四月の魚

高橋幸宏が主演した映画とは?大林宣彦監督『四月の魚』。大林監督の遺作にも出演の縁

(初稿に対し、映画場面写真とサウンドトラック情報を追記しました。)
2023年1月11日に逝去した高橋幸宏。1978年に誕生したYMO(Yellow Magic Orchestra)で、細野晴臣、坂本龍一と共に世界の音楽シーンに大きな影響を与えた彼が、主演した映画『四月の魚』が1986年1月に、大林宣彦監督作品として一般公開されている。
本作は、オリジナルフィルムから制作されたニューHDマスターを使用したDVDが2021年7月に発売・レンタル開始されている。また、リマスター版のサウンドトラックCDが2022年5月に発売されており、ソニーミュージック特設サイト「ユキヒロ×幸宏 EARLY 80s」では、高橋幸宏氏にゆかりのあるアーティストらによる思い出話や対談動画も公開されている。

■絶妙のコンビ、大林宣彦&高橋幸宏

ジェームス三木の原作「危険なパーティ」を永遠の映画監督大林宣彦が映像化した『四月の魚』。YMO等の音楽活動で知られる高橋幸宏が主演と音楽監督を担当、ノリにノッた演技を見せる丹波哲郎の他、峰岸徹、赤座美代子、入江若葉ら大林映画の常連俳優が脇を固める。

タイトルの「四月の魚」とは四月馬鹿(エイプリルフール)をあらわすフランス語から。映画の中で高橋幸宏演じる根本昌平が、万理村マリ(演:今日かの子)に、フランスでは4月1日を「ポワソン・ダヴリル (Poisson d’avril)」といい、魚の形をしたチョコレートを贈ると恋愛が成就するという嘘をつく。高橋幸宏は、自身もフランスの映画と音楽を敬愛している。例えば『男と女』(1966年フランス)は、公開当時中学生だった彼は劇場に18回も通ったという。

四月の魚

また、高橋幸宏が本作出演を決めた理由のひとつに、『戦場のメリークリスマス』に出演した坂本龍一への対抗心もあるという。ただ、慣れない役者としての立ち回りに扁桃腺と胃潰瘍を悪化させ、1984年5月にあった本作の製作発表会見を欠席している。なお、高橋は、生来胃腸が弱い体質だといろんなインタビューで語っている。

なお、大林宣彦の遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年公開)にも、高橋幸宏は出演している。

■ゴキゲンなファッション!なつかしの80年代ファッション!そして、おいしい映画め・し・あ・が・れ!

ピンクハウス、インゲボルグ、高橋幸宏がデザイナーをつとめるBricks-MONOなどの大人気デザイナーズブランドが勢ぞろい。また、料理指導は宮内庁大膳課にも務めていた一流シェフ渡辺誠が担当。この映画のハイライトともいうべき超豪華なフランス料理の数々も見どころだ。

四月の魚

高橋幸宏

■場面写真

映画『四月の魚』

【ストーリー】
根本昌平は売れない映画監督。7年前に初監督作とその主演女優と結婚したことで話題にはなるものの、映画自体は大コケでそれ以来映画は一本も撮っていない。そんな昌平が夢中になれるのは洒落たシステムキッチンに自らが立って作るフランス料理だった。ある日、昌平が数年前にCM撮影で訪れた時に仲良くなったアラニア島の日系二世、パナポラ・ハンダ酋長から手紙が届く。商用で来日するため、4月1日の夜に自宅を訪ねたいという。しかし、聞いたところによるとアラニア島では友情の誓いとして妻を一晩提供する習慣があるらしい。悩んだ昌平は友人の脚本家藤沢へ相談すると、藤沢は新人女優を妻の替え玉にするシナリオを提案してきたのだった…。

出演:高橋幸宏 今日かの子 赤座美代子 入江若葉 三宅裕司 峰岸徹 泉谷しげる 丹波哲郎
監督:大林宣彦
製作:山本久、林瑞峰、村井邦彦、高橋幸宏、根本敏雄、大林恭子
原作:ジェームス三木
脚本:内藤忠司、大林宣彦、ジェームス三木
イメージタイトルデザイン:立花ハジメ
音楽監督:高橋幸宏
(C)ヒューマックスシネマ/アミューズ

DVD発売日/価格:2021年11月5日(金)/4,180円(本体+税10%)
発売元:株式会社ディメンション
発売協力:ピカンテサーカス
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング

