NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

【インタビュー】NHK連続ドラマ初出演の倉沢杏菜「私にとって未知のものが3つ重なったドラマ」

2024年4月1日スタートのNHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」で、連続ドラマ初出演となる倉沢杏菜(くらさわあんな/19歳)。22年から俳優活動を始めたばかりの彼女に、本ドラマでの役どころや、俳優としての今後の抱負や、プライベートの話などを聞いた。

NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」は、「現実世界」と「バーチャル世界」。2つの世界を行き交いながら、中年サラリーマンの初恋を描く新しい形のヒューマンドラマ。主人公で、人生において成功体験と言えるものが無い、中年の独身男性・直樹を野間口徹が演じる。倉沢杏菜が演じるナオキは、そんな直樹のVRアバターだ。すなわち、ナオキは外見は制服姿の女の子だが、その実体は中年男性なのである。

倉沢杏菜 インタビュー&撮り下ろしフォト

■自分とは全然違う世界のお話だろうと思った

‐「VRおじさんの初恋」出演のきっかけはオーディションだったそうですが、オーディションに臨むにあたって取り組んだことや、オーディション当日の印象は?

倉沢杏菜(VRアバター・ナオキ 役)
オーディション当日のことは緊張でほとんど記憶がないんですが(笑)、原作もオーディション用台本もしっかり読み込んだ上で臨みました。

NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

倉沢杏菜

‐ 監督、プロデューサーからは、「細かな目線の動きや、繊細なお芝居が素敵」と言っていただいたとか。

倉沢杏菜
有り難いですね。オーディション会場に入ったときから「あの子、気になるな」という感じで注目していただいたと聞きました。

‐ 台本の一部はオーディション前から読まれたということですが、最初の印象は?

倉沢杏菜
題名だけを見ると、自分とは全然違う世界のお話だろうと思ったんですけれど、いざ読んでみると、この物語は人間らしく、温かくて、繊細で丁寧な作品だなと思いました。

‐ 演じられたVRアバターのナオキの実体は、野間口徹さん演じる中年のおじさんですが、どういうキャラクターなのかご紹介ください。‐

倉沢杏菜
直樹は、人と関わることが苦手で避けてきており、しかもそれを自分で受け入れているひねくれ者です。それゆえの真っ直ぐさもあり、ある意味自分勝手さもあり、矛盾という言葉が似合う人間らしい人だと思います。
人生にも自分にも期待していませんが、私は直樹は向き合おう向き合おうとしても出来なかった人だと思います。

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VRアバター・ナオキ(倉沢杏菜)

‐演じる上で取り組まれたことは?

倉沢杏菜
とてもありがたいことに、野間口徹さんと井桁弘恵さんとの、本読み(=撮影前の台本読み合わせ)をする時間を作っていただいて、そのとき、VR・ナオキのセリフを野間口さんが読んでくださったんです。そのおかげで、ナオキのセリフを見ると、自然と野間口さんの声で聞こえてくるという状況が出来たので、その時間が私にとってとても大きかったです。

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■私にとって未知のもの

‐ 同じVRキャラクターを演じられた井桁弘恵さんとの共演はいかがでしたか?

倉沢杏菜
本当に優しくて明るい方です。感情が高ぶるシーンで、画角を変えて何度も撮るときに、井桁さんが「頑張ろう!」ってハグしてくださって、それにかなり救われたのを覚えています。

‐ 撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

倉沢杏菜
とても温かい雰囲気で、吉田照幸監督がお好きな野球のエピソードでスタッフみんなが和むこともありました。監督と同じ福岡出身の井桁さんと特に盛り上がってました(笑)

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‐ 同じくVRアバター役の井上音生(アオイ 役)さんとの共演は?

倉沢杏菜
井上さんとは年齢が同じなのがわかった途端、一気にお互いの距離が縮まったのを覚えています。いつもニコニコされていて柔らかい印象の方です。

‐ このドラマでの倉沢さんのコメントに「VR・おじさん・初恋、この3つのワードが重なる世界は私にとって未知のもの」とありましたが、具体的には?

倉沢杏菜
まず、VRをこれまで体験したことがなかったことと、アルバイトなどの経験も無かったので、直樹のようなおじさんとの関係も無かったんです。
そのVRと私にとって遠い存在のおじさんと、そして身近な初恋とが混ざるってなんだろう?って、最初はまったく想像がつかなかったんです。

‐ 撮影を通してVRについて思われたことは?

倉沢杏菜
実は撮影が始まる前にVRを体験してみたんですが、ゴーグルを付けた瞬間から360度どこでも見回せる空間がすごく不思議で、なんで今まで知らなかったんだろうって思うぐらい面白いな!って感じました。

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■俳優を目ざしたきっかけ

‐昨年3月24日、新宿バルト9で行われた、映画『私の卒業-第4期-18歳、つむぎます』の舞台挨拶に、倉沢杏菜さんも登壇されていましたが、この作品が倉沢さんにとって最初の映画出演だったのでしょうか?

倉沢杏菜
そうです。

‐改めて『私の卒業-第4期-18歳、つむぎます』は、倉沢さんにとってどういいう作品でしたか?

倉沢杏菜
この作品は独特で、オーディションの段階のワークショップから密着のカメラがついて、都度インタビューを受けたりしながら役を勝ち取っていくというプロジェクトでした。
台本ができる前の作品のプロット段階から関わらせてもらったのは、とても貴重な体験でした。私にとって始めてのオーディションだったのもあり、作品が完成するまでの日々すべてが学びで、映画製作の基礎のいろんなことに触れることができた作品でした。

‐初めての映画作品の関わりを考えると、とても貴重なプロジェクトだったということですね。

倉沢杏菜
ほんとうにそう思います。

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‐そもそもの質問ですが、俳優の道に進まれたきっかけは?

