宝田明「岩本蓮加(乃木坂46)さんは大女優の片鱗がある」70歳差W主演『世の中にたえて桜のなかりせば』完成披露舞台挨拶
2022年3月10日、丸の内TOEI①にて、映画『世の中にたえて桜のなかりせば』完成披露舞台挨拶が行われ、W主演の岩本蓮加(乃木坂46)と宝田明、三宅伸行監督、そして主題歌を担当したall at onceが登壇した。
本作は、“桜の季節”と“終活”をテーマに、岩本蓮加と宝田明の【7 歳】の年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマ。タイトルの「世の中にたえて桜のなかりせば」は、「古今和歌集」に収録されている在原業平の短歌にちなんでいる。
主題歌「蒼空」は柔らかで温かみのあるハーモニーを奏でる2人組ボーカルデュオall at onceが担当し、プロデュースを亀田誠治が担当した。
舞台挨拶レポート
この日の舞台挨拶のチケットは3倍の競争率。岩本蓮加(乃木坂46)と宝田明は劇中衣裳で登壇。宝田明は腰を痛めているということで車イスでの登壇となった。
■映画初出演で初主演
-映画初出演で初主演。今日を迎えた今のお気持ちは?
岩本蓮加(乃木坂46)/女子高生・咲 役
いよいよ始まるんだなという実感がありますし、撮影はほとんど演技未経験の状態で始まったので、どうなるんだろう、最後まで乗り切れるのかと不安があったんですけど、こうして完成披露の日を迎えるまでに、ファンの方々や、周りのみんなから「楽しみにしているよ」という声をいただき、ワクワクしていますし、皆さんの感想を聞けるのが楽しみです。
-映画初挑戦は緊張はプレッシャーはありましたか?
岩本蓮加
すごくありました。最初、映画のお話をいただいた時に、それだけですごく衝撃だったのに、さらに主演ということで、演技に対しては興味はありますし、好きなんですけど、自信は全然ありませんでした。
一人でお仕事をさせていただけるのもなかなかない機会だったので、プレッシャーもありましたが、乃木坂46という看板を背負って、恥のないように頑張れたかなと思います。
-宝田さん、岩本さんの現場での印象は?
宝田明(老紳士・敬三 役)
相手役が17歳。私は米寿(88歳)に近づいておりまして、こんなに歳の差がある方と共演するのは初めてです。セットに入って一番最初に感じたのは、なんと度胸のある子なんだろうと。
映画に初出演となれば、普通ならオドオドするものですけど、そんなことは決してなくて、まるで10年選手のように振る舞っていらっしゃる。
そしてまた、蓮加さんはテストの時もそうですけど、本番でもNGを出したことがない。大変な小娘でございます(笑)
岩本蓮加
ありがとうございます(笑)
宝田明
最近の若い子は、カットがかかるとすぐにモニターのところに行きますが、蓮加さんは監督がOKを言うまではその場を動かない。とてもお行儀の良い方でした。これは大女優の片鱗があるなとつくづく感心して見ておりました。
岩本蓮加
こんな褒め言葉をいただいていいんでしょうか。現場でも演技が終わったあと、すごく褒めてくださるので、すごく自信に繋がりました。
■乃木坂46として。役者として。
-“咲”という役はどのように感じて演じましたか?
岩本蓮加
咲ちゃんは不登校で暗めの女の子かなという印象があったんですけど、台本を読んで、お芝居をしていくうちに、咲ちゃんの本来の明るさを感じて、そういう部分では自分とすごく重なるなと思いました。そして、仲の良い同級生と話している時なんかは普通の女の子なんだなと思いました。
-映画のお仕事と、乃木坂46のお仕事では違いがあったかと思いますがどうでしたか?
岩本蓮加
乃木坂46での活動は、先輩方と後輩に囲まれて、楽しい感情だったり、わちゃわちゃしていたりしますが、その場の空気感とかで気持ちやパフォーマンス表現したりします。でも映画のお芝居では、ちゃんと台本の段階で気持ちを作って、どういうお話なのかを理解して、1から10まで細かく自分の中に落とし込んでやっていくのは全然違うなって思いました。難しいとも思いました。
■「桜がこの世になければこんなに心ときめくことはない」
-エグゼクティブプロデューサーも務める宝田さん、本作のきっかけは?
