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映画『空母いぶき』

「これは戦争映画ではない。平和のための映画だ」『空母いぶき』完成披露試写会舞台挨拶

映画『空母いぶき』

4月22日、東京国際フォーラムにて、映画『空母いぶき』完成披露試写会の舞台挨拶が行われ、主演を務める西島秀俊、佐々木蔵之介、本田翼、佐藤浩市、中井貴一ら日本映画界を代表する俳優陣が集結し、さらに本作のメガホンを取った若松監督、原作者かわぐちかいじ氏ら、総勢22名の超豪華オールキャストが登壇した。(舞台挨拶動画&フォトギャラリー)

実写映画化にあたって原作から設定を変更。それでも物語を成立させるために。

かわぐちかいじ氏の原作コミックでは、中国が尖閣諸島に上陸し、戦闘状態になるという緊迫した物語が展開する。
企画の福井氏は「実写映画にするにあたっては、架空の国とした。それでも『空母いぶき』という物語が成立させるために全力で取り組んだので、ご覧になった方々の忌憚のない意見を聞きたい」と、製作にあたっての苦労を語った。
そして、かわぐちかいじ氏は「自衛隊を描いた映画はこれまでたくさんありましたが、本作は本来の自衛隊の任務をきちんと描いた初めての日本映画です。」と評した。

嵐の櫻井翔に薦められたのがきっかけで、出演オファーを受ける前から原作コミックに親しんでいたという玉木宏は「非常に見応えのある作品になっている」とし、主演の西島秀俊も「ついに日本映画もここまで来たかという、リアルな戦闘シーンは、手に汗握るエンターテイメントに仕上がっている」と本作の仕上がりに自信をのぞかせた。
同時に西島秀俊は、「平和のために戦っている人たちについて心の中に湧き上がる何かを感じとっていただけたら、こんなに幸せなことはありません」と、舞台挨拶を締めくくった。

映画『空母いぶき』

本田翼/西島秀俊/佐々木蔵之介

『空母いぶき』という作品に対してのキャストの想い。

作品のタイトルにもなっている「いぶき」は、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦、すなわち空母だ。
現実世界でも、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が空母か否かという論争が国会含めて起きているが、映画の中でも「いぶき」は攻撃型空母であり、憲法違反であるという議論に触れられている。
それだけに、いろいろと物議を醸す作品かもしれないが、次に、舞台挨拶での各キャストの主なコメントを紹介する。
それぞれの俳優たちがどういう思いでこの作品に臨んだかの片鱗を感じることができるだろう。

西島秀俊(秋津竜太役 航空機搭載型護衛艦「いぶき」艦長)
かわぐちかいじ先生の作品がついに初実写化ということで、このすごいキャスト、それから素晴らしいスタッフが結集しました。
ついに日本映画もここまで来たかという、リアルな戦闘シーン、それから深い人間ドラマ。必ず皆さんが感動する作品に仕上がっています。
是非、楽しみにしていてください。

映画『空母いぶき』

西島秀俊

佐々木蔵之介(新波歳也役 航空機搭載型護衛艦「いぶき」副長)
この「空母いぶき」を映画化すると聞きまして怯みました。オファーを受けて、怖いなと思ったんです。
でも、プロデューサーが「これは戦争映画ではない。平和のための映画だ。」とおっしゃって、その覚悟を持って出演させていただきました。
素晴らしい映画になったと思います。

映画『空母いぶき』

佐々木蔵之介

本田翼(本多裕子役 P-Panel記者)
私はこの作品を観て、自分の当たり前の生活、当たり前の日常は、(作品に登場する)この方々が守ってくれるんだなと改めて思いました。

映画『空母いぶき』

本田翼

髙嶋政宏(滝隆信役 潜水艦「はやしお」艦長
「空母いぶき」のオファーをいただいた時は感動しました。
僕も一足先に観たんですけど、遂にできました。海外ではこういう危機的状況の中、武力行使するか否かと判断を葛藤する名作はいっぱいあるんですけど、遂に、日本でも誕生しました。
この映画は近未来を描いているんですけども、僕にはそうは思えませんでした。
これはまさに明日にでも起こってもおかしくない、現実の世界が描かれていると、僕はそうみました。