四月の魚

■『四月の魚 サウンドトラック』

『四月の魚 サウンドトラック』(1985年)は、2022年5月25日に、ソニー・ミュージックレーベルズ レガシープラスより、CD/LP同時でリリースされている。
また、ソニーミュージック特設サイトのVIDEOSコーナーでは、「ユキヒロ×幸宏 EARLY 80s」として、『四月の魚 サウンドトラック』ライナーノーツのために行われた砂原良徳と大林宣彦監督の長女・大林千茱萸(おおばやし ちぐみ)氏の対談(聞き手:布施雄一郎)の模様の一部が動画で公開されている。十代の頃より大林監督のコラボレイターを務め、『四月の魚』では美術助手を担当した千茱萸氏から次々と披露される映画製作秘話は、ユキヒロファンのみならず大林映画ファンも必見だ。
その他、高野寛、土屋昌巳、立花ハジメ、ピーター・バラカンなど、高橋幸宏氏にゆかりのある人物や、YMOファンの小池美波(櫻坂46)による思い出話や対談の動画も公開中。
また、レコード会社スタッフが商品の中身を紹介する“開封の儀”動画もあり、そこでは幸宏氏の楽曲も聴ける。

ユキヒロ×幸宏 EARLY 80s ソニーミュージック特設サイト(Videoページ)
https://www.110107.com/s/oto/page/YTearly80s?ima=2622#videos

大林千茱萸/布施雄一郎

大林千茱萸/布施雄一郎

高橋幸宏/四月の魚 サウンドトラック POISSON D’AVRIL

Original release: 1985.4.25
大林宣彦監督、高橋幸宏初主演映画『四月の魚』(1986年公開/共演:今日かの子、丹波哲郎、赤座美代子 他)のオリジナル・サウンドトラック盤で、映画公開に先駆けて1985年にリリース。高橋自ら全曲のプロデュースと作曲を手がけた。参加メンバー:上野耕路(strings arrangement, p)、白井良明(g)、ピエール・バルー(vo)。収録曲のうちヴォーカル曲はT1、T8のみで他は劇伴インストだが、古い欧米映画へのオマージュも散りばめられた今作独特のムードはオリジナル・アルバムに比肩する魅力を持ち、これも高橋幸宏を語るには欠かせない重要作。CD版はボーナストラック2曲収録。LP版は初回発売時の付録ポスターを復刻封入。

SA-CD hybrid: MHCL-10157 ¥3,300 (tax in)
●リマスタリング:砂原良徳
●大林千茱萸×砂原良徳 特別対談掲載(聞き手:布施雄一郎)
1. 四月の魚/POISSON D’AVRIL
2. マリのテーマ/THEME FROM MARI
3. CM SONG/SHOHEI’S CM SONG
4. トイレの人のテーマ/PROUD TOILET ATTENDANT
5. はやる心/HEART IN A HURRY
6. オーディナリー・デイ/ORDINARY DAY
7. 多分、南太平洋/PROBABLY, SOUTH PACIFIC
8. ブラン・ニュー・デイ/BRAND NEW DAY
9. スピーク・イージー・クラブにて/AT SPEAK EASY CLUB
10. 危うし!昌平/THE TROUBLE WITH SHOHEI
11. 不二子のテーマ/THEME FROM FUJIKO
12. メロ・ドラマ/SOAP OPERA
13. 四月の魚(インストゥルメンタル)/POISSON D’AVRIL: Instrumental
[Bonus Tracks]
14. 四月の魚/POISSON D’AVRIL (Single Version)
15. 君にサープライズ!/KIMI NI SURPRISE!

30cm 33 1/3rpm Vinyl: MHJL-215 ¥4,070 (tax in)*完全生産限定盤
●リマスタリング:砂原良徳/アナログカッティング:バーニー・グランドマン
●封入特典:復刻ポスター
●大林千茱萸×砂原良徳 特別対談掲載(聞き手:布施雄一郎)
SIDE 1
1. 四月の魚/POISSON D’AVRIL
2. マリのテーマ/THEME FROM MARI
3. CM SONG/SHOHEI’S CM SONG
4. トイレの人のテーマ/PROUD TOILET ATTENDANT
5. はやる心/HEART IN A HURRY
6. オーディナリー・デイ/ORDINARY DAY
7. 多分、南太平洋/PROBABLY, SOUTH PACIFIC
SIDE 2
1. ブラン・ニュー・デイ/BRAND NEW DAY
2. スピーク・イージー・クラブにて/AT SPEAK EASY CLUB
3. 危うし!昌平/THE TROUBLE WITH SHOHEI
4. 不二子のテーマ/THEME FROM FUJIKO
5. メロ・ドラマ/SOAP OPERA
6. 四月の魚(インストゥルメンタル)/POISSON D’AVRIL: Instrumental

*ハイレゾ含む全曲配信同時開始

高橋幸宏/四月の魚 サウンドトラック POISSON D'AVRIL

 

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