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2Cheat5

【福田転球×山内圭哉 インタビュー】「お笑い芸人と役者が作る“笑い”の違い」2年ぶり公演「2Cheat5」に向けて。

2019年、13年ぶりに復活上演した「2Cheat」が2021年9月より「2Cheat5(ツーチートファイブ)」として東京・大阪・高知の3都市にて上演することが決まった。

山内圭哉が、福田転球の楽屋での面白さを舞台に乗っけたいという思いから始まった「2Cheat」。2002年の第1回公演のあと、2006年までの間に3度公演。そして、2019年に、13年ぶりに「2Cheat4」として再始動した。
山内は、「2Cheat」について「笑うのも好きやし、笑かすのも好きな2人が、演劇の体を取って遊ぼうという思いでやってます。しっかりとしたお芝居はふだんのお仕事でいっぱいやってるんで。」と語る。

俳優として数多くの作品に出演し、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍している二人が、今回もほぼ台本なしで存分にふざけるだけの90分を届けてくれる。
そんな二人に、あらためて「2Cheat」の魅力について伺うと共に、お笑い芸人と役者が作る「笑い」の違いについても聞いてみた。

福田転球×山内圭哉 インタビュー

2Cheat5

山内圭哉/福田転球

■久しぶりにやって楽しかった

-「2Cheat」シリーズは、2019年に「2Cheat4」が13年ぶりに復活したことで話題になりましたが、今回、間を開けずに「2Cheat5」を上演することにしたのはなぜでしょうか?

山内圭哉
前回、久しぶりにやって楽しかったので、近いうちにまたやろうという話になったからです。
13年ぶりに復活したのは、その間、僕らは東京の演劇界でいろんな演劇をやらせていただいて、演劇の面白さを再確認した期間だったんですけど、同時にちょっと遊びたいなという気も出てきたんです。
吉本制作という形でやっている公演なので、最初に始めた頃とは、当時の社員とは顔ぶれが変わってきて、若い子も入ってきたりするじゃないですか。そうすると、僕らのことをあんまり知らない子も入ってきたりする中で、「2Cheat」を見るとすごく楽しんでくれているので、また鮮度を持ってやれるというのもありますね。

福田転球
過去の3本は大阪で作ってたというのもあるよね。

山内圭哉
そうやね。

-2019年公演に行かれた方の感想を見ると、面白すぎてリピートされた方もいらっしゃるようで。

山内圭哉
台本が無いので、日によって揺れるというか、お客さんによっても変わるので、そういうのを楽しんでくれる方が繰り返し来てくれていたりするんじゃないですかね。まだコロナ禍前でしたしね。

-今、台本は無いとおっしゃいましたが、ある程度の“ベース”のようなものはあるのでしょうか?

山内圭哉
もちろん、ある程度のベースはあります。
まず、2人で雑談することから始まって、だんだんやることが決まってきて、こういう設定のものをやってみようとか、こういうゲーム的なものをやってみようとか、やることが出揃った時点で、一応箇条書きの台本らしきものは作ります。そりゃ、スタッフさんもきっかけとかわからんと困るんで。
また、敢えて文字起こしした部分もあったりはします。それは落差を出すために。
そうして、一応台本みたいなものは出来上がりますけど、なにぶん、この二人は稽古をするのがキライなんですよ。あんまり真面目な演劇っていうのが好きじゃないというか、お互いどこかふざけたええかげんな人間なんで。2人だけで稽古していると、ほんとダラダラなんですよね。
なので、いっつも夏休みの宿題みたいに最後に回して、本公演が近づいてきたらバタバタするのでいつもスタッフさんに迷惑をかけるんです。
でも、転球さんの場合は、追い込めば追い込むほど想定外のものが出てくるんですよね。

-2002年当時の第1回「2Cheat」の時と比べて、2021年の今、変わったなと感じることはありますか?

山内圭哉
当たり前ですけど、歳をとったなぁって思いますよね。クイックさが無くなっているというか。
ただ、その分、経験値は増えてますので、いぶし銀のやり取りを見れるんちゃうかと思いますし、年を取ったからこそを面白さを探っていくことはできますし、それが正解かどうかは、お客さんが入らないとわからないことですから、本番中に答えを見つけていく感じだと思います。

2Cheat5

山内圭哉/福田転球

■そもそも「2Cheat」とは?

