• HOME
  • News
  • 映画
  • 宝田明「桜は下を向いて咲くんです。私たちが上を向くためにね」岩本蓮加「宝物のような作品です」
世の中にたえて桜のなかりせば

宝田明「桜は下を向いて咲くんです。私たちが上を向くためにね」岩本蓮加「宝物のような作品です」

2022年4月2日、丸の内TOEI①にて、映画『世の中にたえて桜のなかりせば』公開記念舞台挨拶が行われ、岩本蓮加(乃木坂46)と三宅伸行監督が登壇。そしてW主演で、先日急逝した宝田明の等身大パネルが岩本の隣に設置された。

本作のタイトルである「世の中にたえて桜のなかりせば」とは、桜にまつわる詩からの引用。“桜の季節”と“終活”をテーマに、岩本蓮加と宝田明の【70歳】の年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマ。二人は“終活アドバイザー”として『終活屋』で働き、様々な境遇の人たちの終活を手伝う。

主演とエグゼクティブプロデューサーを務めた宝田明(87歳)は、2022年3月14日(月)午前0時31分、肺炎のため急逝した。本作の公開を誰よりも楽しみにしていた宝田明の想いを受け継ぐ形の公開記念舞台挨拶となった。

[関連記事:宝田明氏生前最後の登壇となった本作舞台挨拶]

舞台挨拶レポート

MCから本作の主演、エグゼクティブプロデューサーを務めた宝田明の説明ののち、宝田とW主演を務めた、終活アドバイザーとして働く女子高生・咲役の岩本蓮加(乃木坂46)と三宅伸行監督が登壇。岩本の隣には宝田明の等身大パネルが設置された。

世の中にたえて桜のなかりせば

森田美礼(MXTVキャスター)/宝田明/岩本蓮加(乃木坂46)/三宅伸行監督

岩本蓮加(乃木坂46)(咲 役)
お忙しい中お越しいただきありがとうございます。

世の中にたえて桜のなかりせば

岩本蓮加(乃木坂46)

三宅伸行監督
たくさんの方に来ていただきありがとうございます。お客さんが入って初めて映画が完成したような気がします。

世の中にたえて桜のなかりせば

三宅伸行監督

-公開を迎えた感想は?

岩本蓮加
友だちが公開初日に観に行ってくれたりして、感想をたくさん聞くようになってから作品を届けられるようになっているんだなと感じられて、嬉しい気持ちでいっぱいです。

-お友だちの感想はどんな?

岩本蓮加
幼なじみなんですが、その子から“考えさせられる映画だった、前を向いていこうと思える作品だった”という感想をもらえて、伝えたいことが全部伝わっていて嬉しいです。

世の中にたえて桜のなかりせば

三宅伸行監督
前回の完成披露舞台挨拶では宝田さんがいらっしゃったのに今日いらっしゃらないことにまだ現実感がありません。そういう残念な想いが自分の中にあるんですけど、今日、ここに来るまでに桜を見たんですが、桜を見ていると宝田さんを思い出しました。この映画もみなさんの心に残るものになればいいなと思っています。

■映画初出演&初主演

岩本蓮加
演技に対しては興味があったので嬉しい気持ちでいっぱいでしたが、やっぱり不安の方が大きくて、初めての映画で初めての主演で、プレッシャーや重みがありました。
実際に現場に入ってみて、宝田さんはじめキャストの方々や三宅監督とたくさんお話しさせていただいて、徐々にリラックスできるようになったし、現場に行くことが楽しくなりました。とても良い経験をさせていただきました。

-プレッシャーを払拭するために何かしましたか?

岩本蓮加
セリフを自分のものにするために毎日台本を繰り返し読んでいました。

世の中にたえて桜のなかりせば

-監督、岩本さんの演技はどうでしたか?

三宅伸行監督
アイドル活動がとても忙しい岩本さんでしたが、撮影前に何日もリハーサルする時間を作ることができ、本番の撮影ではたくさんお話をしたうえで挑めたので良かったです。

-宝田さんから芝居についてアドバイスはありましたか?

岩本蓮加
最初の段階で宝田さんは「自分の好きなように自由にやっていいよ」と言っていただけたので、アドバイスというよりも褒めていただくことが多かったです。でも「伝えたい時は目線をしっかり相手の目を見たらいいよ」と教えていただきました。

-3月10日に行われた完成披露舞台挨拶の際に、宝田さんから“大女優になる片鱗がある”という言葉をいただきましたね。

岩本蓮加
自信につながっていますし、今後演技をするうえで宝田さんの言葉を思い出して前を向いていけたらいいなと思っています。

世の中にたえて桜のなかりせば

3月10日に行われた完成披露舞台挨拶(all at once/岩本蓮加/宝田明/三宅監督)

-役作りについては?

岩本蓮加
最初は暗い子のイメージでしたが、台本を読み進めていくうちに実は明るくて元気な一面もあるんだと思い、“咲”があまり暗くならず普通の女の子だとわかってもらえるように演じました。

三宅伸行監督
撮影が進むにつれて、だんだんと岩本さんと“咲”が同化していって、岩本さんが「咲ちゃんのことを好きになれた」と言ってくれたことが良かったなと思いました。

世の中にたえて桜のなかりせば

■宝田さんからのオファー

-宝田さんからオファーがあった時のお気持ちは?

