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津田寛治、カンヌ国際映画祭にて日仏の映画製作環境の違いについて語る。映画『ONODA(原題)』【現地レポート】

遠藤雄弥、津田寛治らが出演する国際共同製作映画『ONODA(原題)』の第74回カンヌ国際映画祭現地レポートをお届けする。

実在の人物である小野田寛郎(おのだ ひろお)旧陸軍少尉が、太平洋戦争の終わりを迎えた後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて約30年間の孤独な日々を過ごした実話を元に描かれた長編映画『ONODA(原題)』が第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でのオープニング作品として、現地時間7/7(水)にワールドプレミア上映、そして、現地時間7/8(木)に公式記者会見が行われた。

ワールドプレミア上映レポート

ドビッシーという約1000人を収容する上映会場前にはアルチュール・アラリ監督はじめ製作スタッフが華やかなレッドカーペットに登壇、日本からは唯一の出演俳優・森岡龍(33)がスケジュールの都合で現地入りできなかった主演の遠藤雄弥の顔面をつけて参加した。

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本編は、ほぼ日本語でのセリフで、フランスで出版された小野田少尉の自伝「ONODA 30 ans seul en guerre(原題)」(Bernard Cendoron 著)を原案に映画化。
日本人キャストは全てオーディションにより選考、カンボジアのジャングルで2018年12月から翌年2019年3月まで撮影。当時を彷彿とさせる緊張感あふれる壮絶なシーンの合間に、浮世離れした“小野田さん”の全てをさらけ出したシーンでは会場から笑い声も漏れるなど、単なる小野田という男の史実ではない、人間の生きる意味を問いかける作品に昇華されていた。

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上映終了後、約15分にも及ぶスタンディング・オベーションが続き、アルチュール・アラリ監督は感無量、作品としても賞レースの最有力候補作という呼び声高く、好評な上映スタートを切ることができた。

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公式記者会見レポート

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今回、新型コロナウイルスの感染症対策のため、スケジュールが調整できずにカンヌ入り叶わなかった遠藤雄弥と津田寛治は、カンヌ国際映画祭での特例として(2018年のジャン=リュック・ゴダール以来、カンヌ国際映画祭としては2度目)、日本人としては初めてのリモートでの記者会見への参加となった。

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遠藤雄弥/津田寛治

日本人キャストは全てオーディションによる選考、カンボジアのジャングルで2018年12月から翌年2019年3月まで約4ヶ月の過酷な撮影状況を強いたアルチュール・アラリ監督が制作当時を回想すると、日本からどうしてもお伝えしたいことがある、と言って、日仏の映画の撮影現場の違いを熱く語った。
津田曰く「日本の映画界では、撮影が始まる前に資金が調達できずに撮影までいかない企画もあり、撮影が始まったとしても途中でお金がなくなって完成できないというような映画がたくさんあります。私がこの映画に参加した時に驚いたことは、フランスの映画の制作の現場が日本と大きく違うところは撮影の環境です。この作品の現場ではケータリングが出て、スタッフもキャストも同じ暖かい食事を一緒に食べるんです。なんと、彼らは撮影中も週休2日制なんです!そして、撮影現場に自分たちの子供や家族も連れてくるんです。最後には、彼らは2週間ごとに家族を交えて撮影現場でパーティ(みたいなもの)をしているんですよ。楽しいじゃないですか。(笑)日本もそういう映画の制作現場が増えたらいいなと思います。」と津田のユーモアを交えた意見には、会場のメディアからは思わず拍手も起こった。

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今回のリモートでの記者会見参加について、津田は「カンヌに来られたんだなと思えて、幸せな気持ち」と述べ、「画面越しですがスタッフに会えてうれしい」と遠藤さんが大喜び。
1人の記者からは「特に津田さんは、実在した小野田さんに容姿がそっくり」と賞賛され、各人の役創りについて質問されると、遠藤は「11キロ痩せて現場に行ったら、監督に痩せ過ぎと言われて。ピーナツバターや食パンを毎日食べて体型を調整した」ことを振り返り、津田は、実際に小野田さんの帰還を5歳の時に見ていたようで、「母から、戦争が終わったことを知らずにジャングルにいた人と言われた。本当にビックリした。
でも、今作で資料などを読み、あの高度経済成長期時代に大和魂を持って帰ってきたと知って感動した。だから誇りをなくさないように小野田さんを演じました」と熱弁、約1年かけて13キロの減量をして撮影に挑んでいたことを回顧した。
アラリ監督はフランス出身であり、なぜフランス人が小野田さんをテーマに日本人キャストで本作を手がけるようになったか、という製作理由を「彼(小野田さん)の揺るぎない信念に私は引き寄せられた」と述べた。

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遠藤雄弥/津田寛治

映画『ONODA(原題)』

出演:遠藤雄弥 津田寛治
仲野太賀 松浦祐也 千葉哲也 カトウシンスケ 井之脇海 足立智充 吉岡睦雄 嶋田久作
伊島空 森岡龍 諏訪敦彦 イッセー尾形
監督:アルチュール・アラリ
制作:bathysphere productions
配給:エレファントハウス
©2021映画『ONODA』フィルム・パートナーズ(CHIPANGU、朝日新聞社、ロウタス)
公式サイト:https://onoda-movie.com

2021年秋、全国公開決定!!

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©bathysphere

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