いましたね。
草彅さんの凪沙も、初日から思ってたのとはぜんぜん違うって。
僕が想像していた渚の歩き方や仕草やセリフの発し方とは違う。やっぱり草彅さんっていう役者さんが役と同化して出てきているものが新鮮でしたね。
予測不可能だよね、樹咲ちゃんはどう?
服部樹咲
撮影前日まで、草彅さんがどういう感じで凪沙をやるのか全く想像がつかなかったです。
内田英治監督
あと、現場だとこんなにひょうきんじゃないんで(笑)
草彅剛
静かというか、でも楽しかったですよ。
やっぱ映画って面白いですよね。皆さんが凪沙という役を愛してくれていて、衣裳さんもメイクさんも照明さんも、カメラマンさんも。だから僕が凪沙という役やったんですけど、みんながこの役を好きでいてくれてできているという不思議な感じです。
内田英治監督
スタッフが、凪沙派と一果派に分かれて、感情移入する先が違うんですよ。
編集の時に凪沙のシーンをカットすると、凪沙派のスタッフが「なんでそこをカットするんですか?」って(笑)
だから、僕の現場であれだけスタッフが涙するのは初めて見ました。芝居を見ながらスタッフが泣いているわけですよ。プロデューサーをはじめ。
みんなの草彅さんと樹咲ちゃんへの感情移入がハンパ無いなって。撮影現場が劇場みたいでしたね。
草彅剛
本当にスタッフの皆さんがすごい愛情を注いでもらって、とてもいい作品になりました。
■“無償の愛”について思うこと。
-この作品のテーマにもなっている“無償の愛”についてどう思いますか?
草彅剛
誰もがそう思ってるけど、なかなかできなかったりとかすることなんじゃないかなと。
なのでこの映画見ていただけると、本当に生活して生きてる方、誰しもが抱えてる気持ちみたいなものが込められてるので、必ずどの方にも身近に感じてもらえるんじゃないかなと思います。
服部樹咲
私はまだ14歳なので、“無償の愛”はまだ与えてもらうことしかないんですけど、どんな状況の中でも応援してくれたり、優しくしてくれたり、見返りを求めない愛みたいな感じかなと思います。
真飛聖
自分が今無償の愛を捧げてる対象でもいいですか?
私は今、愛犬に対しての無償の愛っていうのは変わらないなって思っています。
だからそういう注げる対象物があると、人間というのは強く生きられるなっていうのは日々感じています。
内田英治監督
“無償の愛”は、今の時代、急激に減っているものだと思います。
コロナ禍もあって、世界中で人間同士が不信になっているので。
-そんな中で『ミッドナイトスワン』を観れば・・・
内田英治監督
そうですね。撮影中も脚本を変えたところがいっぱいあって。
もともと5年前に書いた脚本だったんですけど、今の時代だから変えたところが結構あります。
それはやっぱり悪い方に時代は変化してるから、映画を観てくれた方に希望や愛情を感じてもらえるように。
■最後にメッセージ
-本日、全国の劇場で「ひと足お先に見せます上映」が行われます。それを受けまして、最後にごあいさつをお願いします。
草彅剛
ついにこの日が来て本当にドキドキワクワクしてるんですけど、一般の方にも観ていただいてこの作品の素晴らしさに触れてくれるということが僕自身ほんとうに嬉しく思います。
こういうコロナ禍で大変な時で、エンタメの世界も色々と規制があったりとか、難しい状況だったりする中で、こうやって公開に向かっているということが本当に嬉しく思います。
皆さんのこの作品の一言の感想がまた次に繋がると思いますので、是非ともこの作品見終わった後に、僕らにもそして周りの人にも感想をたくさん伝えてください。よろしくお願いします。ありがとうございます。
内田英治監督
コロナ禍があってなんとか完成したのが本当につい最近のことです。そして草彅剛さんと初号試写を観た時のこといまだに思い出すんですけど、30分ぐらい二人で興奮しながら語り合った作品がようやく今日初めて上映になります。やっぱりこういう映画が是非広まってほしいし、普通に出演者たちの演技を見てほしいと思っています。
なので皆さんも是非協力していただいて、是非応援してください。よろしくお願いします。ありがとうございました。
■イベントフォトギャラリー
[記事・写真:Jun Sakurakoji]
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映画『ミッドナイトスワン』
あらすじ
故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。
ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。
常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。
出演:草彅剛
服部樹咲(新人) 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華
佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣
水川あさみ・田口トモロヲ・真飛 聖
監督/脚本 内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」)
音楽:渋谷慶一郎
配給:キノフィルムズ
(C)2020Midnight Swan Film Partners
30秒版予告編
60秒版予告編
100秒版(セリフなしVer,)
9月25日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
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