いちばんすきな花

【インタビュー】田中麗奈「プレッシャーを持ち続けることは共演者の皆さんへの礼儀で敬意です」ドラマ『いちばんすきな花』

多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4人の俳優が主演を務める新しい形の“クアトロ主演”ドラマ『いちばんすきな花』。4人の主人公たちが紡ぐ物語の中で重要な役どころともいえる“美鳥”役として、田中麗奈が登場すると大きな反響が。連続ドラマに途中から大事な役どころとして出演する彼女にその心境を聞いた。
 
フジテレビでは10月期の木曜劇場<毎週(木)22時~22時54分>にて、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4人の俳優が主演を務める新しい形の“クアトロ主演”ドラマ『いちばんすきな花』を放送中。
初回放送からSNS上でも大きな話題を呼び、放送日には番組タイトルである『いちばんすきな花』がトレンド入りするほか、キャラクターたちへの共感の声を投稿する視聴者も増えている。そして、先週放送された第7話では4人の主人公たちが紡ぐ物語の中で重要な役どころともいえる“美鳥”役として、田中麗奈が初登場!事前告知もなく、突然の登場となっただけに「X」において「#いちばんすきな花」が今回もトレンド入りをしただけでなく、「#美鳥ちゃん」、「#みどりちゃん」、「#美鳥さん」というハッシュタグを付けた田中の登場に関しての驚きの声も大きな反響を呼んだ。

田中麗奈 インタビュー&撮り下ろしフォト

‐美鳥(みどり)が第7話で登場するまでの『いちばんすきな花』をご覧になられていかがでしたか?
 
田中麗奈(志木美鳥/しきみどり 役)
優しくて繊細なドラマだなと思いました。そして、哲学的な言葉や格言など、ひとつひとつの言葉が耳に残ります。
リラックスして観ながらも、グサッと刺さってくるような不思議な感覚のドラマだと感じています。
私の出演が決まってからは、ドラマを観る目線が変わって、楽しみよりもプレッシャーと緊張があります。もう一視聴者という立場ではいられなくなりました(笑)
いちばんすきな花

田中麗奈

‐美鳥が実際に登場してからの視聴者の反応について考えることはありましたか?
 
田中麗奈
「私が出たときに否定的な反応があったら、慰めてください」って、夜々ちゃん(演:今田美桜)に言ってました(笑)
 
‐実際に出られてからはポジティブな意見の方が多かったと思いますが。
 
田中麗奈
村瀬さん(プロデューサー)が涙流して「やったー!」って喜んでいて、それを見られたのが一番嬉しかったです。
(美鳥が初登場する)回の放送中、私は、スタジオで撮影中だったんですけれど、撮影が終わってスタジオを出ると村瀬さんが携帯を握りしめて待っていらしてて、「やっぱり田中さんで良かったです!とてもいい反応ばかりです!」といろいろ見せてくださったんです。「泣きそうになりました!」っておっしゃってるんですけど、もう涙が出てるんです(笑)
「この役を受けてくださって本当に良かったです。いきなり登場するこの役は大変だと思いますが。」と話されたときは心の中で「そうだよね」って思いながら聞いてました(笑)
でもそのときにまずは第一関門を突破したかなと自分でも実感できました。
いちばんすきな花

第10話_田中麗奈

‐美鳥役のオファーを受けられた理由はなんでしょう?
 
田中麗奈
『いちばんすきな花』の独特の世界観が好きだなとシンプルに思ったのと、出演者の皆さんがそれぞれの役にとても自然な感じで合っている中で、美鳥と重なるイメージを私に感じて声を掛けていただいたのだろうと思ったからです。
脚本を読むと、美鳥の役割はとても大きいのでプレッシャーも大きいですけれど、私も美鳥を演じることのイメージができましたし、やるしかないと思いました。
 
‐そのプレッシャーをどのように乗り越えられましたか?
 
田中麗奈
今日(12/7)、第9話が放送されましたが、まだプレッシャーはありますし、逆に最後までプレッシャーを持ち続けることは共演者の皆さんへの礼儀で、敬意でもあります。ですので、そのプレッシャーを受け入れて、表現の力にしていくという考えで臨んでいます。
いちばんすきな花

田中麗奈(インタビュー中)

‐美鳥は、主人公の4人にとって、とても大切な存在ですが、美鳥を演じる上で心がけていることは?
 