三宅伸行監督
お話をいただいた時は嬉しかったけど、テーマが4つ(老人がと女子高生が出演・茨木のり子「さくら」の詩、在原業平の和歌)が決まっていて、それを物語という形にまとめ上げるのが大変でした。その中で宝田さんと話しながら脚本づくりをしましたので、その時の宝田さんの印象がすごく記憶に残っています。

岩本蓮加
オファーをいただいた時は、「そんなお話が本当に存在するのかな?」と思ったんですけど、ありがたかったです。
(自分にとって)初めて作品がオファーという形で出演できるというのは自分にとって宝物だし幸せだなと思います。

-宝田さんとの撮影エピソードを教えてください。

岩本蓮加
面白い方で、私が緊張しているときも何気ない一言で緊張をほぐしてくれました。宝田さんがアドリブをされている姿を見て私も頑張ろうと思いました。

三宅伸行監督
2人は70歳差というよりもお友だち同士に見えて、これはこの作品の裏のテーマでもあるんですけど、人間同士とは、年齢差を超えていろんなものが生まれてくる。宝田さんと岩本さんの2人を見ているとその雰囲気が出ていたのがとても良かったと思います。

-印象に残っているシーンは?

岩本蓮加
宝田さんご自身の体験談が見られるシーンがとても印象的で、そんなお話を聞けるのは貴重だと思いますので、みなさんも注目していただけたら嬉しいです。

世の中にたえて桜のなかりせば

■今後も俳優を続けたい

-先日の舞台挨拶で宝田さんが「岩本さんはNGを出さない」とおっしゃってましたが、今後も俳優として活動されたいというお気持ちはありますか?

岩本蓮加
この作品で学べたことがたくさんあるので、次の演技の機会があったら活かしていけたらいいなと思います。

-アイドル活動との両立はいかがですか?

岩本蓮加
アイドルをしている時の私と演技をしている時の私はぜんぜん別なので、見てくださる方には普段のアイドルとしての姿と演技をしているときのギャップを楽しんでいただきたいです。

-三宅監督は今後岩本さんにやってもらいたい役は?

三宅伸行監督
コメディエンヌの素養がすごくあるんじゃないかなと思います。

世の中にたえて桜のなかりせば

-岩本さん自身がやってみたい役は?

岩本蓮加
10代の内にせっかくですから学生の役をできたら嬉しいです。

-先日高校を卒業されたばかりですよね。おめでとうございます。

岩本蓮加
ありがとうございます!

(会場拍手)

-これからの目標は?

岩本蓮加
今までできなかったようなこととか、活動の幅が広がっていくと思うので、前向きに私なりに頑張っていけたらいいなと思います。

■宝田明氏へ黙祷

-3月10日の完成披露舞台挨拶が宝田さんと最後に会われた時となりましたが、その時はどういうお話をされましたか?

岩本蓮加
“またきれいになったね”と言っていただけたり、宝田さんにお会いするのが楽しくて安心しますし、写真撮影をする時も腕を組んだりといつも近くにいていただけました。

世の中にたえて桜のなかりせば

三宅伸行監督
最後別れ際にお見送りをした時に、ポンっと肩をたたかれた“監督、今度、食事に行こうな”と言ってくださったことがずっと心に残っています。

ここで、撮影中に収録した1分弱の宝田明のコメント動画を上映。

宝田明(コメント動画)
私にとっては8年ぶりとなる久しぶりの映画です。
僕は映画でスタートした男ですから、映画というものに大変な愛着と未練を感じております。
いずれの日にか自分の思うような作品を撮りたいなと思っていた中、やっと念願叶って撮ることができたわけです。もちろんそれには、陰になり日向になりサポートしてくださった方々が故人も含めていらっしゃるわけです。本当に心から感謝申し上げます。
なんと優雅で雅な、そしてチャーミングなタイトルではありませんか。『世の中にたえて桜のなかりせば』、どうぞよろしく!

宝田明

宝田明(スクリーン投射映像)

岩本蓮加
宝田さんと映画のお話をする時は、映画に対しての熱をひしひしと感じるので宝田さんのプロデュースする作品に、宝田さんと一緒にW主演として出演させていただけたことは誇りに思いますし、貴重な経験をさせていただけたと改めて感じました。

そして、本作公開に向け、並々ならぬ情熱を傾けた、主演・エグゼクティブプロデューサーの宝田へ、哀悼の意を表し、黙祷をした。

宝田明(劇中の敬三(宝田)セリフ)
桜は下を向いて咲くんです。私たちが上を向くためにね。

世の中にたえて桜のなかりせば

世の中にたえて桜のなかりせば

■最後にメッセージ

岩本蓮加
この作品を見て自分の人生と向き合うきっかけになれたらいいなと思いますし、桜を見るたびに毎年この作品を思い出していただけたら嬉しいです。

三宅伸行監督
岩本さん演じる咲ちゃんの成長物語だと思っています。人生どんなところからでも人は前を向いて成長していけると思いますので、明日からの力になる作品になればいいなと思います。

世の中にたえて桜のなかりせば

世の中にたえて桜のなかりせば

■フォトギャラリー

[写真・記事:桜小路順]

関連記事

映画『世の中にたえて桜のなかりせば』

出演:岩本蓮加(乃木坂46)
土居志央梨 郭 智博 名村 辰 柊 瑠美 伊東由美子
徳井 優 吉行和子
宝田 明

監督:三宅伸行
脚本:敦賀 零 三宅伸行
エグゼクティブプロデューサー:宝田 明
エンディング曲「蒼空」 Produced by 亀田誠治
歌:all at once 作詞:Ra-U , レオリ 作曲:Ra-U
製作:埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ TOKYO MX ビーイング 東映ビデオ
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ デジタルSKIPステーション
配給:東映ビデオ
©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会
公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/sakuramovie2022/

全国公開中

世の中にたえて桜のなかりせば

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA