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喜劇 愛妻物語

水川あさみ「濱田岳くんと監督が似てきてイライラする」最優秀女優賞&男優賞 第12回TAMA映画賞授賞式

11月29日、府中の森芸術劇場 どりーむホールにて、第30回映画祭TAMA CINEMA FORUMの第12回TAMA映画賞授賞式が行われた。その中から、『喜劇 愛妻物語』にて最優秀女優賞・水川あさみ、最優秀男優賞・濱田岳が喜びのコメント。
また本作で描かれる夫婦のモデルとなった足立紳監督と晃子夫人も舞台に駆けつけ、映画で描かれている妻による罵声がどこまで本当なのかを明かした。

最優秀女優賞 水川あさみ

水川あさみ

水川あさみ
この度このような栄えある素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しく思います。ありがとうございます。感激しています。
主演女優賞をいただいたのは、私は今回が初めてで、本当にもう飛び上がるほど嬉しかったです。
この『喜劇 愛妻物語』という作品のチカという役は、私の手元に来てくれた時に運命的なものを感じました。
絶対にこの役を私がやりたいと心から強く思ったんです。そんな役でこの賞をいただけたというのがとても嬉しいです。
(濱田)岳くんをはじめとする足立監督、そして監督の奥様、そして個性的なスタッフの方々、素晴らしい人達に囲まれて、作品が世に出ていって、この賞をいただけたので、一生忘れることのない思い出になりました。
そして、私と普段私を支えてくれているスタッフの二人、彼女たちと一緒にとれた賞だなとも思っているので、本当に感謝し、これからも映画に携わっていける役者でいられるよう、頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。

水川あさみ

水川あさみ

-今年、水川さんは公開作品が5本と、大活躍の一年だったと思いますが、次から次へとこなしていく中でどんな感じだったのでしょうか?

水川あさみ
まったく違う色味の役柄を演じさせてもらったなという印象です。
本当に今年は特に映画と深く関わりを持てた一年でした。

-『喜劇 愛妻物語』では、夫役の濱田岳さんのズケズケと言言いますが、でも心の中ではどこか夫を信じ、愛情を示すシーンというのがとても印象的です。水川さん自身はチカを演じていて、共感できる部分はありましたか?

水川あさみ
共感といいますか、濱田岳くんの横には、役のモデルとなる足立紳監督がいつもいるので、二人が並んだ顔を見てると自然と怒りがこみ上げてきてイライラするっていう状態でした(笑)

水川あさみ

-今後取り組みたい役柄として、自分のイメージに無い役に積極的に挑戦たいと書かれていますが、具体的な役柄のイメージを教えてください。

水川あさみ
どんな役でも自分がまだ出会ったことない役なら挑戦していきたいとはもちろん思いますが、何かこう、地を這うような人間味あふれる、そんな面白い役と出会えたらいいなと思います。

-最後に今後の抱負についてお聞かせください。

水川あさみ
役者をやっていく上で、もっともっと映画に深く携わっていける面白い人なっていけたらいいなと思います。今後も頑張りたいです。

水川あさみ

最優秀男優賞 濱田岳

濱田岳

濱田岳

濱田岳
いやぁ、なんともお恥ずかしいですね(笑)
はい本当にこのような賞をいただけて嬉しく思います。
監督をはじめ、我々とっても小さな家族のひと夏の思いが、世界を変えてしまうような渦を乗り越えて、9月11日に公開できたこと、それは本当に奇跡のようなことで、夢のような時間でした。
俳優をやっていて、こんなに幸せなことがあるんだなって素直に思える作品でした。あんな役だけど(笑)
それだけではそれだけでも十分だったのに、今回このような熱い思いのこもった映画祭に立たせていただけたこと、これもまた奇跡で、こんな夢のようなことが短期間に味わわせていただいていいのかな、この映画はすごいなと思います。
ただちょっと出来すぎなので、これは質の悪いドッキリかなんかですかね?
正直言うとこの僕のトロフィーだけ、ここから火を吹いて爆発するんじゃないかと思って(笑)
でも本当にこのような幸せな思いをさせていただいてありがとうございます。

濱田岳

-演じられた“豪太”役で、いちばん印象に残っているシーンは?