映画『空母いぶき』

髙嶋政宏

玉木宏(瀬戸斉昭役 護衛艦「はつゆき」艦長)
僕はかわぐちかいじ先生の「空母いぶき」のオファーをいただく前から読んでおりました。この作品を薦めてくれたのが、嵐の櫻井翔くんだったんですね。「すごく面白いマンガがある」と。
この作品を映像化するのかという驚きがありつつ、撮影に臨んだのを覚えております。
非常に見応えのある作品になっています。

映画『空母いぶき』

玉木宏

市原隼人(迫水洋平役 アルバトロス隊隊長)
日本人として、日本で活動する俳優として、この作品に巡り会えたことを心から誇りに思います。
そして、大切なもののために命をかけることがいいことなのかそうでないのか、それはまだわかりません。
ですが、自分の中に湧き出る大和魂や、愛国心を掻き立てられるとても大切な作品となりました。

映画『空母いぶき』

市原隼人

深川麻衣(森山しおり役 コンビニエンスストア アルバイト)
このような壮大なスケールのメッセージ性の強い作品の物語の登場人物の一人として、参加させていただけたことをほんとに嬉しく思います。
観終わった後に、心が暖かく、自分のそばにいてくれる大切な人をより大事にしようと思える作品になっています。

映画『空母いぶき』

深川麻衣

山内圭哉(浮船武彦役 護衛艦「いそかぜ」艦長)
脚本いただいて、非常に興味深く読ませていただきました。憲法9条改正案も出ている最近ですからね。
撮影は普段の想像力を3倍くらい使うような非常にいい経験をさせていただきました。
いろんな方と、複数人で映画をご覧になって、観終わった後に語り合っていほしいなという映画です。

映画『空母いぶき』

山内圭哉

吉田栄作(沢崎勇作役 外務省アジア大洋州局局長)
来る令和という時代がどういう時代になるのか。戦争がなかったこの平成という時代をもう一度考え、感じていただけるような作品になっているんじゃないかと僕個人としては思っています。

映画『空母いぶき』

吉田栄作

藤竜也(湧井継治役 第5護衛隊群群司令)
現場での指揮官の役を演じました。指揮官の責任の重さ、これは撮影中、ものすごいプレッシャーでした。
“戦争だけはアカン!”そういう映画だと私は思いながら演じました。ありがとう。

映画『空母いぶき』

藤竜也

佐藤浩市(垂水慶一郎役 内閣総理大臣)
二十歳で映画の世界に入って、まさかいつか自分が総理大臣をやるとは思いもしなかったので、正直、お話をいただいた時は戸惑いもあったんですが、中井貴一くんは別の映画で総理大臣をやっているので、まさか同じ年にお互い総理大臣をやるとは(笑)
こないだ、親父の七回忌が終わったばっかりで、たぶん、三國(連太郎)も草葉の陰で喜ぶというよりは、ニタニタしていると思います(笑)

映画『空母いぶき』

佐藤浩市

かわぐちかいじ(原作)
この映画を完成にこぎつけたスタッフの皆さん、ほんとうにご苦労さまでした。
今まで日本の映画の中で自衛隊を描いた作品はかなりあります。ゴジラでも自衛隊が出てきました。
ですが、本来の任務でキチンを自衛隊を描いたのはこの映画が日本で初めてです。
そのことを頭に入れて、ご覧になっていただければ幸いです。

映画『空母いぶき』

かわぐちかいじ氏(中央)

福井晴敏(企画)
原作は、日本と中国が戦争してしまうというとんでもない代物でございまして、これを実写映画にする時にいったいどうしたらいいんだということは、スタッフ全員、ほんとに悩みました。
これからご覧になればわかりますが、中国は出てきません。架空の国と戦うという話になっていますけど、それでもこの「空母いぶき」という企画が果たして成立するかどうか? 我々が全力で取り組みました結果をこれから皆さんにご覧いただくことになります。
ほんとに忌憚のないご意見をいろんなところでお聞かせいただければと思います。

