松坂桃李＆鈴木亮平「最後のシーンは三日三晩かかった」豪華キャスト登壇、映画『孤狼の血 LEVEL2』完成披露プレミアイベント

2021年7月20日、都内にて、映画『孤狼の血 LEVEL2』完成披露プレミアイベント（孤狼祭＝コロフェス）が行われ、松坂桃李、鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、早乙女太一、斎藤工、滝藤賢一、中村獅童、吉田鋼太郎、白石和彌監督、柚月裕子(原作者)らが登壇。本作の撮影を振り返ると共に、方言バトルを行った。

この日のイベントは、先行上映される全国296館の劇場に大規模生中継。コロナ禍で全スタッフ・キャストがPCR検査を実施しながらの撮影を敢行、様々な困難を乗り越えて完成した本作に賭けた夏よりも“熱い”思いを、登壇者たちが余すところなく語り尽した。
そしてコロフェスの名の通り、本作で俳優デビューを飾ったoguriが所属するs**t kingzが『孤狼の血』テーマソングをバックにオリジナルダンスを披露した。

イベントレポート

■動画レポート

s**t kingzダンスパフォーマンス含むイベント動画（トークノーカット）【前編】

「たいぎいんじゃ選手権」を含む【後編】

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ケンドーコバヤシ（MC）
s**t kingzのメンバーのひとりであるoguri（小栗基裕）さんが、上林組の一員で本作でスクリーンデビュー。そのつながりで、孤狼の血コラボスペシャルダンスを先ほどを披露してくれました。

ケンドーコバヤシ
松坂さん、前作ではまだ大学出の雰囲気が残ってましたが、今回はぜんぜん違いましたね。演じられてみていかがでしたか？

松坂桃李（日岡秀一 役）
作中の設定では３年の月日が経ってるんですが、実際も３年経っているんです。なので、３年分の溜まっていた思いをぶつけました。
そしてこのライター（前作で、役所広司演じる大上から引き継いだもの）、ほんとにもらったんですよ。それから個人的にお守りのように持っています。
そうして温めたものを今回のLEVEL 2で全部ぶつけました。ようやく活かせることができました。

ケンドーコバヤシ
そして、日岡の宿敵上林を演じる鈴木さん。今作を試写会で観て、上林のあまりの非動さに正直ひいています。あいつやヤベエと。役、抜けてますよね？
本性、あんなところあるんじゃないですか？

鈴木亮平（上林成浩 役）
無きにしもあらずです（笑）

ケンドーコバヤシ
今回の役はいかがでしたか？

鈴木亮平
続編ということで、桃李くん演じる日岡をどうやって追い込んでいくか、ずっと攻めの芝居だったので、悪役としての醍醐味というか、ここまで攻める役は今までなかったほどです。

ケンドーコバヤシ
ほんと、怖かったです。知り合いにはしばらく広島に行くなって言ったくらいです。

鈴木亮平
広島県呉市で撮影してますけど、劇中は呉原市なので、ほんとうの呉市は素敵で最高の街でした。

ケンドーコバヤシ
広島出身のアンガールズに聞いたんですよ。そしたら、何十年か前まではそういうニュースが載ってましたって言ってましたよ。

ケンドーコバヤシ
村上さん、チンタを演じてましたが、まさに若さゆえの暴走。演じてみていかがでしたか？

村上虹郎（近田幸太／通称・チンタ 役）
周りの人たちがエネルギーが200％くらいあるので、みんなスーパーマン。僕はかろうじて常人なので、ついていくのがせいっぱいでした。
どっかしら自分の意志は出しているんですけど、それも日岡、上林から植え付けられている洗脳のようなところもありましたので。

ケンドーコバヤシ
チンタのお姉ちゃん役の西野さん、心配でしたよね？

西野七瀬（近田真緒 役）
はい。チンタは心配しかかけないので。

ケンドーコバヤシ
西野さんで驚いたのは、ちょっとやさぐれた髪型とメイクに挑戦するのは初めてなんじゃないですか？

西野七瀬
初めてでした。地毛をブリーチしました。
自分では見たことないなって、新鮮さを感じました。

ケンドーコバヤシ
松坂さんと接近するシーンもありましたが、松坂さん、どうでしたか？

松坂桃李
監督がノリノリでした（笑）

ケンドーコバヤシ
そして今回、極道側のキャラクターとして登場したのが斎藤さん、早乙女さん、そして吉田さん。まず、斎藤さん、いかがでしたか？

斎藤工（橘雄馬 役）
僕は前作のあとに松坂さんと違う仕事で一緒になって、オオカミからかわいいクマさんに変身していた時なんですけど、その時から松坂さんはそのライターをずっと持っていて、この続編にかける意気込みをヒシヒシと感じていました。
そして、上林さんがアベンジャーズに出てくるような、こんな悪役見たことないといレベルなので、日岡との二人のバトルは日本映画史に残るのは間違いないと思います。

ケンドーコバヤシ
そして早乙女さん、いかがでしたか？危ない空気を出している役でしたね？

早乙女太一（花田優 役）
前作を見てから、この作品に入ったので、あの怖い世界に自分が入るのかと思うととても緊張して怖かったですね。現場に行くのがほんとに怖かったです。
で、現場で撮影している時、撮影が無いのに鈴木さん見に来られる時があるんですよ。その時、ジャージにマスクで、広島のヤベーやつが撮影現場に絡みに来たんじゃないかとそれもすごい怖かったです。

ケンドーコバヤシ
そして吉田さん。こちらに入っている情報では、最初、役所広司さんの代役だと思ってらしたとか？

吉田鋼太郎（綿船陽三 役）
その話は忘れてください（笑）
あまりに興奮してね、前作で役所さん死んだから今度は俺が役所さんの代わりをやるのかって。

ケンドーコバヤシ
それはどういう？復活劇があると思ったんですか？

吉田鋼太郎
原作を読んでないにもほどがありますね（笑）
ちょっとなんだかわからない状態になってました。

ケンドーコバヤシ
撮影現場はいかがでしたか？

吉田鋼太郎
最初のシーンが、宇梶剛士さんと寺島進さんとで、ある意味、本物の方と一緒のシーン（笑）
そこでヒリヒリとした、これはほんものが始まったなと、気合いれなあかんなというところから始まりましたね。
そして、その次の日に松坂さんとお会いして、まぁ痩せてるのでビックリしました。
タフな役なのに、果たしてその減量は正しいのか？って思ったんですけど、スクリーンに映っているのを見れば、正しかったわけですね。

松坂桃李
いわゆる飢えた感じ、這いつくばっている狂犬みたいなものに繋がればいいなという感じでそうしました。

ケンドーコバヤシ
そして前作から出演している滝藤さん、中村さん。まずは滝藤さん、NEW日岡はいかがでしたか？

滝藤賢一（嵯峨大輔 役）
パート１でコテンパンでやられたのでこの日を待っていました。だから最初はどんな感情が自分の中にわくのかなとすごい楽しみだったんですけど、（実際松坂くんと会うと）初恋の人に会ったみたいな気持ちになっちゃったんんですよね。とても不思議な感覚でした。

ケンドーコバヤシ
そして中村さん、いかがでしたか？

中村獅童（新聞記者・高坂隆文 役）
今回、撮影初日が鈴木亮平さんと同じ場面だったんですけど、やっぱりすごく怖くて、ずっと足が震えてました。

鈴木亮平
やめてくださいよ！ぜんぜんそんなことなかったですよ（笑）生き生きしてましたよ。

ケンドーコバヤシ
ですよね。（中村さんが）なんとなく嘘をついているのがわかりました（笑）

中村獅童
松坂桃李くんも痩せてすごく作り込んでいるなと思いました。
僕もこの作品の撮影の時から、17kgぐらい絞ったんですけど、誰も言ってくれないんですよね（笑）

松坂桃李
やっぱりヒゲの分量がすごいから（笑）

■企画「日岡VS上林 たいぎいんじゃ選手権」

※たいぎい・・・広島弁。めんどくさいの意味。

ケンドーコバヤシ
日岡のセリフに対して、自分の出身地や好きな言葉で言い返してもらいます。日岡チーム（松坂桃李、村上虹郎、西野七瀬、滝藤賢一、中村獅童）と上林チーム（鈴木亮平、斎藤工、早乙女太一、吉田鋼太郎）に分かれて勝負。私の独断で勝者を決めます！

