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『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

広瀬すず「服やリコーダーは兄・姉のお下がりだった」松坂桃李×横浜流星×多部未華子『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

2022年5月24日、TOHOシネマズ六本木にて、映画『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、李相日監督が登壇。SNSにて事前募集した質問にそれぞれ答えた。この日の舞台挨拶の模様は、全国305館の映画館に生中継された。

舞台挨拶レポート

■トークノーカット動画

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動画概要欄には見どころチャプターを記載しています。

■フォトレポート

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

李相日監督/横浜流星/広瀬すず/松坂桃李/多部未華子

李相日(リ・サンイル)監督
全国のたくさんの人に観ていただき、多くの人の心の深い場所に届いているのを日々実感できて嬉しく思っています。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

李相日監督

広瀬すず(家内更紗 役)
いろんな方からご連絡いただいたり、会う人会う人に「いま観て来たよ」と言われるのが、私の中で過去一多いです。メールも長文で送ってくださったり、直接会って熱量をいただくけど「言葉で何て言っていいかわからない」という感想が多かったり、ここまで見てくれている人がいるんだなというのを身近でも感じられて、ありがたい毎日です。
(感想を見ると)みんな、やっぱり流星くんのことを嫌いになりかけたと言ってました(笑)

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

広瀬すず

-広瀬さん演じる更紗をDVで苦しめる恋人の亮を横浜がリアルに熱演したからこその、ある意味で“称賛”とも言える反応でしょうか。

横浜流星(中瀬亮 役)
嬉しいです。でも、僕ではないのでキライにはならないでほしいですね(苦笑)

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

▼SNS事前募集の観客からの質問コーナー

質問1:映画の中の少女時代の・更紗の“夕飯にアイス”を巡るエピソードにちなんだ「子どもの頃、やりたいけど周りに反対されてできなかったこと、反対されそうで言い出せなかったことは?」

松坂桃李(佐伯文 役)
僕は昔漫画家を目指していて、小学生の頃に学習帳に好きな漫画の模写とかをしてました。それを机の中に溜め込んでたんですが、なぜか姉に見つかって、それを見た姉の一言が「絶望的にヘタクソだね」で…。その時に漫画家になる夢は捨てました(苦笑)
その時のノートは、泣きながらゴミ箱に入れました・・・。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

松坂桃李

横浜流星
(反対された経験は)ないです。「人任せではなく、自分で発信して、やりたいと思ったことはやれ」と尊重してくれる家族だったので、自分でやるしかないと思って空手を選びました。

松坂桃李
(もし選ぶのが)空手以外だったら?

横浜流星
マジで球技ができないので、サッカーとかバスケとかやってみたかったです。引かれるくらいできないんで…(苦笑)

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

松坂桃李
意外!運動神経よさそうだから・・・

広瀬すず
「やれなかったこと」ではないんですが、末っ子なので、基本的に、全部おさがりだったんです。新品のものは全く買ってもらえなかったです。制服からリコーダーまでおさがりで、(リコーダーのおさがりは)さすがにイヤだったけど「お兄ちゃんじゃなく、お姉ちゃんのにするから」「3回消毒するから」と言われて納得した自分がいました(笑)
なので、服を新品で買えた時は、洋服ひとつでもすごく嬉しかったし、大人になって自分で買えるようになった時の爆発力がすごかったです。止まんないですね(笑)

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

多部未華子(谷あゆみ 役)
“ケーキの食べ放題”に小っちゃい頃に行きたかったけど行けなくて、大人になったら体型とか気にしちゃうので行けなくて、それは行きたかったですね…

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

多部未華子

質問2:言い回しや表現が難しかったセリフ。言われてグッときた、ズシンときたセリフは?

横浜流星
(更紗から言われる)「私もあなたにひどかったね」というセリフです。
それを言われる前に更紗にキスをして、でもそのキスから何の反応も返ってこなくて、その言葉を言われて…。
「あぁ、本当に無理なんだな」って、その言葉はすごく残酷だなと。あの近さであの目と表情で言われて「もう無理なんだな」と落胆しました。哀しかったです。自分が悪いことしているので仕方ないですが…。

広瀬すず
私だってつらかったです。私も難しくて、いろいろ考えながらやっていました。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

-広瀬さんはいかがですか?

広瀬すず
谷(多部)と文(松坂)の過去を知ってしまったシーンのやりとりです。文の谷さんを見る目が急に変わるというか、急にフィルタをかけたようなしゃべり方とトーンで声が跳ねる感じの言い回しに「うわっ!」と思いました。「そうだよ」みたいなひと言だけでも、感じられる感情がいっぱいありました。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

多部未華子
多部目線で言うと、はじめ(谷が文に愛情を)求めるじゃないですか? あんなに何も返してくれない男、どうしていいかわかんないよ!って。谷さんは、それでも献身的に、心と心が触れ合いないかって求めるけど、あんなに何もリアクションしてくれないと、多部だったら「どうして? 言いたいことあるなら言って!」と言っちゃうタイプなので(笑)
ラストシーンも、ずっと私一人でしゃべってて、何も言ってくれなくて、そこにあのフィルターのかかった、死んだような目で…
「もうどうしたらいいの?」って。ずっと一人で何も返ってこない人と戦う谷さんで、多部からしたら「なんてことだ!」という。今日、もう最後だからハッキリ言いますけど(笑)、「何なんだ!」って思ってました。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

松坂桃李
松坂からしたら、本当に申し訳ない。谷さんがバーッと言って、文が答えるところも、谷さんが言ってくる言葉が全部刺さってくる感じでした。松坂的に言うと…トータル的に谷さんへの向き合い方、「本当に申し訳ございません。代わりに僕が謝ります」という感じです(苦笑)

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

質問3:お芝居の中での俳優陣のアドリブについては?