-「2Cheat」を知らない方への紹介の意味で、改めてこの公演の特徴をご紹介ください。

山内圭哉
語弊を恐れずに簡単に言うと、役者がやるコントイベントです。
役者がやるコントイベントですから、いわゆるお笑い芸人さんのアプローチじゃない演劇を有効活用したコントイベント。
あと、福田転球というパーソナリティですね。これが大事。福田転球さんという人のモチベーションというか、ポテンシャルというか、この人が調子に乗った時は面白さがえげつないんですよ。

福田転球
いやいや、そんなことないよ。

山内圭哉
この人はね、ホンマに喜んでくれる人の前じゃないとできないんですよ。普通に台本のあるお芝居だと、ただただ緊張して固まってやってるやつみたいな。

福田転球
(役者を)何年もやってるんで、そんなことばっかりやないよ。

山内圭哉
僕が見る限りはね。
そういう追い込んだ上での転球さんは、ほんとに原始的な、プリミティブな福田転球の面白さ、ほんとに後光がさすくらいの面白さ。

福田転球
そんなことないって。
でも僕の中には、どこか山内くんを笑かそうと思う瞬間があるんですよね。それがガーって広がって、知らんうちにお客さんも笑ってるやん!もっと笑かそうってなるんです。「2Cheat」はそれができるから楽しいんですよね。

-それは目の前に山内さんがいて、そしてお客さんがいるから成立することですよね。

山内圭哉
演劇って、半分はお客さんがいることで成立するものですから。
2019年の公演の時も、「面白かった、面白かった」って、周りのスタッフとかも言うから、いや、これはパーソナリティの面白さなんだと。それが証拠に、公演の内容を全部文字起こしして、あなたたち読んでみなさいと。ぜんぜんおもんないはずだから。僕らがやるからおもろくなるだけで。そういう意味では、文学性とかメッセージ性は一切無くて、劇場出たあと、「おもろかった!で、どんな話やったっけ?」というぐらいの、一種のゲリラ豪雨のような、そんな体験ができる公演ではないかなと思います。
なので、難しいことはぜんぜん考えずに来てくださればいいと思います。観た後もいろんなことを考えてくださいともぜんぜん思わないですし。

-この世の中って、なにかと考えることが多いですし、そういう人こそ、本公演を観に来ていただいたらいいのかもしれませんね。

山内圭哉
そうですね。この1年半、僕らも演劇を続けてきてますけど、来てねって言いにくい状況ではあるんですけど、鬱々とする日々を確実に忘れさせてあげられる公演だと思います。自分自身も含め。
あと、そんなむっちゃくちゃチケットが売れているわけじゃないので、密にならず安心してご覧いただけると思います(笑)

福田転球
こういうご時世なので、大っぴらに笑うことに気を使ってくれてるお客さんもいるかもしれませんが、まぁ、山内くんがなんとかしてくれるかなって。

山内圭哉
こういうご時世だからと言って、それにまったく触れずにファンタジーにやるつもりはなくて、こういう状況をちょっと許せる、ちょっと楽しもうかなっていうものになったらいいなって個人的には思っています。
僕らも50歳になって、来てくれるお客さんには年配の方も多くて、綺麗事をやってもしゃーないなって思ってて。

■高知と縁が深い山内圭哉

-今回、地方公演として高知公演が1日だけありますが、これは何か意味はありますか?

山内圭哉
特にないですけど、地方公演をできるところを探していたら、呼んでいただいたんです。
ただ、父方の出身が高知で、血筋が土佐山内家で、山内容堂(やまのうちようどう/土佐藩15代藩主)からずっと来ているので、そういうご縁でということにしとこかなと自分の中では思っています。

福田転球
僕は、大阪に暮らしている頃は、阪神タイガースが高知県安芸市でやっていたキャンプはよく見に行ってましたね。

2Cheat5

2Cheat5

■お笑い芸人がやる「お笑い」と演劇人の「お笑い」の違い

-お笑い芸人がやる「お笑い」と演劇人の「お笑い」の違いについて、今、改めて思うことがあれば教えてください。

山内圭哉
最近思うのは、お笑い芸人さんがやるコントと、役者がやるコメディっていうのは、逆になってきていて、お笑い芸人さんは、どんどん演技力っていうか、レベルが上っている気がしてるんです。
でもそれって当然だなと思うのは、お芝居の仕事でお笑い芸人さんと一緒になった時、相手のセリフをとにかくよく聞いてるなって感心させられるんです。それはお笑い芸人さんの習性で、聞いてないとボケもツッコミもできないからね。
役者って意外と相手のセリフを聞いてないんですよ。自分のセリフことばっかり考えてるしね。(転球さんを見ながら)特にこういう人とか。(相手のセリフを聞くってことを)役者はなかなかできないんですよ。意外と簡単なことなのに。

-なるほど。

山内圭哉
“笑い”っていうのは、構図がズレることです。例えば、四角いものが急に三角になったら笑うわけですよ。ということは、四角をしっかり印象づけてplay(芝居)しなければいけないっていうことに、お笑い芸人さんがここ10年で気づきだしている気がします。
逆に役者さんは、コメディだと勢いでやっちゃったりとか。先輩もよく言いますけど、役者にとってコメディが一番難しいと。
たとえば、すごい真面目なサラリーマンがどんどん失敗していくというストーリーがあったとして、まず、最初に真面目なサラリーマン像をしっかり作らなければならないですから。最初から失敗しそうなオジサンのイメージだとダメなんで。
そういうことを、お笑い芸人サイドも役者サイドも、深く考え出していると思います。
役者は特に昔からそういうことを深く考えていたから、逆に本能的に勢いだけでやりたいという人も増えていたりもします。
そういう中で、僕らが「2Cheat」でやろうとしていることは、ほんとに2人がどれだけ本気で遊べるかということ。本能的にやれるかどうか。