中村獅童（日岡チーム）

日岡秀一（劇中音声）
「おどれら全員逮捕じゃ！」

中村獅童（東京都出身）
「なんや、じゃぁくさい！」

ケンドーコバヤシ
それはどこの言葉？

中村獅童
大阪っぽくやってみました。すみません。僕、こんなんじゃないんです。ほんとは。

斎藤工（上林チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

斎藤工（東京都出身）
「パディントンだよ♪」

ケンドーコバヤシ
何を言うとんじゃ？どないしたん？（笑）

斎藤工
いやいや、そっちのチームには西野さんがいらっしゃって可愛らしさがあって有利かなと。
こっちのチームに無いのは可愛らしさかなって思って。

村上虹郎（日岡チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

村上虹郎（東京都出身）
「あぁあ、ダル。」

ケンドーコバヤシ
冷めた少年でしたね。

早乙女太一（上林チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

早乙女太一（福岡県出身）
「なんゆーとか、殺っそ！きさぁ！！！」

早乙女太一
北九州方面はこう言うらしいです。僕は絶対に言わないですけど。

滝藤賢一（日岡チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

滝藤賢一（愛知県出身）
「デラえれぇーつっとんだろうが！たわげぇ！！」

鈴木亮平（上林チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

鈴木亮平（兵庫県出身）
「じゃぁかしいんじゃ！ボケェ！！」

松坂桃李
今のはちょっと上林が垣間見えましたね（笑）

鈴木亮平
（上林役を）思い出しましたね。

松坂桃李（日岡チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

松坂桃李（神奈川県出身）
「たいぎいんじゃボケェェ！！！」

松坂桃李
一度でいいから（上林のような）テンションで言ってみたかったんです（笑）

吉田鋼太郎（上林チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

吉田鋼太郎（東京都出身※大阪在住期間もあり）
「パパ♪ バリうっとい♪」

吉田鋼太郎
これ、家内によく言われるんです（笑）

鈴木亮平
そういうのをやってもらうためにトリに選んだんじゃないんですよ！（笑）

西野七瀬（日岡チーム）

日岡秀一
「おどれら全員逮捕じゃ！」

西野七瀬（大阪府出身）
「むっちゃめんどいわ。」

松坂桃李
言われたくないなぁ。言われたくないけど、M気質な感じとしては、ありがとうございます！ですね（笑）

ケンドーコバヤシ
そんなこと、今ここでカミングアウトしていいんですか？（笑）

ケンドーコバヤシ
さあ、両チーム出揃いましたということで。私が審査します。
勝者、松坂チーム！！！

鈴木亮平
何がいけなかったんですか？

ケンドーコバヤシ
約２名、反則技を使ったので。４名中、２名が反則したらこっちも勝たせるわけにはいきません。

鈴木亮平
反論がありません（笑）

■SNS質問コーナー

Q.松坂桃李さんへ。一番大変だったシーンは？

松坂桃李
亮平さんとのあるシーンが３日３晩かかったんです。１シーンで。
それは体力的にも精神的にもお互いヘロヘロになりながらも、血と汗といろんなものが出ながら３日間走り抜けました。

ケンドーコバヤシ
そのシーンは鈴木さんはいかがでしたか？

鈴木亮平
やり終えたあと、戦友感が芽生えたというか、役の上でもそうでしたけど、お互い、認めあった感がありましたね。
やりやった我々にしかわからないものが、日岡と上林にもあったんじゃないかなと思います。

ケンドーコバヤシ
そのシーンをずっと滝藤さんが見てたわけですね？

滝藤賢一
ぼく、スタンバってましたけど、２日間、撮影がなかったからですね。すごい熱量でしたよ。素晴らしかったです。

ケンドーコバヤシ
ガラスをつきやぶるシーンはどうだったんですか？

松坂桃李
手錠をしたままビルから飛び降りるシーンがあって、リハーサルを何度も重ねました。
ハーネスの装具を付けていたので、（鼠径部への）締め付けが強くて、終わったあとガニ股になりました（笑）

ケンドーコバヤシ
安全面はちゃんと考慮されているとはいえ、気を抜いたら大怪我をしかねないシーンですもんね。

松坂桃李
そうですね。白石監督が、突き破る感じでいってほしい！とリクエストあったので。

Q.鈴木さんへ。今回のような極悪人の役を演じるのは楽しかったですか？キツかったですか？

鈴木亮平
正直、キツイ部分の方が多かったですね。
やっぱり人の命をどうこうする以上、なかなかこっちも（心が）無事ではいられないというか削られていく部分があるので。
でもこの役を演じる責任があるのでしょうがないなと思って毎日やってましたね。

ケンドーコバヤシ
「人の命をどうこう」と言いましたけど、どうこうの仕方がこの映画は尋常じゃないですもんね。なんでこんなことができるんやろ、この人はって。

鈴木亮平
そうですね。なんでそんなことをするんだろと考え始めるとやっぱり、どんどん人間の負の部分を掘っていかなくちゃいけなくて、そうすると（心が）持っていかれるというのはありますね。
ただ、そんな時でも、上林メンバーがみんな明るかったので助かりましたね。。