李相日監督
アドリブじゃないけど、延長で出てきたものでいうと、桃李くんが最後に警察に羽交い絞めにされた時、台本には「やめろ」とかって言葉がいくつかあったけど、「もうやめてくれ」という最後の一押しは桃李くんというか文から吐き出た言葉だったので、現場で見てて「すごいものが出てきたな」という驚きがありました。
更紗が文のところに逃げ込んでから、文が更紗を撫でて、バーッと彼女が自分の気持ちを言うところも、使われているテイクは4回目か5回目なんです。最初のうちは、更紗が言い終わった後に文が手を添えるというのをやってたけど、何か届き切らないなという時に、僕と桃李くんだけで話をして、更紗のセリフが終わらない内にやってみたら、更紗のほうからボロボロセリフがこぼれてきました。そういう、“あふれでる”感じはいくつかありましたね。

松坂桃李
撮影の順番が、順撮りに近い感じでやってくださったおかげで、実感みたいなものを積み重ねやすくて、それはすごく大きかったです。文の中で、経験している、過去にできない記憶、体験、真実みたいなものが地続きで続いているからこそ、似たシチュエーションのことが目の前で巻き起こった時に、自分の中からポッと出てくるものがありました。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

▼最後にメッセージ

多部未華子
私自身、この中では短いシーンでの登場でしたが、とても濃密な時間を過ごさせていただきました。監督、ありがとうございました。共演してくださったみなさん、広瀬さんも横浜さんもお会いできて嬉しかったです。桃李くん、いつも本当にありがとうございます。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

横浜流星
僕も周りの方の連絡が多くて、感想を聞くとみんな全然違う感想が返ってくる。それが“答え”だと思います。この作品を観て、どう感じてどう受け取るか、みなさん次第だと思うし、その感性、受け取ったものを大事にしてほしいと強く思います。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

松坂桃李
感想がメールやLINEで来るけど、全員長文なんです。どんな言葉を紡ごうと、言い表すことができないけど、伝わってくるものがあったんだなと。この作品、登場人物たちを通してちゃんと伝わるものがあったんだなと思うと、つくづくこの作品をやれてよかったと思うし、このチームでできたことが、僕の一番の宝物――そんな時間だったなと思います。少しでもみなさんの心に触れること、寄り添うことができたら幸いです。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

広瀬すず
私が更紗として、文からもらった言葉と「更紗は更紗だけのものだ」と言ってもらえた時のように、少しでもみなさんが感動されて帰っていくような、幸福感に満ちた時間を届けることができたらいいなと思っています。

『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

李相日監督
なかなか言葉にできない感想が多いんですけど、我々も言葉にできないものを何とか作ろうとしていました。
だからこそ、俳優の一挙手一投足、息づかいや目線、映像も言葉以上に雄弁で、音も繊細で音楽もダイナミックさがあって、わかりにくいけどこれは大事なものなんだというものを届けよう、形にしようとしていた作品だと思います。そういう意味で、映画館で体感し、味わう映画として、そういう要素に満ちている作品だと思います。みなさんの大事な一本になると嬉しく思います。

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『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶

■フォトギャラリー

[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]

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映画『流浪るろうの月』

INTRODUCTION
実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1 位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。
10歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。
また、事件から15年後に文と再会してしまう更紗の現在の恋人・亮を横浜流星が、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じることも発表されている。

恋愛、友情、家族愛……そんな既存の言葉では括れない、限りなく稀有な2人の関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた『悪人』『怒り』などの李相日(リ・サンイル)監督。
また、『パラサイト 半地下の家族』『バーニング』『哭声/コクソン』『母なる証明』など、韓国映画史に残る作品を次々手がけてきた撮影監督・ホン・ギョンピョ、『キル・ビル Vol.1』『ヘイトフル・エイト』『フラガール』『悪人』『三度目の殺人』など、世界を股にかけて活躍する美術監督・種田陽平ら、国境を越えた才能が集結した。

いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負ったまま、誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えて生きてきた2人。15年後に再会した2人が選んだ道とはーー?
第一線を走る俳優陣とスタッフが集結して作り上げる2022年必見の1本。

STORY
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。
それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて…

原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子 / 趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜 内田也哉子 / 柄本明
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
(C)2022「流浪の月」製作委員会
公式サイト:gaga.ne.jp/rurounotsuki/
公式Twitter:@rurounotsuki

全国公開中

流浪の月

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