松坂桃李×鈴木亮平×西野七瀬 登壇!映画『孤狼の血 LEVEL2』公開記念舞台挨拶
2021年8月21日、都内にて、映画『孤狼の血 LEVEL2』公開記念舞台挨拶が行われ、松坂桃李、鈴木亮平、西野七瀬、音尾琢真、中村梅雀、小栗基裕、白石和彌監督が登壇。制作秘話や初日を迎えた心境はもちろん、「鑑賞後にはテンションが上がる!」と評判の本作にちなんだ質問に各登壇者は、最近の出来事を明かした。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
■ついに公開!
松坂桃李(日岡秀一 役)
今の状況の中、これだけたくさんの方に来てくださってすごく嬉しいです。
昨年の10月頃から撮影して、スタッフキャスト一同、最高のエンターテイメント作品ができたと思っております。
それを今こうやって皆様に届けることができるのがとても幸せに感じております。
鈴木亮平(上林成浩 役)
ついにこの日が来たかという思いで感無量です。昨年の秋、座長の松坂桃李くんを筆頭に、スタッフキャスト一丸となって全力で、文字通り心血を注いで完成させました。
西野七瀬(近田真緒 役)
この作品は、いっぱいいっぱいになりながらで必死でしたが、周りの方に助けてもらいながら参加出来た作品かなと思っています。
そして、完成品を観た時に、熱いところはすごく熱く感じて、冷たいところはとことん冷たく感じました。そんな温度感とかも、皆さんに感じ取ってもらえれば、より一層映画の中の世界観に入れるのかなと思います。
音尾琢真(吉田滋 役)
前作に引き続き吉田滋という役で出演させてもらっております。
前作を見た方も思われると思うのですが、なぜ吉田が今回も出てるんだろうか、どうして続編に出れるんだろうかと、その答えを今発表します。
白石監督のバーターです!よろしくお願いします!
小栗基裕(戸倉毅 役)
本当にこの素晴らしい、熱量の高い作品の一員として、こうやってここに立ててることがものすごく幸せです。
中村梅雀(瀬島孝之 役)
本当に熱い現場で、各キャストの皆の気迫、熱量が半端じゃないです。
それは同時に強さとか色々繋がりますけど、最後はそのパワーで、皆さんが元気をもらえると思います。
白石和彌監督
昨年の1回目の緊急事態宣言の後、この作品の撮影ももしかしたら延期や中止になるんじゃないかっていう中、東映さんがやります!って言って下さって。撮影できる喜びとか、こんな時だからこそ僕たちはエンターテインメントをちゃんと届けなきゃいけないとか、映画って一体どういうものなんだろうとか、スタッフキャストみんな、そういうことに向き合いながら魂込めて作った映画です。
■「上林の目線でこの世界を見てみようと思った」
-いざ続編が始動すると聞いた時は、楽しみ、不安、どちらの気持ちの方が勝っていましたか?
松坂桃李
圧倒的に不安でしたね。
1作目が公開されて間もなく、東映さんから続編やりますという情報が出て、その時はやるんだって感じだったんです。
でも、よく考えていくと、続編ということは、僕が役所広司さんがやっていた立ち位置をやるってことかという思いがちょっとずつ積み重ねていくと、どんどんどんどん緊張感や不安が高まってきたんです。
1作目のの時は、大上さん(役所広司)の背中にくっついて、おんぶにだっこ状態だったので。
-本作の予告編を見るだけでも、日岡の変貌ぶりが見て取れますが、そこまで役作りを持っていくプロセスにはかなりの苦労があったのでしょうか?
