神尾楓珠「実は恋バナが好き」山田杏奈と3度目共演映画『彼女が好きなものは』完成披露試写会
2021年11月2日、都内にて、映画『彼女が好きなものは』完成披露試写会が行われ、主演の神尾楓珠、山田杏奈、草野翔吾監督が登壇。本作で3度目の共演となる神尾楓珠と山田杏奈は、改めてお互いの印象を語ったり、「周りには言ってないけど実は好きなもの」、「周りからは知られていない自分の本性」などをそれぞれ明かした。
舞台挨拶レポート
■動画レポート
■「誰にも言えないことがあるという身近なことに置き換えて演じた」
-監督はやはり緊張されてますか?
草野翔吾監督
緊張しています。完成披露の場というのは、嬉しさと緊張がすごい勢いで混じり合っている感じです。
-本作は、浅原ナオトさんの「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」という原作小説があって、「腐女子、うっかりゲイに告る。」というタイトルでドラマ化もされていますが、本作を映画として撮ることになった経緯は?
草野翔吾監督
プロデューサーからある日、原作とお手紙を頂いたのがきっかです。ドラマが作られる前、原作が出版されたすぐくらいの頃ですが、その時僕は初めて原作を知って読んだんです。
今まで生きてきた中で、きっと身近にあったお話のはずなのに、自分には見えてなかったものや、言い辛い本音が赤裸々に言葉になっている小説だと感じ、読みながら泣いてしまいました。
久しぶりに小説を読んで泣いて体験をして、この小説を映画にしたいという思いも持ちました。
ただ、自分がこういうお話を背負えるのだろうかとかなり悩みまして、一度プロデューサーとお会いしたところ、その方は真剣な想いを持っているということが分かったので、一緒にやればいい映画が作れるかもなと思って監督を受けることにしました。
-神尾さんは、ゲイであることを隠して生活をしている純という高校生を演じられていかがでしたか?
神尾楓珠(安藤純 役)
最初は、題材も題材なので、今の時代にこの題材で映画を撮るというのが、リスキーなことではあるなと思って怖さがありました。
でも、プロデューサーと監督の真っ直ぐな想いというのをちゃんと演じたいなと思って引き受けさせてもらいました。
実際演じてみて、最初は戸惑いはありました。自分には経験のないことですし、自分の知らない世界の話でもありますので。
でも、何か悩みを隠して生きるとか、誰にも言えないことがあるという身近なことに置き換えれば、みんなが持ってる感情だと思ったので、そこから昇華させて、ゲイというその悩みに対して向き合っていった感じです。
-山田さんが演じられた紗枝は、純がゲイだと知らずに告白する女の子です。でもBL好きを隠していたりもします。演じられていかがでしたか?
山田杏奈(三浦紗枝 役)
紗枝は、本当にまっすぐな子で、純と同じく人に自分の好きなものを大きな声で言えないという思いも抱えています。
その中で、BLを読んでいるけど、身近で好きになった人がゲイだったっていうことがわかって、紗枝がそれをまっすぐに受け止めていく。
そういう姿が私はすごく好きで、その紗枝の想いを私が私が表現できるんだって、台本を読んだ時に一番最初に思って、それがまずとても嬉しかったです。
この作品自体、優しさがあって、1人1人の葛藤があって、そういういろんな人の思いがギュッと詰まっているので、その中に参加できることもとてもすごく嬉しかったです。
■神尾楓珠&山田杏奈 お互いの印象
-お二人は3回目の共演ですよね。お互いの印象はそれぞれどうですか?初めて会った時と今と変わってますか?
神尾楓珠
初めて会った時は、僕は俳優の仕事を始めたばっかりでなんにもわからない状態だったので、「こんな中学生がいるんだ!?」「めちゃくちゃ芝居が上手い!」って衝撃を受けました。
その時は、足を引っ張ってばっかりだったんです。この場を借りてすいませんでした!
山田杏奈
そんなことはない(笑)
神尾楓珠
二十歳超えて、2回共演して、今作が3作品目なんですけど、どんどん洗練されてきてるなというのは感じました。自分の芯が二十歳にしてしっかりとあるんだなって思って、またビックリしました。
-山田さんは神尾さんの印象は?
