【インタビュー】山時聡真「僕がYouTuberになったらやりたいこと」ドラマ『マルス-ゼロの革命-』

人気脚本家・武藤将吾の完全オリジナルで描かれるドラマ『マルス-ゼロの革命-』（テレビ朝日系列にて毎週火曜放送中／主演：道枝駿佑）。日本社会の腐った部分をぶっ壊す７人の高校生による動画集団“マルス”の一人、呉井賢成役を務める山時聡真に、本作への取り組みを聞いた。

山時聡真（さんとき そうま）プロフィール
2005年6月6日、東京都生まれ。これまでの出演作に、NHK連続テレビ小説『エール』、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、映画『約束のネバーランド』『ラーゲリより愛を込めて』などがある。
2023年公開、宮﨑駿監督の長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』で主人公の声を演じたことも大きな話題に。

山時聡真 インタビュー＆撮り下ろしフォト

■現実世界にリンクしている物語

‐武藤将吾（むとう しょうご）さんの脚本を読んだときの最初の印象は？

山時聡真（呉井賢成／くれい けんせい 役）
今の社会にある問題に対して訴えかけるものがあって、現実世界にリンクしているなと感じました。

‐“呉井賢成”というキャラクターについて、ご紹介ください。

山時聡真
賢成はクールで毒舌で、人を見下してしまうところがあるんですが、過去の失敗からひねくれた性格になってしまった。
でも、２、３話ぐらいからコミカルな部分や、情熱的な言動も出てきます。最初はイヤなやつに見えるんですけれど、だんだんいいやつにも見えてくる、不思議なキャラクターです。

‐山時さんと似ている点、違う点で言うといかがですか？

山時聡真
賢成って周りをよく見ているんですが、その点は僕も似ているかなと思います。僕も割と、周りを見るのが得意なんです。あと負けず嫌いなところも似ている。
違うなと思う点は、賢成のクールで毒舌なところですね。

‐そんな呉井賢成役を演じるにあたっての取り組みは？

山時聡真
２話以降は特に、表情豊かに感情を出して、暗い雰囲気になりすぎないようにしています。１話とはぜんぜんキャラが違うじゃんっていうぐらいに印象が変わってくるので、クールな中にも情熱も持っているというそのあたりのバランスと、等身大の18歳らしさを意識して演じています。

‐監督からはどんな演出がありましたか？

山時聡真
他のキャラクターがみんな濃いので、埋もれないようにと言われました。「賢成はただクールで暗いだけじゃなく情熱もある。君の強みは表情なんだから、メガネに負けないように、表情豊かに出してください」とも。

■自分でも笑ってしまうシーン

‐俳優さん自身も個性豊かな７人のマルスのメンバーですが、撮影現場の雰囲気はいかがですか？

山時聡真
笑いが絶えないです。例えば、二瓶久高（にへい くだか）役の井上祐貴（いのうえ ゆうき）さんは、現場でのお笑い担当と言われています（笑）
コミカルなシーンも多いので、みんなが肩を震わせて笑いを堪えながらお芝居をしているのも面白いですね。

‐同じ学園ものですが、昨年出演された『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』とはまた違いますか？

山時聡真
ぜんぜん違います。『最高の教師～』は学生生活という点で現実味がありますが、今回の『マルス-ゼロの革命-』では、ぶっ飛んだキャラクターが集まることで、世界を覆すことができるんじゃないかと視聴者の皆さんに思ってもらえるんじゃないかなと思います。

‐撮影中の印象的なエピソードがあれば教えてください。

山時聡真
僕、自分のお芝居で笑っちゃうことがあるんです。２話から賢成はゼロに憧れるようになりますが、「ゼロがカッコよくて真似したいんだけどなかなか真似できない」という葛藤もあります。なので、椅子の座り方から真似を始めたりして。こういうのは台本には書かれていなくて、シーンごとに監督とその場で相談して決めていっているんです。
例えば、ゼロが両手を大きく肘掛けに置いて、いわゆる王子様座りをするんですが、賢成もそれを、肘掛けが無い椅子にも関わらず真似してみたりとか。僕も自分で演じていて笑いそうになるんですが、そういう細かいところも注目して見ていただけたら面白いと思います。ゼロの仕草を次の話のどこかで、賢成が真似をしているかもしれません（笑）

■世界一怖いジェットコースターでもいけます！

‐第４話で呉井賢成（くれい けんせい）がネトゲを通して女の子と出会い、デートをするシーンがありますが、山時さんはゲームをしますか？

山時聡真
最近は「ゼルダの伝説」や「スプラトゥーン」をよくやっています。
撮影までの移動時間や空き時間にやることが多いです。

‐関連した質問ですが、山時さんがデートをするとしたらどこに行きたいですか？もちろん相手の好みにもよりますが。

山時聡真
僕はアトラクション系が好きなので、やっぱり遊園地に行きたいですね！

‐ジェットコースターも大丈夫ですか？

山時聡真
大丈夫です。

‐富士急ハイランドでも大丈夫そうですね。

山時聡真
はい。世界一怖いジェットコースターでもいけます！

■もしも、山時聡真がYouTuberになったら！？

‐マルスは動画集団ですが、山時さんがもしYouTuberになるとしたら、どんな動画コンテンツをやりたいですか？

山時聡真
「自分を磨くチャンネル」とか美容系のコンテンツが面白いかなと思っています。

‐美容についてはご自分でもいろいろ試されていますか？

山時聡真
はい。化粧水を変えてみたり、韓国から美容液を取り寄せたりしています。
一度、ポテンツァという小さな針を肌に刺すものにトライしてみたんですが、痛すぎて（笑）１周で終わると思ったら、４周ありますって言われて、終わったときは涙がいっぱい出てました。

