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映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

吉永小百合×のん×阪本順治監督 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

2025年5月13日、グランドプリンスホテル高輪にて、映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見が行われ、吉永小百合(主演)、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、天海祐希、佐藤浩市、阪本順治監督が登壇。(動画&フォト)

■世界初女性エベレスト登頂の偉業、登山家・田部井淳子の生涯を描く

本作は、女性として初めて世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家、田部井淳子の実話をもとに描かれる壮大なスケールの物語である。エベレスト女性初登頂という偉業から50周年となる年に公開される。

映画は昨年8月18日にクランクインし、静岡、富山、福島などでの登山ロケを経て、今年4月30日に完成した。困難な道も簡単な道も自分で決断し歩む人生は、誰にとっても同様であるという問いかけのもと、本作は田部井淳子の実話に基づき、自身の人生の全てをかけて「てっぺん」に挑み続けた登山家、そして母、妻としての彼女の物語を描く。晩年に余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と、周囲を巻き込みながら山へ挑み続けた田部井の生涯が描かれる。

完成報告会見レポート

会見には、主演の吉永小百合をはじめ、佐藤浩市、天海祐希といった名優、そしてこの日追加キャストとして発表された、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、さらにメガホンを取った阪本順治監督ら、総勢9名の豪華キャスト・監督が登壇した。司会は奥浜レイラが務めた。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

吉永小百合

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

のん

■動画レポート

全ての動画をご覧いただくことで、会見のほぼ全容を網羅しています。

【Part 1】作品解説&最初の挨拶1

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【Part 2】最初の挨拶2

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【Part 3】MCとのトークセッション1

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【Part 4】MCトークセッション2&記者質疑1

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【Part 5】記者質疑2

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【Part 6】記者質疑3&フォトセッション&ラストメッセージ

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■ダイジェストフォトレポート

会見冒頭、主人公・多部純子(田部井淳子がモデル)を演じた吉永小百合は、「本日、お忙しい中お越しくださいまして本当にありがとうございます」と集まった報道陣に感謝を述べた。撮影は関東6県、富士山、長野、山梨、福島、富山など「過酷な撮影」だったが、「なんとか、やり遂げることができて今ほっとしております」と語った。本物の田部井淳子さんがてっぺんの向こうから「よくやったね、頑張ったねって私たちに言ってくださってるような気がします」と作品への思いを述べた。

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純子の夫・多部正明の現代を演じた佐藤浩市は、「俳優生活45年の中で、将来吉永小百合の相手役を演じるなど想像もしてなかった」とし、「長く続けているとこういうことがあるんだなと信じられないような思いです」と感慨深く語った。
撮影中は吉永と「お母さん」「お父さん」と呼び合ったことを明かし、「支えてるようでやっぱりどこかで支えられていました。そんな風な2人の関係性がうまくできればいいなと思ってやらさせていただきました」と役柄について述べた。

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佐藤浩市

純子の盟友でエベレスト登頂の相棒でもある新聞記者・北山悦子の現代を演じた天海祐希は、吉永小百合とは『最高の人生の見つけ方』以来の共演で「なんという幸運に恵まれ本当に幸せな気持ちでいっぱい」だと語った。
親しい友人役を演じ、「一生懸命頑張りました。とても素敵な作品になっていると思っています」と作品をPRした。「支え続ける役でしたが、逆に吉永さんの存在に励まされているという形だった」と振り返り、吉永小百合の“バイタリティ”、“ひたむきさ”が役柄に「ぴったりなお役だった」と感じ、「傍原で見つめ続けることができてとても幸せだった」と述べた。

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天海祐希

本作では70年代と現代の二つの時代がクロスし、純子と正明の青年期をそれぞれ演じたのんと工藤阿須加、北山悦子の青年期を演じた茅島みずきは、この日が追加キャストとして初めて紹介された。
のん(青年期・多部純子 役)は、吉永小百合演じる純子の青年期を演じ、「こんな素敵な役をいただけるなんて本当に心から嬉しくて興奮しています」と喜びを表した。

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工藤阿須加(青年期・多部正明 役)は、佐藤浩市演じる正明の青年役を演じ、「このお話をいただいた時は、心から嬉しくて飛び跳ねた」と語った。吉永小百合をはじめ先輩方、阪本監督のもとで作品に携われたことは「役者人生にもすごい大きなものになった」とも述べた。

