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映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

木村文乃、砂田アトム、深田晃司監督、ヴェネチア国際映画祭で堂々レッドカーペットに登場。公式上映後には盛大な拍手で迎えられる。映画『LOVE LIFE』

現在開催中の第79回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された映画『LOVE LIFE』(9/9公開)の公式上映(ワールドプレミア)が現地時間9月5日(月)に行われ、公式上映前のレッドカーペットに主演の木村文乃、共演の砂田アトム、深田晃司監督が登場した。
公式上映後には、満席となった会場より大きな拍手が沸き起こり、ヴェネチア映画祭を沸かした。
本作は、矢野顕子の同名楽曲をモチーフに「愛」と「人生」を描いた深田晃司監督最新作。

ヴェネチア国際映画祭レポート

■映画祭公式フォトコール

現地時間:9月5日(月)p.m.13:15~/日本時間:9月16日(木)a.m.20:15~
※木村文乃、砂田アトム、深田晃司監督 参加

写真:(C)Kazuko Wakayama

■プレスカンファレンス(公式記者会見)

現地時間:9月5日(月)p.m.13:30~/日本時間:9 月5日(月)p.m.20:30~
※木村文乃、砂田アトム、深田晃司監督、服部保彦(プロデューサー)、 澤田正道(プロデューサー) 参加
※砂田アトムには手話通訳者がついている。

深田監督には、これまでの作品群との共通点やこの映画の特徴について、キャスト陣には脚本を読んだときの印象、手話というコミュケーションについての質問が上がった。

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

木村文乃(プレスカンファレンス)

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

プレスカンファレンス

-深田監督の作品は「家族」をメインモチーフにしているとことが多いと思いますが、今作でもそのような部分が見られました。本作に込められた想いについてお聞かせください。

深田晃司監督
私は映画を描くときによく「家族を描いている」と指摘を受けてるんですけど、私にとって「家族」がメインのモチーフではないと思ってます。
私は映画を描くときに自分にとって普遍的だと思うことを描きたいと思っております。
それは毎回変わるものではありません。言葉に出すと陳腐に聞こえるかもしれませんが、それは「人はいつか必ず死ぬ」ということ。そして「人は誰しも孤独を抱えながら生きている」ということ。
ただ、その「孤独」を描こうとしたときに、1人でぽつんといる人を描けば「孤独」を描けるかと言われれば、そうではないと思っています。
やはり、わたし達は親しい家族や友人、恋人といても、ふと自分は一人であると思い出してしまう瞬間があります。
そういう瞬間を撮りたいと思っているからこそ、その前提である家族や夫婦といったコミュニティを描いています。
今作は『LOVE LIFE』という矢野顕子さんの楽曲を聴いて、映画にしたいという思いを抱き、ずっと脚本を書いていたんですけど、コロナの時代が来て、「ソーシャルディスタンス」ということが言われるようになり、人と人が簡単に会えない時代になってしまいました。国と国の行き来もできにくくなった。そんな中で楽曲の「離れていても愛することができる」という歌詞がまた新たな意味を持ったことと思います。
そして、この映画は、気がつけば、今作られるべき映画になったと思いますし、皆さまに届けるべき映画になったと思っております。

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

深田晃司監督(プレスカンファレンス)

-キャスト二人に質問です。脚本を読んだときにどのようにどういった点が心に響いたのでしょうか?

木村文乃
脚本を読んだとき、小説を読んでいるかのような気持ちになりました。登場人物たちは決して奇をてらったような人物ではなく、ごく当たり前に人間としての生活を送っている人たちです。自分が当たり前に見てる世界、友達が見ている世界。自分の隣にある世界がこの脚本では描かれていると思いました。

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

木村文乃(プレスカンファレンス)

砂田アトム
台本を読んだときに、まず嬉しかったのは、ろう者の文化、ろう者の生活様式が取り入れられていたことです。というのも、これまでろう者が出る映画やTVというものは、どうしても「ろう者がかわいそう」と見られてしまうことが多いです。このことについては、自分自身としては抵抗がありました。でも、この作品は“お涙頂戴”といった部分は無かったですし、ろう者は耳が聞こえないから「不便だ」「かわいそうだ」だという描き方がされていなかったので、嬉しかったです。

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

砂田アトム(プレスカンファレンス)

-手話についてはいかがですか?

