広瀬すず「ラストシーンどこにいっちゃったんだろう?」映画『流浪の月』トークショー
2022年6月15日、新宿バルト9にて、映画『流浪の月』トークショーが行われ、主演の広瀬すず、李相日監督が登壇。李監督がMCとなり、本作撮影時のことを深く掘り下げた。また、6月19日(日)に誕生日を迎える広瀬に花束が贈呈された。(動画&フォト)
トークショーレポート
■トークノーカット動画
動画概要欄には見どころチャプターを記載しています。
■フォトレポート
▼横浜流星・松坂桃李との距離感
広瀬すずは、10歳の時に誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗を演じる。
李相日(リ・サンイル)監督
更紗の現在の恋人・亮役の横浜流星との距離感については?
広瀬すず(家内更紗 役)
お互い人見知りなので、距離は縮まるけれど知ることができない感じがありました。撮影しながら触れ合う瞬間に一気に何も隠すことも遠慮することもなくなりました。肌と肌が触れ合う瞬間に私自身が信用できるようになったというか、飛び込めるというか。それを感じたからこそ余計に信頼できたのかもしれません。
李相日監督
物語後半で距離が近づいていく松坂桃李くん演じる文との関係について。文(松坂)とのシーンでは「桃李さんが遠い」と悩んでいたよね?
広瀬すず
亮君(=横浜流星)との距離が近くなる中で、文=桃李さんを想うことに対して距離ができてしまい、気持ちの切り替えが難しかったです。更紗と文の関係性はその複雑さもあるので、桃李さんとは撮影現場では朝の挨拶と出る時の挨拶以外は喋っていなくて。スタンバイも別々のところにいました。
李相日監督
文と更紗の関係に気を使っていたのかも。劇中で会話を交わすまでの緊張感も必要だからね。
▼クランクアップの日に撮影した重要な“寝顔”シーン
広瀬すず
色んなものを含めた2カ月半をあの文の寝顔で思い出しました。こんなに誰もいない場所で寝顔を見るという…寝てるときって自分でコントロールできないじゃないですか。そんな姿を見てるということで「信用してもらっている人間としての喜び」を私自身が感じたのを覚えています。
李相日監督
クランクアップだ!せいせいした!というよりは「悔しい」という感情を残してた気がするんだけど?
広瀬すず
間違いなく「終わったー!」というのはありました。『怒り』(2016)の時は一生終わらないくらいの気持ちに思っていたので、きっと今回も同じ感覚になるだろうと思っていました。
ですが今回は「今だ!」と冷静に実感したシーンもあったので、もしかしたらそうじゃないシーンもあったのかな?と思うと一気にスッキリしたというよりは不安の方が大きかったです。
桃李さんや流星君のお芝居を目の前で見てたからこその焦りと不安をあんなに感じたのは初めてなんじゃないかと思うくらい感じましたね。最後のシーンは私自身のメンタルがズタボロな感じでした。
李相日監督
広瀬すずは技術的に上手にやる人とはちょっと違う感じがします。自分の感情と何かが繋がった時に波を起こす人だと思うので、そういったことが今回見れた気がします。自信持ってください!
広瀬すず
このタイミングで李組に参加出来て本当に良かったです。ほかのキャストの方が命を削りながらやっているような姿が刺激的でした。
▼最初の段階で4時間あったという本作のカットされたシーン
李相日監督
「えっ?このシーンがカットされたの?」って思ったのはありますか?
広瀬すず
更紗と文が電車に乗って旅立っていくという幸せを予感させるラストシーンです。完成した本編を観て「ラストシーンどこいった!?」とビックリしました。「えー!」みたいな。
李相日監督
あれがあると満たされてしまっているというか、余韻がなかったんです。二人の見たい姿を見せて終わってしまった気がして。その後の二人の姿はお客さんが自分の映像として見てほしいシーンだったと撮影後に気づきました。電車を借りて撮影するのは大変なのにね!でも、ソフト化の際には特典映像として入れますので。
▼広瀬すず、24歳の誕生日
最後は6月19日に24歳の誕生日を迎える広瀬に、李からサプライズで花束贈呈。
李相日監督
誕生日おめでとう!
広瀬すず
え?李さんにお祝いしてもらうなんて嬉しい!
『流浪の月』に参加できたことは、自分の中で大きな何かが生まれて、頑張ろう!と思えました。24歳になっても頑張りたいというか、李監督ともっともっとご一緒できるように努力をしていかなければいけないなとクランクアップからずっと思っています。
▼最後にメッセージ
広瀬すず
こんな斬新なトークイベントは初めて!私もまだラストシーンのワンカットを見られていないので、ソフト化の際の特典が楽しみです!
李相日監督
(前作『怒り』に続いてのタッグとなったし)二度あることは三度…ありますか!?
広瀬すず
(驚いて肩をすくめながら)え?いいんですか!?…という気持ちが大きいですが…ぜひ!!
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『流浪の月』
INTRODUCTION
実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1 位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。
10歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。
また、事件から15年後に文と再会してしまう更紗の現在の恋人・亮を横浜流星が、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じることも発表されている。
恋愛、友情、家族愛……そんな既存の言葉では括れない、限りなく稀有な2人の関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた『悪人』『怒り』などの李相日(リ・サンイル)監督。
また、『パラサイト 半地下の家族』『バーニング』『哭声/コクソン』『母なる証明』など、韓国映画史に残る作品を次々手がけてきた撮影監督・ホン・ギョンピョ、『キル・ビル Vol.1』『ヘイトフル・エイト』『フラガール』『悪人』『三度目の殺人』など、世界を股にかけて活躍する美術監督・種田陽平ら、国境を越えた才能が集結した。
いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負ったまま、誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えて生きてきた2人。15年後に再会した2人が選んだ道とはーー?
第一線を走る俳優陣とスタッフが集結して作り上げる2022年必見の1本。
STORY
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。
それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて…
原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子 / 趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜 内田也哉子 / 柄本明
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
(C)2022「流浪の月」製作委員会
公式サイト:gaga.ne.jp/rurounotsuki/
公式Twitter:@rurounotsuki
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