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工藤阿須加

多部家の長女・教恵役の木村文乃は、自身が芸能界に入るきっかけとなった作品を阪本監督が手掛けており、また仕事に悩んでいた20代の頃に吉永小百合の作品を見るよう勧められたのがターニングポイントだったと明かした。その2人と同じ場にいることに「とても感動しています」と語り、試写を見て「本当にたくさんの方に見見ていただきたい。見るべきとも思うほど素敵な作品だった」と絶賛、「そういうところに自分が携われて本当に幸せです」と喜びを述べた。

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木村文乃

多部家の長男・真太郎役の若葉竜也は、富士山登山など「過酷な撮影」だったが無事に終えられたことを喜び、「吉永さん、佐藤さんの息子役をやらしていただけるというすごく光栄なこと」だと語った。自身は36歳になるが16歳まで演じたため「すごく緊張感の中」での撮影だったとも明かした。

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若葉竜也

北山悦子の青年期役を務めた茅島みずきは、「こんなに素敵な作品に出会えて、そして錚々たる皆さんとこうやってご一緒できてることが今もすごく夢のようで本当に嬉しく思っています」と挨拶した。

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茅島みずき

阪本順治監督は、吉永小百合との2度目の仕事は「光栄」だと述べた。田部井淳子の人生を描くという企画に当初「ちょっと萎縮しました」とし、撮影前に富士山に挑戦したが高山病で断念したこと、しかし撮影本番では頂上まで上がれたエピソードを披露した。

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阪本順治監督

質疑応答では、主演の吉永小百合に多くの質問が寄せられた。
124本目の出演作となる本作の撮影を経て、自身の女優人生を富士山に例えると何合目かと問われた吉永は、「8合目ぐらいでしょうか」と答え、「頂上まで行けるかどうか分からないんですけど、元気でやれる限りは1歩ずつ歩いていけたら」と現在の心境を語った。

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同じ質問に対し、佐藤浩市は「7合目まで来てちょっともう引き返そうかな(笑)」、天海祐希は「満年5合目です」と答え、会場を和ませた。

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佐藤浩市/のん

登山ロケの思い出について、吉永は田部井淳子さんがトレーニングしていたという埼玉県の山での撮影が印象的だったと明かした。岩場もあり「結構ハードで汗ビチビチになりながら撮影した」が、佐藤浩市が常にストックを出して引っ張ってくれたと感謝を述べた。
佐藤浩市は、吉永が登山シーンで「一言も疲れたとかしんどいとかおっしゃらない姿に感服しました」と感心した様子だった。

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家族役として登山シーンを演じた木村文乃は夏の軽装での撮影で短時間だったと話したが、若葉竜也は富士山での撮影が天候の急変が激しく大変だったと振り返った。
若葉も吉永が天気を見つめながら撮影に集中している姿を見て、「これは絶対に寒いとか疲れたなんて言えないなと思って外でずっと立って待っていた」と述べた。

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若手キャストの3名、のん、工藤阿須加、茅島みずきは、日本を代表する俳優陣の青年期を演じるにあたってのプレッシャーについて質問された。
のんは「とても大きななプレッシャーがありました。吉永さんの若い青年期に見えなきゃいけないんだっていうことがすごくのしかかってきて気合いが入りました」と語った。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

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工藤も「プレッシャーしかなかった」と述べ、そのプレッシャーをプラスに変えようと思ったこと、佐藤浩市や監督からの言葉が支えになったと話した。

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茅島も「本当にプレッシャーしかないぐらい本当に緊張していた」と語ったが、以前共演した天海祐希の優しい言葉に助けられ、名優・天海の役を演じられる喜びの方が大きかったと述べた。天海はすかさず「私、名優じゃないんで大丈夫よ」と返し、場を和ませた。

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吉永小百合は、田部井淳子さんが晩年にピアス穴を開けていたことに触れ、役作りのために自身もクランクイン前にピアス穴を開けたエピソードを披露した。これは「この役は開けるしかないと思いました」と語り、皮膚科医から1ヶ月泳いではいけないと言われ、水泳好きの自身には「辛いことだった」と明かした。
同時に時代劇への影響も考えたが、「今回の役に没頭するために開けようと思って開けました」とその決意の大きさを明かし、開けた後は「すごく解放されたようないい気持ちに今なっております」と述べた。
また、田部井淳子さんの「たましさ」(力強さ)と共に印象に残っているのが、その福島弁だったという。田部井さんの言葉に「なんか懐かしい感じがして」、もし演じられるなら福島弁を少し入れてみたいと監督にお願いしたことを明かした。監督に「福島言葉が好きで、ちょっとでもやりたいなと思って」お願いしたと語った。