松坂桃李
そうですね。現実世界でも前作から3年の時間経過があって、作品世界でも同じく3年が経っていて、その間、日岡の中で何があったのか、どういう思いでこの3年間を過ごしてきたのかということをいろいろ考えながらも、最終的に自分の中で今回のこのLEVEL2の日岡のイメージとして、“狼に育てられた犬”みたいな感じで行こう!という、漠然としながらも思いました。
そこから、台本を読ませていただいて、少しずつ構築していって現場に入りました。
そして、撮影初日から思ったことは、これは、僕一人がどうする云々ということではなく、今回ここにいらっしゃるキャストの方々含めて、強烈な方たちが日岡の前に嵐のように入ってくるので、もうその嵐の中に巻き込まれていく中で、これだけの心強いキャスト、スタッフの人たちと一緒に前作を超えていくんだなと初日の時に思いました。
-日岡の前に立ちはだかる最恐の存在・上林を演じられた鈴木さん。上林の魅力、そして悪役を演じた難しさを教えてください。
鈴木亮平
(上林は)悪役ではあるんですが、我々の仕事は人間を演じることなので、一人の人間としてこれだけ強烈な役をどういう風に作り上げていこうかなという、自分として入り込んで行ける、同化するようにやろうかなと思ってる時にちょうど、昨年の最初の緊急事態宣言が出て、そこで、決まっていた仕事が全部なくなって、机の上にポツンと残った台本が『孤狼の血 LEVEL2』台本でした。
そこから撮影までの半年間、僕にはその上林という役しかなくて、ずっと上林のことを考えたり、いろんなことをリサーチしていく中で、「なんでこの人はこういうことするんだろう?」って思って、上林の目線でこの世界を見てみようと思った時に、多分お客さんが見ていただく今回の映画の世界とは全く違う世界が見えてきたんですよね。
それこそ写真のポジとネガが反転するみたいに、正義と悪が入れ替わって、上林から見たら周りが全員外道で、自分だけが唯一真面目に生きているという。そういうような人間像が出来上がってきた時に、自分も上林としてしっかり生きられるし、見てみてくれたお客さんも、そこの人間の本当に迷いがないところが戦慄してもらえるんじゃないかなっていうところから、紐解いていくと上林になったという感じです。
-鈴木さんの全身全霊の演技を現場で見た白石監督はどう思われましたか?
白石和彌監督
脚本を作っている時から、上林はほんと難役だし誰にと思ってたんですけど、亮平くんだったらきっと一緒にこの難しい役を多分作ってくれるだろうと、ある意味安心感はあったので、実際の現場では、なるほど!っていう納得感しかなかったです。強烈な説得力がありました。鈴木さんにお願いしてほんとうに良かったなと思いました。
-西野さん、村上虹郎さん演じるチンタとの共演印象に残っていることは?
西野七瀬
兄弟役としての共演は初めてでしたが、久しぶりにお会いしてすぐにもう「姉ちゃん」って私の事をずっと呼んでくれてて、そのおかげで兄弟の空気感を作りやすくしてくれてたのかなと思ってありがたかったですね。
あと、同じ日にクランクアップしたんですが、スタッフさんとかにご挨拶に周るよってなって、でも私はそういうのを今までやったことがなくて、ちょっと恥ずかしくてどうしようってなってた時に、虹郎さんが一緒に行くよって言ってくれたので、もうずっと彼の後ろに付いていって挨拶に回りました。そこでもかなり助けられました。
-梅雀さんは松坂さん演じる日岡とのバディ役。松坂さんとの共演で印象に残っていることは?
中村梅雀
桃李くんは本当にどんな役でもすごく自然体に入ってって。そりゃもちろん本人はそれまでに相当な準備を積み重ねてきているんだと思いますが、傍目から見ると非常に自然体で素直にそこに溶け込んでいて、やっぱり凄いなこの人はって思いました。痩せ方にもびっくりしました。
-初参加となった白石組はいかがでしたか?
中村梅雀
1作目がすごかったので、どんな監督かなと思っていたら、実際にお会いしたら非常にチャーミングで繊細で、どこでも全部見えてるから、役者に対する気使いとか、どうやったらこの人を乗っけて行けるかとか、膨らませられるかとか、そういうすごいレーダーが働いてて、素晴らしい監督だなと思いました。
しかもスタッフも素晴らしいし、本当にこの組に参加できて幸せだなって思いましたね。最高でした。
-音尾さんは前作に引き続きの出演、今回の現場はいかがでしたか?