山田杏奈
初めてお会いした時、オーディションを一緒にやったんです。その時私は「楓珠くんが受かるな」って感じましたし、それからも2回、3回とご一緒させていただいて、ご縁があるなと思います。
印象ですが、年上ですけど、このように私がフランクに接しても、まず大前提許してくださるところ(笑)
として、スンとしているように見えるけど、けっこう面白い部分がある方だなって思います。お芝居は、ほんとに楓珠くんの“純”があったから、私が“紗枝”でいられましたし、すごく良い時間だったなと思います。
神尾楓珠
ありがとうございます!!
■「周りには言ってないけど実はこれが好き」
-お二人が演じられたキャラクターにちなみ、「周りには言ってないけど実はこれが好き」というのを教えてください。
神尾楓珠
実は、こう見えて意外に「恋バナ」が好きなんですよ。
神尾楓珠
高校生くらいの頃は、恋バナは大っきらいだったんですよ。
大人になってから、めちゃくちゃ楽しいじゃん!って思って。
で、変にアドバイスもしちゃいますもん。何の根拠もなく(笑)
山田杏奈
私が実は好きなものは「知育菓子」。
山田杏奈
知育菓子って、たとえば「ねるねるねるね」や「ハンバーガー作ろう」(ポッピンクッキン ハンバーガー)みたいな。
恥ずかしいので家で一人でやるんですけど、今のは、ハンバーガー味のハンバーガーが作れるんですよ。昔は、甘いのしかなかったのに。(見た目は)ハンバーガーだけどイチゴ味みたいな。
-恥ずかしいとおっしゃいましたけど発表しちゃいましたね。
山田杏奈
これならまだ言えるかなって。
-実は他にもあるんですね?
山田杏奈
ほんとに言えないことは言えないですから(笑)
草野翔吾監督
神尾くんのイメージがこの舞台挨拶中で変わっていって、戸惑ってます(笑)
知育菓子はすごく素敵な趣味ですけどね。
■周りからこう思われているんだけど、実は・・・
-本作は、純と紗枝が、ゲイと腐女子という表面上のキャラクターを表すラベリングを外していく、そして「私」と「あなた」として人間として個人に向き合っていくというのが大きなテーマになっています。そこで、神尾さんと山田さんに伺います。「周りからこう思われているんだけど、実はこうだよ」というのがあれば教えてください。
神尾楓珠
真顔でいると、つまらなそうってよく言われますね。
心の中では楽しくても、普段、プライベートでは感情が爆発することってあんまりないんですよね。だからそのせいなんでしょうけど。
だから、真顔でいると「え?帰りたい?」って聞かれるんですが、心の中ではめちゃくちゃ楽しんでるので、「ぜんぜんそんなことないよ」って答えるんですけど。
そこは見た目とは違うところかなと思います。
山田杏奈
顔も幼く見られがちで、役も高校生役が多いからかもしれませんが、ブラックコーヒーが好きで飲んでいると、周りの人にビックリされます。大人たちに「ブラックで飲めるんだ!?」って言われて、「飲めますよ!」って返事するんですけど(笑)
草野翔吾監督
やっぱり、この人ってこうなんだろうって、自分で勝手に思いすぎないようにしないといけないですね。
今日は僕が神尾くんのことを誤解してたなってことがハッキリわかったので反省しています。
■最後にメッセージ
神尾楓珠
僕はこの作品の脚本を読んだ段階でおもったんですが、今まで自分の中でなんとなく思ってたけどうまく言葉にできてなかった感情が、この映画の中では、ちゃんと言語化されています。
そういう発見もありましたし、やっぱり“普通”ってなんだろうとか、幸せってなんだろうとか、そういうこともすごく考えて演じたので、映画を見る方もそういうことを考えるきっかけになったらいいなと思います。
山田杏奈
「この映画を通して何を伝えたいですか?」という質問を、今日も取材で受けたんですが、こちらから何を伝えたいっていうよりは、“純”や作品に登場する人たちの姿を通して、皆さんそれぞれが自分だったらどうするかなとか、自分はこう思ってたかもしれないって、感情になって湧いてくる作品だと思います。
それに真っ直ぐに向き合ってもらえたら、それ以上に幸せなことはないなって思います。
とにかく楽しんで頂けたら嬉しいです。
草野翔吾監督
いつも、考えすぎるくらい考えて作品を作るんですが、この作品は原作もそうだし、今の社会の風潮であるとか、抱えてる問題とかにも自分なりに真剣に向き合って考え尽くし撮りたいなと思って作った作品です。
でも、爽やかな青春映画だと思うので、多くの人に見てもらえて楽しんでもらえたらいいなと思ってます。
先日、釜山国際映画祭で一足先に上映されて、とても良い反応を頂けたので、日本でも多くの人に受け入れてもらって、広がっていけばいいなと思っています。