田中麗奈
4人がとてもいい雰囲気なので、その世界観は大事にしたいです。そしてひとりひとりと対峙したときに、その人のことをとにかく大切に想うということを大事にして演じています。
 
‐4人それぞれの共演者の方々との撮影エピソードがあれば教えてください。
 
田中麗奈
台本で言うと、15、6ページも続く長い“おしゃべり”を皆さんはやられていて、それはほんとにすごいなと思います。
会話だと、ひとつひとつのやり取りに意味があってまだやりやすいんですが、このドラマでは、雑談も交えながらの“おしゃべり”がテンポ良く進んでいくのがひとつの醍醐味になっています。
それは難しいことなのに、自然にやられている4人はほんとに素晴らしい役者さんたちだなと感じています。4人の空気感が素敵で、チームワークも素晴らしくて、ずっと見ていたいなって思っちゃいます。
 
‐撮影の合間ではどういうお話を?
 
田中麗奈
多部ちゃんとはお互いの子供の話とか、夜々ちゃん(今田美桜)とは福岡つながりもあるので、実家の話題。
神尾さんは、7話とか、私がずっと話すドラマの感想に答えてくれました。で、松下さんとは真剣なシーンが多いので、会話はあまりしてないんですけれど、最初にお会いしたときに「スタッフもキャストもみんな田中さんのことを待ってました」とおっしゃっていただいていて。でも嬉しいのですが聞けば聞くほどよりプレッシャーにもなっていって(笑)
あと、待合室で4人はジェンガやカードゲームしていて、私はカードゲームに入れてもらったこともありました。自分の持っているカードの番号を誰にも言わないまま、順番に持っている札が少ない人からカードを出していくというもので、アイコンタクトがポイントになるゲーム。なるほどみんなはこうやって、コミュニケーション能力を高めて、4人のチームワークができていっているのかって思いました。
いちばんすきな花

第9話_上段左から)多部未華子、神尾楓珠、下段左から)松下洸平、今田美桜、田中麗奈

‐本ドラマのテーマズバリの質問ですが、田中さんは、男女間の友情は成立すると思いますか?
 
田中麗奈
成立する、しないとかじゃなくて、どちらもあると思います。人それぞれですし、そのときの人生の状況でも変化していくし、変化しないとおかしい。子供のときのまま大人になるのもおかしいし、大人になったらなったで、相手や自分の状況で変わってくると思うので。
 
‐田中さんご自身のご経験でも変わってこられたという実感はありますか?
 
田中麗奈
結婚したり、子供ができると生活の時間や、人間関係が変わっていくのは自然のことですし、男女の友情は“絶対にない”“絶対にある”と言い切れないと思います。
 
‐今回の撮影で新しい発見や気付きはありましたか?
 
田中麗奈
ゆくえちゃん(演:多部未華子)とのシーンは、彼女の波長に合わせて入っていくということをイメージしています。それは彼女が『いちばんすきな花』の世界観を一番体現していると思うので。
声のトーンや強弱とかも合わせていったんですけれど、そうすると自分でもとても心地良くて。たぶん美鳥のベーシックな状態が、ゆくえちゃんと居るときだと思うので、ゆくえちゃんのおかげで美鳥を作ってもらえたなっていう気づきがありました。
いちばんすきな花

第9話 田中麗奈、多部未華子

‐声のトーンについては、他の作品でも気にされる方ですか?
 
田中麗奈
はい。声で表現できるものがたくさんあると思うので気にしています。そういう中で今回はより声に敏感になっていたと思います。

いちばんすきな花

‐子供時代の美鳥は、将来の夢として「自分が帰りたいと思う家がほしい」と言うシーンがあります。田中さんが子供の頃はどういう夢がありましたか?
 
田中麗奈
子供の頃からこのお仕事をすることが夢で、やっぱりずっとお芝居を続けていきたいと思ってました。
 
‐今の田中さんの夢はありますか?
 
田中麗奈
無いですね(笑)
でもそれも良い気がするんですよね。私が子供の頃って、夢を持て夢を持てって言われてましたけど、ただ、夢を持つことは素晴らしことでもあるけれど、苦しいこともあるじゃないですか。
 
‐たしかに、最近は「ドリームハラスメント」という概念も言われていますね。大人が若者や子供に「夢を持て」と追い詰めることの問題として。
 
田中麗奈
なるほど。この仕事をしていても夢や理想を持たなきゃいけないという気持ちもあったりしましたが、届かないことが苦しすぎて、こんな夢を持たなきゃよかったなってこともあるんです。
夢って覚悟のひとつでもあるから、持つことで前進もできるけど、自分を痛めつける要素でもあったりする。なので、私は小さい子供に「夢を持ちなさい」って言わないでおこうっていうのがどこかにあります。自分で好きなことを見つけて自分がそれをやりたいと思えば、やればいいし、それを自分で「夢」という名前を付けるんだったら「夢」でもいいしって、最近思うんです。
ということで、自分の今の夢は無いです(笑)
いちばんすきな花

田中麗奈(インタビュー中)

‐田中さんが一番好きな“花”はなんでしょう?
 