福田転球
だから、コントではないですよね。

山内圭哉
そうやね。便宜上、コントって言ってますけどね。

福田転球
括りとしては、即興劇でもないしね。

-劇場に来てみて初めてその実態がわかると。

山内圭哉
はい。わからないまま劇場に来てもらっても、とっつきにくいということは無いと思います。

2Cheat5

■チラシのイメージに合わせて後追いで・・・

-「2Cheat5」のチラシでは、「よかとこでんなぁ、東京。」というコピーと共に、お二人が、1960年代ごろ飛行機搭乗者がよく肩にかけてた「JALバッグ」を手に、雷門(金龍山浅草寺)の前に立っていたり、チラシの裏面では、東京タワーをバックに記念写真のようなピースをした写真が載っています。これは、今回の公演の内容をイメージしたものなのでしょうか?

2Cheat5

山内圭哉
これがどこに繋がるのかというのは、舞台を観に来ていただけたら、「あぁ、そういうことか!」ってなるように、今、一生懸命作ってます(笑)
東學(あずまがく)さんという宣伝美術の方が作ってくれたものなんですけど、公演の内容はギリギリまで決まらないので、逆に學さんがこういうものを撮りたいっていうイメージが先行している形です。そういう意味では、學さんとコラボレーションしている感じです。
なので、最終的にどういう内容になるのか、そこも楽しみに観に来ていただきたいですね。

-先ほど、夏休みの宿題という表現されてましたが、9月7日からの公演初日まではまだ少し時間がありますね。

山内圭哉
そんなん言うから余計まだいけるわって思ってしまうやん(笑)

福田転球
でも初日は来るわけやからなんとかせなあかんもんね。

山内圭哉
そりゃそやろ!(笑)

2Cheat5

[聞き手・写真:安田寧子]

プロフィール

福田転球(ふくだてんきゅう)
1968年9月10日(52歳) 出身地:大阪府
大阪芸術大学舞台芸術学科卒業後、93年に「転球劇場」を旗揚げし座長を務める。2006年の解散以降、独特の笑いとセンス、にじみ出る哀愁を持ち味に舞台やドラマで活躍。
また山内圭哉・長塚圭史・大堀こういちとの演劇ユニット「新ロイヤル大衆舎」や、高木稟らと歌喜劇ユニット「マサ子の間男」も立ち上げ、役者としてだけでなく脚本・演出としても精力的に活動中。

山内圭哉(やまうちたかや)
1971年10月31日(49歳) 出身地:大阪府
幼少期から役者としてのキャリアをスタート。舞台、映画、テレビドラマの数多くの作品に出演し、近年では、映画『空母いぶき』、映画『引っ越し大名!』や、映画『えんとつ町のプペル』では声優も務めた。2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」では岩倉具視役を演じている。

2Cheat5

福田転球/山内圭哉

舞台「2Cheat5」

INTRODUCTION
2019年、13年ぶりに復活上演した「2Cheat」が2年の時を経て今年9月、「2Cheat5(ツーチートファイブ)」として東京・大阪・高知の3都市にて上演することとなりました。
俳優として数多くの作品に出演し、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍している二人ですが、本作品は、楽屋や居酒屋など、主にオフステージで神がかり的に面白い福田転球を、山内圭哉がそのまま舞台にのせて皆様にも楽しんでもらおうと企画した珍公演でございます。ほぼ台本なしで二人が存分にふざけるだけの90分をお届けいたします。

構成・演出・出演:福田転球 山内圭哉
主催・企画制作:吉本興業
公式Twitter:https://twitter.com/2Cheat4

公演日程/劇場:
【東京公演】 9/7(火)~9/13(月) 下北沢 駅前劇場
【大阪公演】 9/23(木祝)~9/26(日) ABCホール
【高知公演】 10/2(土) 土佐市複合文化施設 つなーで ブルーホール

チケット:
【東京・大阪】 7/14(水)11:00~7/16(金)11:00 先行発売 ※FANYチケットのみ
7/22(木祝)10:00~ 一般発売スタート
・FANYチケット https://yoshimoto.funity.jp/
・チケットぴあ https://t.pia.jp/ (Pコード:東京 507-591/大阪 507-593)
・イープラス https://eplus.jp/
・カンフェティ(東京のみ)https://www.confetti-web.com/
前売:4,500円 当日:5,000円 <税込・全席指定>
お問合せ:FANYチケット 0570-550-100(10:00-19:00)

【高知】 高知県立県民文化ホール・チケットぴあ・ローソンチケットにて発売中
前売:3,500円 当日:4,000円 <税込・全席指定>
お問合せ:高知県立県民文化ホール 088-824-5321(9:00-17:00)

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