素晴らしいキャストとスタッフと一緒に作り上げた作品なので、どうかご覧になっていただけたら嬉しいです。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元、動画・記事:桜小路順]
映画『彼女が好きなものは』
INTRODUCTION
ゲイであることを隠しながら生活する男子高校生とBL好きの女子同級生との恋愛を通じ、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描いた映画『彼女が好きなものは』を2021年秋に全国公開となる。
原作は、小説家・浅原ナオトの「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)。Web小説サイト「カクヨム」で話題となり、2018年2月に書籍化、2019年4月にはNHKで「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化もされ、大きな反響を呼んだ。
ゲイであることを隠して日々を過ごす男子高校生・安藤純と、BL好きを隠しているクラスメイトの女子・三浦紗枝が、書店で鉢合わせたことから急接近。
やがて紗枝から好きだと告白された純はある想いを秘め付き合うことに―。主人公の安藤純を演じるのは、神尾楓珠。「異性を愛したい」「家庭を築きたい」と世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する純を繊細に演じている。
純に恋をする女子高校生の三浦紗枝役は山田杏奈。自分の好きなものを素直に好きだと言えない悩みを抱えながら、純とともに成長していく姿を瑞々しく演じている。
その他、純の幼馴染みの高岡亮平役に前田旺志郎、クラスのリーダー的存在の小野雄介役に三浦獠太、紗枝の親友の今宮くるみ役には池田朱那が扮している。
STORY
わかり合えない僕らは、それでも「ふつう」の幸せを手に入れたい―
高校生の安藤純は自分がゲイであることを誰にも告げずに生きていた。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝が、男性同士の恋愛をテーマとした、いわゆる BL マンガを購入しているところに遭遇する。BL 好きであることを秘密にしている紗枝は「誰にも言わないで欲しい」と純に口止めをするのだが、彼女はまだ知らなかった。目の前にいる純が、彼女の好きなゲイであることにー。
純には妻子ある同性の恋人マコトがいるが、書店での遭遇をきっかけに、純と紗枝は急接近する。紗枝の友人達とダブルデートをしたり、クラスメイトたちと遊園地で遊んだりと仲を深めるうちに、純は紗枝から告白をされる。 「自分も“ふつう”に女性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか?」。⼀縷の望みにかけるかのように、紗枝の告白を受け入れ、付き合うことになったのだが・・・。
出演:神尾楓珠 山田杏奈
前田旺志郎 三浦獠太 渡辺大知 三浦透子
磯村勇斗 山口紗弥加 / 今井 翼
監督・脚本:草野翔吾
原作:浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)
エグゼクティブプロデューサー:成宏基 / プロデューサー:前原美野里、宮本綾
アソシエイトプロデューサー:西川朝子 / ラインプロデューサー:小泉朋
音楽:ゲイリー芦屋 / 撮影:月永雄太 / 照明:藤井勇 / 美術:安宅紀史 / 録音:齋藤泰陽 / 装飾:山本直輝
スタイリスト:SAKAI / ヘアメイク:寺沢ルミ / 編集:浦部直弘 / 助監督:杉岡知哉 / 制作担当:狭間聡司
企画協力:KADOKAWA / 企画・制作・プロデュース:アニモプロデュース
配給:バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース
製作:「彼女が好きなものは」製作委員会
2021年/日本/121 分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/デジタル
(C)2021「彼女が好きなものは」製作委員会
公式サイト:https://kanosuki.jp
予告編
12月3日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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