宝田明
「古今和歌集」に収められている在原業平という歌人「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」という短歌があります。
「この世の中に桜の花というものが存在しないとしたら、春にこんなに心ときめくこともないだろう」という意味のことを、“三十一文字(みそひともじ)”に託して桜の素晴らしさを歌っています。
これは私が幼い頃からずっと心のなかに棲みついておりまして、本作のタイトルは絶対にこれでいこう、そして私のような老人と現役で社会でいろいろ活躍している人たち、そういう人たちの人生、生き様をバサっと横になで斬りしまして、その断面を観ていただこうというのがきっかけです。
この作品はゲラゲラ笑ったり、ハンカチを出してシクシク泣く作品でもありません。自分たちの周りにあるいろんな身近な問題を取り上げている、それがこの映画の特徴です。
■70歳差の友だち同士
-宝田さんと岩本さん。70歳差の共演の現場の雰囲気は?
三宅伸行監督
現場で感じたのは、歳の差って関係ないなってこと。脚本段階から思っていたんですが、宝田さん演じる敬三が岩本さん演じる咲に一方的に何かを教えるという話しじゃなくて、敬三が咲さんから何かを学ぶこともあり、その関係性をお二人が描いてくれたと思います。
-お二人の雰囲気はいかがでしたか?
三宅伸行監督
仲の良い友だち同士に見えて、可愛らしい感じがしました(笑)
-岩本さんは、宝田さんと共演されていかがでしたか?
岩本蓮加
大御所の方と共演させていただくことはとても貴重ですが、やっぱり最初にお会いした時は緊張していてガチガチでした。でもすぐに優しくて温かい方なんだってことが伝わりました。
宝田さんが発言することによって場の空気がガラっと明るくなったりとか、緊張が解けたりしました。楽しくて良い思い出がたくさんあります。
■主題歌「蒼空」
-「蒼空」という主題歌に込めた想いは?
ITSUKI(all at once)
これまで僕たち自身も活動していく中で、思い悩んだ時期もあったんですけど、そういう時に優しく寄り添ってくれた友人、家族、ファン、スタッフ全員の支えがあって今があるので、その感謝を込めた一曲になっています。
-この曲はこの映画のための書き下ろしでしょうか?
NARITO(all at once)
そうです。ハートフルで透明感があるこの作品に寄り添っていただけるようにと書き下ろしました。誰もがいろんな悩みを日々抱えていると思いますが、それに静かにそっと寄り添ってくれるようなそんな楽曲に仕上がったと思います。
■最後にメッセージ
岩本蓮加
この作品は、人生という壮大なものをテーマにしていますが、ふとしたタイミングで自分と向き合って見つめ直したりするきっかけになったらいいなと思います。
宝田明
僕ら映画で育ってきた人間にとってみれば、「映画は死なず。永遠なり。」と言いたいんですけど、時あたかもコロナ禍で2年近く、そして、新たにウクライナが戦争で蹂躙されている現実を見た時に、我々はもうちょっと社会性を持った映画を作らなきゃいけないなという気も致します。
個人的に蓮加さんのことを考えますと、来年もう1本一緒に仕事をしてみたいなって、そんな気が実はしております。
■フォトギャラリー
[写真・記事:桜小路順]
映画『世の中にたえて桜のなかりせば』
出演:岩本蓮加(乃木坂46)
土居志央梨 郭 智博 名村 辰 柊 瑠美 伊東由美子
徳井 優 吉行和子
宝田 明
監督:三宅伸行
脚本:敦賀 零 三宅伸行
エグゼクティブプロデューサー:宝田 明
エンディング曲「蒼空」 Produced by 亀田誠治
歌:all at once 作詞:Ra-U , レオリ 作曲:Ra-U
製作:埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ TOKYO MX ビーイング 東映ビデオ
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ デジタルSKIPステーション
配給:東映ビデオ
©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会
公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/sakuramovie2022/
2022年4月1日(金) 公開
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