倉沢杏菜
5歳から8年間、クラシックバレエを習っていたこともあって、元々自分の身体を使って表現することが好きだったんですが、母が見せてくれたアメリカのドラマ「ハイスクール・ミュージカル」を通して、作品を通して伝えられるものがあるのは素敵なことだなってぼんやりと思っていました。
その後、中学生のとき、英語のお芝居をする機会があって、それを見た母が「俳優をやってみたら?」と言ってくれたんです。そのこと自体は高校生になるまで忘れていたんですが、高校生になって、インスタグラムのストーリーズで今の事務所のオーディション募集を見かけたのがきっかけです。その時も、母が「受けてみたら」って背中を押してくれたんです。

‐俳優のお仕事は始めたばかりですが、いかがですか?

倉沢杏菜
とても楽しいです。同時にとても難しいなとも思っています。
(ドラマ「VRおじさんの初恋」の)吉田監督もおっしゃっていたんですけど、「役になるということは、その役に対して真摯でいなくてはならない。誰かの人生を代わりに表現するということは、とても丁寧に向き合わなければならないことなんだ。」と。他人のことを完全に理解することは難しいことですし、理解した気になるのも違うなって思います。でもそれをやらなくちゃいけなくて、そして決して簡単にできるものじゃないから、俳優さんたちってすごいなって思います。

‐今後、演じてみたい役はありますか?

倉沢杏菜
自分に似ている役を演じてみたいなって思います。私は楽観的でいつも笑っているタイプなので、作品を見た人が素直にハッピーになれる役として演じてみたいです。

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■ダンスとお茶が好き

‐K-POPダンスがお好きだとか?

倉沢杏菜
はい。中学生のときは、バレエを習いつつ、学校の部活では茶華道部に所属していたんですが、高校では部活としてダンス部に入って、ガールズヒップホップを始めました。大学でも、K-POPダンスのカバーサークルに入っています。あまり行けてないんですが・・・
気持ちが落ちてきたなって思ったときは、好きなK-POPを聴いて、踊ったりして気分を上げています。

‐好きなK-POPグループは?

倉沢杏菜
中学生のときから、TWICEさんが好きで、スタジアムツアーも応募中です!

NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

‐3月18日のお誕生日で19歳になられましたが、10代最後の1年はどう過ごしたいですか?

倉沢杏菜
今のお仕事はもちろん頑張りつつ、人生で一度きりかもしれない学生という時間を大事にしたいと思っています。しかも10代って、成人でもあるけどまだ子どもの部分も残っていて。頼っていいところは頼りつつ(笑)、新しいことを始められる充実した1年にしたいなって思います。

‐先ほど、ダンスが好きというお話がありましたが、それ以外にオフの日の好きな過ごし方は?

倉沢杏菜
ダンスとは真逆なんですが、温かいお茶を淹れてお部屋でのんびりするのが好きです。ゆったりとした音楽を流しながらボーっとするのが好きです。

‐ダンスとお茶でボーっとするのとメリハリがありますね

倉沢杏菜
そうです。よし、やるぞ!っていうときはダンスをしてやる気を出すんですが、普段リラックスしたいなってときはお茶でのんびりすることが多いです。母とずっとおしゃべりしながら。

‐お母さんとはどういうお話を?

倉沢杏菜
学校生活のことや、将来のこと、あと、健康のこととか話してます(笑)

NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

‐ちなみに好きな食べ物は?

倉沢杏菜
可愛いからとかじゃなく、味が大好きで、いちごです。とくに群馬産の「やよいひめ」がオススメです!
練乳も何も付けずに、そのままいただくのが大好きなんです。

‐最後に、NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」について、ご自身の役どころを中心に見どころPRメッセージをお願いします。

倉沢杏菜
一見、非現実的なお話に見えるかもしれまぜんが、内容はとても温かく、繊細で優しい物語です。特に私が演じるナオキには、多くの人が共感できるのではと思っています。自分の心の奥深くにありつつ、封じていたわだかまりが、このドラマを観ることでほぐれていくきっかけになれば嬉しいです。

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倉沢杏菜(くらさわ あんな)プロフィール
2005年3月18日生まれ。現役大学生の19歳。
レプロエンタテインメントが2021年から22年にかけて開催していた「レプロ30周年主役オーディション」がきっかけで芸能界入り。当時、演技経験が全く無い中、8年間習っていたクラシックバレエによる表現力や、持ち前の明るい雰囲気で、約5000人の応募者の中から見事合格。同期には、NHK朝ドラ「ブギウギ」で主人公の弟・花田六郎役を演じた黒崎煌代などがいる。
主な出演作には、日テレ・ZIP!朝ドラマ「パパとなっちゃんのお弁当」、NHKドキュメンタリードラマ「ケーキの切れない非行少年たち」、TBS系ドラマストリーム「君には届かない。」、日テレ・シンドラ「先生さようなら」がある。本作で、NHK連続ドラマ初出演となる。

■撮り下ろしフォトギャラリー

[スタイリスト:曽根菜月/ヘアメイク:伊藤絵理/インタビュー&写真:三平准太郎]

NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

出演:野間口徹、倉沢杏菜、井桁弘恵 ほか
原作:暴力とも子「VRおじさんの初恋」
脚本:森野マッシュ
音楽:渡邊崇
制作統括:桑野智宏
プロデューサー:大久保篤 舩田遼介
演出:吉田照幸 桑野智宏 石川慎一郎 中村俊介
番組HP:https://www.nhk.jp/p/ts/GXWGM1YQG1/
放送予定:2024年4月1日(月)スタート
[総合] 毎週月~木 よる10時45分~11時00分

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