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のんは、吉永小百合の「瞳の力にすごく魅了されて」、その瞳のパワーを表現するために日頃意識していることを問われ、「目が疲れていると瞳のパワーが半減すると思うので、目を守るために行動する」と答えた。具体的には「スマホアプリのゲームをやめたりだとか、パソコンとか触る時は、ブルーライトカットをしたりとか」と、「画面を見ることを控えていました」と話した。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

阪本監督は、本作は田部井淳子さんの家族の「寛容さ」に支えられてできた映画であると語った。人の一生を2時間にまとめるのは不可能だが、田部井さんの精神性をぶらさずフィクションを込める作業を、家族が「マスト」(必要)だと認めてくれたことが「一番僕の心の支えになってました」と明かした。
作品への自信を問われると、「ヒットさせるかどうかっていうか、するでしょう。『ミッション:インポッシブル』よりも(笑)」と力強く述べた。
「毎日この殺伐としたニュースを見て、国も個人もこっからどこへ行けばいいのか、何期待すればいいのか分からない時にこの映画は必ず人を元気にする」と語り、「いろんな世代の方に見見ていただければ必ず元気になってもらえる」という「自付ができる映画」であると述べた。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

最後に、吉永小百合と阪本監督が改めて挨拶を行った。
吉永は「これから10月31日までみんなで力を合わせてたくさんの方に観ていただけるようなキャンペーンをしていまいりたいと思います」と公開に向けた意気込みを語り、応援を呼びかけた。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

阪本監督は観客を映画の「育ての親はお客さんで、映画館はそのためのゆりかごです」と表現し、「是非映画館で観ていただきたい」と訴え、映画館で「感動を共有」してほしいと述べて会見を締めくくった。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

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映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』は2025年10月31日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開される。

■フォトギャラリー

[写真:山田健史/記事・動画:三平准太郎]

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』

《INTRODUCTIOON》
“女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立し、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、 世界最高峰のエベレスト(ネパール名:サガルマータ、中国名:チョモランマ)の女性世界初登頂に成功した田部井淳子。その後も飽くなき挑戦は続き、生涯で76ヵ国の最高峰・最高地点の登頂を成功。
そんな、日本を代表する偉大な女性登山家・田部井淳子の実話をもとに、エベレスト女性初登頂から、晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続けたその勇壮な生涯を壮大なスケールで描く映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』が、田部井淳子の世界初女性エベレスト登頂という偉業から50周年となる今年、公開することとなりました。
この度、今秋の公開に先駆けて、キャスト・監督登壇による完成報告会見を開催いたします。
主演を務めるのは日本を代表する映画女優・吉永小百合。映画という高峰へ挑み続け124本目として出演を決めた本作で、生涯挑戦し続けた日本を代表する女性登山家を演じます。共演には、吉永と『北の桜守』以来7年ぶりとなる名優・佐藤浩市、そして『最高の人生の見つけ方』で吉永の最高の相棒を演じて以来、絶大な信頼関係を築いている天海祐希。
さらに、日本映画界を牽引する個性豊かな豪華俳優陣が追加キャストとして顔を揃えます。監督は精力的に作品を撮り続け、『北のカナリア』以来13年ぶりに吉永とタッグを組んだ阪本順治。豪華キャスト陣と監督が集結し、50周年の記念イヤーに相応しい壮大な冒険譚が開幕いたします。

《STORY》
1975年、エベレスト山頂に向かう一人の女性の姿。一歩一歩着実に山頂(てっぺん)に向かっていくその者の名前は多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初の世界最高峰制覇を果たしたー
しかしその世界中を驚かせた輝かしい偉業は純子に、その友人や家族たちに光を与えると共に深い影も落とした。
晩年においては、余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と家族や友人、周囲をその朗らかな笑顔で巻き込みながら、人生をかけて山へ挑み続けた。登山家として、母として、妻として、一人の人間として…。
純子が、最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは一。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』

メイキングカット

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』

メイキングカット

出演:吉永小百合
のん
木村文乃 若葉竜也/工藤阿須加/茅島みずき 和田光沙
円井わん 安藤輪子 中井千聖/長内映里香
三浦誠己 金井勇太 カトウシンスケ 森優作/濱田マリ 浅見小四郎
天海祐希/佐藤浩市
監督:阪本順治
脚本:坂口理子
音楽:安川午朗
原案:田部井淳子「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)
©2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
配給:キノフィルムズ
協力:一般社団法人田部井淳子基金

2025年10月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開

 

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