世界初の青春スパイスムービー『スパイスより愛を込めて。』(6/2公開)で、主人公の蓮演じる中川翼。初主演映画『光を追いかけて』に続き、本作に主演として現場に臨んだ想いなどを聞いた。
本作は、いまや全国的にも広く知られるご当地カレー“金沢カレー”をはじめ、カレー店が多い都道府県ランキング3年連続第一位に輝いた石川県の古都・金沢を舞台に、「この世からスパイスが消えてしまった……」という未曽有の事態に直面した世界で繰り広げられる青春群像劇。
主人公の蓮(演:中川翼)や莉久(演:茅島みずき)が、同級生の窮地を救ったり、世界的となった社会問題にに立ち向かっていくミステリー要素も見どころだ。
中川翼 インタビュー&撮り下ろしフォト
■カレーづくしの撮影現場でした
-台本を最初に読んだ時の印象について教えてください。
中川翼(山本蓮 役)
カレーのお話と伺っていたので、台本を読む前に、カレーがどういう物語になるのだろう?と思いましたが、読んでみたら、ミステリー要素や高校生の青春要素もあって、さらに現代社会も写し出しているという盛りだくさんの内容だったので、面白そうだなと思ったのが率直な感想です。
中川翼
-ロケ地の金沢はいかがでしたか?
中川翼
金沢の街や人が生み出す優しい空気が感じられて、そのおかげで演じやすくなりました。
-金沢でなにか美味しいものを食べましたか?
中川翼
お寿司が美味しかったんですけど、やっぱりカレーも美味しかったです。キャベツとカツがある金沢カレーをケータリングで出していただいて初めて食べたときの衝撃が忘れられません。金沢の元々美味しいものに、金沢の空気感が合わさってより美味しく感じました。
-元々カレーはお好きだったんですか?
中川翼
はい。でも東京に帰ってきてからはより食べるようになりました。
-カレーにもポークカレーとかビーフカレーとかさまざまな種類がありますが、中川さんがお好きなのは?
中川翼
家庭でルーから作るカレーしか食べたことがなかったんですが、この作品の撮影を通して、カレーにもいろんな種類があるんだってことを知りました。
ちなみに家のカレーは、豚の挽肉に、僕が野菜が苦手だというのもあり、野菜も細かく砕いてミキサーにかけたものを煮込んだものでした。それが僕にとってのカレーの家庭の味です。でも、今回で金沢カレーが美味しいんだって知りました!
-やっぱり、撮影現場でもカレーの香りがしていたんですよね。
中川翼
はい。ケータリングでもカレーの日が何度かありましたし、一度、ゴーゴーカレーグループのCEOの方が撮影現場にいらっしゃって、その方が屋台形式でカレーを作って振る舞ってくださったこともありました。
-カレーづくしですね。
中川翼
本当にそうです(笑)休憩中も撮影中も。撮影用のカレーはまた別の種類だったりしたので、飽きずに食べることができました。
■茅島みずきさんとのサッカーゲーム対戦は負けてばかり…
-高校生グループの4人、茅島みずきさん、速瀬愛さん、坂巻有紗さんたちの共演はいかがでしたか?
中川翼
僕だけが男子という環境でしたが、そういうことは関係なしに、みんなとても仲が良くて、いつも一緒に行動して楽しかったです。
莉久役の茅島みずきさんとは、休憩中にスマホのサッカーゲームで対戦したりしてわちゃわちゃしてました。それがリアルな高校生同士の関係を描けたことにも繋がったのかなと思います。茅島さんとは歳も近いし、話しやすかったです。
莉久(演:茅島みずき)/蓮(演:中川翼)/さら(演:速瀬愛)/美宇(演:坂巻有紗)©2023「スパイスより愛を込めて。」製作委員会
-坂巻有紗さんには別でインタビューさせていただいたんですが、とても元気でした。
中川翼
撮影現場でもめちゃくちゃ元気でした。はっちゃけてました(笑)
蓮(演:中川翼)/美宇(演:坂巻有紗) ©2023「スパイスより愛を込めて。」製作委員会
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-ちなみに茅島さんとのサッカーゲームの対戦結果は?
