【井上祐貴×木下彩音インタビュー】初めて知った二人の共通点とは?映画『Bittersand』
井上祐貴(『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』)×萩原利久(「3年A組-今から皆さんは、人質です-」) ×木下彩音(『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』)という次世代の注目俳優の豪華共演で話題の本作。
撮影されたのは、2年前の2019年。井上祐貴がテレビドラマ初主演を果たした『ウルトラマンタイガ』の撮影が終わった3日後に本作の撮影に入ったという。そして井上と同じ事務所で、同じくウルトラマンシリーズに出演経験のある木下彩音。『Bittersand』で重要な関係性でもあるこの2人に、撮影当時のことを振り返っていただきつつ、パーソナルな部分についても話を伺った。
映画『Bittersand』は、6月25日(金)公開。
井上祐貴×木下彩音 インタビュー
■「面白い脚本だと思いました」
-本作は、長編映画初監督となる杉岡知哉によるオリジナル脚本で、宮川宗生プロデューサーが、映画を愛する方たちの想いに応えるために、クラウドファンティングなども通して、ひとつの形になった作品だと語られています。まず最初に、そういった本作のオファーを受け、脚本を読んだ時の最初の気持ちをお聞かせください。
井上祐貴(吉原暁人 役)
面白いと思いました。読めば読むほど、次のことを知りたくなりますし、張られた伏線がどんどん回収されていくのも、僕の好きな物語のひとつだからです。
ただ、高校生の時、18歳の時、25歳の社会人の時と、それぞれの時系列が同時進行に描かれていくので、そこを自分の頭の中で整理するのに少し時間がかかることはありました。でも、それを理解すればするほど、思うこと、感じることもたくさんありましたし、メッセージ性の強さも感じました。
木下彩音(石川絵莉子 役)
私も内容はすごく面白いと思いました。私も絵莉子の性格とかぶる部分もあり、脚本を読み進めながら、エンディングに向けて、2人の関係含めてどうなっていくんだろうとワクワクする気持ちもありました。
でも、今回初めてヒロインを演じさせていただくということで不安もありましたし、各時系列でのキャラクターとの年齢のギャップ、高校生の時から7年経った大人なんだって観ている人にしっかりわかってもらうよう、そのギャップをどう埋めたらいいのかを最初はすごく悩みました。
でも、撮影に入ってからは、勉強しながら楽しく撮影できたかなって思っています。
■監督と一緒に作品を作り上げていった
-本作の撮影期間は8日間。台本を一日に14、15ページ。時には20ページ進めたりと、けっこうハードだったと伺ってますが、杉岡監督と演出面ではどんなことを話されましたか?
木下彩音
杉岡監督ご自身が脚本を書かれているのもあり、こだわりはたくさんあると思うんですけど、でも私たちの意見も聞いてくださることも多くて。
「最初にどう思った?」っていう会話から始めて、そこから「何かこうした方がいいよ」とか、「次こうしてみようか」ってアドバイスをくださるので、監督と一緒に作品を作り上げていってるなっていうのを実感できる現場で、とても嬉しかったですし、私自身もそれに応えたいなと思って頑張ろうっていう気持ちは強くなっていきました。
井上祐貴
監督の中で、こういうシーンにしたいと、頭の中で絵があったと思いますが、それを僕がなかなかうまく体現できなかったりして悩んだこともありました。でも、今、木下さんも言ったように、一旦自分たちが思ったこととかを見てくださる。
そこからどんどんブラッシュアップしていく感じの現場だったので、本当に刺激的でした。「自分はこう考えたんですけど」っていうところから始まって、「こういうものを入れてみよう」、「はい、わかりました」という風に、一緒に作り上げていく感じがすごく楽しかったです。
■「新たな発見」「とても悩んだこと」
-井上さんは「この映画でたくさんのことを経験して、新たな発見があった」とコメントされていますが具体的に教えてください。
井上祐貴
たくさんありますが、自分の中で特に大きなものがひとつあって、暁人が自分の思いを絵莉子に伝えたいんだけど、素直に伝えたい言葉が出てこないというシーン。このシーンはとても苦戦したんです。感情が先に行き過ぎちゃってセリフを噛んじゃったり。
でも、その時監督から「今、噛んだけど、伝えたいこと、その感情がすごく見えていた。別に噛んでもいいと思うんだよね。」と言われて、何か言いたいことを言えないもどかしさや、その時の真の感覚っていうのは初めて味わったんです。
その感覚を今でも鮮明に覚えていて、これからもそれと似たようなシーンも山ほどあると思いますし、自分の中で一つ大きな経験になったと感じたと同時に、新しい発見でもありました。
-木下さんは、「お芝居の仕事を始めてからこんなに悩んだことはない」とコメントされてますが、どの点が大変でしたか?監督にも相談されたそうですが。
木下彩音
表情のことで、監督からたくさんご指摘いただいたし、相談もしました。
私は、たとえばビックリした時のお芝居で、眉毛や目のリアクションが大きいようで、今までそんなつもりはなかったんですけど、今回指摘されて初めて気づきました。
実際、映像で見てみると、顔の動作が大きすぎる。それが逆に良い時もあるんですけど、邪魔になってしまうことも多いことを学びました。眉毛が動きすぎて前に出過ぎたりしてしまうと、怒っているように見えてしまうとか。
そういう、顔の表情で演技しなければならないところですごく苦戦しました。
■今初めて知った2人の共通点とは?
