唐田えりか「私はこの期間、自分のダメな部分と向き合っていました。」3年ぶり長編映画『の方へ、流れる』初日舞台挨拶
2022年11月26日、池袋シネマロサにて、映画『の方へ、流れる』初日舞台挨拶が行われ、3年ぶり長編映画出演、そして騒動以来、初の公の場での登場となった唐田えりか、そして、遠藤雄弥、加藤才紀子、竹馬靖具監督が登壇した。
本作は、曖昧な会話の中に真実を探り合う男女の(恋愛)映画。会社を辞め、姉の雑貨店で店番をする主人公・里美と、そこに現れた、恋人を待つ男・智徳が出会い、流れるように街をさまよう物語を、国内外で注目を集める新鋭・竹馬監督が描く。
思ったことを素直に口にしているようで、どこか本音がつかめない里美を演じるのは、今作が3年ぶりの長編映画出演となる唐田。そして、ミステリアスな里美に戸惑いながらも惹かれていく智徳を遠藤が演じる。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
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■テキスト&フォトレポート
作品の上映後に行われたこの日の舞台挨拶。壇上で観客から「おかえり!」と声援を受けた主演の唐田は、少し驚いた表情を浮かべながらも「ありがとうございます」と感謝を口にした。
その後、「今日という日を迎えられたことを本当に感謝しています」と震える声で挨拶。続けて「今日、映画をご覧になってくださった皆様、楽しんでいただけたでしょうか」と呼びかけると、観客席からは大きな拍手が鳴り響いた。
どのような思いで撮影に臨んだのか尋ねられると、久しぶりの公の場に「すみません、緊張しているんですが…」と吐露。少し考えて、「私はこの期間、自分というものに向き合っていました。自分のだめなところや弱いところや、自分と向き合っている中で、向き合ってくださる方たちがいて、今こうしてここにも立てていると思っています」とこの日を迎えるまでの心境を明かした。
さらに「こうやって映画を見てくださる方たちがいて、本当に支えていただけているなと日々、本当に感謝しています」とコメントし、「自分にとってお芝居というものが、いつからか本当に大切なものになっていて、お芝居というものを通して大切な方たちに恩返しがしたいですし、届けられるものがあると信じて、今もやっています」と芝居への思いを語った。
オーディションを経て、里見役を唐田に決めた竹馬監督は、「(オーディションでは)本読みをするんですけど、僕の中では(唐田が)ダントツで、里見のイメージを広げてくれるというか、そういう俳優さんだなと思いました」とオーディション当時を回顧。竹馬監督の評価に、唐田は「初めて聞いた」と顔をほころばせた。
唐田と共に主演を務める遠藤は、竹馬監督の演出を「『基本的に感情を入れずにセリフを言ってくれ』という演出方法」だと明かす。「それが今回、個人的にはすごく斬新なアプローチで、とても新鮮だったなという思い出があります」と振り返った。
智徳の恋人・楓を演じる加藤は、「私はオーディションを受けていなくて」とした上で、「たまたま声を掛けていただき」とオファーであったことを告白。竹馬監督が「たまたまじゃないです。『加藤さんがいいな』と思ったんです」と指摘すると、加藤は「ありがとうございます(笑)」と笑顔を見せた。
また、遠藤の印象を聞かれた唐田は「遠藤さんはまだつかめていなくて(笑)。冷静な方というイメージがあるかもしれないです」と回答。遠藤は「全然冷静じゃないですけど。いっぱいいっぱいです(笑)」と苦笑しつつ、唐田の印象を「“美”ですね。美の骨頂」と表現した。
遠藤は唐田とリハーサルで初対面したと話し、「見た瞬間に引き込まれるような美しさとオーラとディテールはもちろんなんですけど、精神面も心もすごく豊かで非常に美しい人だなって。今回ご一緒して、僕もハッとする瞬間がたくさんありましたし、本当にすごい才能の塊なんだなと思いました」と絶賛。唐田は「いやいや」と謙遜しながらも「ありがとうございます」と頭を下げた。
唐田は、自身が演じる里見という役柄について「発する言葉に対してとげがあるんですけれども、その言葉を言うことで自分をどこか守っている部分があったりとか、自分の弱さを知っている強い人というイメージ」と表現。
遠藤は、智徳を演じていて印象的だったセリフはあるかと問われ「『連絡先教えて』っていうセリフが、どういうことなのかなって(笑)。本読みの時にも思っていて、撮影の時にも思っていた」と劇中のセリフを紹介した。
「連絡先教えて」というセリフを含む、演出の方針について竹馬監督は「トーンだったり声の感じだったり体の動きだったりは自分で考えてはいて、後はわかりやすいものにはしないというのはあったかもしれないです」と告白。「例えば悲しく感じている感情があった時に、『悲しい』と誰が見てもわかる、10人いたら10人が悲しいとわかるより、『これは悲しいのかな』『もしかしたら違う感情もあるかも』という多面的な演技、ものになるように意識していった」と解説した。
『の方へ、流れる』と名付けられたタイトルに関しては、竹馬監督が「スタイリストの碓井さんが提案してくれたタイトルではあるんですけど、聞いた時に『すごい良いタイトルだな』と思った」と説明。
マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の第1篇『スワン家のほうへ』、幸田文さん著で成瀬巳喜男監督の映画にもなった『流れる』、さらには川の流れ、感情の流れ、体の動きの流れなど、タイトルから様々なイメージを連想できることが決め手となったことを打ち明けた。
最後に竹馬監督は「まずは今回、撮らせていただいた唐田さん、遠藤さん、加藤さん、スタッフの皆さんに本当に感謝したいです。ありがとうございます」と感謝し、会場の観客にも「うれしいです、こんなに来ていただけて。ありがとうございました」と伝え、イベントを締めくくった。
■フォトギャラリー
[記事・写真:山田健史/動画:三平准太郎]
映画『の方へ、流れる』
【INTORODUCTION & SOTRY】
新鋭・竹馬靖具監督待望の最新作
主演・唐田えりか×遠藤雄弥
曖昧な会話の中に真実を探り合う男女の(恋愛)映画
会社を辞め、姉の雑貨店で店番をする主人公・里美。そこに現れた、恋人を待つ男・智徳。店を出て、東京の街を歩きながら語り合うふたり。「お互いのことを知らないから言えることもある」―――や
がて彼らは互いに話していることが事実なのか分からないまま、惹かれあっていくのだが……。
思ったことを素直に口にしているようで、どこか本音がつかめない里美を演じるのは、唐田えりか。
一方、そんなミステリアスな里美に戸惑いながらも惹かれていく智徳役には、遠藤雄弥。そのほか、加藤才紀子、足立智充、小水たいがが脇を固める。
出演:唐田えりか 遠藤雄弥
加藤才紀子 足立智充 小水たいが
監督・脚本・編集・プロデューサー 竹馬靖具
音楽:守時タツミ
製作・配給:chiywfilm
©chiyuwfilm
11月26日(土)全国順次公開
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