姉妹のひと夏の冒険譚。オール富山ロケ映画『幻の蛍』公開初日舞台挨拶
2022年7月9日(土)新宿K’s cinemaにて、映画『幻の蛍』公開初日舞台挨拶が行われ、野岸紅ノ葉、菊池亜希子、吉沢悠、伊林侑香監督が登壇。富山ロケの思い出を語りつつ、親子役として久しぶりの再会を喜びあった。
本作は、富山県出身・在住で弱冠23歳の伊林侑香監督が初めてメガホンをとった長編劇映画。第33回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作を受賞した伊吹一氏によるオリジナル脚本をもとに、2021年に全編オール富山ロケにて撮影が敢行された。
100名を超えるオーディション参加者の中から富山県在住の野岸紅ノ葉が主人公・中川かなた役に、池田埜々耶がかなたの妹・有田すみれ役に抜擢され、岩井堂聖子、菊池亜希子、吉沢悠ら実力派キャストが脇を固めているほか、富山出身の椿原愛も出演。新人監督×新人俳優による瑞々しい、新たな青春映画が完成した。
舞台挨拶レポート
■本作制作のきっかけ
伊林侑香監督
私は富山県の映画制作会社の方に勤めていますが、昨年の6月に『幻の蛍』の脚本を初めて読ませていただいたときに、自分も九つ下の妹がいるもので、かなたと自分がリンクする部分がたくさんありまして、ぜひ監督として、脚本を映像化したいと思って立候補しました。
■初監督&初出演
-今回、伊林監督は初監督と野岸さんは初出演となったわけですが、野岸さんを起用するに至ったきっかけは?
伊林侑香監督
富山県内でオーディションを開催いたしまして、その中で野岸紅ノ葉さんが、一番“おねえちゃんであるというお芝居”がすごかったんです。
妹への愛情表現だったり、不機嫌なときの表情だったり、そういった豊かさという部分にすごく惹かれて、ぜひ中川かなた役を野岸紅ノ葉さんにしていただきたいとオファーさせていただきました。
-オーディションには100人以上の人がいらっしゃったそうですが、今の監督の言葉を受けていかがですか?
野岸紅ノ葉(中川かなた 役)
私はオーディションのときも、結果を待っているときもすごく自信がなくて不安でいっぱいだったんですけど、その選ばれたと聞いたときは嬉しかったし、「選ばれたからにはやってやるぞ!」、「私でよかったと思ってもらえるように頑張るぞ!」と思ったのを覚えています。
-初めての映画撮影はいかがでしたか?
野岸紅ノ葉
監督はとてもフレンドリーな方で、かなたの心情を一緒に話して考えてくださって、私の意見も取り入れてくださる方でした。
私の思うかなたも反映されていて、聞いてくださる優しい監督だという印象です。
■役作りのための日記
吉沢悠(有田和樹 役)
(野岸さんと池田さんは)実際の姉妹じゃないのに、それこそ本当の姉妹のように、撮影中じゃなくても、オフのときもずっと2人は一緒にいて、僕らが富山入りする前から撮影があったので、空気感が出来上がっていました。二人で日記を書いていたそうなんです。
伊林侑香監督
撮影前から役作りということで、野岸紅ノ葉さんとすみれ役の池田埜々耶さんには役としての日記を書いてもらっていました。
かなたがどんな1日を過ごしたか、すみれがどんな1日を過ごしたかっていうのを毎日書いてもらうことによって、より一層、好きな色だったり好きな食べ物だったりという深いところで役作りをしていただきました。
■富山県での先行公開時の反響
伊林侑香監督
富山県のロケでは、富山市街、街中の部分をたくさん使っているのと、また八尾町や朝日町といったホタルが出る場所での撮影もあり、皆さんが普段から親しんでいる場所なので、そういった部分でも楽しんでいただけたかなと思っております。
野岸紅ノ葉
学校のお友だちも映画を観てくれて、感想をSNSに書いてくれたり、学校で「よかったよ」とか「感動したよ」と言われてすごく嬉しかったです。
初めてお会いした方にも、映画を観終わった後に、「こういう部分が良かった」という感想をもらえて嬉しかったです。
菊池亜希子(中川奈保 役)
撮影で、実在するお店をロケに使わせていただいていたり、エキストラとして地元の方がたくさん協力して参加してくださっているんです。
私が劇中で働いてるスナックのお客さん役の方々は本当にお芝居やったことがないのかなっていうぐらい上手で、楽しんで参加してくださっていました。
その空気感が地元を盛り上げるためとかそういうことではなく、映画の中に自分たちが住んでいる地域が映し出されてところで、力を発揮できることがあればと皆さんが力を貸してくださっている感じがしました。
-富山で好きなスポットはありましたか?
菊池亜希子
私の出身が岐阜県で、富山とは隣同士で母の実家も富山だったので、私自身、富山に縁があるんです。
今回のオファーは本当にたまたまだったのですが、小学生時代は毎年夏休みに帰っていた場所だったので、母親役として出演させてもらったんですけど、どちらかというと、すみれとかなたの気持ちでいる感じで撮影に臨んでいました。
-富山での撮影はいかがでしたか?
吉沢悠
僕は今回の撮影で富山に初めて行ったんですが、街もあって、自然もあって、撮影がしやすい場所でした。今回キャストもスタッフもほとんど富山の関係の皆様なので、富山を美しく描くっていう意味でも最高の現場だったと思います。
僕は“世界一美しいスタバ”と言われている場所に行ったのですが、そこは海外の公園みたいな、一日中いたくなるような場所だったので、もし機会があれば皆さんもぜひ行ってみてほしいと思います。
■親子としての撮影について
-吉沢さんと菊池さんは、二人の姉妹の親を演じられています。お2人の父・母としての眼差しが、それぞれ優しくてとても沁みるような作品でしたが、オファーされた時はいかがでしたか?