若松節朗監督
“未来の命に平和な世界を残す”。そんな思いでこの映画を作りました。
今日、ご来場の自衛隊の皆さんにはほんとうにいろいろとお世話になりました。
撮影協力ではなく、広報の範囲で教えをいただきました。
基地の見学、護衛艦の見学、そして多くのパイロットの皆さんのお話を聞きながら、撮影に役立たせていただきました。
今僕がこうやって話している間も、自衛官の皆さんはこの国を守っています。
そんな事実がこの映画の大きな後ろ盾になっているような気がします。この場を借りてお礼申し上げます。
これだけの日本を代表する俳優たちが出ていらっしゃって、これで映画がマズかったら、すべて僕の責任です。
いい映画に仕上がっていると思っていますので、是非、最後まで俳優たちの熱演を楽しんでください。

これからご覧になる方へのメッセージ

西島秀俊
この映画を観た関係者の方たちが「とにかく泣けた」と言ってました。
撮影中は僕たちは常に戦闘態勢でいて、状況がどんどん厳しくなる中、どう戦争にならないようにあくまで“戦闘”のまま現状を打破していくかということにひたすら苦心していたんですけど、なぜ泣けたって感じる人がいるんだろうって、考えたんです。
きっと、この映画に関わったキャスト、スタッフ、協力してくださった自衛隊の皆さん、全員が平和のために戦っていたという。そこについて誰もブレることがなかったことがこの映画の一番泣けるところなんじゃないかなと思っています。
映画はエンターテイメント性もあり、手に汗握るシーンなども楽しんで頂けると思います。
その後に、観てくださった心の中に平和のために戦っている人たちについて心の中に湧き上がる何かを感じとっていただけたら、こんなに幸せなことはありません。
そしてもし何か感じていただけたら、周りの方に感じたことを伝えていただけるととても幸せです。

佐々木蔵之介
舞台はクリスマスイブを前にした24時間の物語です。
戦争をしたい人は誰もいません。自衛官、政府関係者の皆さん、ジャーナリストの皆さん、みんな平和を願っています。
この映画を観て、劇場を出た後、「あぁ、今こうやって(自分は)いるんだ」って思って平和を噛み締めてもらって、家族がいる、仲間がいると思っていただければいいなと思います。

映画『空母いぶき』

舞台挨拶動画

上記記事未掲載のコメントもたっぷり。ほぼノーカットです。

YouTube player

フォトギャラリー

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映画『空母いぶき』

国籍不明の軍事勢力から突如、攻撃を受けた日本。国民の命と平和が脅かされたとき、日本はかつて経験したことのない24時間を迎える―。
初の防衛出動を命じられた最前線の自衛官たち、総理大臣を中心とする政治家や官僚、そして、ジャーナリストや一般市民は、それぞれ日本人として何を考え、何を選択するのか。その一つ一つの行動がこの国の未来をつくる―。

【出演】
西島秀俊 佐々木蔵之介
本田翼 小倉久寛 髙嶋政宏 玉木宏 戸次重幸 市原隼人 堂珍嘉邦 片桐仁 和田正人 石田法嗣 平埜生成 土村芳 深川麻衣 山内圭哉
中井貴一 村上淳 吉田栄作 佐々木勝彦 中村育二 益岡徹 斉藤由貴 藤竜也 佐藤浩市
【原作】かわぐちかいじ「空母いぶき」(小学館「ビッグコミック」連載中・協力:惠谷治)
【企画】福井晴敏 【脚本】伊藤和典 長谷川康夫 【音楽】岩代太郎 【監督】若松節朗
【製作】『空母いぶき』フィルムパートナーズ 【配給】キノフィルムズ
【公式サイト】kuboibuki.jp
©かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

5月24日(金)より全国ロードショー

映画『空母いぶき』

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

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  • コメント ( 1 )

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  1. 名無し

    ネットでの予告編だけ見て、まだ映画は観ていませんが、早く観に行こうと思います。
    侵略中国軍は、最近は毎日のように日本の領海領空に侵犯しているのですから、単なる空想とも思えません。現実の中国軍は、この通りに近い軍事行動を取ると思われます。違う点は台湾と尖閣の2面同時侵攻になる危険性がある点でしょうか。・・日本側は死を持って国民の非難を浴びながら防衛し、中国側はそれを見て高笑いしながら侵略してゆく。・・それをイライラしながら国連軍が見ている。・・屁理屈はもういい!祖国日本を守れ自衛隊国防日本軍!
    日本国憲法ではなく「世界の常識に従って、思う存分、叩きのめせ」正義の下に。

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