濱田岳
先ほど流れた予告編でも、お客様に伝わるとおり、一縷の望みを持って、水川さん演じるチカちゃんが愛のムチと言いますか、あのように日々罵声を浴びせますが、1ミリも響かない男なんですね。
なのでこれといって胸を張って何か皆様に自慢できるようなシーンはないんですけれども、僕の中で印象に残ってるのは、本編で全裸の状態で妻に子どもの前で怒鳴られるっていうシーンがありまして、そこでも心が折れないっていう、まるで響かない男をやりました。
そこはですね、もし気になるようでしたら観ていただいたら、皆様も笑っていただけるんじゃないかなと思います。

-『喜劇 愛妻物語』は最初の撮影から想像以上に水川あさみさんに迫力があって、大変驚かれたとか?

濱田岳
撮影入るまで自分のイメージで台本と向き合っているのは、あくまで机上の空論だなっていうことを、水川さんに教えていただきましたね。
「あれ、そんなに言う?思ったより言うじゃん!」みたいな。「僕、大丈夫かな、撮影期間中もつかな?」って思いました(笑)
奇跡的に“豪太”と僕の図太さがシンクロしてたみたいで、日に日に慣れていった感じですかね。

水川あさみ

-さぁ、ここで再び水川あさみさんに前に出てきていただきましょう!水川さん、どんな意気込みで夫婦のシーンに臨まれたのでしょうか?

水川あさみ
先ほどの話とかぶりますが、この岳くんの横に足立監督がいて、なんかだんだんと同じような顔に見えてくるんですね。
なので、意気込まなくてもいられました(笑)

水川あさみ

水川あさみ/濱田岳

濱田岳
僕は、ひたすら彼女の罵声にどう耐えるかという感じで。ボクシング用語で“スリッピングアウェー”って言うんですけど、当たってるように見せて当たってないギリギリの線でかわして生きていくっていう毎日でした。

水川あさみ
ですね。図太さが半端じゃなかったよね。

濱田岳
半端じゃなかった。

喜劇 愛妻物語

-さて、ここで、夫婦のモデルとなった本作の足立紳監督と、奥様の晃子さんが駆けつけてくださいました。

水川あさみ
やっぱり(監督と岳くんは)似てるよ。似てきたよ!(笑)

喜劇 愛妻物語

喜劇 愛妻物語

喜劇 愛妻物語

晃子夫人/足立紳監督/水川あさみ/濱田岳

 

-また水川さんに怒りがこみ上げてくるのではと怖いんですが(笑)、足立監督、おめでとうございます!奥様のことを小説、映画にされようと思われた経緯は?

足立紳監督
奥さんの悪口とか文句を友達や仕事仲間に話してて、そしたら「それけっこう面白いからシナリオにしてみたら?」って言われたのがきっかけです。
で、書き始めたら、けっこう気持ちが乗ってきて、とにかくこんなひどい奥さんがいるんだっていうことを世の中に知らしめてやろうと思って、ものすごい復讐心が湧いてきて、それが原動力になりました(笑)

喜劇 愛妻物語

足立紳監督/水川あさみ

-水川さんが演じた妻役の夫を圧倒するセリフがたくさんありますが、失礼ですが晃子さんは普段、監督にあのようなノリでおっしゃってるんでしょうか?

足立晃子
普段はもっとヒドイですね。濱田さんが演じた“豪太”の1000倍響かない夫なので、私がいくら怒っても響かないです(笑)

足立晃子

足立晃子夫人

-足立監督と晃子さんから見て、濱田岳さん、水川あさみさん夫婦はどうですか?

足立紳監督
素晴らしいと思いました。撮影しながらなんて素晴らしい夫婦なんだと思って見てました。
だけど、水川さんの罵声がたまにフラッシュバックすることがあって、頭痛になることはありました(笑)

喜劇 愛妻物語

-では最後に濱田さん、今後の抱負をお願いします。

濱田岳
徒然なるままに頑張っていこうと思います。
皆様にまた応援していただけるような、作品作りを頑張っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

喜劇 愛妻物語

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喜劇 愛妻物語

[写真:Ichigen Kaneda/記事:Jun Sakurakoji]

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