木村文乃
私自身、手話を学んだのは初めてでした。その中で、手話と向き合えば向き合うほど、手話というのは、ただの手の動作やしぐさではなくて、イタリア語や英語と同じように、一つの言語であるということを学ぶことが出来ました。
例えば、妙子(木村文乃)と次郎(永山絢斗)は目を合わせずに会話をしますが、妙子とパク(砂田アトム)は目を合わせて会話をします。それは、パクさんがろう者で、目を見て話さなくてはいけない。手話というのは、目と目を合わせて体現して、伝える言語です。だからこそ、ありのままに、自分の気持ちを隠さずにパクさんに届けられるという意味で、閉ざされてしまった妙子の心が、次郎さんではなく、パクさんによって開かれていったんだと思います。

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

木村文乃(プレスカンファレンス)

映画『LOVE LIFE』第79回ヴェネチア国際映画祭

砂田アトム/深田晃司監督/木村文乃(プレスカンファレンス)

写真:(C)Kazuko Wakayama

■公式上映前のレッドカーペット

現地時間:9月5日(月)p.m.21:45~/日本時間:9月6日(火)a.m.4:45~
※木村文乃、砂田アトム、深田晃司監督、服部保彦(プロデューサー)、 澤田正道(プロデューサー) 参加
【衣装情報】
・木村文乃の衣装(ドレス、アクセサリ、靴):全てGUCCI
・砂田アトムの衣装:黒柳徹子さんからプレゼント頂いた特注の袴

写真:(C)Kazuko Wakayama

■公式上映後の上映会場の様子

現地時間:9月5日(月)p.m.24:05頃/日本時間:9月6日(火)a.m.7:05頃
※木村文乃、砂田アトム、深田晃司監督、服部保彦(プロデューサー)、 澤田正道(プロデューサー)参加

写真:(C)Kazuko Wakayama

映画『LOVE LIFE』

INTRODUCTION
『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督とともに河瀨直 美、北野武、是枝裕和、黒沢清に次ぐ映画監督として海外から高い評価を得ている深田晃司監督。最新にして9本目の長編映画『LOVE LIFE』はミュージシャン・矢野顕子の1991年にニューヨーク移住後に発表した初のアルバム『LOVE LIFE』に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を構想期間18年の時を経て完成させた作品。
先日、第79回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決定。これまで『歓待』がプチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞、『ほとりの朔子』でナント三大大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をW受賞、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査委員賞受賞、『本気のしるし』でカンヌ国際映画祭「Official Selection 2020」に選出されるなど、数々の海外映画祭に自作が出品されてきた深田監督にとって、ヴェネチアは初めての映画祭となる。
今年はイタリア現地時間の8月31日から9月10日まで行われ、深田監督、主演の木村も参加。受賞結果は9月10日に発表される予定だ。最高賞の金獅子賞の受賞となれば、1997年の北野武監督の『HANA-BI』以来、25年ぶりとなる。なお、本作は「メ~テレ60周年記念作品」として位置づけられている。

主演・木村文乃が新境地を開拓!脇を固めるのは多彩なキャストたち
劇中では、愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの主人公・妙子に、ある日突然降りかかる悲しい出来事、そこから明らかになる本当の気持ち、彼女が選ぶ人生が描かれる。主人公妙子を演じるのは木村文乃。木村は妙子の、嵐の前の静けさが孕む寧静な佇まいと爆発しそうな激情を、全身全霊で表現。本作は女優・木村文乃の新境地を体感できる意欲作でもある。「愛する」とはどういうことなのかという普遍的な問いかけ。映画『LOVE LIFE』はひとりの女性を通して「愛」について「人生」について描いた物語。すでにフランスでも公開が決定していることから、日本のみならず海外からも熱い注目が集まる映画『LOVE LIFE』は、2022年9月9日に公開となる。

STORY
妙子(木村文乃)が暮らす部屋からは、集合住宅の中央にある広場が一望できる。向かいの棟には、再婚した夫・二郎(永山絢斗)の両親が住んでいる。小さな問題を抱えつつも、愛する夫と愛する息子・敬太とのかけがえのない幸せな日々。
しかし、結婚して1年が経とうとするある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに打ち沈む妙子の前に一人の男が現れる。失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパク(砂田アトム)だった。再会を機に、ろう者であるパクの身の周りの世話をするようになる妙子。一方、二郎は以前付き合っていた山崎(山崎紘菜)と会っていた。哀しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのか……。

出演:木村文乃、永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜、神野三鈴、田口トモロヲ
監督・脚本:深田晃司
配給:エレファントハウス
©2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS
公式サイト:lovelife-movie.com
公式Twitter:@lovelife_movie
公式Instagram:@lovelife_movie
公式Facebook:@lovelifemovie2022

2022年9月9日(金)TOHOシネマズシャンテほか、全国ロードショー

LOVE LIFE

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