音尾琢真
白石組である限り、やっぱり現場の雰囲気はとても良くてすごく風通しの良い現場でございまして、そこには変わらないんですけれども、前作はやはり役所広司大先輩が主演で、役所広司さんの映画を撮ってる、すごい映画を撮ってるっていう雰囲気がありました。
でも今回はまた違って、みんなの力を合わせて前作を超えてやろうっていう意気込みを感じる、そういう活気のある現場でした。どちらも甲乙つけがたい良さがありました。
だけど、私は前作を撮り終わった後、白石監督と食事をした時にですね、白石監督が軽い感じで「音尾くん、次はね、桃李くんと音尾くんのバディものにしようと思ってるんだよ」。
僕、結構期待してたんですけど、蓋を開けてみたら全く違って、梅雀さんがバディーですし、私、なんか七三分けにされてました。どういうことなんですか?
白石和彌監督
僕の中では、当初は日岡と吉田のバディもいいなぁって思ったんですけど、最初の打ち合わせで「ないね」ってみんなに言われました(笑)
音尾琢真
(笑)
-そして小栗さん。ふだんはs**t kingzのメンバーのひとりとして、世界的ダンサーとして活躍されていますが、今回のスクリーンデビューはいかがでしたか?
小栗基裕
ずっと緊張しっぱなしだったんですけど、衣装合わせの時に、監督が「本当にすごい俳優さんたちばっかりだけど、もう思いっきりやっちゃってください」とおっしゃってくださったので、もうとにかくどうぞ僕を怒ってください、叱ってくださいっていう気持ちで、全力でやり過ぎくらいやっていこうっていう思いながら撮影に臨んでました。
■松坂桃李と鈴木亮平。最初から静かなバチバチ感が漂っていた。
-日岡と上林の2人が対決するシーンの撮影はいかがでしたか?
白石和彌監督
いくつか2人が対峙するシーンがあって、どれも印象的なんですけど、一番最初に特に大きな物事は起こらないんですけど二人が会うシーンっていうのがすごい好きで、そこの緊張をどう出せるのかなと、色々考えながらやってたんですけど、二人ともそこには並々ならぬ思いがあったみたいで、最初のテストからもう静かにバッチバチがすごくて、ちょっとその間にも入れないような緊張感があったので、これは変に僕が手をかけるよりは、もうこのまま撮ったほうがたぶん緊張感を出せるなとか思いながら撮りました。
-桃李さんと亮平さんはその時のことは覚えていますか?
松坂桃李
覚えています。僕もそのシーンは好きで、2人の出会いのシーンってやっぱりこの作品においてはものすごい肝だなと思っていたので、セリフ自体は多くはないんですが、上林との目線のやりとりなど、とっても会話したような気になりました。
鈴木亮平
広島入りしてからそのシーンまでは、我々ほとんど喋ってないと思いますね。普段でも。
それはやっぱり緊張感を持って、そのシーンまでは馴れ合うわけにいかないっていうような感じはすごいありましたね。
シーン的な構造で言うと、最初日岡が警察だから上で入ってくるんだけれども、上林がこいつがもしかしたら親の敵かもしれないと疑う瞬間があって、そこから気づいたら攻守が逆転してるっていうすごくよく出来たシーンだったので、そこを成立させるためには、ちょっとの気の緩みもあっちゃいけないっていう、とても思い出深いですね。
■最近、テンションが上ったこと!
-この映画にちなんで、最近、爆発的にテンションが上ったよっていうような体験はありますか?