-今の質問と回答は、お2人それぞれが監督と話された内容ですが、お二人の間では何か話し合ったことはありますか?
井上祐貴
2人ともウルトラマンシリーズに出演していて、ウルトラマンのことは話しました(笑)
撮影スケジュールがタイトすぎて、撮影中は、ゆっくりとお話する時間がなかったので、現場で2人で役を作っていくということはなかったですね。
なので、ウルトラマンの話をしたのは、クランクイン前の読み合わせとかでお会いした時です。
-お二人について調べると、ウルトラマン以外にも共通点があるようで。井上さんは水泳を5年やられていますし、木下さんも特技が水泳だとか。
井上祐貴
そうなんですか!?それは知らなかったです(笑)
木下彩音
私も知らなかった(笑)
-水泳は今でもされますか?
井上祐貴
コロナ禍のこういう時期なので、今はちょっと行けてないんですけど、以前は行ってました。体力作りのためにも。水泳は好きですし。
-井上さんは銭湯も好きなんですよね、やっぱりお水関係が好きなんでしょうか?(笑)
井上祐貴
水は好きですけど(笑)水が好きだから銭湯に行くとか、そういうわけじゃないです(笑)
木下彩音
面白い!
井上祐貴
今の時期はなかなか行けないですが、銭湯とプールはセットみたいなところはあります。プールに行って、銭湯にも行って帰るみたいな。
-やっぱり、水系が好きですね。
井上祐貴
ということは水が好きなんですね(笑)
-木下さんの休日の過ごし方はたとえば?
木下彩音
私もコロナの前は、プールに友だちと行ってましたし、私もすごい温泉が好きなんです。今、初めて知りましたけど、井上さんとの共通点が多いなって(笑)
家でも半身浴が好きでよくやりますし、あとは、岩盤浴やホットヨガにも休日に行ってリフレッシュしてます。汗をかくことがリフレッシュできて好きなんです。
アクティブに動くことも好きで、2年前くらいにサーフィンを始めまして、それもとても楽しくて。初めて波に乗れた時は嬉しくて、これから続けていきたいなって思いました。でもコロナ禍になっちゃって今はやれてないんですけど。
でも、もっともっと何かいろんなことアクティビティに挑戦していきたいなっていうのは日々思っています。
井上祐貴
じゃぁ水は?
木下彩音
水は私は好きなのかもしれない。サーフィンは水を味方にしなきゃいけないので。水と友だちにならないといけないですね。
水との友だちのなり方を教えてもらっていいですか?
井上祐貴
いやそれは僕が聞きたいです(笑)
■「大食いを見る仕事ってないかな?」
-今後、やってみたいことってありますか?
井上祐貴
ボルダリングをやりたいです。番組で少しやった時にとても楽しくて。
-井上さんが公式ファンクラブ内で開設された「いのうえ便り」についてご紹介ください。
井上祐貴
「いのうえ便り」は、リアルでオフ感のある自分を伝えられるコンテンツになればいいなと思って開設しました。
TwitterやInstagramなどのSNSもやってますが、どうしても告知ばかりになってしまったり、写真もちゃんと撮ってもらったものになりがちなので。
写真ばかりしか、見せるタイミングというか、見せられてないので、ちょっとした何か、オフ感やリアルな自分を大事にしていければいいなと。例えば自分が見た景色や作ったものなんかの写真も出して見て下さる方に楽しんで頂けたらと思っています。
-木下さんはやってみたいことは?