Q.西野さんへ。劇中で、弟のチンタ（村上虹郎）の頭を引っ叩くシーンがありますが、何％の力加減でいきましたか？

村上虹郎
あれは完璧に150％くらいいきましたよね。（100を）超えてきてますよね。

西野七瀬
たぶん、200％くらいで（笑）一生懸命、自分の出せる力は全部そこに。
初めて人の頭を叩きました。

村上虹郎
いい音がしたんですよ。いただきました（笑）
（松坂さんと）Mっ気の師弟ということで（笑）

Q.村上さんへ。チンタが上林に思いっきり蹴られるシーンがありました。その衝撃はそうとうだったと思いますが、大丈夫でしたか？

村上虹郎
折れました（笑）

鈴木亮平
（今日のイベントは）ずっと僕のイメージをダウンさせようとしてません？
ああいうのは当てないとしょうがないんです。当てるもんです。でも、裸足でいっているので大丈夫です。

村上虹郎
そう言ってますけど、他のシーンでも顔を掴まれるシーンがあって、その時も力加減が違いますからね。首がイクかと思いました。

鈴木亮平
自分が思う力と他人が感じる力がけっこう違うみたいで（笑）
愛したいのに、握りつぶしてしまうみたいな（笑）
でも、蹴りで言うと、滝藤さんから僕が受けた蹴りは、僕史上、一番強かったです。

滝藤賢一
ちょっと待って！
あれは、鈴木さんが「来てくださいよ！来てくださいよ！ぜんぜん痛くともなんともないっすよ」って言うから、ったんですよ。思いっきりいきました。

鈴木亮平
Jリーガーのような蹴りでしたよ。確かに、僕はそう言いましたけど、まさかそこまでとは思ってなかったので、ちょっと息ができなかったですね。

■白石和彌監督、柚月裕子(原作者) 登場

ケンドーコバヤシ
今日のイベントをご覧になってていかがでしたか？

柚月裕子(原作者)
ものすごく楽しくて、『孤狼の血 LEVEL2』では、皆さんの怖い姿を拝見していたので、今日は楽しい雰囲気が新鮮で楽しかったです。

白石和彌監督
暴力的な映画ですが、僕は撮りながら楽しかったけど、ひいている人もいたんだなと（笑）

ケンドーコバヤシ
LEVEL2をご覧になっていかがでしたか？今回はオリジナルの物語となりますが。

柚月裕子(原作者)
オリジナルストーリーということで、拝見しました。前作は、見終わった時は腰が抜けていわゆる放心状態でした。今回のLEVEL2は、観終わった後に、拳を握りしめて「ウォー！！！」叫びだしたくなるような、それくらい、監督、役者の皆さん、スタッフの熱量がすごくて、それが映画を観ている間、ずっと身体の中を駆け巡っていたんです。それが観終わった後も抜けなくて興奮しました。

ケンドーコバヤシ
今作の見どころは？

白石和彌監督
前作の時は、みんなもっと暴れてくれという演出方法だったんですけど、今回は、みんなが勝手に暴れ倒したので、もうちょっと落ち着いていこうっていう感じだったんですよ。その熱量が画面にぜんぶつめこんでありますので、是非観てほしいです。

■最後にメッセージ

白石和彌監督
いよいよ『孤狼の血 LEVEL2』の公開が近づいてまいりました。これだけの俳優の熱い熱量と、一流の映画人たちの技術を注ぎ込んだ、近年まれに見るスーパーエンタテインメントだと思って作りました。是非、多くの人に観ていただきたいです。

松坂桃李
観終わった後に、無条件に元気をもらったという作品は、なかなか日本では最近はなかったかなと個人的には思っています。
今回の『孤狼の血 LEVEL2』は、観終わった後に、すごいエネルギーをもらえる作品になっていると思います。この作品を是非観ていただいて、たくさんの元気をもらってください。

■フォトギャラリー

[写真・記事：桜小路順]

映画『孤狼の血　LEVEL2』

STORY
舞台は前作から3年後。広島の裏社会を収めていた伝説の刑事・大上亡き後、その遺志を受け継いだ若き刑事・日岡秀一。権力を用い、暴力組織を取り仕切っていた日岡だったが、出所してきたたった一人の“悪魔”によって事態は急転していく・・・。原作シリーズでは描かれていない、完全オリジナルストーリーとして誕生！

原作：柚月裕子「孤狼の血」シリーズ（角川文庫／KADOKAWA）　企画協力：KADOKAWA
監督：白石和彌
企画・プロデュース：紀伊宗之
プロデューサー：天野和人　高橋大典
出演：松坂桃李　 鈴木亮平 　村上虹郎　西野七瀬　・　中村梅雀　・　斎藤 工　滝藤賢一　中村獅童　吉田鋼太郎
脚本：池上純哉　音楽：安川午朗
撮影：加藤航平　照明：川井稔　美術：今村力　録音：浦田和治
(C)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会
レイティング：Ｒ－１５

８月２０日（金）全国公開