松坂桃李
僕は、尾田栄一郎先生からサインをいただきました。
以前やっていたドラマの共演者の井浦新さんが、尾田栄一郎さんと知り合いらしいんですよ。
で、「君、ワンピース好きなんだっけ?」っていう話を現場でしてる時に、「好きですね」って答えたんです。
そしたら後日、「桃李くん、渡したいものがあるんだけどさ」って額縁に入った尾田さんがジンベエの絵が描かれたサイン色紙をプレゼントしてくれて、それはめちゃくちゃテンション上がりましたね。今、玄関に飾ってます。
西野七瀬
私は、謎解きが好きで、リアル脱出ゲームをよくやるんですけど、無事成功できた時はめちゃめちゃテンション上がりました。
好きでおうちでもたくさんやるんですけど、成功率がかなり低いんです。好きなだけで別にうまくはないみたいな感じなので、そんな中で久しぶりに成功できて結構上がりました。
中村梅雀
大谷翔平のホームランを打つ度にテンション上がってます。もう大声で叫んでますね。
鈴木亮平
ちょっとマニアックすぎるんだよなぁ。
最近、クフ王の当時のままの太陽の船が発掘されたんですが、新しくできたカイロの博物館に移送されるっていうことがあって。
そのための専用のコンテナを作って、夜、道路を全部封鎖して、で、特注のコンテナなので、外装に光る太陽の船が描いてあるんです。
中村梅雀
知ってる!もう一大イリュージョンを見てるようでビックリした。
鈴木亮平
暗闇の中を光る太陽の船がカイロに向けて移動して、それをテレビで見てウワーっ!って。
クフ王の時代ですから、4500年ほど前のものが残っているんですよ。ロマンがありますねぇ。
■最後にメッセージ
白石和彌監督
『孤狼の血 LEVEL2』は、みんなで一生懸命作った映画ですので、たくさんの人に見ていただきたいです。ご覧になったら人のエネルギー、元気が出る映画になってると思います。
心残りとしては、本当にお世話になった広島県呉市に行けないことなんですけど、コロナ禍が収まって、動員が100万人達成したら、なんとかみんなで凱旋して御礼を言いに行きたいなと思っています。ですので、皆さん、是非本作を応援していただけたらと思います。
松坂桃李
監督もおっしゃったように、本当にいろんな方々の力を借りて、いろんな方々の懐に暖められ続けて、なんとか作り出してきたこの作品。
ようやく、皆様にお渡しできる日が来ました。本当にすごく嬉しいですし、コロナ禍でなかなか難しいと言われてきましたけれども、何とか作ることができて、そのぶんとてもエネルギーにあふれた作品になっていると思いますので、皆さん是非そのエネルギーを、エンドロールの最後の最後まで見ていただいて、しっかりと受け取っていただきたいです。本当に2回目、3回目と見たくなるような内容になっております。それは見ればその理由がわかります。そういったことも含めまして他のまだ見てない方たちにその感想を伝えてもらえると幸いです。今日はありがとうございました。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
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映画『孤狼の血 LEVEL2』
STORY
舞台は前作から3年後。広島の裏社会を収めていた伝説の刑事・大上亡き後、その遺志を受け継いだ若き刑事・日岡秀一。権力を用い、暴力組織を取り仕切っていた日岡だったが、出所してきたたった一人の“悪魔”によって事態は急転していく・・・。原作シリーズでは描かれていない、完全オリジナルストーリーとして誕生!
原作:柚月裕子「孤狼の血」シリーズ(角川文庫/KADOKAWA) 企画協力:KADOKAWA
監督:白石和彌
企画・プロデュース:紀伊宗之
プロデューサー:天野和人 高橋大典
出演:松坂桃李 鈴木亮平 村上虹郎 西野七瀬 ・ 中村梅雀 ・ 斎藤 工 滝藤賢一 中村獅童 吉田鋼太郎
脚本:池上純哉 音楽:安川午朗
撮影:加藤航平 照明:川井稔 美術:今村力 録音:浦田和治
(C)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会
レイティング:R-15
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