木下彩音
私は食べることが好きなので、大食いの人の動画を見るのが趣味で・・・
井上祐貴
大食い関連のお仕事をくださいって事ですか?
木下彩音
(笑)でもそれに近いかもしれない(笑)
大食いしている人を目の前で見たいです。そういう仕事ないかな?(笑)
キャスター的なスタンスで、食べているところ見るというお仕事。「隣の人が今、何枚食べています。」みたいな。
井上祐貴
食べてる人を見たいんですね?
木下彩音
そういう見る立場で何か参加できたらいいかなと思います(笑)
■エンドロールが終わる最後まで観て!
-最後に、本作品を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
井上祐貴
エンドロールの途中で席を立たないで、絶対に最後まで観てくださいという思いが強いです。
エンドロール後のところまで観ることによって、本当に全てが明かされます。もしエンドロールの途中で席を立ったらモヤモヤしたまま終わると思います。
そして、この『Bittersand』という作品は、どの世代の方にもどこか共感していただけるところがあると思います。その共感したところから、自分の経験と照らし合わせていただくことで、よりこの作品を楽しめて、そして考えさせられるところもあると思います。
言いたいことがあるのに、うまく伝えられなかったことがある方が、一歩踏み出して伝えようって思っていただけるととても嬉しいです。
僕は、暁人を演じることを通して、僕自身の背中を押される感覚になりましたが、それは初めての感覚でしたし、作品自体にそういうメッセージ性があるからだと思っています。ぜひ楽しみにしてください。
木下彩音
私も同じで、エンドロールが終わる最後までしっかり見届けてスッキリした状態になってほしいですし、その上でもう一度観ると、同じシーンでもまた違った感情や捉え方ができると思います。是非何度でも観てほしいです。
あと、同窓会でみんなが集まるシーンでは、人間性がむき出しになってぶつかり合っている状態なので、そこは見どころですし、自分だったらどういう行動をするかと、見つめ直すきっかけにもなったら嬉しいです。
たくさんの方に何回も観ていただいて、この『Bittersand』という作品の深みを知ってもらえたらなって思います。
■撮り下ろしフォトギャラリー
[メイク:松山麻由美/スタイリスト:AZUNA(木下彩音)/聞き手・写真:金田一元]
関連動画
映画『Bittersand』
INTRODUCTION
高校生活は、青春の輝かしき一頁。しかしすべての者が、そんな美しい記憶を持っているわけではない。何者かが黒板に描いたクラスの男女の爛れた相関図によって、誹謗中傷の的となり日常が暗転した、暁人と絵莉子。それから2人の時計は、止まったままだった。
7年後、運命的な再会をきっかけに、2人の想いを行き違わせた“黒板事件”の真実が、遂に明らかにされる時が来た…。
主人公の暁人役に井上祐貴、その悪友井葉役に萩原利久、ヒロイン絵莉子役には木下彩音。若手俳優陣が織り成すビターでミステリアスな物語を紡いだのは、本作が監督デビューとなる杉岡知哉。混迷に満ちた2021年を切り開く、“青春映画”の誕生です。
今回、バンド結成のニュースが業界内で大きな反響を呼んだ、きのこ帝国 Dr 西村“コン”結成の新バンド「add」が主題歌を提供するのも話題です。
STORY
吉原暁人25才、さえない日々を送るサラリーマン。ある日、高校時代に想いを寄せていた石川絵莉子と、思いがけない再会を果たす。
しかし彼女にとって、暁人を含めたその頃の思い出はすべて、忌まわしい“黒板事件”によって、拒絶すべき過去となっていた。
そして暁人も、その頃から自分が一歩も前に進めていないことに気付く。悪友・井葉の力を借り、暁人は自分のため、そして絵莉子のために、「記憶を塗り替える」企てを進めるが…。
出演:井上祐貴 萩原利久 木下彩音 小野花梨 溝口奈菜 遠藤史也 搗宮姫奈 ほか
監督:杉岡知哉
配給:ラビットハウス
(C)Bittersand 制作委員会
公式サイト:https://bittersand.net/
公式Twitter:@bittersand_eiga
6月25日(金)シネ・リーブル池袋、UPLINK 吉祥寺他、全国順次公開
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