菊池亜希子
母親っていう立場で大人の事情というものがこの映画の中にずっとあって、そこについては悶々と私自身も考えていました。
だけどやっぱり、映画では描かれていないけど、親だけどそれぞれ自分自身があって、それはやっぱり曲げられないっていう…。
だけど、2人とも共通して子供のことを愛しているっていうそこだけは同じで、家族のかたちっていろいろあると思うのですが、今現在のこの家族にとってはこの形がベストなんだろうなっていう、これから先どうなっていくかわからないけれどね…っていう、そういう今の一番いい形で子どもをそれぞれの気持ちで愛しているっていうのが、セリフでというよりは眼差しで伝わったらいいなと思いました。
吉沢悠
脚本を読ませていただくと、姉妹のひと夏の思い出みたいな物語なので、『となりのトトロ』みたいだなと最初に思ったんです。
タイトルが『幻の蛍』だったので、『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が同時上映だったっていうのを思い返すと、ものすごいエネルギーのある映画になるんじゃないかなって思いました。その時、まだ『幻の蛍』は仮タイトルだったんですが、仮じゃないまま、このままにしてほしいと思って、プロデューサーに伝えました。
■“かなた”“すみれ”としてそこに居る
-親子を演じるにあたって、撮影で大変だったことはありましたか?
吉沢悠
いや、僕は全くなかったですね。2人とも天才女優さんなので、やりやすかったです。
-先輩俳優からのコメントをいただいていかがですか?
野岸紅ノ葉
嬉しいけどびっくりです。
吉沢悠
紅ノ葉ちゃんも埜々耶ちゃんもこの年にしか表現できないお芝居で、大人がやる「こういうふうに見せようかな」というのが全くなかったので、やりやすかったです。
菊池亜希子
やりやすいとうか、私も自分の経験を脱ぎ捨てなきゃいけないと思いました。
“かなた”として、“すみれ”としてそこに居るというのが、私も向き合ってお芝居してるときじゃなくても試写で観た時も私が見ていないところでも、こんな表情をしていたのかっていうのが、どうやったらできるんだろうと思いました。
■久しぶりの母・娘の再会
菊池亜希子
前髪切ったねって、会った瞬間にパッと気づきました。
野岸紅ノ葉
嬉しかったです。
菊池亜希子
ほんのちょっとだけど気づけたっていうのが、お母さんになれていたかなって思いました。
-野岸さんはいかがですか?久しぶりのお母さんとの再会は。
野岸紅ノ葉
久さしぶりのお母さんだけど、全然距離感が変わっていない感じが嬉しいです。
まだ、かなたとお母さんという距離感でいられているんだなっていう感じがすごく嬉しいです。
■親子役の二人が好きな共通のアイドル
菊池亜希子
話が脱線するのですが、撮影中に好きなアイドルの話になって、私が思春期の頃からずっと好きなアイドルを野岸さんも好きだそうです。
-ちなみにどなたですか。
菊池亜希子
ハロープロジェクトです(笑)
(野岸さんの)お母さんと私が実際の同世代だから、それ(親子の影響がある)かなと思ったんですけど、そうではなくて、自分でたまたまみて、最近ハマっているって言ってくれたのがスッゴイ嬉しかったです。
こうやって、娘と母で好きなもので盛り上がるって一番平和だな、そういうのが家族がうまくいくことだなと思いながら、とっても楽しかったです。
[写真:金田一元]
映画『幻の蛍』
INTRODUCTION
本作は、富山県出身・在住で弱冠23歳の伊林侑香監督が初めてメガホンをとった長編劇映画。第33回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作を受賞した伊吹一氏によるオリジナル脚本をもとに、2021年に全編オール富山ロケにて撮影を敢行しました。
100名を超えるオーディション参加者の中から富山県在住の野岸紅ノ葉が主人公・中川かなた役に、池田埜々耶がかなたの妹・有田すみれ役に抜擢され、岩井堂聖子、菊池亜希子、吉沢悠ら実力派キャストが脇を固めているほか、富山出身の椿原愛も出演。新人監督×新人俳優による瑞々しい、新たな青春映画が完成しました。
STORY
両親の離婚により、転校した学校にも馴染めず日々を過ごしている中川かなた(14)。ある日、母から「夏休みの思い出作りに、おばあちゃんち行ってくれば?」と提案される。気乗りしないまま祖母・吉乃の家を訪れたかなただったが、そこで待っていたのは離れ離れになった妹の有田すみれだった。
夏休みの終わりに、煌めく思い出と消えることのない絆を取り戻す。富山を舞台に 現代の新しい家族の在り方を今一度考えるきっかけになるハートフルな冒険譚。
出演:野岸紅ノ葉 池田埜々耶 岩井堂聖子 山口詩史 椿原愛 保坂直希 / 菊池亜希子 吉沢悠 ほか
監督:伊林侑香
脚本:伊吹一
料理監修:伊林陽子
題字:緒形直人
主題歌:中山うり「ホタル」(A.O.I/Tuff Beats) 作詞/作曲 中山うり
オリジナルサウンドトラック:All Music Produced by モリマツコウスケ/作曲・編曲 Misii
制作プロダクション:合同会社コトリ
配給・宣伝:イハフィルムズ
(C)「幻の蛍」製作委員会
公式サイト:https://www.maboroshinohotaru.com/
公式Twitter:https://twitter.com/hotarumaboroshi
公式Instagram:https://www.instagram.com/maboroshinohotaru/
7月9日(土)より新宿K’s cinemaにて公開
6月24日(金)よりJ MAX THEATERとやまにて先行公開
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