中川翼
僕が負けてばかりでした(笑)
中川翼/茅島みずき ©2023「スパイスより愛を込めて。」製作委員会
■野球は苦手なので苦労した
-本作は青春物語も描かれていますが、その点についてはどのように感じられてますか?
中川翼
高校生自身が高校生の甘酸っぱい青春模様を演じていますので、大人の方から見て懐かしい青春時代を思い出してくれるのかなと感じてます。今回は金沢の街並みも登場するので、金沢出身の方はよりご自身の思い出と重ね合わせてご覧いただけると思います。
-蓮の恋愛や莉久との友情など、お気に入りのシーンがあればお聞かせください。
中川翼
青春という点で、まず部活動。蓮は野球部に所属していますが、僕は野球が苦手なので、野球をするシーンが大変でした。バッティングやボールのキャッチとかもぜんぜんできなくて(笑)
-中川さんはサッカー少年ですもんね(笑)
中川翼
はい、ふだんはサッカーをやっていて、野球はほとんどやったことがなく、苦労しながら撮影したので印象に残っています。
■“普通”って何?
-演じられた“蓮”は、年齢的にも等身大のキャラクターかと思いますが、共感できる点はありましたか?
中川翼
そうですね、僕は小学生の頃から、男女関係なく一緒に遊ぶというタイプだったので、そういう面では、女子と話すときの距離感というところでは近いものがありました。
-クランクイン前に準備されたことはありますか?
中川翼
今回の役がジェンダーレスな役柄ということもあり、初めて腕や脚の毛を全部剃りました。撮影中もそのケアは怠らないようにしていました。
それを起点に、あとは仕草や、声も少し高くしたり、自分が思う“山本蓮”に近づくことができたのかなと思っています。
-今回の“蓮”について、瀬木監督と話されたことはありますか?
中川翼
監督からは最初に、「今回の役はジェンダーレスだけど、表向きにそう振る舞うんじゃなくて、社会に自然に溶け込んでいるように。」というお話がありました。それを踏まえて、普段と違って、周りには男の子よりも女の子の方が多いという環境の中ではありましたが、自然な感じで演じられたんじゃないかなと思います。
-本作に何度か登場するキーワード“普通って何?”。これについては、ジェンダーのことはもちろん、好きなことや嗜好、生き方すべてにおいて、さかなクンの生き様や、あのちゃんの歌「普変」でも語られていたりします。中川さんはこの“普通”という言葉について思われることはありますか?
中川翼
僕が中学生のとき、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に出場された井手上漠さんが「自分らしく居ればいい」とおっしゃっていたのが僕の心に刺さって、“普通”というのは、他人の視線・評価・批判を怖がらずに自分らしく居られるのが一番輝ける方法だと思えるようになりました。
■野球は苦手だけどWBCは盛り上がって観てました
-中川さんはサッカー少年で野球は苦手ということですが、3月のWBCの盛り上がりはご覧になってましたか?
中川翼
サッカー部に入っているのですが、部活動が終わって休憩しているとき、一人の携帯電話でみんなでWBCの中継を見て盛り上がってました。
WBCの盛り上がりで、野球に興味を持ち始めた子も周りには出てきたように思います。バットを買った友だちもいます。
-サッカーはワールドカップ2026年大会のアジア予選が今年から始まりますが、注目されている選手は?
中川翼
三笘薫選手です。海外のリーグでも日本人という数少ない枠の中で戦えている素晴らしい選手だと思うからです。あと、個人的には、久保建英選手のことがずっと好きで、久保選手と同じスパイクも買いました。でも全然僕の足に合わなくて、家に飾ってます(笑)
次のワールドカップはそういった若手の選手に期待したいです。
-以前のインタビュー(2021年9月)で、サッカーのゴールキーパーのスーパープレーをYouTubeで観るのが好きとおっしゃってましたが、最近はどうですか?