田中麗奈
ガーベラです。なんでかなって自分で考えてみたんですけれど、上京したときに初めて買った花がガーベラだったからかもしれません。あと、小さい子が描く花の絵のように、“花”っていうイメージもありますし。
色は、オレンジやピンクが好きです。元気が出るから。考えると、美鳥ちゃんのイメージと似ていますね。
 
‐日常生活でもお花は身近なものですか?
 
田中麗奈
はい、好きです。自分で季節のお花を植えたりもしますし、とても身近なものです。
いちばんすきな花

田中麗奈(インタビュー中)

‐このドラマの主題歌は、藤井風さんの「花」ですが、聴かれた印象は?
 
田中麗奈
とてもおしゃれな曲だなと感じました。撮影のときもリラックスするために聴いています。
エピソードのこの部分が歌詞に入っているなとか、ドラマの流れで同じ歌で違うように聴こえることがあったり、また違う新鮮さを見つけられることもあります。
 
‐田中さんにとって音楽とは?リラックスするためやモチベーションを上げるなどありますか?
 
田中麗奈
やっぱりありますよね。歌詞の内容が今の自分にリンクしたり。ランニングするときも聴いています。
 
‐最近良く聴かれるのは?
 
田中麗奈
ビル・エヴァンスとかのジャズを流しておくのが好きです。お料理するときでも。
このドラマの撮影に入る前に、「silent」(「すき花」の生方美久脚本)を一気に観たんですけれど、このドラマのエンディング曲、Official髭男dismさんの「Subtitle」を何度も聴いて、元気をもらってました。
 
‐最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
 
田中麗奈
生方さんの脚本って、クロスワードを解いていくような面白さがあって、読み進めるほどに、伏線が繋がってくることに気づくことがあります。残りの10話、11話で、それらがより明確になっていくので、「あそこがここに繋がっていたんだ」「あの出来事の着地点はここだったんだ」と、知的感覚を満たしてくれるところがあります。
そして、ひとつひとつの言葉に哲学的な格言も含まれていて、自分もできるかなって試してみたくもなります。
そういう盛り上がりがこれからの終盤に向けてありますので、言葉を大切に聴いていただけたら嬉しいです。

いちばんすきな花

■フォトギャラリー

撮り下ろしフォト

場面写真

[インタビュー・写真:三平准太郎]

木曜劇場『いちばんすきな花』

《概要》
この物語の主人公は潮ゆくえ(うしお・ゆくえ/多部未華子)、春木椿(はるき・つばき/松下洸平)、深雪夜々(みゆき・よよ/今田美桜)、佐藤紅葉(さとう・もみじ/神尾楓珠)という別々の人生を送ってきた4人の男女。
そんな年齢も性別も、育ってきた環境も全く違う4人がある日、「唯一心を許せた異性の友達が、結婚を機に友達では無くなってしまった」、「結婚を考えていた彼女を、彼女の男友達に奪われた」、「友達になりたいだけなのに、異性というだけで勝手に恋愛と捉えられてしまう」、「友達の友達もみんな友達と思っていたが、気付けば本音を話せる相手はいなかった」と、それぞれの日常のなかで“友情”や“恋愛”にまつわる人間関係に直面してしまう。
境遇だけでなく、考え方も全く違う彼らが、ふとした出来事を機に巡り会い、“友情”と“愛情”というテーマに自然と向き合っていくことになるストーリー。

出演:多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠、
齋藤飛鳥、一ノ瀬颯、白鳥玉季、黒川想矢、田辺桃子、泉澤祐希、臼田あさ美 / 仲野太賀、田中麗奈

脚本:生方美久(『silent』、第33 回フジテレビヤングシナリオ大賞 『踊り場にて』)
音楽:得田真裕(『silent』、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』、『グッド・ドクター』、『監察医 朝顔』シリーズ、 『アンナチュラル』、『MIU404』他)
主題歌:藤井風『花』(HEHN RECORDS/UNIVERSAL SIGMA)
プロデュース:村瀬健(『silent』、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 』、『信長協奏曲』、映画『キャラクター』 、映画『約束のネバーランド 』 他)
演出:髙野舞(『silent』、『アライブ がん専門医のカルテ』、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』他)
制作・著作:フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/ichibansukina_hana/
公式X:@sukihana_fujitv
公式Instagram:@sukihana_fujitv
公式TikTok:@sukihana_fujitv

≪放送日時≫
毎週(木) 22時~22時54分

いちばんすきな花

 

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA