新レーベル「マヨナカキネマ」第一弾作品映画『ヘタな二人の恋の話』公開記念舞台挨拶
7月2日(土)シネマート新宿にて、映画『ヘタな二人の恋の話』の公開記念舞台挨拶が開催。人付き合いが苦手でバイトが長続きしないヒロイン・綾子を演じた街山みほ、他人との距離感がうまく測れない青年。祐太を演じた鈴木志遠、脚本を手掛けたいまおかしんじ、佐藤周監督が登壇。無事に公開を迎えた喜び・本作への想いや、撮影秘話を語った。
『橘アヤコは見られたい』がロッテルダム国際映画祭で招待上映された新鋭・佐藤周が監督を務め、『れいこいるか』『葵ちゃんはやらせてくれない』など話題作を次々と繰り出すいまおかしんじが脚本を手掛けた本作。生きづらい世の中を懸命に生きる若者たちの恋とセックスを描く新レーベル「マヨナカキネマ」の第一弾作品となる。
人とのコミュニケーションがうまくできない若い男女の、愛おしくもときに切ない7年間の恋 を描いたストーリー。主演を務めるのは、慶應大学在学中に篠山紀信によるグラビアで鮮烈なデビュ ーを飾り、講談社から100ページ超という異例の大ボリュームとなった写真集を発売、その容 姿が“宝石よりも美しい”と話題を呼んだ街山みほ。共演はNetflix「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」に出演、 5月15日よりスタートしたAbema TV『恋愛ドラマな恋がしたい』(毎週日曜日配信)で注目を集める鈴木志遠。そのほか、川瀬陽太、小田飛鳥らが脇を固めている。
舞台挨拶レポート
■本作の企画の成り立ち
佐藤周監督
まず、「若者の恋愛を取りたい」、そこからスタートしました。いろいろ考えていくうちに、打ち合わせのときに僕がかつてメンヘラの女性と付き合っていたことがあり、「メンヘラの女性って、時々かわいいときあるんですよ」っていうのをいまおかさんやプロデューサーさんと話したんです。 そうしたら、いまおかさんが「(映画にしたら)面白いじゃないか」って言ってくれて、出来上がったのがこの作品です。
-佐藤監督の実体験も含まれているんですね。
佐藤周監督
そうですね。メンヘラのかわいいところ・つらいところ、それに翻弄される男の話になっています。 いまおかさんも同じような経験があったみたいです。
■いまおかしんじの実体験を。
いまおかしんじ(脚本)
助監督の時に、高円寺で同棲していた彼女がいて、現場で毎晩遅くなって、帰宅してみたら、彼女が男の人と寝てたんですよ。 そのときにでかい靴が玄関に置いてあって、僕は家に入って何も言わずに現場で疲れたのでシャワーを浴びたんです。その間に男の人が帰って行ったのですが。ゴミ箱を見たらティッシュが山のように捨ててあってもうすごいショックだったんです。 それを今日、「映画に使ってる!」と思いました。 無意識に映画にして自分のなかのいろんなものを軽くしている感じがあるとすごく思いました。
-いまおかさんからすると浄化されたんですね。 この2人の監督の実体験をお芝居で体験することになったわけですが、いかがだったでしょうか?
街山みほ(ヒロイン・綾子役)
初めて台本を見た際は、彼氏がいるのに他の男の人と関係を持ってしまったり、好きな人の家にアポなしで侵入して、そのまま寝ちゃってしまったり、驚くところばかりでした。 なぜか綾子役って憎めないところがあり、演技を終えた後は綾子のことが大好きになっていました。
-そんな綾子ちゃんを温かく受け入れているように見えたんですけれども,鈴木さんは祐太役を演じられていかがでしたか?
鈴木志遠(青年・祐太役)
家に入ると誰か男の人がいるってのを台本で見た時には、「こういうことあるのかな?」って思ったんですけど…。
いまおかしんじ
あるよ!
-演じられていて、いま、「あったんだ…」というシーンが実際にあったことになりますが、そんな鈴木さんがびっくりしたシーンを演じて、印象的に残っているところはありますか?
鈴木志遠
待ち伏せするとかもあるのかな?って思ったんですけど。
いまおかしんじ
待ち伏せしたよ!
鈴木志遠
あるんですね、やっぱり(笑)
■街山が演じた綾子との共通点は?
-メンヘラ気質もあるかわいい女性・綾子を演じてみて、街山さんがご自身と重なる点はありましたか。
街山みほ
綾子役を通して、女の子ってやっぱり愛されたい生き物なんだなっていうのがわかりました。 綾子の言葉で、「もっともっと愛してよ」と言って、祐太役の鈴木さんにあたることが結構多かったのですが、まさに言葉にせずともわかって欲しいという女の子の気持ちが表れていると思ったので、そういった女性に響く映画になっていると嬉しいです。
-佐藤監督は、綾子と街山さんが徐々に時間を重ねられていくことに、どう感じられてましたか。
佐藤周監督
撮影の現場では、途中から綾子が本人、いや本人が綾子みたいな感じでした。 僕の中では、もう当て書きみたいな形でいつの間にかなっていた気がします。
-そこも見ているお客様がそう感じてきているのではないでしょうか
佐藤周監督
最後のシーンとか、僕からすると、もう完全に綾子になっていましたね。
居について「気持ちを乗せてください」って僕も言ってたし、ご本人も、気持ちを乗せて芝居をされていたんですけど、最後の方はそこには完全にもう街山みほがいなくて、綾子の気持ちで芝居をしていたなって本当に感じたし、現場でも感じたし、スクリーンを通しても思いました。
-監督からの言葉を受けていかがですか?
街山みほ
すごく嬉しいですね。 演技のお仕事が今回初めてだったので、「私で務まるのかな…。大丈夫なのかな…。」という気持ちでいっぱいでした。 なんとかうまく撮ってくださって映画になり、ここから私が新しい物語が始まる予感がしています。
■映画と誌面でのコラボ
-タイミングよく、袋とじグラビアを含む、写真週刊誌FRIDAYが出版されています。
街山みほ
FRIDAYさんの方で、袋とじがなんと9ページも掲載されています。 映画の濡れ場のシーンも載っていますので、映画の内容が気になる方はぜひ見ていただきたいのと、映画を観終わった後も、ぜひ、FRIDAYさんで、袋とじの中身を見てもらえると嬉しいです。
いまおかしんじ
袋とじはどうやって開けるがいちばん良いと思う?
鈴木志遠
ハサミですか?
いまおかしんじ
ハサミじゃ、うまく切れないんだよ。ものさしとかでピッピッピッてやると、シュッって切れるんだよ。 帰ったらやってみてください。
街山みほ
袋とじのプロみたいですね。
■映画レーベル「マヨナカキネマ」
-「マヨナカキネマ」という映画レーベルがキングレコードから始まり、本作はその1作目。第2作目の『甲州街道から愛をこめて』は、いまおかさんが監督として撮影されています。
いまおかしんじ
はい。第2弾の『甲州街道から愛をこめて』も生きるのが本当に上手じゃない4人の男女が甲州街道で山梨まで行くというロードムービーです。 すぐ終わっちゃいますけどね、山梨なので。 二、三時間で終わってしまうんですけど。いろいろあると思うので、今回の映画と通じる何かがあるかなと思います。
■最後にメッセージ
いまおかしんじ
若いといろいろ失敗するし、何者でもないから大変だなと思うんですけど、それは歳をとっても変わらず。今でも僕は、生きるのが面倒くさいなって、ずっと、街を歩きながらさっきもつぶやいちゃうぐらいです。
いろんな局面で面倒くさくて、誰かが言っていたんですけど、「面倒くさいことが喜びだったりすることもあるんじゃなかろうか」みたいなものがあって、この2人は大変だったり、めちゃくちゃだったり、傷ついたりいろいろしたけど、振り返ってみると、自分の背中を押してくれるような体験だったんじゃないだろうかと思いました。
それを映画を観て自分のことを振り返ってみたり、自分の力になってもらえればすごくありがたいなと思います。
佐藤周監督
今、生きづらい世の中だというのはいろんな理由があって、皆さんも思っているところがあるんじゃないかなと思っています。その中で一生懸命生きていく若者たちを一緒に応援しようという気持ちになります。
自分自身が若者だという人は、「私も頑張ろう・僕も頑張ろう」と思ってくれたらいいと思うし、そのようにこの映画と一緒に、思いがシンクロして前の方に進んでいけたらいいんじゃないかなという願いがあります。
鈴木志遠
皆さん、恋愛を経験される中で、すれ違いとかタイミングの違いとかでうまくいかないこともあると思うので、そういった意味でも共感できる作品となっていると思います。 ぜひ、劇場でご覧になってください。
街山みほ
今回が初めての作品だったんですけど、下手くそだけど一生懸命生きる、前を向いて頑張っていく部分を役を通して本当に学べました。 私自身は演技が初めてだったので、初めてのことに挑戦していくチャレンジ精神も学べたと思っています。映画公開になるまでに本当にたくさんの方に支えられてきました改めてありがとうございます。
映画『ヘタな二人の恋の話』
STORY
生きるのがヘタな二人が出会ったささやかな恋の7年間 人とのコミュニケーションがうまくできない祐太と綾子。偶然の出会いから知り合った二人がささやかな恋に落ちる。人生がヘタな二人の出会いから別れまでの7年間を描く青春映画。
街山みほ 鈴木志遠 伊藤和哉 大久保雛 小田飛鳥(友情出演) 古藤真彦 川瀬陽太 大下翔生 中嶌駿介 福田優生 北上愛莉 鈴木詩織
監督:佐藤周
脚本:いまおかしんじ
制作協力:レジェンド・ピクチャーズ
制作・配給:キングレコード
©2022「ヘタな二人の恋の話」製作委員会
公式サイト:mayonaka-kinema.com
公式Twitter:@EroticaQueen21
予告編
7月1日(金)よりシネマート新宿ほか、全国順次ロードショー
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