中川翼
あれから変わりました。最近は、右サイドバックに注目しています(笑)
-サッカー部の調子はいかがですか?
中川翼
僕が所属しているサッカー部は弱小チームで、今年もほとんど負け続けているんですが、昨日と一昨日にやった3つの練習試合は全部勝てたんです。
先生の教えと、チームメンバーのやる気がうまく結実してきたのかなと感じています。
■『耳をすませば』は自分にとって大きな経験だった
-初主演映画『光を追いかけて』に続き、本作に主演として現場に臨んだ想いをお聞かせください。
中川翼
座長ということで、金沢に入る前からプレッシャーはありました。莉久役の茅島みずきさん始め、共演者のみんなを自分が引っ張っていくという意気込みもありましたし。
でも、前回は中学生のとき、そして今回、高校生としてまた主演を務められるというのはとても嬉しかったです。
-今作に限らず、ご自身に近い役、一方で遠い役、それぞれ、どう取り組まれますか?
中川翼
極端に自分に近い役、あるいは極端に自分から離れている役だとやりやすいんでけど、その中間のキャラクター、ここは合ってるけど、ここは違うというようなキャラクターの場合は、似せるところと離すところが混在するので難しいと感じることもあります。
そうして、自分が思う役のイメージ、監督が思う役のイメージ、お客さんが思うであろう役のイメージなどを考えて、役作りを進めていきます。
-この数年も多くの作品に出演されていますが、今感じられている手応えや、逆に課題などありますか?
中川翼
課題は数えきれないくらい感じていますが、そういう中で嬉しかったのは、昨年秋に公開となった映画『耳をすませば』での評価が大きくて、励みになりました。僕が演じた“天沢聖司”というキャラクターはみんなの憧れなので、プレッシャーがあったんですけれど、公開後、いろんな方から「よかったよ!」と言っていただけて、演じる前に怖いと感じていた気持ちが一気に吹き飛んでとても嬉しかったですし、自分にとっても大きな経験になりました。
■音楽がなくなると自分が消えてしまう
-この作品は「この世からスパイスが無くなってしまう」ところが描かれていますが、中川さんご自身にとってこの世から無くなったら困るものとは?
中川翼
サッカーと言いたいところなんですが、音楽です。僕は、移動中や寝る前などに音楽を聴いてモチベーションを上げるようにしているので、音楽が無くなると、僕も消えてしまうような気がします(笑)なので、音楽だけは消えてほしくないです。
-ご自身で音楽をやろうとは?
中川翼
どうなんでしょう(笑)でもギターはやってみたいなって思っています。
-歌うことは?
中川翼
最近は、ストレス発散として一人カラオケによく行くことがあります。
-ミュージカル出演などいかがでしょうか?
中川翼
いつか挑戦はしてみたいです。
-最後に見どころ含めたメッセージをお願いします。
中川翼
この映画を見ているだけで、カレーの香りが感じられてお腹も空いてくると思いますけど、そのカレーと金沢と青春。これらの物語を是非映画館で楽しんでもらえたらなと思います。
そして、コロナ禍の中で、当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないという気づきがあったように、そういう現代社会の問題も描かれているので、そこにも注目していただきたいです。
お腹を空かせた状態で映画館に行ってもらって、観終わった後に、是非カレーを食べに行ってほしいです!
中川翼 プロフィール
生年月日:2005年12月6日(17歳)
4歳でモデルデビュー。2015年に TBS「ORANGE」に出演し、俳優として活動開始。2016年には TBS「わたしを離さないで」で主人公・土井友彦(三浦春馬)の幼少期を演じる。2016年の映画「僕 だけがいない街」では、約300人のオーディションから選ばれ、主演・藤原竜也さんの幼少期を演じた。2021年の映画『光を追いかけて』で映画初主演を果たす。また、2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」に引き続き、2022年にも NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演。2022年に公開された映画「耳をすませば」では天沢聖司の青年時代を演じた。
■撮り下ろしフォトギャラリー
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[ヘアメイク:高橋幸一/スタイリスト:小林美月/写真・インタビュー:三平准太郎]
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