‐ほかにYouTubeでやってみたいことはありますか？

山時聡真
同じ事務所の同世代のメンバーといろんな企画をやりたいなって思います。
「人狼ゲームをやってみた」とか、俳優仲間だからこそできるコンテンツをやってみたいです。

■ジブリ作品の影響力を思い知らされました。

‐昨年夏、アニメ映画『君たちはどう生きるか』が公開されて初めて、主演が山時さんであることがわかりましたが、そのときの周りの反応はいかがでしたか？

山時聡真
知人や友人からは「まさかジブリ作品に出演しているなんて」と驚かれました。そのときはドラマ『最高の教師～』の撮影中だったんですが、現場に行ったら「眞人が来た！」「公開初日に観たよ」って言われたり。スタッフの皆さんにも知れ渡っていて、１日でここまで広がるんだって、その影響力を思い知らされました。

‐『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿さんの高畑勲さんへの想いが込められた作品でもあります。宮崎駿さんの分身とも言える主演・眞人（まひと）役として出演できたことの想いは？

山時聡真
先日NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見て宮崎さんの想いを初めて知ったんです。演じているときは、眞人が宮崎さんのことだとは聞いていなかったので。なんとなく予想はしていたんですが、放送を見て「やっぱりそうだったんだ」って改めて答え合わせができた感じでした。
でも、事前にそのことを知らなくて良かったなと思いました。変に意識してしまうかもしれないので。

‐「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、山時さんの収録シーンが写っていましたが、収録はいかがでしたか？

山時聡真
あの映像からもわかるように緊張していました（笑）

‐声優のお仕事は初めてですか？

山時聡真
初めてです。ナレーションの経験はあるんですが、アフレコは初めてでした。

‐実写作品との違いで感じられたことは？

山時聡真
声だけでお芝居するのは難しいなと感じました。特に今回のアフレコは一人で淡々と収録していく方式だったので、会話のキャッチボールがなく、難しかったです。相手の言葉を想像しながら発信しなければならないので。
あとはごまかせないということ。映像のお芝居だと声以外に表情や身体の動きも合わせて表現ができますが、アフレコだとそれができないので。

‐先ほど「ゼロに憧れを持った賢成がゼロの真似をする」とお話いただきましたが、宮崎駿さんも若い頃、憧れの高畑勲さんの字を真似て書いてみたりしたそうで、なんだかそれとリンクするような気もしました。

山時聡真
なるほど。

■可愛らしくて高校生らしい面に注目！

‐最後に、ご自身の役どころ含めた、本ドラマの見どころをご紹介ください。

山時聡真
賢成は周りとちゃんと見ていて、主張していることも正しかったりします。
賢成はもちろん、マルスのメンバーひとりひとりに役割があって、それぞれの発言で場の空気も変わっていきます。誰の言葉でみんなの行動がどう変わっていくのか、メンバー同士の関係性などにも注目して観ていただけると、後々に繋がって、より面白くなると思います。
そして、毎話マルスの想いをしっかり受けて、考えてもらえたら嬉しいですね。自分が今生きている世の中にもこういうことが起こっているのかもしれないと想像して、大人の世界と子供の世界の境目がどこにあるのか？ということを考えてもらえると嬉しいです。

‐呉井賢成がメインとなる2月13日（火）放送の第４話の見どころは？

山時聡真
第４話では、賢成の可愛らしくて高校生らしい面も表に出てきますので、そこに是非注目してほしいです。

■撮り下ろしフォトギャラリー

[ヘアメイク：松田陵(Y’s C)／スタイリング：MASAYA(PLY)／写真・インタビュー：三平准太郎]

ドラマ『マルス-ゼロの革命-』

出演：道枝駿佑、板垣李光人、吉川愛、井上祐貴、横田真悠、山時聡真、菜葉菜、徳井健太（平成ノブシコブシ）・泉澤祐希、戸塚純貴、山口紗弥加、岩松了・江口洋介　ほか
脚本：武藤将吾
音楽：未知瑠
ゼネラルプロデューサー：中川慎子（テレビ朝日）
プロデューサー：田中真由子（テレビ朝日）、中沢晋（オフィスクレッシェンド）
監督：平川雄一朗、片山修　ほか
制作協力：オフィスクレッシェンド
制作著作：テレビ朝日
公式サイト：https://www.tv-asahi.co.jp/mars/
公式X：https://twitter.com/mars_tvasahi/

テレビ朝日系 毎週火曜21:00～21:54放送